ダガーラ
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ダガーラ | |
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東宝怪獣映画のキャラクター | |
初登場 | 『モスラ2 海底の大決戦』 |
演 | 吉田瑞穂 |
ダガーラは、東宝の特撮映画『モスラ2 海底の大決戦』に登場する架空の怪獣[1]。
概要[編集]
ダガーラ DAGAHRA[2] | |
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全高 | 36m[2] |
全長 | 73m[3][2][4] |
体重 | 17,700t[2][4][注釈 1] |
飛行速度 | マッハ10[2][4] |
水中速度 | 150ノット |
ニライカナイの古代文明により、高度な遺伝子操作技術を用いて毒を食べるバクテリアの遺伝子を特定の海洋生物に組み込んで作り出された怪獣。当時発生していた海洋汚染を改善するための生体海洋浄化システムとして誕生したが、体内で取りこんだ海洋汚染物質を濃縮してベーレムと呼ばれる生物を大量に生成する欠陥の機能を持ってしまい、それによる汚染を拡散させてニライカナイ文明を滅ぼした。その後は海底で眠りについていたが、現代において再び海洋汚染が進んだことをきっかけに復活すると、本能でニライカナイの遺跡(ピラミッド)に自身への脅威になる存在があると察し、それを破壊しようとする。
凶暴な性格で、シナリオでの表記によれば外観は半魚獣。水棲に適した形態であり、四肢、特に脚部は鰭であり、背面のマンタのような鰭で空を飛び、口からは猛毒を視覚化した光線を吐く。水中戦が得意で知能も高く、モスラを水鳥を捕らえた猟犬のように海へ引きずり込み、海から崖に激突させるなどして絶体絶命のピンチにまで追い込む。また、両肩の口状の器官からベーレムを吐き出す。
ニライカナイ遺跡の2度目の襲撃直前には、両肩の突起が大型化した強化型へ変貌する[注釈 2]。水中モードに変身したモスラと戦い、水中戦の末にミクロ化したモスラに体内のベーレム発生器官を破壊されて力尽き、最後はモスラに引き上げられてピラミッドの上に激突し、ともに爆発、消滅した。
- 名称は脚本の末谷真澄によって、アッシリア神話のダゴンからつけられた。
- スーツアクターは前作でデスギドラを担当した吉田瑞穂[5]。
- 造形はMONSTERS[5]。着ぐるみは1体のみで、水中撮影が多いためにメンテナンスでは苦労させられたという[5]。水中から頭を出す場面では、頭部だけのギニョールも使用された[5]。強化後の肩の角は、MONSTERSにより撮影中のスタジオ内で制作された[6]。
- モスラとの体内での戦いは、『ゴジラvsモスラ』との原型になった『ゴジラの逆襲』→『ゴジラ対メカニコング』→→『マイクロユニバース イン ゴジラ』のゴジラとメカニコングの戦いで検討された内容である[7]。
武器[編集]
- 輝雷襲撃波 - 頭部の角を放電させ、口から吐き出す破壊光線。
轟渦赤猛毒弾 () - ベーレムを含んだ巨大竜巻。爆龍赤塊光波 () - 高速回転してそのエネルギーを射出。縦列毒撃砲弾 () - 背中から連続して毒を撃ち出す。噴灼毒撃波 () - 光線化したベーレム毒素。超重龍爆炎 ()[4] - 強化後、両肩から放つ破壊光線。
漫画版[編集]
『月刊コロコロコミック』に掲載された坂井孝行による漫画版では、「ダガーラ」とは古代ニライカナイ語で掃除機を意味する単語であり、ダガーラの正体は汚染された海を浄化するために生体改造された1匹の小さな魚だった。モスラに敗れた後、ダガーラはベルベラに対し、「母親に再会する夢を諦めてモスラを助けた航平のような人間がニライカナイにいれば、自分が改造されることはなかっただろう」と言い残して息絶える。ベルベラの手には1粒の魚卵が遺され、彼女はその卵にイードゥ(親友)という新たな名を与えた。
作中では超重龍爆炎を放つ際に、肩の2つの棘が開く描写がある。
その他の作品[編集]
2017年公開のアニメ映画『GODZILLA 怪獣惑星』では、人類がオーストラリア大陸を失う原因となった怪獣として登場している[8]。
その前日譚である小説『GODZILLA 怪獣黙示録』では、初確認は2017年11月末で、アメリカ合衆国軍の原子力潜水艦シーウルフが南緯47度9分西経126度43分の深海で接触したものとされる。2週間後、アメリカ領サモアにてサラトガをはじめとするアメリカ海軍との交戦で負傷するが、ベーレムの毒のために追撃できなかった軍を尻目に海中へ姿を消す。その3日後にはパゴパゴ港へベーレムが流れ着いたことによる細菌感染症で住民の3分の1が死亡、公式記録ではこれが初の存在確認ということになっている。さらに2週間後の12月25日には、毒素への危惧からオーストラリア海軍が攻撃できなかったことでシドニーへの上陸を許してニューカッスルまで蹂躙されてしまい、首脳部の壊滅で一時的な政府機能の混乱の中で下された攻撃命令により致命傷を負う。しかし、瀕死で飛行して海中で死亡したために海洋がベーレムで汚染されてしまった結果、後に「赤いクリスマスの惨劇」と呼ばれるパンデミックと飢餓が発生し、海洋汚染で外国からの救援も受けられず2018年までに300万人が犠牲となり、推定で約670万人が死傷したされている[9]。
商品化[編集]
- 東宝怪獣としては久しぶりの既存キャラクターを元にしていない全くの新怪獣であるが、ダガーラのソフビ人形が単品売りされたことがない。また、レトロ風ソフビやカプセルトイでの商品化もない。
- 『ハイパーホビー』誌[要文献特定詳細情報]のソフビ化して欲しい怪獣のアンケートで、ウルトラ怪獣に混ざってバランと共にランクインしたことがある。
脚注[編集]
注釈[編集]
出典[編集]
- ↑ モスラ2超全集 1997, pp. 12 - 15.
- ↑ 2.0 2.1 2.2 2.3 2.4 オール東宝怪獣大図鑑 2014, p. 269, 「『モスラ2 海底の大決戦』ダガーラ」
- ↑ 3.0 3.1 東宝特撮映画大全集 2012, p. 258, 「『モスラ2 海底の大決戦』怪獣図鑑」
- ↑ 4.0 4.1 4.2 4.3 4.4 東宝特撮全怪獣図鑑 2014, p. 101, 「モスラ2 海底の大決戦」
- ↑ 5.0 5.1 5.2 5.3 東宝特撮映画大全集 2012, p. 259, 「『モスラ2 海底の大決戦』撮影秘話/川北監督に訊く」
- ↑ 「モスラ2 海底の大決戦 特撮川北組写真館」『宇宙船YEAR BOOK 1998』朝日ソノラマ〈宇宙船別冊〉、1998年4月10日、7頁。雑誌コード:01844-04。
- ↑ 監修:川北紘一『平成ゴジラパーフェクション』アスキー・メディアワークス〈DENGEKI HOBBY BOOKS〉、2012年2月10日、131-135頁。モジュール:Citation/CS1/styles.cssページに内容がありません。ISBN 978-4-04-886119-9。「川北紘一が振り返る 幻の平成ゴジラストーリー」
- ↑ “アニメーション映画『GODZILLA 怪獣惑星』OFFICIAL SITE”. 2017年11月9日閲覧。
- ↑ 監修:虚淵玄、著者:大樹連司『GODZILLA 怪獣黙示録』角川書店、2017年10月25日。モジュール:Citation/CS1/styles.cssページに内容がありません。ISBN 978-4-04-106181-7。
参考文献[編集]
- 『東宝特撮映画大全集』執筆:元山掌 松野本和弘 浅井和康 鈴木宣孝 加藤まさし、ヴィレッジブックス、2012年9月28日。モジュール:Citation/CS1/styles.cssページに内容がありません。ISBN 978-4-86491-013-2。
- 『オール東宝怪獣大図鑑』洋泉社〈洋泉社MOOK 別冊映画秘宝〉、2014年4月27日。モジュール:Citation/CS1/styles.cssページに内容がありません。ISBN 978-4-8003-0362-2。
- 『東宝特撮全怪獣図鑑』東宝 協力、小学館、2014年7月28日。モジュール:Citation/CS1/styles.cssページに内容がありません。ISBN 978-4-09-682090-2。
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