エドワード・パワー・ビッグス
エドワード・パワー・ビッグス（Edward Power Biggs,[1] 1906年3月29日[2] - 1977年3月10日[3]）は、イギリス出身のオルガン奏者。[4]本名はエドワード・ジョージ・パワー・ビッグス(Edward George Power Biggs)で、親しい人たちからは「ビグシー」(Biggsy)と呼ばれていた。[5]
ウェストクリフ＝オン＝シーの出身。[6]７歳の頃からハーストピアポイント・カレッジの寄宿学校に入り、ピアノを学び、数学と科学で好成績を収めたが、1922年に退学し、一方でロンドンの電気工学の会社で見習いとして働くようになった。他方でジョン・スチュアート・アーチャー[7]の許でオルガンを学ぶようになり、1926年にロンドン王立音楽院に入学して1929年に卒業するまでジョージ・ドリントン・カニングハムにオルガンを師事。[8]音楽院在学中よりオルガン奏者およびピアノ奏者としてコンサートを行い、カーゾン・ストリートにあるクリスチャン・サイエンスの教会のオルガニストの職にも就いたが、その職のルーティンに嫌気がさしたことで解雇されている。[9]1930年にアメリカに渡り、1932年にマサチューセッツ州ケンブリッジのキリスト教会のオルガン奏者となった。[10]1937年にはアメリカ市民権を取得。[11]1957年には初めてヨーロッパへの演奏旅行を行い、ヨハン・ゼバスティアン・バッハ、ヤン・ピーテルスゾーン・スウェーリンク、ディートリヒ・ブクステフーデ、ヨハン・パッヘルベル等の作品を作曲者と所縁のある楽器で演奏・録音を行って以降、作曲された時代に合った楽器やレジストレーションを使って、当時の様式に忠実に演奏を理想として主張するようになった。[12]また、J.S.バッハの時代のオルガン奏者たちが自宅での練習用に使用したというペダル・チェンバロにも注目した。[13]
ボストンのディーコネス病院で死去。[14]
脚注[編集]
- ↑ 「エドワード・ビッグス」(Edward Biggs)では集客が望めないと考え、本名を略した「エドワード・G・P・ビッグス」(Edward G.P. Biggs)、「エドワード・パワー・ビッグス」や「パワー・ビッグス」(Power Biggs)等のステージ名を試用したが。1929年からヨハン・ゼバスティアン・バッハと同じような荘厳かつ親しみやすい名前として「E.パワー・ビッグス」(E. Power Biggs)の表記を用いるようになった。(Whitney, Craig W. (2003). “The invention of E. Power Biggs”. All The Stops. Public Affairs. p. 82. モジュール:Citation/CS1/styles.cssページに内容がありません。ISBN 9780786740253)
- ↑ Biggs, Peggy (2000). “BIOGRAPHICAL SKETCH”. In Biggs, E. Power. The Biggs Book of Organ Music. Alfred Music. p. 3. モジュール:Citation/CS1/styles.cssページに内容がありません。ISBN 9780769229904
- ↑ “E. Power Biggs | Classical Music, Baroque Music, Organist | Britannica”. 2023年9月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年9月14日閲覧。
- ↑ エドワード・パワー・ビッグス - Discogs
- ↑ アーカイブ 2023年9月14日 - ウェイバックマシン
- ↑ 競売人であった父クラレンスは既に結核を患っており、母アリス・モード・トレジェットは、クリスチャン・サイエンスの信者であり、父クラレンス・パワー・ビッグスに医学療法を施すことに否定的だった。1907年に、父の静養の為にワイト島に一家で移住したが、1909年に父親は死去している。(Whitney 2003, pp. 81-82)
- ↑ “Contrebombarde.com Concert hall”. 2023年9月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年9月14日閲覧。
- ↑ Whitney 2003, p. 82
- ↑ Whitney 2003, pp. 82-83
- ↑ “E. Power Biggs - Hollywood Walk of Fame”. 2023年9月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年9月14日閲覧。
- ↑ “Project MUSE - E. Power Biggs, Concert Organist”. 2023年9月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年9月14日閲覧。
- ↑ “About E. Power Biggs | The OHS”. 2023年9月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年9月14日閲覧。
- ↑ 谷戸, 基岩 (1997). “エドワード・パワー・ビッグス”. ピアニスト名盤300. 音楽之友社. p. 226. モジュール:Citation/CS1/styles.cssページに内容がありません。ISBN 9784276960435
- ↑ Ericson, Raymond (1977年3月12日). “E. Power Biggs, the Organist, Is Dead in Boston at 70”. オリジナルの2023年9月14日時点におけるアーカイブ。 2023年9月14日閲覧。
 
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