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X (ソーシャル・ネットワーキング・サービス)

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X(エックス)は、アメリカ合衆国のX社が運営するソーシャルメディア、ソーシャル・ネットワーキング・サービス。2023年7月24日に「Twitter」から名称を変更した。投稿は「ポスト」と呼ばれ、Twitterと同様に限られた文字数だけで投稿できる。また、投稿データはxAIおよびGrok、テスラのLLM用データセットとして利用されている。

Twitterからの変遷[編集]

2022年4月初旬、個人筆頭株主になったイーロン・マスクテスラCEO、スペースX創設者兼CEO)の取締役就任が発表された。4月9日に一度は辞退したものの、同年4月25日、Twitterはマスクによる株式の100%を取得する買収提案を受け入れた。買収総額は440億ドル、日本円でおよそ5兆6000億円であった。買収提案を受け入れた背景には、主要株主からの売却圧力の高まりがあったと見られている。

しかしマスクは2022年6月6日、偽アカウントやスパムアカウントに関する必要な情報をTwitterが提供しなければ、買収破棄もあり得るとの考えをTwitter社宛ての書簡で明らかにした。同年7月9日、重大な契約違反があったとしてTwitterの買収撤回が報じられた。結局、2022年10月27日にマスクはTwitter社を買収したが、同社がスパムアカウントの数について誤解を招く情報を提供してきたことを理由に、CEOのパラグ・アグラワルやCFOのネッド・シーガル、法務ポリシー担当のビジャヤ・ガッデを含む取締役9名全員が即時解任された。

マスクによる買収後に大量解雇が進められ、2023年1月には従業員が約1300人となり買収前の7500人の5分の1以下となった。大量解雇を受け、元従業員100人以上が仲裁を申し立てたり、集団訴訟に乗り出したりしている。このほかにも主な収入源としている広告も激減し、2022年12月には大手広告主100社のうち72社が出稿を取り止めた。

同サービスのロゴは長年に渡って青い鳥が使用されてきたが、2023年4月4日早朝(日本時間)に日本の柴犬「かぼす」に由来するインターネットミームである「ドージ」のものに差し替えられた。その後同月7日までに元のロゴに戻った。

同年5月12日、マスクは後任のCEOにNBCユニバーサル広告責任者のリンダ・ヤッカリーノが就任すると発表した。

2023年7月23日、マスクは「そして間もなく、私たちはTwitterブランドに別れを告げ、徐々にすべての鳥とも別れを告げるでしょう」とツイートを投稿し、翌日にはWebアプリのロゴが「X」に変更された。サービス名としてのTwitterも「X」に切り替えられた。各メッセージを意味する「ツイート」について、マスクは当初「X's」(「エックセズ」)という呼称に変更するとしていたが、7月31日のiOS版アプリのアップデートでは「ポスト」(Post)に、「ツイート」ボタンは「投稿する」(その後は「ポストする」)に変更された。また、マスクがかつて設立したオンライン銀行であったX.com(2017年にマスクがPayPalから買い戻し)のドメインがtwitter.comへのリダイレクトに変更された。

2024年1月10日、同年内にXにて個人間の送金決済サービスを開始すると発表した。

2024年5月17日、正式にURLがtwitter.comからx.comに変更された(twitter.comx.comへのリダイレクトに変更された)。

機能と用語[編集]

基本的な使用方法や特性、インターフェースはTwitterと同じであるが、後述する有料会員サービスを通して認証を受けているアカウントの場合投稿時の文字数制限が緩和され、10,000文字以内の投稿が可能となる。また、Twitterには無かった通話機能や「Grok(グロック)」なるAIでの会話機能等も追加されている。

改名後に追加された機能[編集]

音声・ビデオ通話(Audio and Video calls)
2023年10月に追加された機能。電話番号は不要で、ダイレクトメッセージの通話ボタンから利用できる。有効にしていない場合は利用できない。またiOS限定の機能であるが将来的にPCやAndroidでも利用可能となるという。
コミュニティノート(Community Notes)
一定の条件を満たしたユーザーが、誤解を招く可能性のあるツイートに対して、「ノート」として役に立つ背景情報を追加できる機能。日本においては2023年7月6日から本格的に実装された。追加されたノートは、まずは一定の条件を満たしたユーザーらによって評価され、肯定的な評価が多数の場合にのみ、全てのユーザーに対してノートが表示される。なお、否定的な評価が多いノートを繰り返し作成した場合、その作成者はノートを追加できる権利を一時的に失う。また、コミュニティノートのアルゴリズムはGitHubにおいて公開されている。
X Premium
2021年11月10日に「Twitter Blue」の名称で開始した有料会員サービス。日本では2023年1月11日に開始した。サービス利用者は、青いチェックマーク、ポストの編集、取り消し、広告表示の減少、長い動画・1080pの動画の投稿などのサービスが受けられる。
2023年7月13日には、一定の条件を満たしたTwitter Blue加入会員に広告収入の一部を分配する広告収益分配プログラムが開始された。サービスの適用は順次拡大され、日本においても8月8日に開始された。他方で、無意味であったり、悪質なデマが含まれるような投稿を、収益目的で繰り返すアカウントが急増しており、問題視されている(後述)。
2023年8月にサービス名を「X Premium」に変更した。また、TweetDeckのサービス名がX Proに変更され、X Proの利用をX Premiumに加入しているユーザーに限定した。
2023年10月、新たなプランとして「プレミアムプラス」と「ベーシック」をそれぞれ追加した。プレミアムプラスは長い動画や長文の投稿に加え、タイムラインでの広告の非表示、返信の最大ブースト、X Pro、クリエイティブ機能等のXの全てのサービスが受けられる。一方、ベーシックは従来のX Premiumと同様にポストの編集や効果の限られた返信のブースト(小)が適用されるものの、収益化やX Proは対象外となる。
求人検索(Job Search)
2023年5月にX社は技術系人材採用プラットフォームのLaskieを買収した。2023年8月には求人掲載機能「X Hiring」を発表し、認証済みの組織向けにベータ版申し込みの受付を開始。
2023年11月17日に求人検索ツールがWebアプリで一般公開され、その後iOSアプリとAndroidでも利用可能となった。
Grok
マスクが設立したxAIによって開発された人工知能チャットボット。2023年12月にXプレミアムプラス向けに開始した。

詳細は「Grok」を参照

記事(Articles)
2024年3月に追加された記事投稿機能。通常のポストとは異なり、タイムラインでブログのように長文コンテンツを投稿できる。太字やイタリック、取り消し線、箇条書き、番号付きリスト等の基本的な書式設定を利用できるほか、記事に画像や動画の埋め込みにも対応。利用にはXプレミアムプラスへの加入または認証済み組織アカウントであることが必要。

改名後に変更となった用語[編集]

投稿関連[編集]

ポスト(post)
旧:ツイート(Tweet)。ユーザーから投稿される文章のこと。
リポスト(repost)
旧:リツイート(retweet)。他のユーザーの投稿を再投稿すること。
ポストボタン(Post button)
旧:ツイートボタン(Tweet button)。ソーシャルボタンのこと。

その他[編集]

X Proアカウント(Professional Accounts)
旧:Twitter Pro。TweetDeckからサービス名が変更されたX Proとは別のツールである。


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