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窪田哲学

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窪田 哲学(くぼた てつがく)はMXエンターテインメント株式会社社員[1]

経歴[編集]

東京都江東区福住1丁目在住。窪田は東京メトロポリタンテレビジョンから子会社のMXエンターテインメント株式会社へ出向し、司会の西部邁(評論家)が時事問題などについてゲストと討論する同局の番組『西部邁ゼミナール』のプロデューサー、ディレクターを務め、番組の編集も担当していた。窪田は西部の信頼が厚かったという[2][3][4][5][6]

西部邁の自殺との関わり[編集]

以前から西部は周囲に自殺をほのめかしていた。西部は「来年は必ず青酸カリピストル自殺します」、「生の最期を他人に弄り回されたくない」、「子供に迷惑がかからないように人生を終えたい」と語っていた[7][8][9]。2017年のうちに西部の知人の青山忠司(配管機器修理会社社員)と窪田は西部から依頼を受け、自殺の際に使う道具の購入や現場である東京都大田区田園調布5丁目の多摩川の下見などの準備をした。同年9月ごろから窪田はロープや懐中電灯を購入し始めた。このころに準備したロープは自殺時、西部の体と川岸の木を結ぶのに使われた。同年12月上旬ごろ、青山と窪田は現場までの道を下見した。また同月、2人は現場付近の下見もした[1][5][10]

2018年1月20日夜、西部は長女・智子と一緒に訪れていた東京・新宿のバーを出た後、午後11時50分ごろ、新宿御苑付近で智子に「これから人と会う」と言って智子を先に帰宅させ、行方不明となった。

智子と別れた直後、新宿区内を西部と窪田が一緒に歩いている姿が防犯カメラに写っていた。青山と窪田は自殺当日の21日に東京・新宿で西部と合流後、同日未明、現場付近まで青山が借りたレンタカーで移動し、体に工事現場などで使う安全帯やロープを装着させた上で多摩川に入水させて西部の自殺を幇助したとされる[1]

21日早朝、西部は多摩川の水中で見つかり、搬送先の病院で死亡が確認された。捜査関係者によると、西部の体には命綱のロープと安全帯が装着され、体に結ばれたロープの片方は川岸の木に結び付けられていた。西部の口の中にはフィルムケース大の瓶が入っており、中身は空だった。窪田は「粉末が入っていた」などと話した。河川敷には家族や窪田らに宛てた遺書が残されていた[3][11][12][6][13][1][14]

同日、窪田は新聞記者に次のように語った。「(2017年12月に発売された西部の“最期の書”と帯に記された著書『保守の真髄 老酔狂で語る文明の紊乱』を)読んでもらえれば、先生の死生観を理解してもらえる。…(西部先生は)50代の時から自分の生き方の結末を考えていた方で、最近は若者をとにかく励ますことを信条に、私たちともつい先週、朝まで飲んだばかりでした。娘さんや息子さんに迷惑がかからないように人生を終えることはいつもおっしゃってました[14]。」窪田は通夜や密葬にもずっと付き添い、同月下旬に予定されていた西部の「偲ぶ会」のとりまとめ役もしていた[4]

同年3月、窪田は「気遣いの人でした」などと西部への思いを語った。自殺数日前に会った酒場では、予感で涙ぐむ人がいる中で西部が「みんな、ありがとう」と話した、と窪田は述べた。窪田は西部について「人を励ます言葉に力があった。家族、特に夫婦の大切さを説いた」と振り返っていた[6][15]

同年4月5日夜、窪田は西部の自殺を手助けしたとして、自殺幇助容疑で警視庁捜査1課に逮捕された。このとき青山も同じ容疑で逮捕された[16]。調べに対し窪田は動機について「西部先生の死生観を尊重して力になりたいと思った」と供述した[17][18][6]。同日夜、西部と同居していた智子は「父が頼んだことなので、断ってくださったらよかった。〔青山と窪田の〕2人に申し訳ないことをした」と話した。智子によると、西部と窪田は普段から酒席をともにし、「父とは親しい間柄だった」という。智子は西部が2人に手助けを依頼していたことは聞かされていなかった。智子は「父は1人でやると思っていた」と述べた[2]木村三浩(民族派「一水会」代表)は「〔窪田は〕西部さんの死生観に共鳴していたのだろう」と話した[4]

窪田を擁護する声[編集]

  • 同年4月6日、智子は「〔青山と窪田は〕生前本当によくして下さった方々。父の自殺にお2人を巻き込んでしまい本当に申し訳ない」と語った[4]
  • 同日、青山と窪田が自殺幇助で逮捕されたことを受けて西田昌司(参議院議員)は「西部先生の死に際し巻き込まれた方がいて、ただただ悲しい」と述べた[19]
  • 同日、小林よしのり(漫画家)は「西部邁氏の自殺ほう助で2名が逮捕された。無粋な話だ。警察は見逃してやることが出来んのか? わしがまだ交際してたら手伝ったかもしれない。〔…〕安楽死が許可されればいいのに」と述べた[20]

脚注[編集]

  1. 1.0 1.1 1.2 1.3 西部邁さん自殺幇助「昨年、現場下見」周到に計画か 警視庁、MXテレビ子会社などを捜索」『産経新聞』2018年4月6日、2018年7月26日閲覧。
  2. 2.0 2.1 「2人に申し訳ない…」西部邁さん長女、にじむ後悔」『産経新聞』2018年4月6日、2018年7月25日閲覧。
  3. 3.0 3.1 西部邁さんの自殺を手助けした疑い、知人の2人を逮捕」『朝日新聞』2018年4月5日、2018年7月25日閲覧。
  4. 4.0 4.1 4.2 4.3 西部邁さんの長女「申し訳ない」 自殺幇助容疑の2人に」『朝日新聞』2018年4月6日、2018年7月25日閲覧。
  5. 5.0 5.1 西部さん自殺幇助、ロープを昨年購入して周到に準備か」『朝日新聞』2018年4月6日、2018年7月26日閲覧。
  6. 6.0 6.1 6.2 6.3 西部邁さん自殺ほう助 MXTV子会社番組ディレクターら逮捕」『スポニチ』2018年4月6日、2018年7月25日閲覧。
  7. 西部邁氏「自殺ほう助」TOKYO MXディレクター逮捕に戦慄......複数の「自殺理由」と経緯」『ギャンブルジャーナル』2018年4月6日、2018年7月25日閲覧。
  8. 西部邁さん 自殺ほう助の疑いでTVディレクターらが逮捕も異論続出」『TABLO』2018年4月6日、2018年7月25日閲覧。
  9. 西部邁さん自殺現場のロープ「昨年から準備」 依頼受け周到計画か」『サンスポ』2018年4月6日、2018年7月26日閲覧。
  10. 逮捕の2人「入念に下見」=西部邁さん自殺ほう助-警視庁」『時事通信社』2018年4月6日、2018年7月26日閲覧。
  11. 自殺幇助の容疑者、MX番組「西部邁ゼミナール」で対談」『朝日新聞』2018年4月6日、2018年7月25日閲覧。
  12. 西部邁さん自殺ほう助容疑=MXテレビ子会社社員ら逮捕-警視庁」『時事通信社』2018年4月6日、2018年7月25日閲覧。
  13. 東京MX「警察の捜査に全面的に協力」西部邁さん自殺ほう助で子会社社員逮捕」『スポニチ新聞』2018年4月6日、2018年7月26日閲覧。
  14. 14.0 14.1 西部邁さん自殺ほう助で2人逮捕 MX子会社社員の容疑者が本紙に死亡当日語ったこと」『東京スポーツ』2018年4月6日、2018年7月26日閲覧。
  15. 西部邁さん自殺ほう助容疑 MX子会社社員ら逮捕」『東京新聞』2018年4月6日、2018年7月25日閲覧。
  16. 西部邁さん自殺幇助の疑い MX子会社社員ら2人逮捕 警視庁」『産経新聞』2018年4月6日、2018年7月25日閲覧。
  17. 「先生の死生観尊重」と供述 西部邁さん自殺幇助で逮捕のテレビ局子会社社員」『産経新聞』2018年4月6日、2018年7月25日閲覧。
  18. 「死生観尊重したかった」とMX子会社社員」『共同通信社』2018年4月5日、2018年7月25日閲覧。
  19. 完全復活の西田議員”. 西田昌司のShowyou通信 (2018年4月6日). 2018年7月26日閲覧。
  20. 西部氏の自殺ほう助した者が気の毒”. あのな、教えたろか。 (2018年4月6日). 2018年7月26日閲覧。

関連項目[編集]

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