ゲオルク・クーレンカンプ
ゲオルク・クーレンカンプ（Georg Kulenkampff, 1898年1月23日[1] - 1948年10月4日[2]）は、ドイツのヴァイオリン奏者。[3][4][5]
ブレーメンの公証人のユリウス・ヘルマン・クーレンカンプ＝ポスト[6]の家に、アルヴィン・ゲオルク・クーレンカンプ＝ポスト(Alwin Georg Kulenkampff-Post)[7]として生まれる。幼少期から音楽に興味を示し、６歳の時にヴァイオリンを手に入れ、ブレーメン・フィルハーモニー管弦楽団のコンサートマスターのハンス・コルクマイヤーにヴァイオリンの手解きを受けた。1909年からブレーメン・フィルハーモニー管弦楽団の音楽監督となったエルンスト・ヴェンデルの薫陶を受け[8]、ドレスデンでレオポルト・アウアーの激励[9]を受けた。これに応じて、12歳の時には両親からストラディヴァリウスの名器を贈られ、1912年から1915年までベルリン高等音楽院でヴィリー・ヘスのクラスに入ってヴァイオリンの腕を磨いた。1916年には故郷に戻り、師のヴェンデルに招かれてブレーメン・フィルハーモニー管弦楽団のコンサートマスターを務めた。1917年にはヴェンデルの指揮するベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏会に出演して独奏者としてデビュー。1919年にブレーメンの職を離れ、ベルリンで活動するようになった。ベルリンではカール・フレッシュ、ブロニスワフ・フーベルマンやパブロ・カザルス等と親交を結び、特にフレッシュとの交流を通して自らの奏法を改良した。1923年から1943年までベルリン高等音楽院で教鞭を執ったが、1927年から1930年の間は教授職を返上して演奏活動に重きを置いた。また、1935年からはエトヴィン・フィッシャーとエンリコ・マイナルディとでピアノ三重奏団を結成したり、ヴィルヘルム・ケンプと共演したりして室内楽奏者としても活躍した。ナチス政権樹立後もベルリンで演奏活動を続け、その為にナチスの文化的宣伝に利用されることとなった。ただし、ナチス政権に盲従していたわけではなく、政権がユダヤ人の排斥・絶滅政策を採っていたにも関わらず、ユダヤ人作曲家のフェリックス・メンデルスゾーンのホ短調のヴァイオリン協奏曲を公然と演奏したり、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲のカデンツァにはフリッツ・クライスラー、ヨハネス・ブラームスのヴァイオリン協奏曲ではヨーゼフ・ヨアヒムといったユダヤ系ヴァイオリン奏者の作を用いたりしていた。1937年にはヨーゼフ・ゲッベルスの主導するロベルト・シューマンの遺作であったヴァイオリン協奏曲の初演で独奏を担当したが、演奏に当たっては政権側が批判の対象としていたパウル・ヒンデミットに改訂を依頼している。[10]1943年からスイスに移り[11]、1944年に没したフレッシュの後任としてルツェルン音楽院で後進の指導に当たった。
シャフハウゼンにて脊髄麻痺により[12]死去。[13][14][15]
脚注[編集]
- ↑ アーカイブ 2022年11月5日 - ウェイバックマシン
- ↑ Randel, Don Michael, ed (1996). The Harvard Biographical Dictionary of Music. Belknap Press of Harvard University Press. p. 472. モジュール:Citation/CS1/styles.cssページに内容がありません。ISBN 9780674372993
- ↑ アーカイブ 2022年2月23日 - ウェイバックマシン
- ↑ アーカイブ 2022年11月5日 - ウェイバックマシン
- ↑ アーカイブ 2022年11月5日 - ウェイバックマシン
- ↑ アーカイブ 2022年11月5日 - ウェイバックマシン
- ↑ アーカイブ 2022年11月6日 - ウェイバックマシン
- ↑ アーカイブ 2022年11月5日 - ウェイバックマシン
- ↑ アウアーに師事したとする資料もある。(Spruytenburg, Robert Richard Howe訳 (1996) (英語). The Lasalle Quartet: Conversations with Walter Levin. Boydell Press. p. 10. モジュール:Citation/CS1/styles.cssページに内容がありません。ISBN 9781843838357)
- ↑ アーカイブ 2022年11月5日 - ウェイバックマシン
- ↑ アーカイブ 2022年11月6日 - ウェイバックマシン
- ↑ アーカイブ 2022年11月5日 - ウェイバックマシン
- ↑ アーカイブ 2022年11月6日 - ウェイバックマシン
- ↑ パウル・ニーハンスによる細胞療法の施術を受けてウイルス感染を起こしたのを死因とする資料もある。(アーカイブ 2022年3月13日 - ウェイバックマシン)
- ↑ 亡くなる３日前には、高熱を出しながらシャフハウゼンでリサイタルを開いていた。(アーカイブ 2022年11月6日 - ウェイバックマシン)
 
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