ジョコンダ・デ・ヴィート
ジョコンダ・デ・ヴィート（Gioconda de Vito,[1] 1907年[2]7月26日[3] - 1994年[4]10月14日[5]）は、イタリアのヴァイオリン奏者。[6]
マルティーナ・フランカ出身。[7]３歳からマンドリンに親しんだが、母方の叔父でヴァイオリン奏者のフランチェスコ・デル・ジュディチェがヴァイオリンを弾くのを聴いて、ヴァイオリンに興味を持つようになった。８歳で地元の市民バンドの指揮者に音楽理論とヴァイオリンの手解きを受け、半年でシャルル・オーギュスト・ド・ベリオのヴァイオリン協奏曲第９番を演奏できるようになった。また叔父のジュディチェが海外旅行から戻ったことで、２年半に渡って叔父からヴァイオリンのレッスンを受けることが出来るようになった。その後はペーザロのロッシーニ音楽院でアティリオ・クレパックスの薫陶を受け、さらに１年間レミー・プリンチペの許で研鑽を積んで1921年に卒業した。ペーザロにいる間に姉のエルヴィラのピアノ伴奏で演奏会を開いたが、演奏家として躍進したのは16歳の時にローマのアルジェンティーナ劇場でマリオ・ロッシの指揮によりピョートル・チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を演奏し、トリノで師のプリンチペとヨハン・ゼバスティアン・バッハの２挺のヴァイオリンの為の協奏曲を演奏してからである。1924年には新設されたバーリ音楽院のヴァイオリン科の教授となる。1932年にはウィーン国際音楽コンクールで優勝。1934年にはパリでの初演奏を行い、ローマ聖チェチーリア音楽院の教授に転任。パレルモでも後進の指導に当たった。1938年にはベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏会でジョヴァンニ・バティスタ・ヴィオッティのヴァイオリン協奏曲第22番を演奏してベルリンに初登場を果たした。アメリカへの演奏旅行も計画されたが、これは終生実現することはなかった。1939年には自分で演奏するヴァイオリンを購入するために訪英したが、イギリスで演奏を披露したのは1948年にヴィクトル・デ・サバタの指揮するロンドン・フィルハーモニー管弦楽団とヨハネス・ブラームスのヴァイオリン協奏曲を演奏したのが初めてである。1949年には録音プロデューサーのデヴィッド・ビックネルと結婚し、1951年からイギリスに居を構えるようになった。1952年にはローマ教皇ピウス12世の御前でヴィルヘルム・フルトヴェングラーのピアノ伴奏によりブラームスのヴァイオリン・ソナタ第１番を演奏。1953年にはイタリア政府から1723年製のストラディヴァリウス「トスカーナ」を貸与されている。1957年にも教皇のためにフェリックス・メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲を演奏したが、その際に音楽活動からの引退の決心をピウス12世に告白。ピウス12世に思い止まるように説得されたが、1961年にバーゼルで行った演奏会を最後に、一切の音楽活動から引退した。[8][9]
脚注[編集]
- ↑ 本名をジョコンダ・アンナ・クレリア・デ・ヴィート(Gioconda Anna Clelia de Vito)とする資料もある。(“Italian-born British violinist Gioconda De Vito sitting in her living... News Photo - Getty Images”. 2023年8月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年8月19日閲覧。)
- ↑ “GIOCONDA DE VITO”. 2022年6月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年6月8日閲覧。
- ↑ “Violinist Gioconda de Vito Was Born On This Day in 1907 [ON-THIS-DAY]”. The Violin Channel. (2020年7月26日). オリジナルの2022年6月8日時点におけるアーカイブ。 2022年6月8日閲覧。
- ↑ アーカイブ 2020年10月22日 - ウェイバックマシン
- ↑ Waiblinger, Michael (2013). “Gioconda Anna Clelia de Vito”. Legendary Violinist in Germany Ricci･Vito･Albore･Bisztricky･Suwa (Melo Classics) (MC 2018). ASIN B00NG5PWHC.
- ↑ ジョコンダ・デ・ヴィート - Discogs
- ↑ Palma, Pierangela (2024年1月25日). “Gioconda De Vito”. Il Saggiatore musicale. オリジナルの2022年10月14日時点におけるアーカイブ。 2024年10月14日閲覧。
- ↑ “MOZART, W.A.: Violin Concerto No. 3 / BRAHMS, J.: Violin Concerto (de Vito, Beecham, van Kempen) (1941, 1949)”. 2022年6月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年6月8日閲覧。
- ↑ 「1961年に演奏活動の第一戦〔ママ〕から引退した時に、『私は、全力を尽くしきり、頂点に達した』と述べている。おそらく彼女自身、二十世紀の新しい音楽についてゆくのに限界を感じていたのであろう。エドワード・エルガーやヤン・シベリウスの演奏を彼女は拒否している。」(エッゲブレヒト, ハラルト『ヴァイオリンの巨匠たち』シュヴェルツァー節子訳、アルファベータ、2004年（原著2000年）、162頁。モジュール:Citation/CS1/styles.cssページに内容がありません。ISBN 9784871984621。)
- ↑ “Gioconda de Vito, violinista italiana”. El País. (1994年10月17日). オリジナルの2022年10月14日時点におけるアーカイブ。 2024年10月14日閲覧。
 
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