ロンドン交響楽団

ロンドン交響楽団（ロンドンこうきょうがくだん、英語: London Symphony Orchestra）は、イギリスのロンドンを拠点とするオーケストラ。^[1]^[2]

1903年に結成される。^[3]クイーンズ・ホール管弦楽団を脱退した音楽家たちが結団の中心となったが、これは、クイーンズホール管弦楽団側が、団員の他のコンサートの掛け持ちや、他のコンサートを優先して代理人を遣すような行為を禁じたためであった。^[4]こうした経緯から、団員による自主運営を方針とし、指揮者の任命も団員たちの合議によって決定するのが伝統となっている。1904年6月4日にハンス・リヒターの指揮により、クイーンズ・ホールで旗揚げ公演を行った。^[5]そのままリヒターを首席指揮者として活動し、リヒターの引退後は、作曲家のエドワード・エルガーが中継ぎとなり、1912年にアルトゥール・ニキシュを首席指揮者に招聘してレコード録音も行うようになった。また、アメリカへの演奏旅行も企画し、ブージー・アンド・ホークスの後援を受けてタイタニック号に乗る予定であったが、ニキシュが就任する前年にタイタニック号の姉妹船であったオリンピック号がイギリス海軍の防護巡洋艦と衝突する事故を起こしたことで、タイタニック号の出航スケジュールが遅れ、バルティック号に乗船した^[6]ことでタイタニック号の沈没に巻き込まれずに済んだ。^[7]第一次世界大戦の開戦を期を同じくしてニキシュが首席指揮者を辞任し、ロンドン交響楽団も活動が低迷。戦後、アルバート・コーツを首席指揮者に迎え、1922年からは無声映画の伴奏も請け負う様になった。1923年にコーツが辞任すると、しばらく首席指揮者は空位になり、1932年から1934年までハミルトン・ハーティが首席指揮者を務めて以降、1950年のヨーゼフ・クリップスの着任まで客演指揮者を招聘して低迷期を乗り切った。クリップスが1954年に辞任後は、1960年にピエール・モントゥーが選ばれるまで首席指揮者は決まらなかったが、1963にはモントゥー等と共に初来日を果たしている。モントゥーの没後はイシュトヴァーン・ケルテス、アンドレ・プレヴィンやクラウディオ・アバド等が首席指揮者を歴任して、イギリス随一のオーケストラとしての名声を確かなものとした。