Alex Hartmann
Alex Hartmann(アレックス・ハルトマン)は日本の音楽クリエーター/プロデューサー、ギタリスト。
幼少期[編集]
幼少期から中学までを両親の仕事の関係で海外で過ごした帰国子女で、英語・ドイツ語・フランス語に堪能。
特にカナダではアドバンスクラスに進むほど優秀であったらしく学年トップの成績であった上、飛び級までしている。『あのまま日本に帰らずにカナダに残っていれば良かったとは思う。カナダで当時お世話になっていた担任の先生が、俺が日本に帰国する事になった時とても心配してくれたんだ。カナダに残ったほうが良いのではないかと俺の両親によくアドバイスしていた。日本に帰ったら日本語がおぼつかないのでかなり苦労するのではないかと※1。その予感は見事に的中してしまったよ。日本に帰るべきではなかった。と言ってももう遅いが・・・でもいつかはカナダには戻るつもりだよ。いつになるかは分からないけどさ』と後悔の念を表していた。
※1 日本に帰国する前の一年間は特訓して日本語を習ったらしく、その時に日本語を教えていたのは真由美さんという女性で、現在阪神タイガースの監督を務める岡田彰布さんの奥様である。
生まれは兵庫県神戸市、その後幼少期をアメリカ・ニューヨーク※2/カナダ・モントリオールで育ち、帰国後は神奈川県と千葉県で育つ。もともと身体が弱く、帰国子女の存在自体が珍しい時代。日本語も殆ど話せなかったことや内気な性格が災いし陰湿ないじめを経験。本人曰く何度もカナダに戻る事を両親に具申するも聞き入れてもらえず、どうすればいじめられなくなるかを考えた結果ギターを弾くことが最善と考え音楽家への道を志す。
※2 ニューヨークでの小学生時代、当時学校で英語が話せない子供を対象とした課外授業が毎日あり、小和田雅子妃(皇后雅子)も当時一緒に課外授業で英語を習っていたとインタビューで語っていた。
幼少期は両親、特に父親が相当厳しかったらしく※、『父親が昔の人らしくヒトラーみたいな人で、意見するものならそれが例え正しかろうが間違っていようが常に恫喝された。内気だったのは毎日父親から激しく恫喝された結果、萎縮してしまったからだと今では思っている。家族団らんの楽しい食卓、憧れていたけどウチでは全く無かったね。食事の時は父親が自分がどれほど偉いか、それをヒトラーの如く兄弟全員に晩御飯の時に延々と言うわけですよ。俺たち兄弟は全員下を向いてご飯を食べながら嵐が過ぎ去るのを待つだけ。毎日がそんな日々だった。学校ではイジメられ、家に帰れば父親に恫喝され殴られ・・・学校では日本語がまともに話せなかった上ハーフっぽい外見から友達も出来なかったし差別も受けてね。当時は帰国子女自体が珍しい時代、学校もどう対応していいのかが分からなかったらしい。とにかく毎日が辛くて。でもギターが俺を救ってくれた。』らしい。
※複雑な家庭環境であった事を認める一方、両親については『両親は一流大卒・一流企業勤めであったのでエリート路線を歩んではいたが、特に父親は俺を含めた自分の子供には”躾"という名の虐待をする事が日常茶飯事であった。恐らく外で溜まった鬱憤を俺たちにぶつけていたんだと思う』との事。
こう言った過去の苦労があった為からか、2008年より隙間時間を活用して下積み生活を続けるプロを目指す若いアマチュア・ミュージシャンのサポートを献身的に行っている。
音楽活動[編集]
15歳からギターの弾き方や音楽理論を独学で徹底的に学び17歳でスタジオワークを初めて経験、その後主にセッションギタリストとして活動。数々のアーティストのアルバムレコーディングやツアーにも参加。しかし20代半ば頃、自身が運転する乗用車に信号無視で交差点に進入してきた乗用車にスピードオーバーで側面から追突され瀕死の重傷を負い、一時ギタリスト生命が絶たれたと覚悟したが、懸命のリハビリの末30歳を目前にして音楽活動を再開。特定のバンドには所属せず、本人曰くバンド内における人間関係の煩わしさ※やしがらみが嫌いなので、フリーランスとして活動するほうが性に合っているとの事。
※生粋の日本人であるにも関わらず海外生活が長かったことや当時は日本語も流暢とは言えず、また現在と違い当時の日本は西洋人やハーフのような人口はゼロに近かった時代、また生まれつきのハーフっぽい風貌のため周囲から常に誤解され、海外で教育を受けた事も重なり日本人としてのアイデンティティが希薄であったことは止む得なかったにも関わらずなかなか周囲の理解を得られずかなり苦労を重ねたみたいで、何を言っても理解されない人間関係の煩わしさに辟易したとインタビューで語っていた。このような過去の辛い経験から心を開いて会話ができる人は欧米人ばかりとなってしまったらしい。実際ギターや機材のメンテンナンスを任せているのは15年来の付き合いがある横浜在住のドイツ人である。
80年代から90年代にかけてセッションギタリストとして活動する傍ら、通訳・翻訳業にも携わる。90年代より活動の拠点をアメリカに移し、その後ドイツでも活動。現在は日本に拠点を戻して活動。
ギタリストとして活動する傍ら、作曲・レコーディング作業などを中心に活動する一方、海外からのバンドを誘致したり新たなアーティストの発掘やミュージックイベントの企画などもっぱらプロデュース業にも活動ウェイトを増やしている。
また音楽活動以外にも、2022年2月に始まったロシアによるウクライナ侵攻に呼応し、ウクライナに食料や医療物資などを送る支援を行っている。
音楽性と奏法[編集]
LAメタルのカラッとしたサウンドを好み、またシュラプネル系のハイテクギタリストの演奏スタイルの特徴である速弾き、スウィープ奏法、タッピング奏法などの高度なテクニックは現代のギタリストらしく全て持ち合わせている。本人は否定しているが(ヴァンデンバーグから影響を受けたと明言している)しかし演奏スタイルから明らかにイングヴェイ・マルムスティーンやトニー・マカパインからの影響が大きいと思われる。本人は『若い頃は自室にこもって毎日8時間はギター練習をしていた』と語っていた。
これまでの作曲数は数知れず、利権を売ってしまった曲なども含めるとかなりの楽曲を世に提供してきている模様。街中で聴かれる音楽やメロディーが実は、という事もあるようだが、本人が言うには『利権を売ってしまったあとは誰がどこでどう使っているのかは俺も知らない』と答えていた。毎週のように作曲し週末にはレコーディングスタジオで仕上げ翌週には関係者に実際に演奏してお披露目と活動は多忙を極めた2015年の夏には突然スタジオで倒れ病院に担ぎ込まれたことがあった。
影響を受けたアーティストは数知れず、また音楽ジャンルはバッハからメタリカまで何でも聴き、作曲に生かしているとのこと。『カナダにいた時はギターは殆ど弾いていなかったけど、でも父親が第二次大戦中のドイツ軍の軍歌のレコードをよくかけていた。それは今でも耳に残っている。なぜドイツの軍歌なのか良く分からないけどその時に聴いたメロディが幸運にも俺の音楽知識のいちページとして役立ったりしている。リリーマルレーンと言っても分からないでしょう?そういうのが家の中で流れていた。あとはミュンヘンのビヤホールで流れるような曲とか、とにかくドイツ語の歌がいつも家の中を流れていた』らしい。
ちなみに普段一人で静かに過ごす時は『コーヒーを飲みながらジョージ・ウィンストンやシャカタクなどを良く聴くかな』との事。
機材[編集]
【使用ギター】
当初はフェンダー・ストラトキャスターやシェクターのギターなどのストラト系を使っていた。1990年代後半から2000年代に入ってからはシャーベル・ジャクソン社に代表される所謂『スーパーストラト』系のギターを使用。基本的に新しいギターには殆ど興味を示さず、1980年代半ばから90年代半ばまでに作られたギターを主に愛用している。本人曰く『ギターって弾いてナンボでしょう?例えば楽器店に行って新品の100万円のギターと試奏用の4~5万円のギターだとどちらがいい音がするかです。当然毎日誰かが弾いている試奏用のギターのほうが遥かにいい音がするんですよ。レコーディングすると分かるがその差は歴然としています。ギターは必ずしも値段ではないんです。値の張る新品のギターは木がまだ完全に乾いていない事も多く試奏すれば分かるが音にガッカリすることも多い。ギターは木で出来ているから弾けば弾くほど音が良くなる。まあそれでも100万円のギターを持っていると友達や周りのミュージシャンに自慢はできるだろうけど、聴衆を感動させる音を奏でる事は出来ないんじゃないかな?もちろん否定はしないけどさ。ストラディバリウス?ああいう時価億単位のバイオリン楽器となると話はだいぶ変わってくるけど、しかし同じ木で出来ているから基本同じロジックのはず』
ピックアップに関してはこれまでセイモア・ダンカン、ディマジオ、シェクターなど色々と試してきたが、現在はジャクソンのJ-80とジャクソン社に特注でカスタムワインドしたピックアップをほぼ全てのギターに搭載している。
【使用するギター弦、アンプ】
ギター弦はディーン・マークレイ社の 09 - 46ゲージ若しくは10 - 46ゲージを張り、アンプはマーシャルやMesa Boogie、ヒュースアンドケトナー を使用。
【使用エフェクター他】
80年~90年代はボブ・ブラッドショウが手掛けたサウンドシステム(ラックエフェクター)を主に使っていた。現在は時折フラクタルオーディオ社のAxe-Fx など使うこともあるがライブでは『エフェクターは音を誤魔化すから』という理由でアンプ側のみで殆どサウンドを作ってしまうらしい。(ただしアンプ側のゲインが不足気味の場合は例外的にブースターを追加することもあるとのこと)。
【音楽への取り組み姿勢など】
定期的にNAMMにも足を運び機材の新製品発表なども一応チェックはするものの殆ど興味がないようで、『修理を繰り返して未だに現役のBOSSのME-10をリハの時にはたまに使っているよ。あのアナログサウンドは捨てがたいものがあるからさ』との事。
近年は主流になりつつある安価なデジタルのアンプシュミレーターはあまり好んでおらず、本人曰く『アンプシュミレーターのサウンドクオリティには驚いたけど、俺はギタリストとしてアンプシュミレーターを用いてサウンドを誤魔化したくない。あくまでもL34などの真空管が作り出す本物のアナログサウンドで勝負したい。それがプロでしょう?でないとお金払ってCD買ってくれたりライブ会場に足を運んでくれるお客様の期待を裏切ってしまうし申し訳ないじゃないですか。俺はアナログサウンドに拘りたい。アンプシュミレーターは否定はしていないけど、でも俺はまだ使う気にはなれない。今は猫も杓子もアンプシュミレーターばかり使っているみたいだけど。とは言えまあ10年後は俺も「アナログサウンドは邪道」とか言ってるかもしれないけど(笑)』
その他[編集]
大のカレー・ラーメン好き。特にラーメンは毎週一回は食べないと体調が狂うらしい。逆に嫌いな食べ物はタコ、イカ、ウニ、クラゲ、貝類全般など魚介類。『水族館でも見られるあの気持ち悪い生き物をとても食べる気にはなれない』との事。
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