X (2023年創業の企業)
X Corp.(エックスコープ)は、アメリカ合衆国カリフォルニア州サンフランシスコに拠点を置くテクノロジー企業である。イーロン・マスクが保有するX Holdings Corp.の完全子会社であり、かつてマスクが買収したTwitter, Inc.と合併した上で設立され、マイクロブログとソーシャル・ネットワーキング・サービスの「X」(旧・Twitter)を運営している。日本の報道等ではX社と呼ばれることもある。
歴史[編集]
2022年4月、米国証券取引委員会に提出された資料にて、マスクがデラウェア州に3つの共同企業体を設立し、それらの企業名がX Holdingsであったことが判明した。提出書類によると、そのうちの1つはTwitter, Inc.と合併し、もう1つは合併後の新会社の親会社となる予定となっていた。その後、第3のエンティティが、さまざまな大手銀行から提供された130億米ドルの融資を引き受けてTwitterの買収を支援した。
「X」という社名は、マスクが1999年に共同設立したオンライン銀行であるX.com(現:PayPal)に由来する。マスクは2020年12月に「X」という名称で新しい持株会社を設立することを新たに呼びかけたTwitterユーザーに返信したが、自身の事業をクリス・アンダーソンに買収するという考えを却下した。また、マスクはXについて、テンセントが所有するWeChatのようなものにしたいと明言した。
2023年3月9日、マスクはX Holdings Corp.とX Corp.をネバダ州に登録し、同日に人工知能(AI)企業であるxAIの設立を計画していることがフィナンシャル・タイムズにより報じられた。X Corp.とxAIは別会社だが、2023年11月19日にマスクはX Corp.の投資家がxAIの25%を所有すると発表した。
2023年4月4日、カリフォルニア北部地区連邦地方裁判所に提出された資料にて、「TwitterがXに吸収合併され、もはや会社としては存在しない」という記述があり、マスクが保有するX Holdings傘下のX Corp.に統合されたことが判明した。
2023年5月12日、マスクがCEOを退き、CTO兼任取締役に就任することを発表した。後任CEOにはかつてNBCユニバーサル広告部門責任者を務めたリンダ・ヤッカリーノが就任した。
2023年7月24日、TwitterのWebアプリのロゴが「𝕏」に変更され、上述したx.comのドメインもtwitter.comへのリダイレクトに変更された。また、サービス名としてのTwitterも完全に消滅し、Xに切り替えられることになり、社名とサービス名も統一されることになった。これにより、サンフランシスコの本社に付けられていたTwitterの看板も撤去された。
2023年7月28日、TwitterからXへの変更に合わせてサンフランシスコの本社に、夜間に点滅する巨大な看板を市の許可なく設置した。しかし、サンフランシスコ市の建築検査局によると、この看板について、白色の光線が明るすぎると、近隣住民から24件の苦情が寄せられたという。これを受けて、この看板は同月31日に撤去された。
2023年8月、ヤッカリーノはマスクの下で事業を運営するための自主性を持ち、会社運営については全てに関与していると述べた。また、Xへの変更の理由についても、「Twitterからの解放」と述べた上で、「もしユーザーがTwitterを使い続ける場合、漸進的な変更になる傾向がある。Xでは何が可能なのかを考える。できないことを少しずつ変えるのではない」と述べた。