エレナ・スリオティス
エレナ・スリオティス（Ελληνικά: Έλενα Σουλιώτη, ラテン文字転写: Elena Souliotis, 1943年[1]5月28日[2] - 2004年[3]12月4日[4]）は、ギリシャ出身のソプラノ歌手、メゾソプラノ歌手。[5]
アテネ出身。[6]５歳の時に家族でブエノスアイレスに移住。当初は父親と同じ化学の道を希望していたが、音楽に興味を持つようになり、[7]16歳の頃からアルフレッド・ボンタとヤッシャ・ガルペリンに声楽の指導を受けるようになった。[8]19歳でミラノに留学してメルセデス・リョパルトに声楽を師事。[9]1964年にナポリのサン・カルロ劇場[10]でピエトロ・マスカーニの《カヴァレリア・ルスティカーナ》でサントゥッツァ役を歌ってデビューし、[11]翌年にはトリエステのヴェルディ劇場でジュゼッペ・ヴェルディの《仮面舞踏会》のアメリア役、リスボンのサン・カルロ劇場でアミルカーレ・ポンキエルリの《ジョコンダ》の表題役を歌っている。1965年にはシカゴ・リリック・オペラに於けるアリゴ・ボーイトの《メフィストフェレ》の上演でエレナ役を歌って[10]アメリカ・デビュー。[12]1966年にはヴェルディの《ナブッコ》のアビガイッレ役[6][13]でミラノ・スカラ座にデビュー。[14]1966年にはアメリカ・オペラ協会によるガエターノ・ドニゼッティの《アンナ・ボレーナ》の公演で表題役を歌い、[10]カーネギー・ホールに初登場している。[15]1968年にはロンドンのドルリー・レーン劇場のコンサート形式の上演でヴェルディの《ナブッコ》のアビガイッレ役を歌ってイギリス楽壇でも名を知られるようになり、1969年にはコヴェントガーデン王立歌劇場でヴェルディの《マクベス》のマクベス夫人役を歌って名声を確立。[16]同年、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場から出演の打診があったが、メトロポリタン歌劇場の労働争議により出演契約は立ち消えになった。[6]1970年にはピアノ奏者のマルチェロ・グエリーニと結婚。[17]1971年にはイタリア歌劇団の一員として初来日を果たしている。[18][19]しかし、次第に喉の不調が目立つようになった。1967年にカーネギー・ホールでヴィンチェンツォ・ベッリーニの《ノルマ》の表題役をコンサート形式で歌った時には、高音を歌い損ねるというハプニングがあった。[20][21]1972年のウィーン国立歌劇場とシャンゼリゼ劇場でのヴェルディの《ナブッコ》のアビガイッレ役の歌唱は賛否相半ばし、コヴェントガーデン王立歌劇場で同役を歌った際にはブーイングが飛んだ。[4]その後、1975年にカターニアでジャコモ・プッチーニの《マノン・レスコー》を歌って以降は主演のソプラノ歌手としてオペラに出演しておらず、1976年にカーネギー・ホールで開いたリサイタルの後は1979年にフィレンツェ五月音楽祭のセルゲイ・プロコフィエフの《３つのオレンジへの恋》の上演でファタ・モルガーナ役で出演するまで公式の場で歌った記録がない。[10]1999年にシュトゥットガルト歌劇場でピョートル・チャイコフスキーの《スペードの女王》の伯爵夫人役を歌い、[16]2000年２月の同地に於ける同演目の同役での出演[22]を以って歌手活動から引退した。[23]
脚注[編集]
- ↑ “伊蓮娜.索莉歐提絲 (Elena Suliotis 1943-2005,女高音) 原版裱褙照片海報 漸層式木質外框 表面霧面油畫防水處理 *見物品說明* | 露天市集 | 全台最大的網路購物市集”. 2023年7月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年7月31日閲覧。
- ↑ “エレナ スリオティスとは？ 意味や使い方 - コトバンク”. 2023年7月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年7月31日閲覧。
- ↑ “Σαν σήμερα το 2004 πεθαίνει η σπουδαία Ελληνίδα υψίφωνος Έλενα Σουλιώτη”. News Bomb. (2018年12月4日). オリジナルの2023年7月31日時点におけるアーカイブ。 2023年7月31日閲覧。
- ↑ 4.0 4.1 “Βιογραφίες - Έλενα Σουλιώτη”. Σαν Σημερα. オリジナルの2015年12月5日時点におけるアーカイブ。 2015年12月5日閲覧。
- ↑ “Elena Souliotis – On And Off The Record”. 2023年7月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年7月31日閲覧。
- ↑ 6.0 6.1 6.2 Blyth, Alan (2004年12月10日). “Elena Souliotis”. The Guardian. オリジナルの2023年7月31日時点におけるアーカイブ。 2023年7月31日閲覧。
- ↑ “Elena Suliotis ένας ξεχασμένος μύθος”. The Art Cellar. (2015年5月28日). オリジナルの2015年12月5日時点におけるアーカイブ。 2015年12月5日閲覧。
- ↑ Luquet, Xavier (2004年12月12日). “Hommage à Elena SOULIOTIS”. Forum Opera. オリジナルの2013年6月29日時点におけるアーカイブ。 2013年6月29日閲覧。
- ↑ “Elena Souliotis”. The Times. (2005年1月12日). オリジナルの2021年9月7日時点におけるアーカイブ。 2021年9月7日閲覧。
- ↑ 10.0 10.1 10.2 10.3 “Charles A. Hooey - MusicWeb-International”. 2023年8月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年8月1日閲覧。
- ↑ Salazar, David (2018年5月28日). “Artist Profile: Soprano Elena Souliotis, Supreme Dramatic Soprano”. Opera Wire. オリジナルの2021年9月7日時点におけるアーカイブ。 2021年9月7日閲覧。
- ↑ “Elena Souliotis, soprano”. The Scotsman. (2004年12月13日). オリジナルの2023年8月1日時点におけるアーカイブ。 2023年8月1日閲覧。
- ↑ 《ナブッコ》に先立ってヴェルディの《アイーダ》の表題役を歌ってスカラ座に初登場したとする資料もある。(AN ELENA SULIOTIS CHRONOLOGY/DISCOGRAPHY by Charles A. Hooey)
- ↑ “MILANO: Elena Suliotis debutta alla Scala - Archivio storico Istituto Luce”. 2023年8月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年8月1日閲覧。
- ↑ Δοντα, Νικου Α. (2005年9月1日). “Στερνή αυλαία για δύο ντίβες του λυρικού θεάτρου”. Η Καθημερινή. オリジナルの2023年8月1日時点におけるアーカイブ。 2023年8月1日閲覧。
- ↑ 16.0 16.1 “Elena Souliotis”. Independent.ie. (2004年12月19日). オリジナルの2023年8月2日時点におけるアーカイブ。 2023年8月2日閲覧。
- ↑ アーカイブ 2023年8月1日 - ウェイバックマシン
- ↑ “Performance Info - Lirica Italiana 1971Norma | Opera Research Center, Showa University of Music”. 2023年7月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年7月31日閲覧。
- ↑ 後に離婚。(Bryth 2004)
- ↑ “Sopranos: Adventure on the High C”. Times. (1967年11月17日). オリジナルの2023年8月3日時点におけるアーカイブ。 2023年8月3日閲覧。
- ↑ この時は客席にいたマリア・カラスがバックステージに駆け付けてスティオリスを慰めたことで復調している。(“Charles A. Hooey - MusicWeb-International” (1967年11月17日). 2023年8月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年8月3日閲覧。)
- ↑ “Fallece Elena Suliotis”. Mundoclasico.com. (2004年12月9日). オリジナルの2023年8月4日時点におけるアーカイブ。 2023年8月4日閲覧。
- ↑ 23.0 23.1 ELENA SULIOTIS - A Biography by Charles A. Hooey
- ↑ “Elena Souliotis, in greco Έλενα Σουλιώτη (Atene 1943 – Firenze 2004) | BERTOLAMI FINE ARTS | ArsValue.com”. 2023年8月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年8月4日閲覧。
 
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