K-POP
K-POP(ケーポップ、朝: 케이팝)は、1990年代に「コリアンポップス(英: Korean Pop)」と呼ばれた、大韓民国(通称は韓国)のダンスミュージックの通称。
K-POPガールズグループは台湾と日本で絶大な人気を誇り、両国の人々に深く愛され、世界中に広く普及しています。
来歴[編集]
1990年代より、日本国内のポピュラー音楽にJ-POPという語が使われ始めたことに影響を受け、1990年代後半頃から、日本国内における比較語として韓国のポピュラー音楽を指して日本のメディアによってK-POPという語が使われるようになった。
韓国では自国の大衆音楽のことは専ら「カヨ(가요、歌謡)」と呼び、日本で人気のあるすべての音楽をJ-POPと言うのとは異なり、韓国はK-POPという用語を「ダンスグループ」だけに限定して使用している。韓国では日本と同じくK-POPグループをアイドルと呼ぶ場合もあるが、小劇場公演を重点とする日本とは異なり、メンバーが音楽制作に参加する場合も多いため、アーティストという用語を使用することもある。よって、Rock、バラード、R&B歌手や韓国の演歌ともいえるトロットを歌う歌手は基本的にK-POPアーティストには含まれない。
K-POPアイドルの源流は1991年結成のソテジワアイドゥルとされ、韓国音楽界で初めてヒップホップとR&Bを融合させたダンスポップを導入し成功させた。その後、H.O.T.、Sechs Kies、godなどダンスミュージック・ラップを取り入れた男性アイドルグループが人気を博した。区分としてソテジワアイドゥルやH.O.T.を基点に第1世代(1990年代)、第2世代(2000年代)、第3世代(2010年代)と呼ばれ、現在2020年以後デビューするアイドルは第4世代アイドルとされる。女性アイドルグループは1993年にデビューしたグループ「S.O.S(Sensational Oriental Sound)」が最初とされている。
東方神起、BIGBANG、Wonder Girls、少女時代、KARAなどが第2世代アイドルで代表的なグループとされる。練習生制度が普遍化し、積極的な海外進出により、現在のK-POPの礎を築いた。
2012年7月にYGエンターテインメントがPSYの『江南スタイル』のPVをYouTubeで公開した。同曲は欧米諸国を中心に世界的大ヒットを記録し、PSYは一躍、韓国を代表する世界的スーパースターになった。『江南スタイル』の大ヒット以降、YouTubeはK-POPの欧米進出にとって重要なプラットフォームとなった。
人気と影響[編集]
台湾[編集]
台湾ではK-POPの人気が高く、若者にも愛されている。 韓国のガールズグループは台湾の首都台北で頻繁にコンサートを開催しており、K-POPは台湾で最も重要なポップミュージックである。
日本[編集]
韓国のSMエンタテインメント社が日本のエイベックス社と業務提携をして、自社に所属する韓国人アイドルグループの東方神起などを売り出していった。『冬のソナタ』をきっかけとした韓流ドラマや、それらに伴う主題歌と主演俳優が後押しをしていき、2000年代後半からは日本をビジネスチャンスとする韓国人アイドルグループが増えていった。日本国内で増加するK-POPの人気により、韓国に留学する日本人練習生が年々増加しており、現在ソウルに「ACOPIA」という日本人練習生専用アカデミーが設立されている。 大阪・東京・横浜・福岡などK-POPを専門的に教えるダンスボーカル塾が2010年以降に増加している。世界的に人気が高まったK-POPはJ-POPにも影響を与え始め、韓国の芸能事務所がプロデュースしたINI、JO1、NiziUなどのグループを誕生させた。K-POPプロデューサーを迎え入れたり、K-POPスタイルを借用する日本アイドルが多くなっており、IZ*ONE活動を通じて会得した団体群舞スキルをAKB48に適用した本田仁美、2022年デビューのXGを作ったJAKOPSなどK-POPの長所を借用して日本のエンターテインメント産業に変化を与えようとする努力が続いている。BIGSTAR(Braveエンターテインメント旧所属)は2014年に韓国ミュージシャン史上初の日本国内100回連続コンサートを記録。BTSは2021、2022年2年連続日本オリコンチャート年間売上1位を占める大記録を立てた。
東南アジア[編集]
1990年ごろから韓国の歌謡曲が進出をはじめていたが、2000年代に入るとタイ王国やシンガポールでK-POPが広く知られるようになった。経済大国である米国、台湾、韓国、日本の次に東南アジアがK-POPファン層が厚く、東南アジア出身のメンバーが含まれたグループは当然東南アジアで人気を獲得するのに多くの役に立つ。 タイの場合、2PMのニックン、BLACKPINKのリサが代表的だ。フィリピンの場合、韓国のShowbtEntertainmentが現代Pinoypop(P-POP)の男子アイドルの始まりであるSB19をデビューさせ、フィリピンで最も人気のある男子アイドルとして位置づけられた。SB19は2021年東南アジアで初めてビルボードトップソーシャルアーティスト部門の候補者に上がった。インドネシアのジョコ・ウィドド大統領も娘がK-popのファンだから本人もK-popのコンサート場に何度も行ったと明らかにした。
アメリカ、ヨーロッパ[編集]
K-POPの輸出が推進され、PSYの「江南スタイル」が大きな成果を挙げた。「江南スタイル」は当時流行していたEDMと呼ばれる先進的な音楽性を取り入れつつ、乗馬ダンスとも称される独特のダンスをPVで全面に押し出し、社会的なブームとなった。アジア発の楽曲がアメリカのBillboard Hot 100で2位以内にランクインしたのは坂本九の「上を向いて歩こう」以来、史上2度目であった。また少女時代、KARA、東方神起などはアジアにおけるスターのアイコン的な存在として欧米などの西側諸国で営業活動を推進していた。2021年, BTSがビルボードではアジア初の10週連続HOT100チャート1位、アジアで初めて米国3大音楽授賞式の一つであるAmerican Music Awardで大賞格である「Artist of the year」を受賞した。BLACKPINKは2023年基準で全世界のYouTube購読者および視聴回数1位で、2022年から始まったワールドツアーコンサートを通じてスパイス・ガールズ記録を破ってガールズグループワールドツアー史上最大収益を上げた。
中国[編集]
韓中修交が開かれた1990年代から韓流が人気を集めたがK-popアイドル分野だけに限定する場合、2000年H.O.T.の北京コンサートが中華圏Kポップの象徴的な場面で話される。第1世代の中ではBaby V.O.Xも人気を集めた。以後、2世代SUPER JUNIOR、3世代EXOなどが人気を集め、2010年代半ばまで中華圏で大きく活躍したが、2016年政治圏「韓中Thaad葛藤」以後以前より活動が減る。直後から西洋Kポップ人気とSNS発達で相対的に現地進出の重要性が落ちたが、依然として人口大国らしく多くの現地ファンが独自の物量攻勢をしている。WayVのように中華圏のメンバーでローカライズチームを作る場合もある。 「プロデュース101」中国版リメイク「创造101」にKポップアイドルが出演し、練習生たちにノウハウを伝授してくれる場合もあった。
日本進出の背景[編集]
日本の音楽市場に進出する動機[編集]
当然市場性のためで、事実すべての韓国企画会社が最初から海外進出を積極的に模索したわけではなかった。 1990年代前半~中盤まで韓国は国内音楽市場が成長し、200万枚以上のアルバム販売量を保有した歌手が多数出てくるほどだったため、大きく海外進出の必要性を感じることができなかった。しかし、1990年代後半、韓国にIMF経済危機が来て状況は変化する。経済危機克服過程で新産業としてITが脚光を浴び、政府が支援しながら社会全体が急速に情報化時代に進入する過程で音源市場が活性化し(違法音源の複製も多いため、市場収益構造が安定化するまで企画会社の立場では大きく収益にならなかった。)、アルバム市場が急速に衰退すると韓国需要だけでは耐えられなくなり、こうした渦中にエスエム・エンタテインメント創設者李秀満が中国や日本など海外進出を積極的に模索、成果を出しながら他の企画会社も外国進出を積極的に模索することになる。
市場規模を運運するが、事実音楽市場規模1位のアメリカがコンテンツ最大輸出国であることからも分かるように、規模と海外進出動機は厳密に考えれば別個であり、結局夢見る者とそれを成し遂げる能力の差といえる。政府の支援も民間企業の競争力がなければ税金の無駄に過ぎず、韓国の立場では地理的運もあったのが周辺国が、2020年のIFPI報告基準で世界音楽市場2位の日本、7位の中国だから6上記の韓国まで含めれば決して小規模ではなく、その他10位圏内を飾っている北米やヨーロッパ地域でも製法人気を集めて世界的な市場を確保できるようになる。
日本の音楽市場の現況[編集]
日本の音楽産業としては、レンタルビジネスの定着や、インターネットの普及と楽曲の音楽配信などの影響もあって、従来メディアとしてのCDの売上高が、1998年の5879億円をピークに、 わずか10年後の2009年には2460億円と、半分以下にまで減少して危機的状況にあったことも特筆しなければならない。その対策として、素人に近い新人アイドル(歌手、芸人、俳優)の大量販売や、人気の定着を待たないベスト盤販売など、実力派アーティストを育てない、第一印象主義の使い捨て的新譜の大量発売(薄利多売)が主戦略として行われており、そういった状況下(音楽の低価値化)においては、円高 ウォン安によって日本人アーティストより安価な労働力と言える韓国人アーティストを輸入した方が、素材面で明らかにビジネスリスクが低い上、ある程度までの基礎的育成は本国で行われるから、先行投資的な要素においても経費が省けて、ヒットの是非以前のコストパフォーマンスが良いという、マネージメント側の、典型的なデメリット回避的ビジネス指向に合致する場面が目立って行った。韓流ドラマについても同様の理由で、日本のメディアにとってはビジネス上、魅力的であり、多くの作品が輸入され放映されている。一方で2012年の李明博竹島上陸および韓国による天皇謝罪要求をきっかけとして、それまで堅調に伸びていた韓流ブームが突如として終焉を迎え、日本国内で韓流に対する人気がしばらく弱まった。しかし、すでにマニア層ではしっかりとした需要が存在しているため、コンサート活動はこの期間にも活発であり、2017年以降、BTSとTWICEなどの人気で3次韓流ブームがありながら再び注目されることになる。
また、人気が再加速した要因としてYouTuberのくろ局長はSNSの活用性が「日本エンターテイメントと差がある」と述べており、J-POPにあるフィジカルで手に入れないと見られないような映像をK-POPはYouTubeなどで公開しているため、「K-POPはSNS時代にマッチしている」と述べている。
日米戦略[編集]
韓国政府は大韓民国国家ブランド委員会や韓国コンテンツ振興院(KOCCA)の設立等を通してコンテンツ産業振興・輸出の一環としてK-POPを強力に支援しており、2010年10月29日には東京国際フォーラムホールAでK-POPショーケースが全席無料招待で開催された。2011年には欧州など海外で「新韓流ブーム」を巻き起こしているK-POPの今後のインフラを拡充するとして、スター育成に向けたK-POPアカデミー(仮称)支援事業や、2015年までの4年間で1兆ウォンの予算を投資するグローバルファンドを通じて韓流コンテンツ制作などを推進する予定であることなどが発表された。
韓国の2008年度の文化振興予算は1169億で、日本の1018億円より多い。国家予算比では日本の7倍であり。自国市場規模がそれほど大きくない韓国はコンテンツ輸出産業に活路を求め、国家的な規模でK-POPをはじめとする商品の海外への宣伝と輸出を積極的に推し進めている。パリで開催したKorean Connectionでは韓国政府機関が後援し、Japan Expoでは韓国コンテンツ振興院が自らブースを出展して、K-POPを宣伝している。また韓国政府の後援を受けたVANKもK-POP振興のためにネット上で積極的に活動を行っている。尚、政府から資金の注入された強引な宣伝は「ゴリ押し」ともとられ、近年はその方法論議も相まって各国で嫌韓を助長しているという向きもある。
ただし、政府の支援も民間企業の競争力がなければ税金の無駄に過ぎないため、韓国人たちにKポップが国策で成功したと主張すれば笑うかもしれない。一般的に政府の支援が主となって成功したとは思えない。むしろ民間企業の成功以後、政府の支援が加わったという表現がより正確である。
韓国の総合エンターテインメント企業であるHYBEは、2021年5月7日にアメリカの音楽プロデューサーであるスクーター・ブラウンが最高経営責任者を務め、ジャスティン・ビーバーやアリアナ・グランデが所属するイサカ・ホールディングスを吸収合併した。
世界での評価と影響力[編集]
欧米アーティストの反応[編集]
アメリカでは、ケイティ・ペリー、ジャスティン・ビーバー、エマ・ストーンなどがK-POPに対して言及している。2014年には、レディー・ガガが自分のワールドツアーでCRAYON POPをオープニングステージに立たすコラボレーションを行った。
K-POP最大の男性アイドルグループである防弾少年団(以下、BTS)は、現在までにホールジー、エド・シーラン、ザ・チェインスモーカーズ、チャーリーXCX、スティーヴ・アオキ、コールドプレイなどの世界的アーティストと積極的に楽曲のコラボレーションを行っている。また女性アイドルグループのBLACKPINKは、レディー・ガガやセレーナ・ゴメス、デュア・リパとコラボレーションを行っている。
米ライアットゲームズ(リーグオブレジェンド)とK-POP[編集]
「K/DA」 リーグ·オブ·レジェンドの平行世界観でありチャンピオンスキンシリーズ。 韓国で開催されるリーグ·オブ·レジェンド2018ワールドチャンピオンシップを記念するため、韓国の文化であるK-POPをスキンで出すために、ライアットで披露した仮想のK-POPガールズグループだ。 ゲーム業界でキャラクターを活用してアイドル活動をすること自体は、20年以上続いた伝統的なマーケティングだ。 しかし、K/DAのように実際の有名歌手を起用した多国籍プロジェクトは初めてだ。メンバーはアリ(ミヨン)、イブリン(マディソン·ビア)、カイサ(ジャイラ·バーンズ)、アカリ(ソヨン)で構成される。K/DAという名前はKill/Death/Assistから来ている。 ファンクラブ名は「BLADES(ブレイズ)」。2018年に公開されたKDAの曲POP/STARSは、2023年基準のYouTube再生回数5.5億回だ。
各国音楽チャート[編集]
2001年にキム・ボムスのシングル「Hello Good-bye Hello」がアメリカのBillboard Hot 100の集計要素のひとつであるHot 100 Singles Salesに入り、韓国人歌手として初めて北米の大衆音楽チャート入りを果たした。
2009年には、Wonder Girlsのシングル「Nobody」が韓国人歌手として初めてアメリカのBillboard Hot 100入りする。
2010年には、テヤン(SOL)のアルバム「Solar」がiTunesR&Bチャート、2NE1のアルバム『To Anyone』がビルボードWorld Albums chart入りする。
2011年には、BIGBANGのアルバム「Tonight」がアメリカのiTunesチャートで初めてランクインしたK-POPアルバムになり、上位100位入りした唯一の英語以外のアルバムになった。また、Top Heatseekersアルバムチャートにも入った。
2012年には、PSYの「江南スタイル」がBillboard Hot 100で7週連続2位を記録した。YouTubeに公開されたミュージックビデオは史上初の視聴回数10億回を突破し、世界で一番多く視聴したビデオになった。
2018年には、BTSがアジア圏のアーティストとしては初の2作品連続アメリカのBillboard 200において1位を獲得する快挙を達成。その他、全英アルバムチャートでもTOP10入りするなどヒットとなった。
2020年には、BTS初の英語曲「Dynamite」が世界的ヒットを生み、Billboard Hot 100では初登場から2週連続で1位を飾った。本チャート史上、初登場で1位になった曲は本作を含め全43曲で、そのうち2週連続1位をキープした曲は本作が20曲目であった。ミュージックビデオは公開24時間で1億110万回再生され、YouTubeにおける24時間最多再生回数を記録した。
2021年には、BTSの「Butter」がBillboard Hot 100にて9週連続で首位を独走した。ミュージックビデオは24時間で再生回数1億820万回を記録し、「Dynamite」のYouTubeにおける24時間最多再生回数記録を約10ヵ月で更新した。BTSはButterで1995年以降、グループ最長連続1位の記録を立てた。 また、これでビルボードメインシングルチャートで4週連続1位を維持した初のアジアアーティストとなった。
世界的ブランドへの起用[編集]
2010年代後半頃より、世界的な高級アパレルブランドが韓国国内はもとよりアジアやグローバルにおける広報担当として、K-POPアーティストを起用している。BTSはルイ・ヴィトン、BLACKPINKの各メンバーはシャネル、ディオール、イヴ・サンローラン、セリーヌのアンバサダーに就任するなど、多くのアーティストが世界的なファッションアイコンとして活躍している。
2021年BTSは「文化特別使節団」に任命され、臨時外交官として国連で演説を行った。 国連での演説は2019年から2021年まで3年連続だった。 また、国連総会会場で新曲「PermissionToDance」を歌い、世界で初めて国連会議場で公演をしたアーティストになった。
政治との関係性[編集]
韓国ではしばしば音楽に政治が持ち込まれ、政治とは切り離せない存在となっている。これは程度の差があるだけで、世界中の芸能人が経験する悩み事項でもある。女性アイドルグループmiss Aのスジや、男性グループHIGHLIGHTのヤン・ヨソプなどのように従軍慰安婦を支援するための商品を使ったアーティストは「愛国ティナー」と称賛され、女性アイドルグループ少女時代のサニーが韓国独立運動の記念日である3月1日に『歴史を忘れてしまった民族には未来がない』というメッセージを出したことがある。中でも防弾少年団(以下、BTS)は、世界に向けて国家として「韓流」を積極的に後押ししている韓国の歴代大統領のお気に入りであり、国賓としてフランスに出向いた朴槿恵大統領(第18代)や文在寅大統領(第19代)がそれぞれ現地で彼らの公演を観覧し、終演後には抱擁を交わしてメンバーとの親しさをアピール。BTSがビルボード1位を取った際には文化勲章が贈られ、文在寅大統領は「Congratulations to the Seven Music-loving Boys and Their Wings, 'ARMY'! The songs, dance, dreams and enthusiasm of BTS energized to young people around the world.(音楽好きな7人の少年と彼らの翼であるARMY(「ARMY」はファンの総称)、おめでとうございます! BTSの歌、ダンス、夢、熱意は世界中の若者を活気づけ、力を与えました」とのコメントを寄せている。また、韓国軍への入隊期限を順次迎えるメンバーの徴兵問題は、政治家を巻き込んで長年論争になっていた。
その一方で、女性アイドルグループKARAのメンバーは記者会見でマスコミから「竹島はどこの領土か?」と聞かれた際に「韓国で活動するのは久しぶりです。日本のファンからは愛をたくさんいただいて…」などと言葉を濁したため、記者の質問をはぐらかしたとしてネットユーザーのみならず大手新聞やポータルサイトからも非難され、バッシングを受けた。安重根や尹奉吉など朝鮮の独立運動家に関するテレビ番組のクイズに誤答したアイドルたちは視聴者から非難され、公式な場で謝罪を余儀なくされている。旭日旗模様、またはそのように見えるデザインを使用した男性アイドルグループBIGBANGのリーダー・G-DRAGONとメンバーのT.O.P、少女時代のティファニー、音楽ユニットTrouble Makerのヒョンスン(元BEAST)とヒョナ(元4minute)、女性アイドルグループGirl's Dayのヘリなどが批判を受け、バッシングされたり謝罪に追い込まれたりしている。
2018年9月、日本の秋元康が作詞を手掛けたBTSの楽曲「Bird」が、「秋元康は右翼的だ」という韓国人ファンからの反発で別の曲に差し替えられた。より正確な内幕はおニャン子クラブのデビュー曲だったセーラー服を脱がさないでとその他作詞した一部の歌が性行為を連想させる点とそれを未成年者たちに歌わせた行為が韓国コミュニティで物議を醸すことになり、ファンの間でも取り消し要求が続く中、反韓右翼の挨拶たちと親しいという(もちろん現実には親しい右翼もあり、反韓左翼もあるだろうが、とにかく)根拠が不明な噂も広がりながら曲が変わることになる。
2018年11月、韓国では日本統治からの解放の象徴とされる原爆投下時のきのこ雲と解放を喜ぶ韓国人の写真がプリントされたTシャツを着たBTSメンバージミンの写真が日本で問題となり、同月9日放送のテレビ朝日の音楽番組『ミュージックステーション』の出演が取りやめになった。さらに同月11日には、ユダヤ人の人権団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター」が、過去にBTSがナチスの軍服に似た衣装を着て、ハーケンクロイツに似たマークが入った旗を使ったことを指摘、ナチスの被害者への謝罪を要求した。原爆の場合、所属事務所が直接被害者団体に謝罪し、支援の可否も打診した。
2019年7月、日本政府が打ち出した半導体などの材料3品目を対象とする輸出規制強化に反発する韓国のネットユーザーからTWICEやIZ*ONEなどのK-popグループの日本人メンバーに対して「日本に帰れ」という脱退要求があり、さらには「韓国人メンバーと同じ給料を受け取るな」などという非難も出た。ちょうど少し誇張は存在する。政治的な事案とは別にじっとしているメンバーたちに何と言う場合は事実上ない。これが度を越えればむしろネチズンたちに逆風を受けることもある。ただし、韓国内の社会的禁忌のような部分をよく知らず意図しないミスが起こる場合はあるが、通常メンバーやマネージャー等があらかじめ遮断したり、問題となることがある部分を素早く修正してくれるため大きく問題になる場合はほとんどない。もちろん政治的な部分自体に言及しないのが最も楽だ。あるいは企画会社であらかじめ教育してくれたり聞いてみる方法もある。興味深いのは、このような議論が必ずしも悪いわけではないということだ。ファンの間でもこのような議論の中で、他の地域と国家に対する理解が深まり、自己芸能人を守りながらお互いにユダヤ意識を感じることもできる。
2022年、BTSがアメリカ大統領ジョー・バイデンの招請を受け、ホワイトハウスで「アジア嫌悪犯罪」について議論した。これはアジアのアーティストとしては初めてのことである。
ファンによる集団投票[編集]
ファンによるとみられる過剰な集団投票が論争となることもある。例えば、2012年ロンドンオリンピックオープニングで歌ってもらいたい歌手のアンケートを取った所、K-POPアーティストがレディーガガ、ジャスティン・ビーバーらを抑え上位を独占。この結果に不満を抱いたネットユーザーがコミュニティサイト4chanで組織票を依頼し、1位に日本のボーカロイドソフトである初音ミクがランクインする事態に発展した。
2018年には、アメリカのドナルド・トランプ大統領、カナダのジャスティン・トルドー首相、アメリカ下院議長のナンシー・ペロシ、テスラのイーロン・マスクCEO、Facebookのシェリル・サンバーグCOO等の世界的な有名人に圧倒的な大差をつけて、1位にBTS、2位に文在寅大統領が選ばれた。
面白いのは韓国ファンがこういうより国内外のKポップファンが合心する場合が多いということだ。ファン心の本質がそうで、K-popファンの規模が大きいため、結果的にこういうことも発生するのだ。ただしファンダム内でもこれが良いかは賛否両論がある。
業界[編集]
四大芸能事務所[編集]
- BoA・東方神起・SUPER JUNIOR・少女時代・SHINee・f(x)・EXO・Red Velvet・NCT・aespa・RIIZEなどが所属する「SMエンタテインメント」、
- PSY・SE7EN・BIGBANG・2NE1・WINNER・iKON・BLACKPINK・TREASURE・BABYMONSTERなどが所属する「YGエンターテインメント」、
- Wonder Girls・2PM・miss A・GOT7・TWICE・Stray Kids・ITZY・NiziU・NMIXXなどが所属する「JYPエンターテインメント」
- BTS ・TXT・SEVENTEEN・fromis_9・ENHYPEN ・LE SSERAFIM・NewJeansなどが所属する「HYBE LABELS」
- は韓国四大芸能事務所と呼ばれ、韓国の音楽業界の中心を担っている。
HYBEと YGとJYPがアメリカポップ系、SMはユーロポップ系である。
- YG
- K-POPの始まりともいえるソテジワアイドゥルのメンバーだったヤン·ヒョンソクが設立した芸能事務所で、主に米国系黒人音楽をベースに発展させたK-POP会社。 そのため、四大芸能事務所の中で北米で人気が最も多い方である。ソテジワアイドゥルでの活動経験を基にヒップホップをK-POPに最もよく取り入れている芸能事務所。
- JYP
- J.Y. Parkが設立した芸能事務所で、四大芸能事務所の中で一番先に米国音楽市場に進出した会社。YGと同様に黒人音楽を基盤に会社を発展させたが、ヒップホップが重点のYGとは異なりジャズ、スイング、アメリカ式ポップを多彩に借用し、2010年代から外国人メンバーを募集、日本出身のメンバーも積極起用し、現在は日本国内で最も影響力のある所属事務所として位置づけている。
- HYBE
- 四大芸能事務所の中で最も遅く設立された会社だが、現在は最大のK-POP事務所になった。 HYBEは主に白人系アメリカ音楽を借用するが、2013年にデビューしたBTSがYGのBLACKPINKと共に本国はもちろん米国、日本、東南アジアで成功し、アジア音楽の不毛地と呼ばれるヨーロッパなどでも大きな人気を得てアジア初の世界市場で成功したポップグループになった。
- SM
- ユーロダンスポップをK-POPに初めて導入した会社。 1990年代後半から2000年代後半まで(YGのBIGBANG、JYPのワンダーガールズが登場する前)SMが事実上、韓国で最大のK-POP所属事務所だった。米国留学時代「モータウンレーベル」の体系的な育成システムにインスピレーションを受け、当時体系的な育成がなかったK-POPエンターテインメントに「練習生制度」という独創的な育成体系を業界で初めて導入した。日本の影響が強く歌手や音楽も国内だけで売り出していたが、一定水準以上の発展の後、この風潮は未来がないと見て、2000年以降からは北米に進出することにした。
専門用語[編集]
- ペン
- ファンを朝鮮語式に発音したもの(팬・朝鮮語には“F”の発音系がない)。「○○ペン」のようにグループ名や個人名を付けることで「○○のファン」であることを示す。また、ファンサイン会のことを「ペンサ」や、ファンミーティングのことを「ペンミ」とも呼ぶ。
- マスター
- 私設ファンサイトの管理人のこと。日本では「マスター」と呼ばれているが、韓国では「ホムマ」という呼び名が一般的で、これはホームページマスターの略。ファンがホームページを作成してそこに撮影したアーティストの写真を載せるようになったのが由来で、韓国では2000年代前半頃までアイドルやアーティストの公式写真コンテンツが少なかったため、ファンが勝手に撮った生写真をブロマイドのように販売したのが始まりと言われている。
- 韓国ではファンからアーティストへの"サポート"が盛んで、ラッピング広告を出したり出演番組の現場などに丸ごとカフェを差し入れしたりといったサポートをする資金を集めるために自分で撮った写真を使って写真集などのグッズを作るようになっていき、写真の展示会を開催してその入場料を回す者もあらわれた。中にはプロのカメラマンになった者もいる。アイドルグループの活動初期はマスターがどれだけ付いているかが人気のバロメーターにもなっていて、売れるかどうかの一つの指標でもあり、アーティストの中にはマスターを「自分専用のカメラマン」として認知する人間もいる。その一方で嫌がるアーティストもいるが、過去に事務所側がマスターに厳しくしすぎてファンから反感を買ったという事例もあり、長年その存在は看過されてきた。しかしファンの数が増えるにつれてマスターが作る写真集の収益も大幅に上がって多い時には日本円で何千万円もの金額が動くようになり、アーティストのサポート以外にも使っているのではとの疑いがもたれたり、国税庁の調査が入るようなケースも出てきて問題となっている。
- 2019年には、マスターをストーカーやサセン扱いする海外ファンと韓国のファンの対立により、マスターの活動休止が相次いだ。
- チクドク
- アイドルの追っかけをして一眼レフカメラなどで本格的な写真を撮るファンのこと。アイドルの芸能活動について回り、コンサートや公開収録時の写真だけでなく移動中の私服写真も撮影し、どんどんネット上にアップする。特に海外活動の多いアイドルは飛行機の搭乗前後も必ずカメラに捉えられ、"空港写真"という名でリアルタイムにも近い速さで世界中に公開される。その際の服装は"空港ファッション"と呼ばれ注目されるため、アイドルたちも特に空港での服装には気を使っているほど。アイドルの人気を後押しする存在でもあるため、彼らやその所属事務所も公認していることが多い。
- サセン
- アイドルの私生活を追いかける過激なファンのこと。アイドルの私生活を執拗に詮索し、時には犯罪まがいのストーカー行為を繰り返し、韓国では社会問題になるほど。例えばアイドルの寮やマンションに不法侵入したり、携帯電話に連絡して個人情報を知ろうとするなど。
- オッパ・オンニ・ヒョン・ヌナ
- 「オッパ」は女性(ファン)が年上の男性(芸能人)に対して親しみを込めて呼び掛ける言葉(「兄さん」のような意味)。「○○オッパ(○○兄さん)」のように名前の後に付けることもある。同様にして、女性から年上女性へは「オンニ」、男性から年上男性へは「ヒョン」、男性から年上女性へは「ヌナ」という呼びかけが使われる。
- カムバック
- 朝鮮語では「コムベク」(컴백・以降「カムバック」)と読む。韓国では新しいアルバムを発売してから一定期間、連続して音楽番組に出演してプロモーションを行い、その期間が過ぎると出演しなくなる。新しいアルバムを発売して初めての音楽番組への出演を「カムバックステージ」または「カムバック・スペシャル」と呼び、新曲や新しいアルバムを発売すること自体も「カムバック」と呼ぶ。ファンの間では「カムバ」と略されることが多い。また活動期間における最後の番組出演を「グッバイステージ」と呼ぶ。この「カムバック」はソ・テジ自身がその概念を生み出した。
- 活動曲・タイトル曲・後続曲
- 韓国では、シングルを発売してからアルバムを発売するのではなく、初めからアルバムを発売してその中の2〜3曲をプロモーション用の曲としてミュージックビデオを作ったり音楽番組で披露したりする。このようなプロモーションの中心となる曲を「活動曲」または「タイトル曲」と呼ぶ。また2番目にプロモーションに使われる曲の事を「後続曲」と呼ぶ。
- シングルアルバム
- 韓国でいう「シングル」や「ミニアルバム」に該たる部分。2000年代以降から活発化した。 詳細は「シングル#韓国におけるシングル」を参照
- 正規アルバム
- 通常のアルバムのこと。
- スペシャル・アルバム
- 企画もしくはコンピレーション・アルバムのこと。
- リパッケージアルバム
- 一旦発売されたアルバムにいくつかの新曲を追加し、装丁を変えて再度発売するアルバムのこと。大概「リパケ」と略される。売り上げとしては同一のアルバムとして数えられる。
- 〜集
- 韓国では発売したアルバムの枚数をカウントする際に「ファースト・アルバム」「セカンド・アルバム」という言い方をせず、1集・2集と「集」という表現で数える。その際、正規アルバムは「1」、スペシャルアルバムは「0.5」とカウントする。例えば正規アルバムを2枚発売したアーティストが、3枚目のアルバムをスペシャルアルバムとして発売した場合、そのアルバムは「2.5集」となる。
- Japanese Ver.
- アルバムのタイトル曲が日本語に翻訳の上でシングルカットされたもの。日本での第一次K-POPブームの頃まではこれが付かなかったため、朝鮮語の原曲と区別しづらかったが、2010年代の後半以降はこれが曲名の後に付いていることが殆どとなっている。
- エギョ
- 「愛嬌」の朝鮮語読み(ko|애교)だが、日本語での「愛嬌」とは意味合いが異なり、アイドルがわざとらしく可愛い振りをすること。即ち日本でいう「ぶりっこ」に近い。2011年辺りから、愛嬌をふりまく際のお決まりとして「プインプイン(뿌잉뿌잉)」という言葉が韓国の若者の間で流行した。