オットー・クレンペラー
オットー・クレンペラー（Otto Klemperer, 1885年5月14日[1] - 1973年7月6日[2]）は、ドイツの指揮者。[3]
ブレスラウの出身。[4]父ナタン[5]は実業家、[3]母イダ[6]はピアノ教師[3]であった。1889年にハンブルクに移住し、1891年からピアノを学び始めた。 1901年からフランクフルトのホーホ音楽院でヴァイオリン、ヤーメス・クヴァストにピアノ、イヴァン・クノールに作曲を学んだ。1903年にクヴァストについていく形でベルリンのクリントヴォルト＝シャルヴェンカ音楽院に転学し、クヴァストにピアノを学びつつ、フィリップ・シャルヴェンカに音楽理論を学んだ。さらに1905年にクヴァストについていく形でベルリンのシュテルン音楽院に転学し、クヴァストの許での勉学を継続しつつ、指揮法と作曲をハンス・プフィツナーに師事した。[1]同年、オスカー・フリートの指揮するグスタフ・マーラーの交響曲第２番の上演でバンダの指揮を任され、マーラーの知己を得た。[7]1906年にはベルリン新劇場でのジャック・オッフェンバックの《天国と地獄》の上演をフリートの代理で指揮をして本格的に指揮者としてデビューを果たした。[8]1907年にはマーラーの交響曲第２番のピアノ編曲を作曲者に見せ、マーラーの推薦によりプラハ・ドイツ劇場の指揮者兼合唱指揮者になった。1909年には第二楽長に昇格したが、1910年には支配人のアンジェロ・ノイマンと衝突して解雇となった。[1]1910年にはマーラーからまた推薦状を貰い、ハンブルク国立歌劇場の指揮者となった。[9]1913年からバルメン歌劇場に転任したが、翌年には恩師のプフィツナーの後任としてシュトラスブルク歌劇場の指揮者に転じた。[10]1917年にはグスタフ・ブレッヒャーの後任としてケルン歌劇場の音楽監督を務めたが、ケルン市の音楽総監督を務めていたヘルマン・アーベントロート[11]と対立していた。[1]1924年からヴィースバーデン歌劇場に転じ、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団にも度々客演するようになった。[8]1927年からベルリンのクロール・オーパーの指揮者を務めたが、[12]1931年にはクロール・オーパーが閉鎖した[1]後は、ベルリン国立歌劇場の指揮者となった。[10]1933年にはドイツを出国し、ロサンジェルス・フィルハーモニックの首席指揮者を務めた。[1]1939年には良性の脳腫瘍に罹患し、ボストンのクリニックで手術を受けた。その手術の結果、顔面や右半身の部分的な麻痺に陥り、[10]1940年にはロサンジェルスの職を解任された。[8]1941年にはサナトリウムで医師と喧嘩し、医師に虚偽の通報をされたことで社会的信用が失墜。挽回の為に自らオーケストラを結成して自主公演を行った。[1]以後、数年間アメリカでは客演で糊口をしのいだ[8]が、1946年からはヨーロッパで指揮活動を行うようになり、[10]1947年から1950年までブダペスト国立歌劇場の音楽監督を務めた。[1]1951年にはモントリオール交響楽団を指揮しにモントリオールに行った[13]が、飛行機のタラップで転倒して左大腿骨頸部を骨折し、[1]1952年に回復し、[8]EMIレーベルのプロデューサーであるウォルター・レッグと録音契約を結んだ。[1]しかし、ハンガリーでの勤務経験から共産主義者の嫌疑をかけられ、またナチスとの関係の疑われたことでアメリカ国外への旅行を一時的に禁じられた。[10]1953年末に漸く国外に出られるようになり、1954年から客演中心で指揮活動を展開。[8]1958年には寝タバコにより大やけどを負った。[14]1959年からフィルハーモニア管弦楽団の首席指揮者を務め、[15]1964年に自主運営のニュー・フィルハーモニア管弦楽団に改組した時も会長としてオーケストラを支えた。[16]1972年には体調の悪化により演奏活動が出来なくなる。[8]
チューリヒの自宅で睡眠中に死去。[1]
脚注[編集]
- ↑ 1.00 1.01 1.02 1.03 1.04 1.05 1.06 1.07 1.08 1.09 1.10 “オットー・クレンペラー・コレクション 1934～1963年録音集（72CD） | HMV&BOOKS online - VN030”. 2022年12月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年12月31日閲覧。
- ↑ 平林, 直哉「Klemperer クレンペラー，オットー」『指揮者のすべて』音楽之友社、1996年、78頁。モジュール:Citation/CS1/styles.cssページに内容がありません。ISBN 9784276960220。
- ↑ 3.0 3.1 3.2 “オットー・クレンペラー (Otto Klemperer) - 指揮 - NML ナクソス・ミュージック・ライブラリー”. 2022年12月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年12月31日閲覧。
- ↑ “Mahler - Otto Klemperer (1885-1973)”. 2022年12月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年12月31日閲覧。
- ↑ “Nathan Klemperer (1840 - 1924) - Genealogy”. 2022年12月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年12月31日閲覧。
- ↑ “Ida Klemperer (Nathan) (1849 - 1923) - Genealogy”. 2022年12月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年12月31日閲覧。
- ↑ “マーラー：交響曲第2番『復活』、モーツァルト：交響曲第29番 オットー・クレンペラー＆フィルハーモニア管弦楽団（1963年ステレオ・ライヴ）（2CD） : マーラー（1860-1911） | HMV&BOOKS online - SBT21348”. 2022年12月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年12月31日閲覧。
- ↑ 8.0 8.1 8.2 8.3 8.4 8.5 8.6 “Otto Klemperer Archive [finding aid]. Music Division, Library of Congress”. 2022年12月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年12月31日閲覧。
- ↑ 宇野, 功芳「オットー・クレンペラー 幾度もの肉体的試練を乗り越えながら大成した晩成の巨人」『クラシック 不滅の巨匠たち』音楽之友社、1996年、76頁。モジュール:Citation/CS1/styles.cssページに内容がありません。ISBN 9784276960039。
- ↑ 10.0 10.1 10.2 10.3 10.4 “Otto Klemperer”. 2022年12月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年12月31日閲覧。
- ↑ “ヘルマン アーベントロートとは - コトバンク”. 2022年12月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年12月31日閲覧。
- ↑ “オットー・クレンペラー 〜大器の音楽〜 - 花の絵”. 2022年12月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年12月31日閲覧。
- ↑ Helmer, Paul (2009). Growing With Canada. McGill Queens University Press. p. 206. モジュール:Citation/CS1/styles.cssページに内容がありません。ISBN 9780773535817
- ↑ “交響曲第7番 オットー・クレンペラー＆ウィーン交響楽団（1958年ライヴ） : ブルックナー (1824-1896) | HMV&BOOKS online - SBT1459”. 2022年12月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年12月31日閲覧。
- ↑ Bowen, José Antonio (2003). The Cambridge Companion to Conducting. Cambridge University Press. p. 188. モジュール:Citation/CS1/styles.cssページに内容がありません。ISBN 9780521527910
- ↑ 宇野 1996, p. 78
 
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