多国籍アイドルグループ
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多国籍アイドルグループ(たこくせきあいどるぐるーぷ)とは、一つのグループに対して外国国籍を有する者が一人以上いるグループの事を指す[1]。
多国籍化までの歴史[編集]
韓国[編集]
2010年代、韓国の芸能事務所、「SMエンターテインメント」が中国人メンバーを入れたグループ(EXO、SUPER JUNIOR、f(x)等)を誕生させたのをキッカケに中国市場へと広がりを見せた[2]。
その後、TWICEのモモ、サナ、ミナや、PENTAGONのユウトらを筆頭に様々なK-POPアイドルグループから日本人を輩出[3]。また中国や日本だけに留まらず、タイやオーストラリアなどからもK-POPアイドルを輩出。徐々に多国籍化が進んでいった。
日本[編集]
日本のアイドルが多国籍化してきたのは最近の話であり、多国籍化が進んでいる韓国の音楽市場と比べると少ない傾向にある。
多国籍グループであるアイドル[編集]
日本[編集]
- BUGVEL (2020) - 台湾人1人、日本人4人
- ORβIT (2020) - 韓国人3人、日本人4人
- INI (2021) - 中国人1人、日本人10人
韓国[編集]
※アルファベット順で表記
アーティスト | デビュー年 | 人数 | 該当メンバー | 所属事務所 |
---|---|---|---|---|
aespa | 2020 | 4人 | ニンニン(中国)、ジゼル(日本) | SMエンターテインメント |
Billlie | 2021 | 7人 | ツキ(日本)、ハルナ(日本) | MYSTIC STORY |
BLACKPINK | 2016 | 4人 | リサ(タイ)、ロゼ(オーストラリア) | YGエンターテインメント |
Black Swan | 2020 | 4人 | ファトゥ(ベルギー[注 1])、レア(ブラジル) | DR Music |
BLING BLING | 2020 | 6人 | アヤミ(日本)、マリン(日本) | MAJOR 9 |
BTOB | 2012 | 6人 | プニエル(アメリカ) | CUBEエンターテインメント |
Busters | 2017 | 5人 | セイラ(日本)、タカラ(日本) | MARBLING |
Cherry Bullet | 2019 | 7人 | メイ(日本)、レミ(日本) | FNCエンターテインメント |
Ciipher | 2021 | 7人 | ケイタ(日本) | RAIN COMPANY |
CRAVITY | 2020 | 9人 | アレン(アメリカ) | Starship エンターテインメント |
DKB | 2020 | 9人 | ユク(日本) | BRAVEエンターテインメント |
Dreamcatcher | 2017 | 7人 | ハンドン(中国) | DREAMCATCHER COMPANY |
DRIPPIN | 2020 | 7人 | アレックス(ドイツ) | Woolimエンターテインメント |
ENHYPEN | 2020 | 7人 | ニキ(日本) | BELIFT LAB |
EVERGLOW | 2019 | 6人 | イーロン(中国) | YUE HUAエンターテインメント |
FANATICS | 2019 | 8人 | ジアイ(台湾)、シカ(中国) | FENT |
GHOST9 | 2020 | 7人 | プリンス(タイ) | マル企画 |
(G)I-DLE | 2018 | 5人 | ウギ(中国)、シュファ(台湾)、ミンニ(タイ) | CUBE エンターテインメント |
GOT7 | 2014 | 7人 | マーク(アメリカ)、ジャクソン(香港)、ベンベン(タイ) | 無所属 |
GWSN | 2018 | 7人 | ミヤ(日本)、ソソ(台湾) | ASCENDIO エンターテインメント |
H1-KEY | 2022 | 4人 | シタラ(タイ) | GLG |
ILY:1 | 2022 | 6人 | ハナ(日本)、ロナ(台湾)、リリカ(日本) | FC ENM |
IN2IT | 2017 | 6人 | アイジェック(マレーシア) | 無所属 |
IVE | 2021 | 6人 | レイ(日本) | Starship エンターテインメント |
JBJ95 | 2018 | 2人 | ケンタ(日本) | STARROAD エンターテインメント |
JWiiver | 2022 | 7人 | シタ(マカオ)、ラオツ(中国) | Starweave エンターテインメント |
kep1er | 2022 | 9人 | シャオティン(中国)、ヒカル(日本)、マシロ(日本) | SWINGエンターテインメント |
LE SSERAFIM | 2022 | 6人 | サクラ(日本)、カズハ(日本) | SOURCE MUSIC |
LIGHTSUM | 2021 | 7人 | ヒナ(日本) | CUBE エンターテインメント |
LOONA | 2018 | 12人 | ビビ(香港) | Blockberry Creative |
MIRAE | 2021 | 7人 | リアン(日本) | DSP Media |
NATURE | 2018 | 9人 | オーロラ(中国)、ハル(日本) | nCH エンターテインメント |
NCT | 2016 | 23人 | マーク(カナダ)、ジャニ(アメリカ)、テン(タイ)、ユウタ(日本)、ショウタロウ(日本) ウィンウィン(中国)、チョンロ(中国)、クン(中国)、シャオジュン(中国)、ロンジュン(中国) ヤンヤン(台湾)、ヘンドリー(マカオ)、ルーカス(香港) |
SMエンターテインメント |
NINE.i | 2022 | 10人 | ウィニ(タイ) | FIRSTONEエンターテインメント |
ONF | 2017 | 6人 | ユー(日本) | WMエンターテインメント |
P1Harmony | 2020 | 6人 | ギホ(カナダ)、ソウル(日本) | FNCエンターテインメント |
PENTAGON | 2016 | 9人 | イェナン(中国)、ユウト(日本) | CUBEエンターテインメント |
Purple Kiss | 2021 | 7人 | ユキ(日本) | rbwエンターテインメント |
Rocket Punch | 2019 | 6人 | ジュリ(日本) | Woolimエンターテインメント |
SECRET NUMBER | 2020 | 6人 | ディタ(インドネシア)、レア(日本) | Vineエンターテインメント |
SEVENTEEN | 2015 | 13人 | ジョシュア(アメリカ)、ジュン(中国)、ディエイト(中国) | Pledisエンターテインメント |
Stray Kids | 2018 | 8人 | バンチャン(オーストラリア)、フィリックス(オーストラリア) | JYPエンターテインメント |
TEMPEST | 2022 | 7人 | ハンビン(ベトナム) | YUE HUAエンターテインメント |
THE BOYZ | 2017 | 11人 | ケビン(カナダ)、ジェイコブ(カナダ) | ISTエンターテインメント |
TOMORROW X TOGETHER | 2019 | 5人 | ヒュニンカイ(アメリカ) | BigHit Music |
TREASURE | 2020 | 12人 | アサヒ(日本)、ハルト(日本)、マシホ(日本) | YGエンターテインメント |
TRI.BE | 2021 | 7人 | キャリー(台湾)、ジア(台湾)、ミレ(日本) | TRエンターテインメント |
TWICE | 2015 | 9人 | ツウィ(台湾)、サナ(日本)、ミナ(日本)、モモ(日本) | JYPエンターテインメント |
VAV | 2015 | 7人 | ジェイコブ(中国) | A Team |
Woo!Ah! | 2020 | 5人 | ソラ(日本) | NV エンターテインメント |
WJSN | 2016 | 13人 | ソニ(中国)、ソンソ(中国)、ミギ(中国) | Starshipエンターテインメント YUEHUAエンターテインメント |
その他[編集]
- INTO1 (2021) - (中国人5人、日本人2人、アメリカ人2人、タイ人2人)
評価[編集]
多国籍アイドルグループにいる外国人メンバーは、外国人メンバーであるという点で注目を受けやすく、また該当する国からの関心及び認知度を受けやすく、言語的にも文化的にも親しみを持ちやすいと感じるのが多国籍グループが増えている理由の一つである[4]。
韓国のK-POP市場で最近は、東南アジア市場を狙い、最近ではBLACKPINKのリサや、(G)I-DLEのミンニ、NCTのテン、GOT7のベンベンなど、タイ出身のK-POPアイドルも増えてきている。西江大学東亜研究所のカン・ヒジョン教授は「タイは韓流に対する好感度も高く、自由主義の傾向も強く、日本文化の影響でアイドル文化にも馴染みがある方」とし「何よりイスラム教国家であるマレーシアやインドネシアとは違い、女性の芸能活動が自由だ」と説明をした[5]。
また、大衆文化評論家のキム・ジョンヒョン氏は多国籍アイドルグループの東アジアでの活動について「最近、中国で発生したBTSの不買運動から分かるように、この地域の民族主義的変数は依然として危険要素」とし「しかし、TWICEやIZ*ONEの成功をみると、次第に若年層を中心に政治と文化の分離の動きも明確になっているようだ」と話した[5]。
日本の韓国大衆文化ジャーナリストの古家正享氏は、K-POPの多国籍化に対して「クオリティの高いグループを作る事が背景にあり、韓国の市場規模は、日本に比べると1/10程度で、また日本では『冬のソナタ』をきっかけに韓国のエンターテインメントを受け入れやすい環境である為、日本での成功を足がかりに世界へ進出する事ができる」と語った[6]。
問題と議論[編集]
K-POP[編集]
中華圏での国問題[編集]
韓国で活動するにあたり、中華圏での騒動に巻き込まれるケースも存在している。TWICEの台湾人メンバーであるツウィは、韓国の番組にて台湾国旗を振ったことに対し批判が殺到。バッシングを受けて本人が謝罪をするまでになった[7]。
また2021年にMnet主催で開催されたkep1erを生み出したオーディション番組『Girls Planet 999』では、韓国中国日本の3カ国で各33人が参加した。その中でも中華圏からの参加者は、新疆綿支持や香港警察支持、抗米援朝等を個人SNS等で表明した参加者がいた為、その参加者に投票しない様にと一部視聴者がボイコットを起こす事態になってしまった[8]。
韓国との文化・マナー摩擦[編集]
母国と韓国間でのマナーの違いで議論が発生する場合も少なくない。代表的な事例としてEVERGLOWの中国人メンバー、イーロンが韓国式のお辞儀をしてステージ上から挨拶をせずに中国式の挨拶をした事が挙げられる[9]。
その他[編集]
韓国の芸能事務所が日本や中国で日本人のみや中国人のみのグループを作る事がよく見られるようになった。その事例としてSMエンターテインメントはNCTでデビューした中国人とタイ人の選抜メンバー7人で「Way V」として中国での活動を行い[10]、BigHit Japan、JYPエンターテインメント、FNC JapanそしてCJは、オーディション番組を通じて日本でデビューをさせた事が挙げられる[11][注 2]。
関連項目[編集]
脚注[編集]
注釈[編集]
出典[編集]
- ↑ http://reposit.sun.ac.jp/dspace/bitstream/10561/1235/1/v1p145_yoshimitsu.pdf
- ↑ “韓国芸能界があきらめられない「中国への執着」問題と「日本人メンバー必須時代」(文春オンライン)” (日本語). Yahoo!ニュース. 2022年4月22日閲覧。
- ↑ “K-POP日本人アイドルの先駆者・ユウトさん 「目指すは世界」” (日本語). 毎日新聞. 2022年4月22日閲覧。
- ↑ “다국적 아이돌 그룹 - 나무위키”. namu.wiki. 2022年4月22日閲覧。
- ↑ 5.0 5.1 “韓国市場は狭い…今は馴染みのあるK-POP多国籍ガールズグループ(2)” (日本語). 中央日報 - 韓国の最新ニュースを日本語でサービスします. 2022年4月22日閲覧。
- ↑ “TWICE、PENTAGON、SEVENTEEN……K-POPグループ“多国籍化”の背景は?” (日本語). Real Sound|リアルサウンド. 2022年4月22日閲覧。
- ↑ INC, SANKEI DIGITAL (2016年1月17日). “【台湾・総統選】韓国アイドルグループ「TWICE」の台湾出身ツウィに台湾の旗を振ったと批判殺到 中国での活動休止にビデオで謝罪 総統選への影響も” (日本語). 産経ニュース. 2022年4月22日閲覧。
- ↑ tenasia.hankyung.com, Digital (2021年9月20日). “'걸스플래닛', 중국의 홍색정풍과 계륵이 된 중국인 참가자 [TEN스타필드 | 텐아시아]” (朝鮮語). 텐아시아 연예뉴스. 2022年4月22日閲覧。
- ↑ “에버글로우 왕이런, 새해 인사로 큰절 대신 중국식 인사 건네” (朝鮮語). 세계일보 (2022年1月7日). 2022年4月22日閲覧。
- ↑ ““SMの新グループ”WayV、1月に中国でデビュー決定!メンバーが話題に(動画あり)”. Kstyle. 2022年4月22日閲覧。
- ↑ “케이팝 중국 아이돌 멤버 때문에 망해가는 상황! 쉽게 돈벌 생각에 진짜 위기” (朝鮮語). TRAVEL DIARY (2021年3月23日). 2022年4月22日閲覧。
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