アナトール・ウゴルスキ
アナトール・ザルマノヴィチ・ウゴルスキ（ロシア語: Анатолий Зальманович Угорский, ラテン文字転写例：Anatol Zalmanovich Ugorski, 1942年[1]9月28日[2] - 2023年[3]9月5日[4]）は、ロシア出身のピアノ奏者。[5]
ルプツォフスク出身。[6][7]６歳の時にレニングラード音楽院の入学試験を受けて合格して[8]ナデジタ・ゴルボフスカヤにピアノを学び、[9]1968年に同音楽院の大学院を修了。[1]1962年から演奏活動を始め、[10]1968年にジョルジェ・エネスク国際音楽コンクールで３位入賞。[11][12]青年時代にはグレン・グールドに傾倒し、[13][14]1968年にはソビエト連邦を訪れたピエール・ブーレーズのコンサートで熱烈に拍手したことで当局から問題視されたこともある。[1]また、欧米の現代音楽を支持して[15]アルノルト・シェーンベルク、アルバン・ベルク、オリヴィエ・メシアンやブーレーズの作品をソビエト連邦内に紹介し、[16]オレスト・エヴラホフ、ヴラディーミル・ツィトヴィチ、ソフィア・グバイドゥーリナ、アンドレイ・ペトロフ、ヴェニアミン・バスナー、ボリス・アルキマンドリトフ、タチアナ・ヴォロニナ、セルゲイ・スロニムスキーやウラディスラフ・ウスペンスキー等のソビエト連邦の同時代の作曲家の作品を積極的に取り上げたが、[1]そのために当局から「破壊活動分子」と見做され、[17]演奏活動を制限された。[18]1982年から母校のレニングラード音楽院で教鞭を執ったが、1988年に職業倫理違反を理由に追放されている。[1]また、反ユダヤ主義者から娘が脅かされるようになったため、1990年にドイツに亡命した。[4]ドイツでは暫く難民キャンプで暮らしていたが、[15]当地で作家のイレーネ・ディーチェと接触。[19]ディーチェの本の付録用にルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの《ディアベッリの主題による33の変奏曲》を録音したところ、その出来栄えからドイツ・グラモフォン・レーベルより正式に販売されることとなった。1992年にはザルツブルク音楽祭に初登場している。[15]ザルツブルク音楽祭に初登場した年[20]から2007年までデトモルト音楽大学で教鞭を執る。[8]
註[編集]
- ↑ 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 “Все пианисты. История фортепиано - Угорский Анатолий”. 2023年3月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年9月6日閲覧。
- ↑ Brachmann, Jan (2023年9月5日). “Nach innen hören”. Frankfurter Allgemeine Zeitung. オリジナルの2023年9月6日時点におけるアーカイブ。 2023年9月6日閲覧。
- ↑ Lebrecht, Norman. “PIANIST FATHER FOLLOWS HIS DAUGHTER TO ETERNITY”. Slippedisc. オリジナルの2023年9月6日時点におけるアーカイブ。 2023年9月6日閲覧。
- ↑ 4.0 4.1 “EXZENTRIKER AM KLAVIER”. BR-KLASSIK. オリジナルの2023年9月6日時点におけるアーカイブ。 2023年9月6日閲覧。
- ↑ アナトール・ウゴルスキ - Discogs
- ↑ “Anatol Ugorski - Pianist Discography”. 2023年9月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年9月6日閲覧。
- ↑ レニングラード出身とする資料もある。(“Out of the U.S.S.R.”. The Crimson. (1992年10月8日). オリジナルの2023年9月6日時点におけるアーカイブ。 2023年9月6日閲覧。)
- ↑ 8.0 8.1 “烏果斯基鋼琴獨奏會「節目取消」 - 最新節目 | 衛武營國家藝術文化中心”. 2023年9月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年9月6日閲覧。
- ↑ “Персоны”. 2023年9月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年9月6日閲覧。
- ↑ アーカイブ 2023年9月6日 - ウェイバックマシン
- ↑ “Anne Carlini - Exclusive Magazine - CD Reviews”. 2023年9月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年9月6日閲覧。
- ↑ 1967年にブカレスト・コンクールで３位入賞とする資料もある。(Все пианисты. История фортепиано - Угорский Анатолий)
- ↑ “シューマン:ダヴィッド同盟舞曲集、他[CD] - アナートル・ウゴルスキ - UNIVERSAL MUSIC JAPAN”. 2023年9月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年9月6日閲覧。
- ↑ Lago, Sylvio (2007). Arte do Piano. Algol Editora. p. 271. モジュール:Citation/CS1/styles.cssページに内容がありません。ISBN 9788560187027
- ↑ 15.0 15.1 15.2 吉澤, ヴィルヘルム (2006). “アナトール・ウゴルスキ”. ピアニストガイド. 青弓社. p. 353. モジュール:Citation/CS1/styles.cssページに内容がありません。ISBN 9784787272089
- ↑ “アナトール・ウゴルスキ（80）ロシア出身のピアニスト”. 月刊音楽祭. (2023年9月6日). オリジナルの2023年9月6日時点におけるアーカイブ。 2023年9月6日閲覧。
- ↑ “スクリャービン生誕150年 定番&レア盤CDが再発売！ ｜ヤマハミュージック直営店・教室”. 2023年9月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年9月6日閲覧。
- ↑ 1968年にブーレーズに熱烈な拍手を送った結果、当局から地方の学校の歌の伴奏のみしか演奏を許されない状況に陥った。(Raphael, Teresa Pieschacón (2018年9月28日). “Ein Künstler mit Chuzpe”. Concerti. オリジナルの2023年9月6日時点におけるアーカイブ。 2023年9月6日閲覧。)
- ↑ Happel, Hans (1998年5月18日). “Vom Elend des Schreibens nach Noten”. Taz. オリジナルの2023年9月6日時点におけるアーカイブ。 2023年9月6日閲覧。
- ↑ Bauer, Elisabeth Eleonore (1993年2月5日). “Der ideelle Klavierspieler...”. Taz. オリジナルの2023年9月6日時点におけるアーカイブ。 2023年9月6日閲覧。
- ↑ “Pianist Anatol Ugorski gestorben”. NDR. (1993年2月5日). オリジナルの2023年9月6日時点におけるアーカイブ。 2023年9月6日閲覧。
- ↑ ベルリンで没したとする資料もある。(“Pianist Anatol Ugorski gestorben”. Pizzicato. (1993年2月5日). オリジナルの2023年9月6日時点におけるアーカイブ。 2023年9月6日閲覧。)
- ↑ デトモルトにて没したとする資料もある。(アナトール・ウゴルスキ（80）ロシア出身のピアニスト)
 
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