ガッシー・モラン

1949年の写真

ガッシー・モラン (ガートルード・オーガスタ「ガッシー」モラン、Gertrude Augusta “Gussy” Moran、1923年10月8日 - 2013年1月16日) は、1940年代後半と1950年代に活躍したアメリカ合衆国のテニス選手である。アメリカ合衆国最高ランクは4位である。彼女はカリフォルニア州サンタモニカに生まれ、カリフォルニア州ロサンゼルスで89歳で死亡した。

前半生とアマチュア時代

モランの父親（1960年に死亡）はユニヴァーサル・スタジオズの音響電気技師で、ことによるとそのコネクションのためかもしれない、モランは1940年代の数本の映画のエキストラをつとめた。そして彼女のテニス・グループはときどき、チャーリー・チャップリンのマンションで毎週日曜日のソワレを楽しんだ。彼らの交友はあまりに親密だったので、彼女が婚約したときにチャップリンがガッシーのためにパーティーをホストしたほどである。モランが17歳であったときに、一家は、彼女の兄が第二次世界大戦で戦闘中に行方不明になったと知らされた。彼女はその知らせに打ちのめされ、やがて近隣のダグラス航空社に働きに行き、戦争努力のために航空機を組み立てるのを手伝った。彼女はまたカリフォルニアの病院複数と軍事基地複数への米国慰問協会ツアーに加わった。

モランは、キャリア初期にカリフォルニア州内のいくつかのアマチュア・テニス・トーナメントにはいった。1949年3月に、彼女はニュー・ヨークの第7連隊兵器庫 (Seventh Regiment Armory) で行われたUSインドア・チャンピオンシップのシングル・イベントの決勝戦でナンシー・チャフィー (Nancy Chaffee) をストレート・セットで倒した。彼女はまた、マジョリー・グラッドマン (Marjorie Gladman) をパートナーとしてダブルス・タイトルを、パンチョ・ゴンザレス (Pancho Gonzales) とともに混合ダブルス・イベントを勝ち取った。

1949年のウィンブルドンの論争

その結果、彼女は1949年のウィンブルドン選手権でプレイすることが可能になった。1949年ウィンブルドン選手権女子シングルスの準備をしながら、彼女は、公式のウィンブルドン・ホストであるテッド・ティンリング (Ted Tinling) に服装のデザインを依頼した。彼女は片袖は一色で、もう一方の袖は別の色にして、スカートは第3色にするように依頼した。服装全部は白のみであるとするというトーナメント規定のために、彼は断ったが、しかしのちに規定に従う服装のデザインを承知した。彼女の、波だった、レースで飾られたニカーズ (knickers) のある短いテニス・ドレスという服装は、ニカーズが試合中に見えるほど短く、それはあらゆるトーナメントで最初であった。ウィンブルドンと白を着る要求にかんするESPNのテニス・ドキュメンタリーのなかで、長年テニスの分析をしたバッド・コリンズは、「いけない」(“naughty”) ガッシー・モランがウィンブルドンでフリルのあるレースのパンティースをはいていることについて意見を述べた。

彼女の服装はかなりの注目を引いた。事件を報道する記者らは彼女を「豪華なガッシー」(“Gorgeous Gussie”) と呼び始めたし、写真家らはレースがちらりと見えることを願ってモランの低いショットを得られる場所を求めて争った この事件はウィンブルドン職員らを憤慨させ、イギリス議会に論争を引き起した。モランは、「テニスのなかに下品さと罪を」(‘vulgarity and sin into tennis’) 持ち込んだことで、オールイングランド・ローンテニス・アンド・クローケー・クラブによって非難され、のちにショーツを着ることに戻った。ティンリングは、23年間、公式ウィンブルドン・ホストの役目を務めてきていたが、事件後の33年間、避けられた（彼は1982年にウィンブルドンに招待された）。

1949年のウィンブルドンの事件に関する1988年の記事とインタビューのために、モランは事件について話した――

ウィンブルドン職員らは気が狂ったし、モランは反応にショックを受け、殻に閉じこもった。彼女がコートでその服装を着た最初でかつ唯一のとき、彼女はラケットを顔の前にして歩いた。（Wimbledon officials went mad, and Moran, shocked by the reaction, went into a shell. The first and only time she wore the outfit on court, she walked with her racket in front of her face.）「わたしはとまどっていました . . なぜなら人格に、こんな極端なお世辞を言われたからです、「豪華なガッシー」(‘Gorgeous Gussie’) と。あのねえ、わたしはほんとうにぜんぜん取り立てていうほどのものではありませんでした。わたしは十人並みの娘です。でも『ライフ』はわたしを豪華なガッシー (Gorgeous Gussie) と呼ぶ写真を載せたし、イギリス人はそれを取上げ、本当の仕事をしました。それから人々がわたしに会って、こう言うのが聞こえたものです「ホットｰドッグ・スタンドの女店員のほうが顔がいいね」。わたしは取り乱してしまいました。感情的に言えば、わたしはそれに耐えられなかったのです (“I was embarrassed . . because they were putting so much adulation on the character, ‘Gorgeous Gussie’. You know, I was really never anything to write home about. I was a plain girl. But Life magazine ran a picture calling me Gorgeous Gussie, and the British picked it up and did a real job with it. Then people would see me and I'd hear them say, ‘I've seen better-looking waitresses at the hot-dog stand.’ I just went to pieces. Emotionally, I couldn't handle it.”)

プロ時代

1950年ウィンブルドン選手権女子シングルスでは、彼女は第7シードされ、準々決勝に進んだが、それにつづいて、モランのアマチュア歴は、彼女がポーリン・ベッツ (Pauline Betz) と一緒にプロとしてツアーを始めた9月で終わったが、そのときは一番の呼び物としてドレス事件を利用した。

その人気のために彼女は、スポーツ向けの映画 “Pat and Mike”（1952年）にカメオ出演したし、そこではスペンサー・トレーシーおよびキャサリン・ヘップバーンが特別出演した。またそのおかげで彼女は世界中の雑誌の表紙を飾ったし、彼女の名前が、競馬馬、航空機、そしてソースに付けられた。彼女はデパートメント店のフリルのついた一式の姿でポーズをとりさえした。

モランがプロとして参加した最後のトーナメントの1つは1971年の全米オープンで、そこでは女子シングルス・ドローで、彼女は第1ラウンドで姿を消した。同じトーナメントで、彼女はまた混合ダブルスでチャック・ディアス (Chuck Diaz) と組んだ。

後半生

1951年に、モランはロサンジェルス・テレヴィジョン・チャンネル4に勤め始め、セント・ルイス・ラムズ (St. Louis Rams) の声であるボブ・ケリー (Bob Kelley) とともに、15分間のインタヴューをした。1955年に、彼女はニュー・ヨーク・シティのWMGMのスポーツ・ニュースキャスターになり、このポジションは1961年まで続いた。WMGMをやめたのち、彼女と或るパートナーは彼女自身のテニス布のラインの製造販売で活動した（そのビジネスは1963年11月21日に閉鎖した）。彼女はそれからカリフォルニアに帰り、パーム・スプリングスの或るラケット・クラブのホステスになった。しかしながらホステスのポジションは長続きしなかったために、彼女は、“Sundown” と呼ばれるハリウッドの毎日のTVインタヴュー・ショーの共同ホストに（トム・ケネディ (Tom Kennedy) とともに）なった。彼女はカトリック宗教に政党として言及したとき、彼女は11週後にくびになった（ショーは13週間、続く予定であった）。

モランはそれからラケット・クラブのテニスレッスンを講じることに戻り、そこに2年間半、残った。1969年に、彼女は World Tennis 誌の広告マネージャーになった。

1970年に、彼女は、今度はベトナムへの、別のUSOツアーに参加した。彼女はそこにいた間、彼女のヘリコプターが撃墜され、彼女は数本、骨折、脱臼した。その事故から回復したのちに、彼女は（1972年）KFAC局のラジオスポーツディレクターの職を得て、短期間ののちにやめた。彼女はそれから Tennis 誌にコラムを複数、執筆した。彼女はプロモーショナル会社 Tennis Unlimited に勤めた。

モランは一家のサンタ・モニカの家に住み、しかし母親が死亡して、彼女は財産税をつづけられず、1986年4月26日に立ち退かせられた。彼女はそれからロサンゼルス地区の一連のちいさなアパートメントに移った 。

私生活

モランは3回、結婚した。彼女の19歳の初婚は、元イギリス空軍パイロットとであった。この結婚はのちに法的に無効にされた。彼女の30歳の再婚は、エディー・ハンド (Eddie Hand) とで、彼は、運送会社の幹部で、エドワード・O・ソープ (Edward O. Thorp) による “Beat the Dealer” のなかで Mr. Y としても知られた。彼女の37歳の3回目の結婚は、フランク・（「ビング」）・シンプソン (Frank (“Bing”) Simpson)、ロサンゼルスの弁護士ーヨットマンとであった。彼女の再婚と3回目との両者の結婚は、離婚に終わった。モランには子供がいなかった。

モランは、「いつも ‘Gussie’ ではなくて ‘Gussy’ のほうを選び好み」(“always preferred to be known as ‘Gussy’ not ‘Gussie’”)、そして彼女の名前はそのように Los Angeles Times に登場した。

グランドスラム決勝

ダブルス (1 runner-up)

結果	年	選手権	サーフェス	パートナー	対戦相手	スコア
Runner-up	1949年	ウィンブルドン	芝	Patricia Canning Todd	Louise Brough Margaret Osborne duPont	6–8, 5–7

混合ダブルス (1 runner-up)

結果	年	選手権	サーフェス	パートナー	対戦相手	スコア
Runner-up	1947年	U.S. Championships	芝	Pancho Segura	Louise Brough John Bromwich	3–6, 1–6

外部リンク

• ガッシー・モラン - インターネット・ムービー・データベース（英語）
• ガッシー・モラン - 国際テニス連盟

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