鈴木鎮一
鈴木 鎮一(すずき しんいち、英: Shin'ichi Suzuki、1898年〈明治31年〉[1]10月17日[2] - 1998年〈平成10年〉[3]1月26日[4])は日本のヴァイオリン奏者。 [5]
名古屋市東門前町にて、[6]ヴァイオリン製作者の鈴木政吉と、その妻、良の息子として生まれる。[7][8][9][10]幼少期から父のヴァイオリン工場を遊び場にする形でヴァイオリンに慣れ親しむ。[11]1911年から1916年まで名古屋市立商業学校に通った[9]が、15歳の時にミッシャ・エルマンによるフランツ・シューベルトの《アヴェ・マリア》の録音を聴いて、独学でヴァイオリンを弾くようになった。[6]商業学校卒業後は、父の工場の「輸出係」として就職するも、1918年に体調を崩して静岡県の興津で静養を余儀なくされた。療養先で実業家の柳田一郎と知り合い、その柳田の伝手で徳川義親の知己を得、1919年に徳川の北千島探険旅行に参加している。[9]この旅行に参加していたピアノ奏者の幸田延と徳川に勧められてヴァイオリンの本格的な勉強を勧められた。これを受けて1920年に上京し、ヴァイオリンを安藤幸、楽典を弘田龍太郎、音響学を田辺尚雄に学んだが、東京音楽学校には、同校の卒業演奏会を聴き、入学しなかった。1921年から徳川らの世界一周旅行に同行する形でドイツに留学。1922年にはクリングラー弦楽四重奏団の演奏を聴いてカール・クリングラーに弟子入りしている。[12][13][14]1928年にはヴァルトラウト・プランゲと結婚した[15]が、同年、母の危篤の報せを受けて帰国し、そのまま日本に留まって兄弟たちと弦楽四重奏団を結成する。[16]1930年には新交響楽団と共演。[17]1931年には帝国音楽学校の教授に就任したが、[16]1943年に第二次世界大戦の影響を受けて帝国音楽学校が経営難で解散し、しばらく鈴木ヴァイオリンの木曽福島工場長として水上飛行機のフロート製作に携わった。[18]戦後、1946年には松本音楽院を開設し、「全国幼児教育同志社会」を結成して才能教育運動を展開。1948年には「全国幼児教育同志社会」を「才能教育研究会」に改組している。[9]
註[編集]
- ↑ “鈴木鎮一 - NPO法人 国際留学生協会/向学新聞”. 2024年7月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年7月11日閲覧。
- ↑ “ニュース”. 2024年7月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年7月11日閲覧。
- ↑ “スズキ・メソード指導者の指導観に関する一考察”. 2024年7月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年7月11日閲覧。
- ↑ 中曽根, 松衛「ヴァイオリン教育、スズキメソードを確立!! 世界に普及し功績を挙げ、ヴァイオリニストを育成!! ―鈴木鎭一」『音楽界戦後50年の歩み』芸術現代社、2001年、283頁。モジュール:Citation/CS1/styles.cssページに内容がありません。ISBN 9784874631553。
- ↑ 鈴木鎮一 - Discogs
- ↑ 6.0 6.1 “生涯(10代) | 鈴木鎮一記念館”. 2024年7月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年7月7日閲覧。
- ↑ “舞台劇「音にいのちあり〜鈴木鎮一・愛と教育の生涯〜」ルポ2”. 2024年7月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年7月11日閲覧。
- ↑ 政吉の三男である。(“1.鈴木政吉とバイオリンの出会い 2.国産第 1 号鈴木バイオリン 3.鈴木バイオリン製造”. 2024年7月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年7月11日閲覧。)
- ↑ 9.0 9.1 9.2 9.3 “鈴木鎮一と才能教育――その形成史と本質の解明”. 2024年7月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年7月11日閲覧。
- ↑ 中曽根が「鈴木先生の一代記の年譜より拝借」して記すには、「一〇月一七日、名古屋市東門前町に父・政吉、母・良の次男として生まれる。」とある。(中曽根 2001, p. 287)
- ↑ “ロイス・シェパード先生「鈴木鎮一先生の思い出」③”. 2024年7月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年7月11日閲覧。
- ↑ “生涯(20代) | 鈴木鎮一記念館”. 2024年7月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年7月7日閲覧。
- ↑ ロイス・シェパードによれば、クリングラーの許で8年間学び、最初の4年間はソナタとコンチェルト、次の4年間はクリングラーの専門分野である室内楽を師事したという。(ロイス・シェパード先生「鈴木鎮一先生の思い出」③)
- ↑ ベルリンでクリングラーに学んだ期間を1920年から1928年までとする資料もある。(淺香, 淳『新音楽辞典 人名』音楽之友社、1989年、288頁。モジュール:Citation/CS1/styles.cssページに内容がありません。ISBN 9784276000148。)
- ↑ “ISA Journal 12.1”. 2024年7月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年7月7日閲覧。
- ↑ 16.0 16.1 “生涯(30代) | 鈴木鎮一記念館”. 2024年7月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年7月7日閲覧。
- ↑ 淺香 1989
- ↑ “生涯(40代) | 鈴木鎮一記念館”. 2024年7月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年7月7日閲覧。
- ↑ 中曽根 2001, p. 292
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