アズテックUFO事件
アズテックUFO事件(アズテックUFOじけん、英語:Aztec, New Mexico, UFO incident)は、1948年にアメリカ合衆国ニューメキシコ州アズテックで起きたUFOの墜落事件とされるものである。「もうひとつのロズウェル」 ("other Roswell") とよばれることがある。話は、最初、1949年に著者フランク・スカリー (Frank Scully) によって彼のヴァラエティー・マガジンのコラムで、そしてのちに彼の1950年の本『"Behind the Flying Saucers"』で、公表された。1950年代なかばに、話は、2人の詐欺師サイラス M. ニュートン (Silas M. Newton) とレオ A. ジュボエ (Leo A. Gebauer) によって、異星人の技術とされるものを売るために詐欺計画の一部としてでっちあげられた捏造として暴露された。1970年代から、一部のUFO研究家は、複数の書物で話をよみがえらせて墜落と称されるものは本当であると主張した[1][2][3]。2013年に、一部のUFO研究家によって墜落事件を立証すると主張されたFBIメモは、「われわれがけっして調査しなかった、2人の媒介者を介して入手された、あるいは3人の媒介者を介して入手された主張」 ("a second- or third-hand claim that we never investigated") として局によって片付けられた[4]。
事件[編集]
スカリーによれば、1948年3月に、16人のヒューマノイドのボディーを含む未確認航空船 (unidentified aerial craft) は、アズテックの北西12マイルのハート・キャニオン (Hart Canyon) に管制着陸をしたのち、軍によって回収された。船は、直径99フィート (30 m)で、今まで最大のUFOと言われた。スカリーは、情報源として、ニュートンとジュボエとして名前の判った2人の男性を名指しし、彼らは彼に、事件は隠蔽され、「軍が船を秘密調査のために取った」 ("the military had taken the craft for secret research") と語ったとされる[3][5][6]。
スカリーは、墜落したUFOは、政府によって捕獲された他のUFOとともに、金星からやって来て、「磁気原理」 ("magnetic principles") に基づいて動いたと書いた。スカリーによれば、住民は濃縮食品と、飲用目的で「重水」 ("heavy water") をたくわえ、そして船のあらゆる次元は「9で割り切れ」 ("divisible by nine") た。科学ライター マーティン・ガードナー (Martin Gardner) は、スカリーの話を「とんでもない想像」 ("wild imaginings") と「科学的な大間違い」 ("scientific howlers") に満ちていると批判した[7]。
捏造[編集]
1940年代後半と50年代前半に、サイラス・ニュートン (Silas Newton) とレオ A. ジュボエ (Leo A. Gebauer) は、アズテックを旅して油業界では「アリジゴク」 ("doodlebugs") と知られた装置を売ろうとした[8]。彼らは、これらの装置は油やガス、金(きん)を見つけられる、それは、空飛ぶ円盤の墜落とされることから回収された「異星人の技術」 ("alien technology") に基づいているからだと主張した。『San Francisco Chronicle』のJ. P. カーン (J. P. Cahn) が、その詐欺師らに異星人の装置とされる物の金属片を要求したとき、彼らは、彼に、或るサンプルを提供したが、それはふつうのアルミニウムであると判明した[8]。1949年に、著者フランク・スカリーは、ニュートンとジュボエによって自分に語られた墜落の話を、『Variety magazine』の一連のコラムで、公表した。彼はのちにこれらのコラムをふくらませて『"Behind the Flying Saucers"』を制作したが、これはUFOに関する公衆に影響を及ぼしたベストセラー書物である。4年後、捏造は雑誌『True』で暴露された。記事が公表されたのち、2人組の多くの犠牲者は名乗り出た。犠牲者のひとりが百万長者ハーマン・フレーダー (Herman Flader) で、彼は訴えた。2人は1953年に有罪判決を言い渡された[1][3]。
UFO研究家[編集]
1950年代をつうじて1970年代前半まで、大部分のUFO研究家は、この主題をまったく不名誉なものとみなし、したがってそれを避けた。しかしながら、70年代後半に著者レナード・ストリングフィールド (Leonard Stringfield) は、事件は本当であるだけでなく、関わった船はアメリカ軍に捕獲され貯蔵された多くのUFOの1つでもあると称した[9]。後年、ロズウェルの墜落の多くの「直接仕入れの」 ('first hand') 話は、アズテックの墜落の話をふくみ[9]、船はあらゆる熱を通さない材料で作られたと主張する人々もいれば、船は墜落で損傷を受けたと主張する人々も居た。ヒューマノイドのボディーとされるものは、高さ36インチ (91 cm)ないし42インチ (110 cm)、重さ約40ポンド (18 kg)であると言われた。UFO研究家は、船が落とされた直後に、軍は、ボディーをふくむ地域の証拠を取り払い、その後、それをライト=パターソン空軍基地のハンガー18に運んだと主張した[2][3]。
FBIメモ[編集]
2011年4月に、UFO熱狂者は、「ホッテル・メモ」 ("Hottel memo") として知られるようになったものを発見したが、これはFBIの「地下貴重品保管庫」 ('Vault') ウェブサイトの閲覧で入手し得た[8]。メモはけっして分類されず、数年間、オンラインで巡回していたけれども、これは合衆国政府による公式な隠蔽の「証拠」 ('proof') と見なされた[8]。メモは、ガイ・ホッテル (Guy Hottel) という男性の報告を含んだが、彼は当時、FBIのエージェントであった[10]。それはJ. エドガー・フーヴァー (J. Edgar Hoover) 宛てにされたが、しかしこれは当時、標準的な慣習であった[10]。ホッテルの話はカンザス州カンザスの法律新聞『the Wyandotte Echo』1950年1月6日に公表された記事の改作された話の改作された話であることはのちに発見された。『Wyandotte Echo』の記事そのものは、地元の車のセールスマンとラジオ局の広告マネージャーの話の改作された話であった[8]。結局のところ、FBIのメモのなかの詳細は、捏造の話に直接、跡づけられ得た[8]。メモがFBIのウェブサイトに張り出されたのち、それは2年間で100万の閲覧をされた[10]。
2013年に、FBIは、メモに関するプレスリリースを発表した。メモの文脈と、捏造との関連を扱って、局は書いた「ホッテル・メモはUFOの存在を証明しない。それは、われわれがけっして調査しなかった、2人の媒介者を介して入手された、あるいは3人の媒介者を介して入手された主張にすぎない。なかにはメモは当時、流布していた捏造をそのまま繰り返したと信じる人々もいるが、しかし局のファイルはその説を証拠だてる情報を持っていない。」 ("Finally, the Hottel memo does not prove the existence of UFOs;it is simply a second- or third-hand claim that we never investigated.Some people believe the memo repeats a hoax that was circulating at that time, but the Bureau’s files have no information to verify that theory.") [4]
資金調達者[編集]
この事象は、アズテックUFOシンポジウム (Aztec UFO Symposium) を生み、これは1997年から2011年まで、アズテックによって、ニュー・メキシコ・ライブラリー (New Mexico library) を資金調達者として、運営された[6][11]。
脚注[編集]
- ↑ 1.0 1.1 “Aztec (New Mexico) UFO Hoax”. The Skeptic's Dictionary. 2016年4月8日閲覧。
- ↑ 2.0 2.1 John Michael Greer (2009). The UFO Phenomenon: Fact, Fantasy and Disinformation. Llewellyn Worldwide. pp. 119–. モジュール:Citation/CS1/styles.cssページに内容がありません。ISBN 978-0-7387-1319-9
- ↑ 3.0 3.1 3.2 3.3 Benjamin Radford (August 15, 2014). Mysterious New Mexico: Miracles, Magic, and Monsters in the Land of Enchantment. University of New Mexico Press. pp. 68–. モジュール:Citation/CS1/styles.cssページに内容がありません。ISBN 978-0-8263-5452-5
- ↑ 4.0 4.1 “UFOs and the Guy Hottel Memo” (プレスリリース), Federal Bureau of Investigation, (2013年3月25日) 2013年3月30日閲覧。
- ↑ Irvin, Leigh (2012年3月28日). “Aztec UFO landing subject of new book”. Farmington Daily Times (New Mexico) 2013年4月1日閲覧。
- ↑ 6.0 6.1 Saunders, Rhys (2006年3月26日). “Sharing stories of unexplained phenomena”. Farmington Daily Times (New Mexico): p. 1A. Article ID: fdn29283847 Article available via Farmington Daily Times Online Archive, (fee based).
- ↑ Martin Gardner (May 4, 2012). Fads and Fallacies in the Name of Science. Courier Corporation. pp. 71–. モジュール:Citation/CS1/styles.cssページに内容がありません。ISBN 978-0-486-13162-7
- ↑ 8.0 8.1 8.2 8.3 8.4 8.5 Emspak, Jesse (2011年4月11日). “FBI Hottel Memo Reveals UFO Hoax”. International Business Times (New York: Etienne Uzac) 2013年4月1日閲覧。
- ↑ 9.0 9.1 Greer, John Michael (2009). The UFO Phenomenon: Fact, Fantasy and Disinformation (1st ed.). Woodbury, MN: Llewellyn Worldwide. モジュール:Citation/CS1/styles.cssページに内容がありません。ISBN 978-0-738-71319-9
- ↑ 10.0 10.1 10.2 “UFOs and the Guy Hottel Memo” (プレスリリース), Federal Bureau of Investigation, (2013年3月25日) 2013年4月1日閲覧。
- ↑ Mayeux, Debra (2005年3月25日). “OFF HOURS: UFO symposium enters 8th year as Aztec residents search for truth”. Farmington Daily Times (New Mexico): p. OH-13. Article ID: fdn16000832 Article available via Farmington Daily Times Online Archive, (fee based).
読書案内[編集]
- Radford, Ben (2014). “Chapter 4 The Great Aztec UFO Crash”. Mysterious New Mexico. Albuquerque, NM: University of New Mexico Press. pp. 79–98. モジュール:Citation/CS1/styles.cssページに内容がありません。ISBN 978-0-8263-5450-1
- Scully, Frank (1950). Behind the Flying Saucers. New York: Henry Holt and Company. モジュール:Citation/CS1/styles.cssページに内容がありません。OCLC 1467735
- Reece, Gregory L. (2007). UFO Religion: Inside Flying Saucer Cults and Culture. London; New York: I. B. Tauris. モジュール:Citation/CS1/styles.cssページに内容がありません。ISBN 978-1-845-11451-0
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