誹謗中傷
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誹謗中傷(ひぼうちゅうしょう)は、事実ではないことを根拠にした悪口を言いふらして、他人を傷つける行為である[1][2][3][4]。
基本的に合法である批判や非難と混同されやすいが、批判とは「相手の行動に対する評価か相手の主張への反論」という法的・倫理違反者への言動自体へのこのように直すべきとした建設的な指摘やアドバイスである。非難はアドバイスなど提案的な内容無しに根拠がある落ち度や過失などを取り上げて責めること[5]である[6][2][3]。
ただし、批判と非難においても根拠そのものが誤っていた際、非難の度が過ぎている際、更には客観的事実の場合に対しても、脅迫的内容又は容姿へのネガティブな指摘を含む場合は起訴された際には誹謗中傷と同様に罪に問われる[4][2]。デマの安易な流布による誹謗中傷被害がインターネットの一般普及以降から拡大傾向にあり、人権問題となっている[7]。
概要[編集]
「誹謗中傷」は、「誹謗」と「中傷」を合わせた言葉である。
これら二語が並列して「誹謗中傷」と表現されることがある。「誹謗中傷」が動詞化して(サ変動詞化して)「誹謗中傷する」という用法も見られる。
インターネットにおける誹謗中傷[編集]
インターネット上での書き込みは匿名性が高く、自分の意見を発することが他のメディアよりも容易である。この事は、書き込みを読む側の気持ちに配慮せず、無思慮に掲示板やホームページに誹謗中傷を含んだ文言を書き込む、といった行為に繋がりかねない。
こういった行為は書き込んだ内容に誤りがあった場合はもとより、それがたとえ真実であっても名誉毀損が成立しかねない行為である。ネット上の誹謗中傷について日本の警察に寄せられた被害相談件数は、2001年には2267件、2006年にはその3.5倍の8037件に膨れ上がり、被害は年々急増している。被害者の中には精神的苦痛で自殺・自殺未遂をする者もいる。多くのケースでは発信者を特定できずにいる。
一方発信者を特定した上で賠償を行わせた事例も存在する。2020年に女優の春名風花およびその両親に対して誹謗中傷をおこなった人物が、春名に対して約300万円の示談金を支払うことに合意したと春名が発表した[10][11]。
SNSにおける誹謗中傷への対策・影響[編集]
2020年4月23日、 総務省はインターネット上に誹謗中傷を投稿した人物の個人情報開示について 「プロバイダ責任制限法」の見直しを検討する研究会(発信者情報開示の在り方に関する研究会)の第1回会合を開催した[12]。総務省は同年夏頃を目途に中間報告の取りまとめを行う予定を示した[13]。
木村花の死去を受けての動き[編集]
2020年5月23日に死亡したプロレスラーの木村花がSNSにおける誹謗中傷被害に遭っていたことを受け、総務大臣・高市早苗は5月26日の記者会見の中で「匿名で人を中傷する行為は人として、ひきょうで許し難い」と発言したうえで、匿名発信者の特定を容易にするなどの制度改正を含めた対応をスピード感を持って実施する意向を示した[14][15]。また同日、LINEやTwitterなどのSNS事業者でつくるソーシャルメディア利用環境整備機構は緊急声明を発表し、SNS上での嫌がらせや名誉毀損などを禁止事項として利用規約に明記し、こうした行為を把握した場合、利用停止などの措置を徹底するとした。法律に基づき情報開示を求められた場合、適切な範囲で必要な情報を提供する。機構は特別委員会を設立して、さらに対策を検討するとしている[16]。 なお、木村に対し誹謗中傷をSNSに書き込んでいたアカウントは木村の死後に続々と削除されている[17]。
25日の記者会見では内閣官房長官・菅義偉がインターネット上の誹謗中傷をめぐる発信者の情報開示について、プロバイダ責任制限法に規定されていることを挙げ、「総務省で先月より議論を開始している。それを踏まえ適切に対応を図っていく」と発言している。この発言には木村の死去と木村へのSNS上での誹謗中傷が関連しているとの見方が出ており、野党側でも立憲民主党国会対策委員長の安住淳が国会内で記者団に、「匿名の心無い誹謗中傷が多くの人を傷つけ、命を絶つような事態は見過ごすことはできない」と述べ、法制化を含むルールづくりを検討する考えを示している[18]。
この報道を受け、連合型SNS・Mastodonにおいて日本2位のインスタンスである『msdtn.jp』と同3位の『mastodon.cloud』(合同会社分散型ソーシャルネットワーク機構運営)は、インターネット上の誹謗中傷に対して今後、訴訟や開示請求がより一般的となることや、政府機関からの対応強化の指示や法制強化などが実施される可能性が予想されることから、2020年6月30日にサービスを終了することを発表した。閉鎖理由には、事務負担増に耐えきれず適切な対応が困難であると判断したことが挙げられている[12][19]。
12月には、ツイッターで木村を中傷する内容の投稿をした侮辱容疑で男が書類送検される方針であることが明らかになった[20]。中傷の内容は「生きている価値あるのかね」「いつ死ぬの?」といった内容で、いずれもツイッターで木村への返信の形でされたものだった[21]。
責任[編集]
発信者の責任が問われたケースもあり、2009年には“スマイリーキクチが女子高生コンクリート詰め殺人事件に関与した”という前提でブログのコメント欄に誹謗中傷する書き込みをした19人の男女のうち7名が名誉毀損の疑いで書類送検されている(スマイリーキクチ中傷被害事件)。また、「誹謗中傷に賛同した者も慰謝料を払わなければならない」と述べる弁護士も存在する[22]。ツイッターでの中傷投稿についても、先述のように木村花を中傷する内容の投稿をした侮辱容疑で男が書類送検される方針であることが明らかになっている[20]。
訴訟のハードル[編集]
2020年の記事では、インターネットでの誹謗中傷案件に詳しい弁護士によって「相手を特定して訴えて裁判を終えるまで約2年必要」「裁判に勝っても損害賠償額は取れて100万円がいいところで、弁護士費用も数十万円はかかる」「現実には無職で支払い能力の無い者や未成年などが書き込んだケースも多く、損害賠償を回収できないケースも多い」と指摘されており、「無料で匿名アカウントを登録して、ものの数秒でいくらでも誹謗中傷を書き込めることを考えれば、あまりにもバランスの悪い、不公平な法制度」と述べられている[23]。
その他[編集]
さらに悪質なものでは、誹謗中傷を被っている被害者が刑事事件に巻き込まれた上にその刑事事件の被疑者として仕立てられるケースの他、被害者側が著名人である場合には被害者に有益となる情報を揉み消そうとするケースがある。そのような経験を踏まえ、公益に資する法人を主宰している被害者もおり[24]、誹謗中傷の影響によって人生を大きく歪まされる例が相次いでいる。
関連項目[編集]
- 嫌がらせ
- 詭弁
- 刑法 - 誹謗中傷に関与する「刑法二百三十条」(名誉毀損罪)、および「刑法二百三十一条」(侮辱罪)を参照
- 言葉の暴力
- サイバー暴力
- 差別 - 差別用語 - ヘイトスピーチ
- スケープゴート
- スマイリーキクチ中傷被害事件
- 匿名
- 2ちゃんねる(5ちゃんねる)
- ネガティブ・キャンペーン
- ネットいじめ
- 利益誘導
- 侮辱
- 名誉毀損
- メディア・リテラシー
- ルサンチマン
脚注[編集]
- ↑ デジタル大辞泉. “誹謗中傷(ヒボウチュウショウ)とは” (日本語). コトバンク. 2020年5月27日閲覧。
- ↑ 2.0 2.1 2.2 “「誹謗中傷」と「批判」の違いは? 法律の専門家に聞いた“線引き”と悪質投稿なくす解決策(ENCOUNT)” (日本語). Yahoo!ニュース. 2021年1月23日閲覧。
- ↑ 3.0 3.1 “「批判と中傷の違い」を説明するマンガがTwitterで話題に (2016年3月16日掲載)” (日本語). ライブドアニュース. 2021年1月23日閲覧。
- ↑ 4.0 4.1 刑事的には、相手が個人に対する誹謗中傷では「名誉毀損罪」「侮辱罪」、企業(会社・店舗)や組織に対するものでは、「信用毀損罪」「業務妨害罪」が該当する。一方で、民事上は不法行為に基づく損害賠償や慰謝料を請求される場合がある。例えば、「死ね」という誹謗中傷を書き込んだ場合では数十万円の賠償金、執拗に書き込みを続けるなど悪質性が認められるケースは100~200万円の賠償金もあり得るという。 また、言葉の内容によっては刑事罰を問うには慎重になるケースもあるというが、「死ね」「死ねばいいのに」「消えろ」といった表現又は、相手の容姿に関する「ブス」「太っている」「老けている」という言葉。名指しで投稿したり、相手のSNSのコメント欄に書き込んだりした場合は、責任を問われる可能性がある。
- ↑ 非難は批判と異なり、なぜ問題なのか、どうすれば改善できるのかなどの提案的な内容を含まない。問題点と指摘されたものが実は問題とは言えず、指摘した側の単なる思い込みであるというケースもある。
- ↑ “「批判」と「非難」の違いとは 後者は欠点を指摘するだけ” (日本語). ライブドアニュース. 2021年1月23日閲覧。
- ↑ “出来心では済まされないネットでの誹謗中傷の大きな代償” (日本語). セキュリティ通信. 2020年5月27日閲覧。
- ↑ “誹謗(ヒボウ)とは” (日本語). コトバンク. 2020年5月27日閲覧。
- ↑ “中傷(チュウショウ)とは” (日本語). コトバンク. 2020年5月27日閲覧。
- ↑ 出口絢 (2020年7月20日). “春名風花さんが「ネット中傷」の投稿者と示談成立 示談金315万4000円”. 弁護士ドットコム. オリジナルの2020年7月20日時点におけるアーカイブ。 2020年7月20日閲覧。
- ↑ “春名風花さん、中傷の投稿者と示談 刑事告訴は取り下げ”. 朝日新聞. (2020年7月20日) 2020年7月20日閲覧。
- ↑ 12.0 12.1 “SNS『mstdn.jp』、誹謗中傷への対応の事務負担増に耐えられないと判断して6月30日で閉鎖へ(篠原修司) - Yahoo!ニュース” (日本語). Yahoo!ニュース 個人. 2020年5月27日閲覧。
- ↑ “総務省|「発信者情報開示の在り方に関する研究会」の開催” (日本語). 総務省. 2020年5月27日閲覧。
- ↑ “ネット中傷「制度改正で対応」 高市総務相、「テラハ」木村さん死亡で:時事ドットコム” (日本語). 時事ドットコム. 2020年5月26日閲覧。
- ↑ “ネットの誹謗中傷、投稿者特定の簡易化検討 高市総務相:朝日新聞デジタル” (日本語). 朝日新聞デジタル. 2020年5月26日閲覧。
- ↑ “木村花さん死去でSNS事業者が緊急声明”. TBS NEWS. 2020年5月27日閲覧。
- ↑ “木村花さんを誹謗中傷のアカウント、死後に続々削除 - プロレス : 日刊スポーツ” (日本語). nikkansports.com. 2020年5月27日閲覧。
- ↑ “ネット中傷、「適切に対応」 菅官房長官:時事ドットコム” (日本語). 時事ドットコム. 2020年5月27日閲覧。
- ↑ “mstdn.jp お知らせ【公式】 (@mstdn_jp@mstdn.jp)” (日本語). mstdn.jp. 2020年5月27日閲覧。
- ↑ 20.0 20.1 “木村花さん中傷、書類送検へ 20代男が投稿、侮辱容疑―警視庁:時事ドットコム” (日本語). 時事ドットコム. 2020年12月16日閲覧。
- ↑ “【独自】「テラハ」木村花さん自殺、「いつ死ぬの?」と中傷した男を書類送検へ : 社会 : ニュース” (日本語). 読売新聞オンライン (2020年12月16日). 2020年12月16日閲覧。
- ↑ 「ネットの書き込みに賛同しただけでも慰謝料を払う?」『行列のできる法律相談所』(日本テレビ系列)(2015年12月22日閲覧)
- ↑ ネット中傷「自分なら訴えてやる」と思っている人に知ってほしいこと 現代ビジネス 2020.06.02 (2020年9月21日閲覧)
- ↑ 一般社団法人カリアティード沿革記載の設立者による意向.2019年2月10日閲覧。
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