エツィオ・ボッソ
エツィオ・ボッソ(Ezio Bosso, 1971年[1]9月13日[2] - 2020年[3]5月14日[4][5])は、イタリアの作曲家、ピアノ奏者、コントラバス奏者、指揮者。[6]
トリノ出身。[7]ピアノ奏者であった大叔母の影響で幼少期より音楽に親しみ、[6]4歳の頃からその大叔母の許で[8]音楽を学び始める。[9]地元の音楽院に進学してコントラバスを専攻し、在学中からスカ・バンド「スタトゥート」のベーシストを務めていた[10]が、音楽院では教師との折り合いが悪く[11]中退し、バンドからも脱退している。[12]作曲は12歳の頃から行っていた。[13]16歳の時にフランスでピアノ奏者として活動を始めたが、その後ウィーンでルートヴィヒ・シュトライヒャーに出会い、ウィーン音楽芸術大学でシュトライヒャーにコントラバス、エドガー・エステルライヒャーに指揮法を学び、クロード・ヴィヴィエに作曲を師事した。[14]また、セルジュ・チェリビダッケから指揮のレッスンも受け、[3]1991年にはヨーロッパ室内管弦楽団にコントラバス奏者として参加してクラウディオ・アバドの知己を得た。[15]2005年にはブクサス・コンソートを組織し、またニューヨークでフィリップ・グラスと出会い、彼のスタジオに招待されて、様々なアーティストと仕事をする機会を得た。2010年にはトリノ王立劇場で自作の交響曲第1番《オーシャンズ》を指揮して好評を博し、ジェノヴァのフェリーチェ座におけるブライアン・グリーンの児童書を基にしたグラスの《時の果てのイカロス》のイタリア初演の指揮も任された。2011年からロンドン・ストリングスの首席指揮者兼芸術監督となった[16]が、この年に脳腫瘍の手術を受けて以降、[17]筋萎縮性側索硬化症に似た神経変性疾患に悩まされるようになった。[18]しかし、音楽活動は続け、2016年にはソニー・クラシカル・レーベルの専属アーティストとなり、フェニーチェ座でのコンサートを成功させてボローニャ市立劇場の首席客演指揮者に任じられた。[19]2017年からアバドの娘アレッサンドラの立ち上げた社会開発団体「モーツァルト14」[20]の証人兼国際大使[21][22]を務め、ストラディヴァリ・フェスティヴァル室内管弦楽団を立ち上げた。[23] 2017年から翌年までトリエステはジュゼッペ・ヴェルディ劇場の芸術監督を務めた。[24]2018年にはスタインウェイ・アーティストとなった。[25][26]2019年には「モーツァルト14」の主催により、ボッソがストラディヴァリ・フェスティヴァル室内管弦楽団を中核としてアバドに恩のあるイタリア内外の演奏家たちに声をかけて「グラツィエ・クラウディオ」と題したコンサートを開催したのを切っ掛けとしてヨーロッパ・フィルハーモニー管弦楽団を組織した[27]が、同年秋頃には病の亢進によりピアノ演奏から撤退した。[17]2019年6月にはローマから名誉市民の称号を贈られた。[28]
脚注[編集]
- ↑ “Classical music news - May 2020 Obituaries. Our summary of those the classical music world has lost this month”. 2023年5月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月8日閲覧。
- ↑ “Ezio Bosso, chi era il compositore: moglie, figlia, malattia e il film “Ezio Bosso: Le Cose che Restano””. La Notizia. (2022年5月19日). オリジナルの2023年5月7日時点におけるアーカイブ。 2023年5月7日閲覧。)
- ↑ 3.0 3.1 Kolbe, Corina (2020年5月16日). “Fare musica per migliorare se stessi e gli altri”. Il Deutsch Italia. オリジナルの2023年5月8日時点におけるアーカイブ。 2023年5月8日閲覧。
- ↑ “Concerto per Ezio Bosso | Waves and Hope”. Bologna Città della Musica. (2022年5月15日). オリジナルの2023年5月8日時点におけるアーカイブ。 2023年5月8日閲覧。
- ↑ 5月15日を命日とする資料もある。(“Ezio Bosso (1971-2020) - Sydney Dance Company”. 2023年5月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月8日閲覧。)
- ↑ 6.0 6.1 Manin, Giuseppina (2022年5月15日). “È morto Ezio Bosso, il maestro che sapeva commuovere. Aveva 48 anni”. Corriere della Sera. オリジナルの2023年5月7日時点におけるアーカイブ。 2023年5月7日閲覧。
- ↑ Manca, Mario (2016年2月11日). “Morto Ezio Bosso, il pianista che ci ha fatto scoprire che la musica ci salva la vita”. Vanity Fair. オリジナルの2023年5月7日時点におけるアーカイブ。 2023年5月7日閲覧。
- ↑ Battisti, Cesare (2016年12月19日). “Ezio Bosso e Mauro Brunello al Teatro Toniolo: concerto annullato”. Venezia Today. オリジナルの2023年5月7日時点におけるアーカイブ。 2023年5月7日閲覧。
- ↑ “Ezio Bosso — People — Royal Opera House”. 2023年5月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月7日閲覧。
- ↑ “Statuto - Pagina 4 - Rockol”. 2023年5月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月7日閲覧。
- ↑ ボッソ自身によれば、11歳の時、音楽院で教師から虐待を受けていたが、そこを通りかかったジョン・ケージに救われたという。(“Ezio Bosso è ancora un Mod. Leggi l’intervista”. Rolling Stone. (2016年5月31日). オリジナルの2023年5月7日時点におけるアーカイブ。 2023年5月7日閲覧。)
- ↑ Tomelli, Mauro (2020年5月27日). “Oskar: «Vi racconto di quando Ezio Bosso era un mod e suonava con gli Statuto»”. Vanity Fair. オリジナルの2023年5月7日時点におけるアーカイブ。 2023年5月7日閲覧。
- ↑ Nucini, Silvia (2016年2月11日). “L'intervista di Vanity Fair a Ezio Bosso: «Ogni nota che suono»”. Vanity Fair. オリジナルの2023年5月7日時点におけるアーカイブ。 2023年5月7日閲覧。
- ↑ “Ezio Bosso - GetSongKEY”. 2023年5月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月8日閲覧。
- ↑ Manin, Giuseppina (2016年2月11日). “Ezio Bosso: «Un’orchestra per Abbado con cinquanta musicisti»”. Corriere.it. オリジナルの2020年5月16日時点におけるアーカイブ。 2020年5月16日閲覧。
- ↑ “Accademia delle Arti e delle Scienze Filosofiche”. 2023年5月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月8日閲覧。
- ↑ 17.0 17.1 “訃報 〓 エツィオ・ボッソ(48)イタリアのピアニスト、作曲家、指揮者”. 月刊音楽祭. (2020年5月15日). オリジナルの2020年3月4日時点におけるアーカイブ。 2020年3月4日閲覧。
- ↑ “Ensemble. A Portrait in Courage. Giuseppe Pennisi celebrates Christmas with Ezio Bosso and the Accademia Nazionale di Santa Cecilia”. 2023年5月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月8日閲覧。
- ↑ “Ezio BossoFestival Stradivari 2022”. 2023年5月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月8日閲覧。
- ↑ 2021年に財政難により解散している。(Baccolini, Luca (2021年5月28日). “Il Covid spegne la musica di Mozart14, l'associazione di Abbado”. La Repubblica. オリジナルの2023年5月8日時点におけるアーカイブ。 2023年5月8日閲覧。)
- ↑ “IL MILIONE – SUZZARA » Personaggi: Ezio Bosso”. 2023年5月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月8日閲覧。
- ↑ “EZIO BOSSO/ Alessandra Abbado: io ed Ezio, fratelli nella musica”. Ilsussidiario.net/. (2017年5月19日). オリジナルの2023年5月8日時点におけるアーカイブ。 2023年5月8日閲覧。
- ↑ “チャイコフスキー:弦楽セレナード、ケージ:4分33秒、バッハ、他 エツィオ・ボッソ&ストラディヴァリ・フェスティヴァル室内管弦楽団 | HMV&BOOKS online - 19075866262”. 2023年5月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月8日閲覧。
- ↑ “Addio Ezio Bosso, il genio della musica che a Trieste sognava di vivere il mare”. Il Piccolo. (2020年5月16日). オリジナルの2023年5月8日時点におけるアーカイブ。 2023年5月8日閲覧。
- ↑ “Ezio Bosso - David Dawson choreographer”. 2023年5月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月8日閲覧。
- ↑ “Ezio Bosso - Steinway & Sons”. 2023年5月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月8日閲覧。
- ↑ “Europe Philharmonic Orchestra”. 2023年5月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月8日閲覧。
- ↑ “Ezio Bosso è morto il 14 maggio, il musicista cittadino onorario di Roma incantò la città”. 2023年5月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月8日閲覧。
- ↑ “Ezio Bosso: causa morte, malattia, moglie e figli del musicista”. 2023年5月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月7日閲覧。
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