うたわれるものの登場人物
提供:EverybodyWiki Bios & Wiki
うたわれるものの登場人物(うたわれるもののとうじょうじんぶつ)では、ゲームおよびそれを原作としたアニメ作品の『うたわれるもの』シリーズ(『うたわれるもの』『うたわれるもの 偽りの仮面』『うたわれるもの 二人の白皇』『うたわれるもの ロストフラグ』)に登場する、架空の人物について記述する。
『うたわれるもの』からの登場人物[編集]
声の「英語」は、日本国内版Blu-ray Disc BOXにも収録されている英語版アニメでの声優を記載。なお英語版声優のリンクは、片仮名書きは日本語版ウィキペディアの、アルファベット書きは英語版ウィキペディアの記事へリンクしている。
主人公、ヒロイン[編集]
- ハクオロ
- 声 - 日本語:小山力也、英語:ジョン・グレミリオン
- 『うたわれるもの』の主人公。大怪我をして倒れていた所をエルルゥ達に助けられる。助けられる以前の記憶を失っており、なぜか外すことの出来ない仮面を着けている。ヤマユラの村人達に獣のような耳や尻尾がある事や、自身が各種の高度な専門知識(農作に有用な化学肥料や製鉄技術、薬品の調合など)を持っている事に疑問を持ち、自分自身とそれを取り巻く世界に感じる微妙な齟齬を訝しみつつも、おおらかで穏やかな村の雰囲気に徐々に馴染み、そこでの暮らしを受け入れていく。「ハクオロ」とは、トゥスクルの計らいでエルルゥ達の実父(故人)から借りうけた名前である。開発スタッフによれば、イメージ的な年齢は27歳〜28歳とされる[1]。カミュに「おじ様」と呼ばれた時にショックを受けたり、アルルゥから父親の面影を重ねられたときに内心複雑な心境であるような言動を見せたりと、記憶喪失であることも相まって自分自身の年齢を気にしている。時に優しく、時に厳しい父親のような性格。自らの胸の内や悩みは人に話さず自分で解決する傾向にあり、それでいて大抵の逆境は自力でどうにか出来てしまうという難儀な性をしているが、それでも安定した人格者であり、宿命から逃げない人物[2]。
- 『うたわれるもの』におけるハクオロ
- ヤマユラの集落にて、化学肥料などを使用する新しい農法の知識を使い、病み上がりながらも一緒になって頑張り農作物の収穫量を大幅に上げたり、その農作物を狙ってやってくる狡猾なキママゥの集団をテオロ達と一緒に追っ払ったりと、自分を快く受け入れてくれた人達のため、村の発展に全力を尽くしていく。
- クッチャ・ケッチャがトゥスクルに侵攻してきた際のオリカカンとのやり取りで、オリカカンの「大義は我にあり」という侵攻を正当化する言葉に対して、「戦にそんな綺麗事は存在しない!」と一喝していたりなど[3]、決して戦(いくさ)を美化したり正当化しようとせず、むしろ避けるべきものと考えているようである。
- 酒や釣りが好きで、時間が空いた際などによく嗜んでいる。また、エルルゥやアルルゥをはじめとした、自身が大切にしている人たちと過ごす何気ない時間を何より大切にしている。
- 戦、そして自身の正体に対する疑問など、様々なことに悩み苦しみながらも、エルルゥ、アルルゥをはじめとした多くの人たちに支えられ助けられ、自身の想いを貫き通してゆく。
- その正体は、遥か過去から存在する神の如き存在「力のある者」(正式名称は不明)であり、亜人間達から「ウィツァルネミテア」と呼ばれ崇められる存在。ハクオロは、その力のある何かの半身が顕現した姿、「空蝉」である。「古代」において、ごく普通の人間の青年が認知外の高位存在と同化してしまった末の意識が彼であり、「創成期」でのアイスマンとは彼のこと。ハクオロの被る仮面は、幾千本もの未知の繊維で直接脳髄に縫い付けられており、脱着は完全に不可能である。その繊維はそれぞれが脳の各部に作用し、身体機能や免疫力などを向上させる機能を持つ。その効果を研究するための実験体が亜人間たちの祖先であり、ハクオロは遺伝子的な意味で「現代」に生きる全人類の父であると言える。
- 「ハクオロ」とは前大戦で空蝉(ウィツァルネミテア)がトゥスクルに告げた名前で、トゥスクルはそれを自分の息子に貰っていたが、エルルゥが担ぎ込んできた大怪我をした人物がその本人であることに当初から気付き、名前を「返還」した。つまりハクオロという「白き皇(白皇(ハク・オウルォ)」を意味する名前は、借り物ではなく彼の真名である。
- オンカミヤムカイ最深部にて精神の統合後、大神である自身がこの世に相容れぬ災いであることを認識し、自ら封印されることを選ぶ。自身の存在に悩み苦しみながらも、自分が封印される瞬間まで自身の意思を貫き通した。エピローグでは、誰かの気配に気づいたエルルゥが背後を振り返るところで物語は幕を閉じるが、ハクオロが帰ってきたのかどうかは謎のままである[注 1]。
- シミュレーションパート
- トゥスクルから渡された、刃を仕込んだ鉄扇(毒液も流し込むことが可)を操り、既存の概念にとらわれない采配を振り、先頭に立って一軍を率いる。なお、連撃最後の技の属性は火神・水神・土神・風神の内の一つが反映される。
- ウィツァルネミテアに変身した状態で戦う場面もあるが、ムツミとディー(変身後)との戦いの時のみであり、任意での変身は不可。装備・道具・蒐集品をコンプリートした状態で挑める特別戦闘では、ハクオロが戦闘不能になった場合のみウィツァルネミテアに変身することができる。
- 『うたわれるもの 二人の白皇』におけるハクオロ
- 自分の力の暴走を抑えるために自らの意思でオンカミヤムカイに封印されており、旧人類の後継者「うたわれるもの」を、オンカミヤムカイの奥深くの大封印殿にて待ち続けていた。
- 物語の終盤、ハクがウィツァルネミテアの力を受け継いだ事により、自分は力を失い、人として現世への復帰を果たした。
- エルルゥ
- 声 - 日本語:柚木涼香、英語:キラ・ヴィンセント=デイヴィス
- 本作のヒロイン。大怪我をして倒れていたハクオロを助けた少女。面倒見が良く、村人に慕われる心優しい性格。しかし、自分の胸が小さいことにコンプレックスを抱いており、ハクオロが他の女性と親しくしている時に不機嫌になるなど嫉妬深く「やきもち焼きが唯一の欠点」とされ[4]、怒らせると誰も止められない[注 2]。家事全般が得意。酒が入るとすぐ酔うが、そこから一向に潰れない[5]。薬師の卵で、祖母であるトゥスクルには薬の調合法などを教わっている。薬草や薬石を採りに行くのが好きで、しばしば森まで通っている。トゥスクルの遺言でアルルゥとともにハクオロに預けられ、建國後はトゥスクル國の薬師となり、以後ハクオロの御付として体調管理を任され彼を見守り続ける。建國後はハクオロが「家族」と説明したこともあり、当初ウルトリィからは皇后と勘違いされたこともある。エルルゥの名前は、トゥスクルの姉と姉妹草から取られている。
- 『うたわれるもの』におけるエルルゥ
- 本編開始前、地震によって瀕死の重傷を負ったアルルゥを救うため、ハクオロ(ウィツァルネミテア)との間に自らの存在を明け渡す契約を結んでいる。ハクオロへの愛情はその契約による部分もあり、本人にもその自覚はあるが、それを抜きにしてもハクオロ個人へ本当の愛情を抱いている。その旨を声に出すことが出来なかったが、その苦難に耐えながらも別れる時までハクオロを精一杯支え続けた[6]。その後は薬師として村のために尽力し続け、アルルゥと共にハクオロの帰りを信じて待ち続けている。
- 髪飾りに輪っかをつけているが、ヤマユラの村の習慣で成人した女性が貰うものとされる[注 3]。これはエルルゥの家の長女に代々伝わるもので[注 4]、実はエルルゥの持つ輪っかがオリジナルであるミコトの輪っかであり、それ以外の人間が持つ輪っかは、そのレプリカである[7]。
- その契約は後に破棄されている(アニメ版では第25話、ゲーム中ではムツミ戦の前に「契約を破棄する」と言っている)ので、ハクオロが封印されてもエルルゥ(アルルゥ)には影響がなかった[注 5]。
- シミュレーションパート
- 相手に直接ダメージを与える攻撃はしないが、祖母仕込みの薬術で傷薬やコンシューマー版ではちょっと危ない薬[8]までもを生成し(PC版は回復のみ)、一軍の要として尽力する。
- アニメ版
- 戦闘に参加することはないが(シケリペチムとの戦いで、アルルゥと共にムックルに乗って戦場へ向かうカットがあるのみ)、主にハクオロにとって精神面での補助に尽力していると言える。
- 『うたわれるもの 二人の白皇』におけるエルルゥ
- クオンにとっては最も絆の深い母代わりの人物であり、トゥスクルで知らない者はいないと言われるほどの薬師になり、クオンに薬師の指南を行っていた。だがある時を境に忽然と世俗から姿を消したとされているが、オンカミヤムカイの地下深くで現世に帰還したハクオロの傍にて、世話と封印の監視を行っていた。
- 物語の最後で、人として帰還したハクオロと再会し、積年の想いをかなえることとなる。
主人公の仲間となる人物[編集]
- アルルゥ
- 声 - 日本語:沢城みゆき、英語:Sasha Paysinger
- エルルゥの妹。無口で人見知りが激しいが、一度懐くと甘えたり悪戯をしたりする。ハクオロを「おと〜さん」と呼び慕う。動物と心を通わすことができ「森の母(ヤーナ・マゥナ)」ともよばれる。ユズハとカミュとは親友であり、「アルちゃん」と呼ばれている。食欲旺盛な育ち盛りで、皆からは小動物の如く可愛がられ、よく餌付けされている。はちみつが大好物で、カルラに便乗して倉にてつまみ食いすることもしばしば。無垢な性格の割に頭の回転が早く、勘が鋭い。また真っ直ぐな性格で、身内などが危険にさらされた時にはどんな状況であっても黙っていられず、そのため何度か危険な目にあうこともあった(内一回はウィツァルネミテアの契約により蘇生した)。アルルゥの名前は、姉妹草からとられている。エルルゥと共に最後までハクオロの精神を支え続け、たとえ異形の者と化してしまっても、ハクオロのことを「お父さん」と呼び続けていた。ハクオロにとっては、正真正銘の「娘」と言える存在。
- 『うたわれるもの』におけるアルルゥ
- 実は本編開始前、地震によって瀕死の重傷を負っており、ウィツァルネミテアの契約によって救われている。
- 動物たちと心を通わす能力は、家に代々遺伝として伝わるもので、亡きトゥスクルの姉の他、この世界では同じ能力を持った人間が他にもいるものとされる(エルルゥやトゥスクルにも遺伝はしたが、この能力は使えないとされる)[7]。
- 原作者の菅はインタビューで「特にお気に入りの登場人物は?」という問いで迷った末にカルラとアルルゥの名を挙げており、「アルルゥは愛情を込めて書きました。彼女が絡むイベントに大きなイベントが多いのはそのためかもしれません。」と語っている[9]。
- シミュレーションパート
- ムックルとガチャタラを従え、ハクオロとエルルゥを守るために、矢も矛も恐れず戦場を駆け巡る。後述のムックルの体毛硬化の能力から、戦闘メンバー随一の物理防御能力を誇っているが、水辺や雨が降るステージなどでは弱体化してしまう。
- 『うたわれるもの 偽りの仮面』におけるアルルゥ
- トゥスクル使節団一行の大使として、ムックルとガチャタラを連れ、カミュらと共にヤマトへやってくる。クオンの家族代わりに育った人物のひとりで、クオンのことは「クー」と呼び、クオンには「アル姉様」と呼ばれている。
- オシュトルの依頼によって、ハクの護衛(という名目での観察)の対象となる。だがアルルゥはカミュと共に使節団一行から抜けだし、クオンの匂いを追って白楼閣までやってきてハク達と出会い、クオンと再会する。その後も白楼閣にたびたび現れ(目的の半分はルルティエの菓子目当て)、ネコネやルルティエたちに、幼少期のクオンの恥ずかしい話(アルルゥやカミュによると「クーのかわいさ」)を次々と暴露し、クオンを半泣きにさせていた。
- 帝都から離れる直前、改めてカミュと共に白楼閣に現れ、共に帰国するようクオンに告げる。しかし、まだ帰国したくないというクオンの意思を尊重し、ハクにクオンのことを委ねて、カミュと共に去って行った。
- だがハクの死を聞いて茫然自失となった、エンナカムイより歩き去っているクオンを連れ帰るため、オボロらと共に現れている。
- アニメ版
- クオンの過去を暴露する代わりに、カミュと共にひたすらクオンに過保護に接して、クオンをうんざりさせる描写となっている。また原作では、帝本人と会ったことがセリフで触れられているだけだが、アニメ版ではカミュと共に、アンジュと対面しているシーンが直接描かれている。この時、帝の姿は見えない。またヤマトによるトゥスクル侵攻では、輸送部隊であったハク達を分断させている。
- ムックル
- 声 - 日本語:下山吉光、英語:モニカ・ライアル
- エルルゥ達が住む村の近くの森で「ムティカパ様(森の主)」として恐れられハクオロ達に退治された、ムティカパ(白虎)の子供。成長した時のことを考え始末されそうになるが、ハクオロが「産まれてきた命は元来無垢なものだ」と説得したため、事なきを得た。その後は、アルルゥが面倒を見ている。人の言語を解するほどの高い知能を持つ。そう時間が経たずに巨大な白虎に成長するが[注 6]、まだまだ子供。アルルゥにとてもなついて甘え従順に従うようになるが、彼女が危機に陥った際や命じられたときは、凶暴なムティカパとなって容赦なく敵を爪で引き裂き、噛み殺す。しかし、エルルゥにだけは逆らえない。ガチャタラが来てからは、母親代わりのアルルゥの関心を奪われてしまうことに対して、やきもちを焼いている[注 7]。
- 親のムティカパと同様の刀も通さぬ程硬い体毛を持つが、水に濡れると非常に脆くなるために、水辺や雨を極端に嫌う。
- ガチャタラ
- チキナロが商品として連れてきた「ミキューム」と呼ばれる、オコジョやリスに似た白色の霊獣。その肝はあらゆる病気に効くと言われており、ユズハの治療のためにとオボロに仕留められそうになるが、ユズハが「そんなことをしてまで私は生きたくない」と言ったため、事なきを得る。名付けた者に対する刷り込みが起こるため、アルルゥのことを既に親だと思い込んでおり、買い取らざるを得なくなってしまったため、以後アルルゥが面倒を見ている。小さくて可愛いらしいので、女性陣の評判が(特に可愛い物に目がないトウカに)とても良い。
- ガチャタラが加入すると、ゲームの戦闘フェイズでアルルゥの必殺連撃が成功するようになる(未加入の状態だと必ず失敗)[11]。
- オボロ
- 声 - 日本語:桐井大介、英語:Chris Patton
- ユズハの異母兄。義賊として活動をしており、最初はユズハと親しくなっていくハクオロを敵視していたが、様々な出来事を通じてハクオロに惹かれていく。ケナシコウルペとの戦を通じて彼を「兄者」と呼ぶようになり、最初に彼に心酔する忠臣の1人となる。
- 自らは部下としてドリィとグラァを従え、彼らから「若様」と呼ばれている。性格は「熱く」、「優しく」、「真っ直ぐ」で、落ち着いた性格のハクオロと対になる「もう一人の主人公」であると評されている[12]。妹であるユズハのことを溺愛しており、それゆえ後先が見えなくなることもある。
- 義賊として活動していただけあって武と隠密行動に非常に優れる。序盤はベナウィやクロウに武力で圧倒されるものの、物語中盤ではベナウィとの本組手で、彼の雨が降り注ぐように襲い掛かってくる打突を二刀をもって捌ききり、あと一歩まで追い詰めるまでに至る。また、それによってベナウィから「見事です」という言葉を引き出している。
- 酒は強い方ではないが、周りに大酒飲みが揃っていることに加えて、負けん気の強さからコンプレックスを抱えており、よく飲みすぎて二日酔いの薬をエルルゥに作ってもらっている。また、野菜が嫌いなことをユズハに指摘されたために、無理をして野菜を口に詰め込んだ結果、気絶してしまう場面もあった。
- 『うたわれるもの』におけるオボロ
- 皇族の出身であり、祖父はケナシコウルペの先代皇だったため、オボロはケナシコウルペの正統後継者でもある。しかし祖父が前大戦で敗北し、その結果インカラの先祖に権力闘争でも負け、皇の地位を奪われ没落してしまった[13]。また、オボロの祖父とトゥスクル、ワーベは前大戦で共に戦った戦友である[14]。
- 戦後、ハクオロから戦前に自身の後継者として任命されていたが、「俺はまだ未熟で皇(オゥロ)としての器じゃないし、何より柄じゃない」として國のことをベナウィに託し、ハクオロが残していったさまざまなものに想いを馳せつつ、ユズハの遺した子(後のクオン)を連れて[注 8]修行の旅に出た。
- シミュレーションパート
- 弐刀流を操り、移動力も高く、軽業師のような身のこなしを生かした戦法を見せる。
- 『うたわれるもの 偽りの仮面』におけるオボロ
- クレジットでは「鋭い眼光の男」。口髭を生やすようになっている。ハクオロ無き後のトゥスクルの現皇であり、「兄者」同様の激務に追われる毎日をそれなりにこなしてはいるが、「兄者」のようにこなしきれてはいないと精神を擦り切らせている事も。クオンを実の娘のように思っており、クオンからも「お父さま」と呼ばれている。
- 作中ではヤマト帝都の町中で密かにクオンと会って何かの話をしているのを、ハクが小耳に挟む場面がある。
- またアルルゥ達が帝都にやってきたのと同時期に、居酒屋でひとり酒を飲んでいたハクの前に、ドリィ、グラァを伴って現れる。「忍びの商旅」として名や正体を隠し、無愛想ながらハクにヤマトのことやハク自身のことなどを尋ねる。その後泥酔し、ひたすら自分の「娘」の話をしたあと酔いつぶれ、ドリィ、グラァに連れられて去って行った。
- その後はハクの死を聞いて茫然自失となり、エンナカムイから帰国しようとするクオンを出迎えて彼女を優しく抱き留め、自分を「お父さま」と呼んで泣きつくクオンを見て、彼女の心中を察した。
- アニメ版
- 先述のくだりはカットされており、ウォシスが先皇の陵の調査を求めてトゥスクルへと交渉に来たとき、先皇の後継者の地位にある描写で初登場している。
- エンナカムイからトゥスクルに戻ってきたクオンを抱き留める場面はあるが、セリフはない。
- 『うたわれるもの 二人の白皇』におけるオボロ
- トゥスクルがヤマトに攻められたため、内乱終結後ヤマトが再び侵攻してくる可能性があるとして、ヤマトが混乱にある現在のうちに、「売られた喧嘩を買う」ためヤマトへの侵攻を決定する。
- 年相応に茶道や陶芸などの趣味にも目覚め、エピローグではクオンに皇の座を譲って隠居して陶芸に没頭しているが、時折クオンが城を抜け出しては慌てるなど、まだまだ親バカな一面が抜け出せていない模様。また、そのために政務を代行する羽目になり、その度にオボロも逃走するため、ベナウィ主導の下で訓練の一環として山狩りをする事が恒例となっている。
- ユズハ
- 声 - 日本語:中原麻衣、英語:モニカ・ライアル
- オボロの異母妹。盲目であり生まれつき病弱。大病(トゥスクル曰く、躰中のオンカミが、いがみ合い、争う病)を患っており、しばしば発作で苦しむ。寝所という狭い範囲の世界が彼女の生活圏であり、兄オボロの極端な過保護により純真無垢のまま育ったため、色々な方面の知識が欠けている。そのためハクオロがオボロに対して「ユズハという名の愛玩動物を飼っている」と苦言を呈する場面もあった[注 8]。一種の浮世離れした雰囲気をまとい、凛とした芯の強さをものぞかせる。トゥスクルで過ごすようになってからは、元気な姿を見せるようになり、親友となったアルルゥとカミュからは「ユズっち」と呼ばれる。苦党。
- 『うたわれるもの 偽りの仮面』におけるユズハ
- 自分の存在が、周りの者達に迷惑をかけているのではないかと危惧している節があり[注 9]、また自分の命が長くないために「自分が生きた証」を残したいと思い、ハクオロとの子供(後のクオン)を作った(PC版でハクオロは複数のヒロインと関係をもったが、子供ができたのはユズハのみである[注 10])。
- アニメ版
- 子供を産むことはなく最終回で他界。エルルゥに対して、ウルトリィと同様「自分の意思でハクオロの傍に居て良い」という考えに至らせる大切な役目を担った。
- ドリィ、グラァ
- 声 - 日本語:渡辺明乃、英語:Brittney Karbowski(ドリィ)・ナンシー・ノヴォトニー(グラァ)
- オボロの部下の双子。共に弓の名手。常に二人一組で行動し、見た目も思考パターンもほとんど同じ。瞳が紫で袴が藍色なのがドリィ、瞳が青で袴が朱色なのがグラァである。オボロに対して尊敬以上の感情を持っているらしく、オボロに記憶がなくなるまでお酌をし、撃沈させることもある。少女と見間違えるほどかわいらしい外見で、ハクオロも勘違いしていたが、実際は二人とも少年である[注 11]。二人ともオボロを「若様」と、ハクオロを「兄者様」と呼び敬愛する。隠密活動も得意であり、しばしば諜報活動も担当する。隠密活動時は通常より小さめの弓を使用する。弓衆(ペリエライ)隊長を務めており、ドリィが蒼組隊長、グラァが朱組隊長。
- 『うたわれるもの』におけるドリィ、グラァ
- 戦後、オボロが修行の旅に出る際「若様にお仕えできないのならディネボクシリ(地獄)に堕ちたほうがマシです!」と言い切り、後を追っていった。
- シミュレーションパート
- 両者とも弓を操り、水平射撃、曲射などを使った巧みな技を見せる。ドリィとグラァでは、弓で攻撃できる範囲などに違いがある。
- 『うたわれるもの 偽りの仮面』におけるドリィ、グラァ
- クレジットでは「双子の少年たち」。前作と同じく、オボロを「若様」と呼んでいる。
- 二人だけで白楼閣のクオンの部屋に現れ、せめて「若様」にあって話をするようクオンを説得しているのを、廊下を歩いていたハクが小耳に挟む場面がある。
- その後オボロに付き従った状態で、帝都の居酒屋に現れてハクと会い、飲食しながらハクとオボロの仲介をするように会話している。
- アニメ版
- 先述のくだりはカットされており、トゥスクルにて、オボロの側に控える形で登場している。
- 『うたわれるもの 二人の白皇』におけるドリィ、グラァ
- トゥスクルからの使者としてエンナカムイに現れ、多数の援助物資をもたらしている。
- ベナウィ
- 声 - 日本語:浪川大輔、英語:ヴィック・ミニョーニャ
- ケナシコウルペの侍大将(オムツィケル)であり、騎兵衆(ラクシャライ)隊長。國に住まう民への忠義のため戦う生粋の武人。インカラの死後はハクオロに侍大将として仕え、軍務だけでなく政務でもハクオロを補佐する。
- 槍の達人であり『三國一の槍の達人』として周辺國に名を轟かせている。物語序盤ではオボロやハクオロを圧倒したり、アニメ版ではカルラとの本組手で全力の攻撃を受け流して見せたりしていることから、相当な実力の持ち主であることが窺い知れる。その冷静沈着さと知性で、政務の補佐においても優れた手腕を発揮する。
- オボロとは親戚の関係にあるが、小さな頃のことだったためオボロはそのことを覚えておらず、オボロのことを「危なっかしくて見ていられない(放っておけない)」と武術のライバルであると同時に、親のように見守り続けてもいる[16]。オボロが元皇族の人間であることは、彼が城に盗みに入って出会った際に気付いたとされる[13]。
- 持ち前の容姿と性格から女官たちの憧れの的であり、恋文も多数受け取っていたようだが、本人は無自覚。そのため後述のノポンから一方的にライバル視(嫉妬)されている。上司も同僚も部下も気ままな行動をする者が多いため気苦労と小言が絶えず、恐らくトゥスクル國内では一番の苦労人。一見旧人類(普通の人間)のように見えるが、長く尖っている耳がたまに見えるので、彼もまた亜人間である。年下のカミュからは、「ベナウィ兄様」と呼ばれている。
- 『うたわれるもの』におけるベナウィ
- 國を蝕んでいくインカラ皇の圧政に心を痛めながらも、仮初とはいえ平和を保つため、己の気持ちを押し殺し命令に従っていた(ただ、民を顧みない命令には常に諫言していたため、そのつど不興をかっていた)。
- インカラのあまりの暴挙に「國の基盤は民であり、それを蔑ろにして國に明日はない」と強く進言するも聞き入れられることはなく、牢に入れられてしまう。その後クロウの手によって解放されるとともに現在の状況を教えられ、ケナシコウルペの統治に終わりが迫っていることを知る。クロウに「劣勢となった場合、すぐに投降せよ」と全兵に伝えるよう言い含め、インカラに現在の危機的状況を伝えに行くも、民どころか自身の兵のことも顧みない命令を下される。ベナウィはケナシコウルペのオムツィケルとして、最後の務めを果たすため、またハクオロ達叛軍に対する最後の壁として、ハクオロ逹と最後の一戦を交える。自身の限界まで戦い、ハクオロ達を見定め、そして自分以外のほとんどの兵が投降したのを見定めてから、インカラ皇のもとへ戻る。インカラ皇を介錯し、追って自害しようとするがハクオロに止められ、以後彼に仕える。表には出さないがハクオロの人柄に惚れており、彼に心酔する忠臣の1人。
- シミュレーションパート
- 「シシェ」という名の白色のウォプタルに騎乗し、鉾槍(ほこやり)を自在に操る。
- 『うたわれるもの 偽りの仮面』におけるベナウィ
- トゥスクルの侍大将として、ヤマト迎撃の軍勢を率いる。その知略はクオンが非常に高く評価している。武術においても、ムネチカと一騎討ちにおいて仮面(アクルカ)をつけたムネチカが苦戦するほどの戦いを見せるが、ヤマトの帝が崩御したという知らせをムネチカより先に聞いていたらしく、ムネチカに撤退を勧告して引き上げている。
- クロウより、ハクが奇想天外な手を使ってトゥスクルの補給物資を襲撃したこと、クオンがヤマトの陣営にいて息災なことを聞き、僅かに嬉しそうな様子を見せている[注 8]。
- 『うたわれるもの 二人の白皇』におけるベナウィ
- クオンの教育係として厳しく接しているが、家族としての愛情も持っている。皇女としてのクオンらと共にエンナカムイへ向かうが、その後、オシュトル(ハク)たちかつての仲間の元へ戻るよう、クオンの背中を押した。
- 責任感も能力もその地位以上に持っているトゥスクルきっての英才だが、度々やんちゃな騒動を起こす主筋(王族関係者)に手を焼いている様子も伺える。
- クロウ
- 声 - 日本語:小山剛志、英語:ジェーソン・ダグラス
- ベナウィ率いる騎兵衆(ラクシャライ)副長。ベナウィと違い、叩き上げの軍人[13]で、言葉使いも行動も少々粗野だが礼節は弁えた、頼りになる屈強な武人。「平和を望まないわけではないが、戦場を駆けることこそ生きがい」と豪語する。縁の下の力持ち的存在で、また意外と細かい気配りも出来る好漢である。口癖は「ういっス」。かなりの酒豪で、自分の周りに健啖な飲み仲間が増えて喜んでおり、豪放磊落な彼曰く「酒は競わず、楽しむもの」。オボロとはじゃれ合いめいたいがみ合いが絶えない。隊長であるベナウィとは強い信頼関係で結びついており、ベナウィを小馬鹿にした態度を取ったヌワンギに対して手を上げたり、ケナシコウルペ陥落寸前の際にはそれとなくベナウィに離反を勧める場面もあった。
- 『うたわれるもの』におけるクロウ
- ケナシコウルペの将にしてベナウィの部下として、ハクオロ達と戦う。その後ハクオロ達に敗れた結果、自分の首を差し出そうとするが拒否され、さらにこれ以上の死人は見たくないというエルルゥに手当てされて「本当に負けちまいました」と悟る。
- その後、ベナウィと共にハクオロに仕えるようになり、ベナウィを「大将」、ハクオロを「総大将」と呼んで、彼らに心酔する忠臣の1人となる。インカラ皇の娘であるカムチャタールから好意を寄せられているが、当の本人は気づいていない。
- シミュレーションパート
- 通常より一回り大きい緑色のウォプタル[17]に騎乗し、さらに規格よりも少々大きめな太刀を操る。
- 『うたわれるもの 偽りの仮面』におけるクロウ
- 刀身の長い太刀を武器とし、補給物資を狙ったハクたちの前に立ち塞がった(ウォプタルには乗っていない)。恐ろしく丈夫で、ハクやアトゥイ、ヤクトワルト達が本気で戦いを挑んでもやられたふりをするなど、クオンからは遊んでいると評されるほどの強さを持ち、「戦狂い」とも言われている。
- クオンのことを「お嬢」と呼ぶ一方、ヤマト側についていたクオンの行動を「子供の遊び」と笑って、戦場に立つ心構えを問うた。クオンの父親役の1人だが、彼女にとっては年が離れた意地悪な兄という印象である。また、クオンと行動を共にしていた男の名が「ハク」だと聞いて驚く。
- またハクの大胆な策略は「あの御方」を思い出すとベナウィに語って笑っている[注 8]。
- 『うたわれるもの 二人の白皇』におけるクロウ
- 皇女としてのクオンらと共にエンナカムイへ赴く。その後ベナウィと共に、オシュトル(ハク)たちかつての仲間の元へ戻るよう、クオンの背中を押した。
- エピローグでは皇として政務に追われるクオンの理解者として時折逃走の手引きをしており、その度にベナウィに説教されている。
- ウルトリィ
- 声 - 日本語:大原さやか、英語:Kelly Manison
- ウィツァルネミテアを崇める宗教國オンカミヤムカイの第1皇女であり、カミュの姉。本来は巫、巫女(カムナギ)であり外交特使として活動することはないが、本人たっての希望によりトゥスクルのヨモル(國師)として派遣された。美しい大きな白い翼を持ち、慈愛に満ちた立ち振る舞いでさまざまな人々から尊敬と畏敬の念を集めている。妹であるカミュのことは心から大切に思っており、常々心配している。また、カルラとは旧知の仲(幼馴染)であり、かつてラルマニオヌが存在していたころ、親交を深めるためにやってきた使者の一団の中にいたことがきっかけで出会い、友情を育んでいた[18]。
- 『うたわれるもの』におけるウルトリィ
- 神々しい聖女のような女性ではあるが、預けられた捨て子(フミルィル)に感情移入しすぎてしまい、親元に帰す際に手放すことが出来ずに我を見失い、悪鬼のごとく変貌するなど人間的な面も見せる(その際、法術の力が暴走したのか、頭上に天使の輪が出現していた[注 12])。
- ハクオロに想いを寄せている。当初からハクオロがウィツァルネミテアに関係があることに感づいていたようで、トゥスクルの國師(ヨモル)に自分から名乗り出たのはそのためである。後にワーベから賢大僧正(オルヤンクル)の地位を譲り受け、正真正銘の皇女となる。
- シミュレーションパート
- オンカミヤリュー独自の法術を駆使して戦う(風と水、そして光の術法)。
- アニメ版
- 立場上の問題から進んで戦場に立つ描写はないが、傭兵(アンクァム)という扱いでナ・トゥンクに出向いた際にだけ攻撃法術を使用する場面を見ることができる。
- 『うたわれるもの 偽りの仮面』におけるウルトリィ
- ゲーム版では名前のみ登場。トゥスクルで、父より受け継いだ賢大僧正(オルヤンクル)の任を務めていたが、彼女を連れてくるようカルラに言われたトウカによって、ヤマトの帝都に連れ出され、白楼閣の風呂を作るための水脈を確保させられたという[注 13]。クオンからは「ウルお母様」「賢大僧正」と呼ばれている。
- アニメ版
- 幼いクオンに勉強を教えている描写がある。またウズールッシャとの戦の後トゥスクルにやってきたウォシスが、先皇の陵の調査などを求め交渉してきたとき、オボロなどとの同意のもとに断っている。
- 『うたわれるもの 二人の白皇』におけるウルトリィ
- ノロイの出現により大混乱となったヤマトを救援すべく現れる。
- カミュ
- 声 - 日本語:釘宮理恵、英語:Serena Varghese
- ウルトリィの妹で第2皇女。人懐こく、とても元気で活発な少女。一族の始祖の力を特に強く受け継ぐ。その背中に大きな黒い翼を持ち、ゆえに畏怖をもって別格視され、皇女であることも重なり、トゥスクルに来るまで友達と呼べるような者がいなかった。最初は興味本位で付いて行っただけだったが、再度ウルトリィがヨモルとして派遣された際には、正式に補佐としてトゥスクルで過ごすこととなる。積極的に関わっていった結果、アルルゥやユズハとは仲良しとなり、アルルゥからは「カミュちー」と呼ばれる。アルルゥとは年はあまり変わらないがウルトリィの妹であるだけに姉に負けないほどの巨乳で今でも成長しているらしく、年上であるエルルゥはそのことにショックを受けた。ハクオロのことを「おじ様」と呼び、父のように慕っているが段々それ以上の想いを寄せるようになる。『この世ならざるもの』と対話することが可能な、オンカミヤムカイの中でも特異な存在(ムツミの項参照)。
- カミュの名前は、神を結ぶ者と書いて「神結-カミ・ユウ-[19]」となる。
- 『うたわれるもの』におけるカミュ
- 物語が進むに連れて前述の始祖の血を受け継いでいる影響から、お腹を痛めるまで水を飲み続けたり、吸血行為をしてしまったりした。物語終盤、ディーの手によりムツミへと変貌してしまうが、自ら眠りを選んだハクオロの意思に従い、ムツミが人格を変換(返還)したため最終的に元に戻ることができた。その後ウルトリィと姉妹2人でウィツァルネミテアの封印を成功に導き、人の手で「神」を封じるという罪を共に背負うこととなった。
- シミュレーションパート
- 姉のウルトリィ同様の法術を駆使して戦う。ただし、ウルトリィとカミュでは使用できる術の属性が異なっている。カミュは火と土、そして闇の術法である。
- アニメ版
- ウルトリィと同様、戦場に立つことはなく、こっそり戦場へ助っ人へ行こうとしウルトリィとムントに見咎められるシーンがある。またカミュもナ・トゥンク編でのみ攻撃法術を使用する場面が見られる。
- 『うたわれるもの 偽りの仮面』におけるカミュ
- アルルゥと共に、トゥスクル使節団一行の巫(カムナギ)として、ヤマトへやってくる[注 14]。クオンの家族代わりに育った人物のひとりで、クオンのことは「クーちゃん」と呼び、クオンには「カミュ姉様」と呼ばれている。
- 帝都滞在中、アルルゥと共に白楼閣にたびたび現れ、クオンの幼少期の話を次々と暴露してしまっている。
- またヤマトでは、カミュのように翼を持つオンカミヤリュー族はほとんど見られることがないようだが、他人に認識されないようにする術を使って自分たちが目立たないようにし、アルルゥと共に、ハクやクオン達と帝都見物も行っている。
- 『うたわれるもの 二人の白皇』におけるウルトリィ
- ウルトリィらと共に、ノロイの出現により大混乱となったヤマトを救援すべく現れる。
- カルラ
- 声 - 日本語:田中敦子、英語:Shelley Calene-Black
- 本名:カルラゥアツゥレイ。戦闘に特化した肉体を持つギリヤギナ族の女剣奴(ナクァン)。鎖つきの大きな首輪が特徴の怪力娘で、男5人がかりでないと運べないほど重い巨大な剣を片手で軽々と振り回す。この剣は、通常の剣ではカルラの怪力に耐えきれず折れてしまうため、「決して刃こぼれせず、折れず、曲がらない」という注文によって作られた特注品。「刃こぼれせず、折れず、曲がらない」ことを最優先に造ったため、切れ味は二の次でモロロ(芋)一つ切れないナマクラ。カルラの怪力をもってはじめて威力を発揮し、敵を薙ぎ払うか、もしくは叩き潰すようにして斬る。この常識外の強靭な力はカルラ生来の(ギリヤギナ族としての)素質もあるが、彼女の父親が大神と契約し得た力が引き継がれているためでもある。一流の戦士であると同時に酒と風流を嗜む生粋の自由人で、かなりの酒豪。まじめな人をからかうのが好き。アルルゥ同様、つまみ食いの常習犯である。
- ウルトリィとは幼馴染で、かつて皇女だったころに親交があった。他人からはいい加減で捻じ曲がった精神の持ち主のように思われがちだが、後述のスオンカス曰く「自らの痛みは我慢できても、他人の苦痛には耐えられない」性格で、いざとなれば自己犠牲も厭わない。
- 一人のまだ幼さの残る少女が剣奴の闘覇者として君臨し、そのあまりの強さのために恐れられ、死ぬことを前提とした過酷な戦に常に駆り出されていた、という噂話があり、ベナウィがそのような話を耳にしたと語る場面があるが、その少女がカルラだったのかどうかは明言されていない。
- 『うたわれるもの』におけるカルラ
- 奔放な言動と行動でハクオロを翻弄するが彼に心酔する忠臣の1人であり、同時に彼を心から愛している。
- 作中では明言されていないが、過去に関わった人物の発言などから、滅亡した超大國ラルマニオヌの元皇女で、デリホウライの姉であることが伺える。
- ナ・トゥンクにおける内乱で、反乱軍(指導者はデリホウライ)を助けてほしいという願いを聞き届けてもらうため、髪の毛の一本から血の一滴まで捧げるという「ウィツァルネミテアの契約」をハクオロと交わし、彼を「あるじ様」と呼ぶ。
- シミュレーションパート
- 前述の重剣を使用して眼前の兵士を暴風の如く薙ぎ倒す。一方、移動力は低い。
- 『うたわれるもの 偽りの仮面』におけるカルラ
- 旅でトゥスクルを離れた後、ヤマトの帝都にやってきてこの國の文化などに興味を抱き、しばらく帝都に居座ることにする。だが、蒸し風呂ではない湯船がある風呂恋しさに、自ら風呂がある旅籠屋白楼閣を帝都に立ち上げて女主人となり、最上階の隠し部屋を私室とするようになった。
- クオンの育ての親のうちのひとりだが、クオンには「カルラお姉様」と呼ばせており、「カルラお母様」と呼ばれそうになると凄まじい殺気を放って黙らせる。クオンの育ての親の中で、最もクオンが尊敬する人物だという。クオンが旅に出たときにも音信不通であったようであり、ヤマトの帝都にやってきたクオンと、久しぶりに再会することになった。クオンを、かつて生涯で唯一愛し慕った「あのお方」の御子として大事に思っており、厳しく接しているが時折過保護気味になる事も。
- その後、帝の暗殺とアンジュ暗殺未遂の事件が起こり、オシュトルとアンジュ救出を計画するハクやクオンに、宮廷へ通じる地下水路の地図を渡している。
- 『うたわれるもの 二人の白皇』におけるカルラ
- かつて自分が使っていた剣を、アンジュの為にエンナカムイへ投げ込んでいる。その後のヤマトの大混乱の中では、武器がないものの皆を助けるため暴れ回る。
- エピローグでは再び白楼閣の女主人として、復興するヤマト帝都をトウカと共に見届ける事になる。
- トウカ
- 声 - 日本語:三宅華也、英語:Sofia Mendez
- 武術に優れ、義を重んじ、高潔なる魂を持つといわれるエヴェンクルガ族で、流浪の女武人。
- その太刀筋は流れるように美しく、まるで舞うような剣技で、思わずハクオロが美しいと感嘆してしまうほど。オボロもそれに同意するも、「戦いのわざとしては美しすぎる」と、どこか違和感を覚えていたようである。
- Windows PC版ではエヴィンクルガ族に新しい強い血を入れる使命を帯びており、ハクオロとの子作りに執心する面もあるが、その他のメディアで彼女が里を出た理由は曖昧にされている。
- 生真面目な性格だが、ひとつのことに集中すると周りが見えなくなる。それが災いし自滅や失敗をすることもあり、「某(それがし)としたことが」を口癖にうっかり色々なことをやらかす、別名「うっかり侍」。それゆえに、たびたびカルラにいじられている。酒に対する耐性は無いに等しく、一献あおると朝まで起きない。可愛いものに目がなく、特にアルルゥに対しては戦場ですら本音が出るほどで、彼女との協撃があったり、アルルゥ絡みのイベントもある。一人っ子であるため、武人を模した玩具の人形を宝物として、とても大切にしており、壊してしまったオボロ(実際に壊してしまったのはハクオロ)をその場でボコボコに殴り続けるほどだった。その後、人形は修復されたものの、速荷の馬車(隣國まで止まらない)に「うっかり」人形が乗っかってしまった時には、鬼神の形相で「ヲイデゲー!」と叫びながら追いかけ続け、街道にヌグィソムカミ(禍日神)が出ると街の噂になったこともある。エヴェンクルガ族の中で生ける伝説とされているゲンジマルに憧れを抱いており、彼との会話から親の名前がウンケイであることが判明した。
- 『うたわれるもの』におけるトウカ
- 初めはハクオロを「悪漢ラクシャイン」と呼ぶオリカカンのためにクッチャ・ケッチャに与し、ハクオロと敵対していた。だが誤解が解けた後は、ハクオロに心酔する忠臣の1人となった。ハクオロのことを「聖上」と呼び、お傍付(護衛役)を務めている。
- 『うたわれるもの 偽りの仮面』におけるトウカ
- カルラと共に旅に出て、白楼閣の設立を手伝う。当初は白楼閣の用心棒をしていたが、白楼閣にちょっかいを出してくるものがいなくなったため、有事の時まで白楼閣の女子衆(おなごし)として働くことにするが、女子衆としての仕事は、うっかり者のため苦手。
- クオンの育ての親のうちのひとりで、クオンからは「トウカお母様」と呼ばれている。カルラ同様、クオンが旅に出たときにも音信不通だったらしく、ヤマトの帝都にてクオンと久しぶりに再会する。ヤクトワルトがハク達と共にトゥスクルに遠征している間シノノンを預かっており、シノノンにもよくなつかれていた。カルラ同様にクオンを、かつて忠誠を誓い、そして生涯で唯一愛し慕った「あのお方」の御子として、時折親バカな一面もみせる。
- 最初、オシュトルとアンジュ救出に向かうクオンに同行することを考えたが、クオンの成長や、彼女の仲間達を見て、自分の助けは必要ないと考え、白楼閣に留まった。
- 『うたわれるもの 二人の白皇』におけるトウカ
- 帝都を離れたカルラと行動を共にしている。
ヤマユラの人物[編集]
- トゥスクル
- 声 - 日本語:京田尚子、英語:Marcy Bannor
- エルルゥとアルルゥの祖母で、ヤマユラ村の村長。各地で知られる高名な薬師で、村人から絶大な信頼を寄せられる人格者。倒れていたハクオロを治療する。祖母として優しく孫たちに接するが、怒ると怖い。オボロからも実の親のように慕われており、ユズハの看病をしていた。
- 「アルルゥはわしの若い頃にそっくりじゃ」とは本人の談で、かなりいたずらっ子だった模様。病弱だったヌワンギの母親に代わり面倒を見ていたこともあり、現在の彼の変わりようを心配している。
- ヤマユラが戦乱に巻き込まれた際、ヌワンギの部下の凶刃からアルルゥを庇って重傷を負う。その際、これから先もエルルゥとアルルゥの側にいてあげてほしいとハクオロに頼む。トゥスクルの心を汲んで了承したハクオロの言葉を聞き、安らかに息を引き取った。これが村人の怒りを爆発させる原因となり、反乱の火付けとなった。
- 作者の菅によれば、前大戦が終わるまではオンカミヤムカイに住んでおり、オボロの祖父とワーベは、共に白い神に助力した間柄だったとのこと。それ故ハクオロがウィツァルネミテアであることに最初から気づいていた。トゥスクルは後に生まれた自分の息子にその名前をつける。作中冒頭で、エルルゥが正体不明の仮面の男を保護して家に連れて来た際に、男が「白い神のハクオロ」であることに気づき、記憶を失った仮面の男に本来の名前である「ハクオロ」を与えたとされる[1]。
- トゥスクル亡き後、その名前は國に受け継がれることとなった。
- テオロ
- 声 - 日本語:石川ひろあき、英語:Mike Vance
- 辺境の村ヤマユラの男。村人からは「おやっさん」または「親父」と呼ばれており、「頼りにされている」と自分では言っているが、実際は子供の頃から親父くさい顔をしていたからだという。ハクオロを「アンちゃん」と呼び慕っている。
- ハクオロがケナシコウルペ皇都を制圧した後に、ハクオロの側に残るエルルゥとアルルゥを置いて、他の村人と共に全員ヤマユラへと戻った。だがその後、クッチャ・ケッチャからの突然の襲撃に際し、ハクオロへとその報を伝えて体制を整える時間を稼ぐために全員で応戦し、そのために皆殺しの憂き目にあった。
- テオロは背中に致命傷となる傷を受けながらもひとりハクオロの元へと向かい、怪我を隠したまま敵襲を報告するという役目を果たした後、皆が迎撃のため出撃して誰も居なくなった部屋で、ソポク達が迎えに来て[注 15]ヤマユラの村に戻るという情景の中、静かに息絶えた。
- シミュレーションパート
- 斧を武器として豪快に戦場を駆ける。参加はトゥスクル建國までだが、家庭用機版の演習モードでは、作中で死亡するまで使用出来る。死亡する際にレベル10以上に達していると形見としてテオロの斧を入手可能。
- ソポク
- 声 - 日本語:雪野五月、英語:クリスティーヌ・オートン
- テオロの妻。姉御肌で、親を亡くしたエルルゥ達から身近な女性として家族のように慕われ、また接している。若い時はエルルゥのような可憐な少女だったらしいが、すっかり「辺境の女」として逞しい性格の女性になっている。エルルゥもそうなりつつあることをハクオロが危惧する場面がある。
- クッチャ・ケッチャの侵攻の際、死亡。
- ウゥハムタム
- 声 - 日本語:下山吉光、英語:John Swasey
- ヤーやターと一緒にいる三人組の一人で、「ウー」と呼ばれている。大柄の男で無口。主に後方支援として戦うが、戦闘場面には登場しない。
- クッチャ・ケッチャの侵攻の際、死亡。
- ヤァプ
- 声 - 日本語:加藤将之、英語:Christopher Ayres
- ウーやターと一緒にいる三人組の一人で、「ヤー」と呼ばれている。老人で、よく語尾に「〜ダニ」と付く。主に後方支援として戦うが、戦闘場面には登場しない。
- クッチャ・ケッチャの侵攻の際、死亡。
- タァナクン
- 声 - 日本語:雪野五月、英語:Christopher Ayres
- ウーやヤーと一緒にいる三人組の一人で、「ター」と呼ばれている。緑の服の若い少年。耳はトゥスクル兵が耳部につけた布のようだが、タァナクンの場合はこれが耳である。主に後方支援として戦うが、戦闘場面には登場しない。
- クッチャ・ケッチャの侵攻の際、死亡。
- ハクオロ(故人)
- エルルゥとアルルゥの父親[注 16]。ゲーム開始時点で故人であり、作中では一切登場しない。ハクオロが当初記憶を失い名前がなく、ハクオロ(故人)から名前を取ったものとされるが、実際はハクオロ(故人)の母親であるトゥスクルが、ハクオロの本来の名前にちなんで生まれきた息子につけたものである(詳細はハクオロとトゥスクルの記述を参照)。
- 作者の菅によれば、至って普通の人間で、体型はハクオロに似ており、トゥスクルを補佐して村の発展に尽力してそれなりに名前の知られた人物とされる[1]。
カムチャタール一味[編集]
コンシューマ版の追加シナリオに登場するキャラクター達。アニメ版では、OVAで初登場した。タイムボカンシリーズの三悪がモチーフであることが制作サイドから公言されている。
- カムチャタール
- 声 - 日本語:田口宏子
- 歓楽街にある居酒屋の女主人。実はインカラの娘で、ある理由から裏で盗賊稼業をしていた。ベナウィ、クロウとも元は主従関係にあり、カムチャタールが幼い頃の顔馴染み。特にクロウに対しては何か含むものがあるようである。(後に好意を寄せていることが判明したが、当のクロウは気が付いていない)その美しい容姿はエルルゥですら羨ましがるほど。父親には全く似ていないが、たまに本音が出たりすると父親と同じ「にゃも」と言うことがある。大人びた雰囲気と容姿から経営する店の同年代や年上の娘からも「お姉様」と呼ばれ慕われていることに苦悩しているが、まんざらではない様子も見せる。
- クロウとは居酒屋での対面時に成長したカムチャタールだと全く気づかれず、「老けた」と指摘されたことが相当気に障ったらしく、戦後は自分に振り向かせるためと若返りの薬を調合するために奔走している(ノポンには「これ以上若くなったら幼児になってしまう」と呆れられていた)。
- シミュレーションパート
- 鞭を得物として戦っている。
- ノポン
- 声 - 日本語:下山吉光
- ひょうきんな髭面と言葉遣いが特徴のオンカミヤリュ-族。一人称は「僕ちん」。地脈を利用した転移術など、本来なら僧正級の身分でないと使えないような高位の術を会得しているが、オンカミヤリューの戒律を嫌って出奔した破戒僧。また金を塩に変えたり、取れたてのモロロに命を吹き込んだり出来る。インカラ皇の時代にはベナウィ、クロウと同僚であった。主であるカムチャタールの幸せを誰よりも願っており、「お嬢様のためなら、たとえ火の中、水の中」の言葉通りに尽くしに尽くす忠臣。しかしそれが裏目に出てはきつくお仕置きされている。
- ゴムタ
- 声 - 日本語:間島淳司
- 脳天が禿ているのが特徴で、人間の言葉を理解出来るほど高い知能を持つキママゥ。キママゥではあるが自分のことを人間と思っているらしく、キママゥ扱いされると怒る。好みのタイプであるらしく、ドリィとグラァに懸想[注 17]した。OVAではエルルゥに薬の材料を持ってくるよう頼まれた際、アルルゥと仲良くなる描写があり、アルルゥも彼の知能の高さに驚いた。
ケナシコウルペの人物[編集]
- ヌワンギ
- 声 - 日本語:吉野裕行、英語:Greg Ayres
- 権力を笠に身勝手に振舞う、プライドだけ高い若者。藩主ササンテが下女[注 18]に産ませた子供であり、インカラ皇の甥に当たる。
- 子供時代は母親の故郷であるヤマユラの集落で過ごしており、幼少の頃は病弱な母親に代わりトゥスクルによく面倒を見てもらっていたとのこと。幼馴染のエルルゥに好意を寄せていたが、後にササンテの嫡子[注 19]が夭折[注 20]したため、代わりに跡継ぎとして城へ戻される。エルルゥ達と暮らしていた頃は純朴で優しい少年[注 21]だったが、欲と権力に塗れた父親の元で長い間過ごしたことで性格が歪みひねくれてしまったため、今では村人たちから嫌われてしまっている。
- 謀反の兆候ありとして父と共に軍を連れてヤマユラの集落へ来た際、部下が暴走による凶刃からアルルゥを庇ってトゥスクルが重症を負った際、普段は「ババア」と罵っていたトゥスクルを思わず「バアちゃん」と呼んだりと、心の奥底では彼女を慕っていた本心を露わにする(「バアちゃん」とヌワンギがトゥスクルを呼んだことに、ヌワンギのトゥスクルへの隠された想いに、辛い状況でありながらもその場にいたエルルゥは気付く。このことが後にヌワンギが昔の自分を取り戻すきっかけとなる)。
- その後はトゥスクルの落命を信じられずササンテの護衛についていたが敗北、父であるササンテ亡き後はインカラの下で侍大将となったが次第に暴走、罪のない集落を見せしめとして焼き払うという蛮行を続ける。そういった暴挙に各地の集落が結束して反旗を翻してしまい、最後はハクオロたちとの戦闘に敗れ捕えられる。
- 彼の最期の姿は媒体によって若干異なる。原作においては、敗北後に解放されエルルゥに諭されたことで改心、戦をやめるよう進言しに都へ行く途中で運悪く敗残兵の掃討に遭い生死不明となり[21]、以後の消息を絶つ。アニメ版では解放された後、エルルゥの「さようなら」という重い一言を背中で受け止め、半ば放心状態のままおぼつかない足取りで霧の中へと消えていき、以後の消息を絶った[注 22]。
- シミュレーションパート
- 段平(だんびら)のような鉈を使用しており、コンシューマ版では数いる敵キャラクターの中で唯一ササンテとの「協撃」が用意されている。
- アニメ版
- ゲーム版では見られなかった侍大将(オムツィケル)の甲冑姿を見ることができ、専用のウォプタルは目つきが悪いなどの特徴がある[23]。
- ササンテ
- 声 - 日本語:大川透、英語:John Swasey
- エルルゥ達の村とその周辺を治める藩主で、ヌワンギの父。横暴な性格をしており、重税をかけて村人を苦しめる。喋る際、語尾に「にゃも」がつくのが特徴。鈍重そうな見かけによらず、武人としての実力は高くそれなりに強く、ゲーム版では斬りかかってきたオボロを難なく吹き飛ばしている。ハクオロたちの反乱に敗れ、ヌワンギを囮に自分だけ逃げようとしたところ、母親と一緒で役に立たないと言われ、逆上したヌワンギに殺されてしまう。
- シミュレーションパート
- 鉤爪のような得物を袖から出して戦っている。コンシューマ版ではヌワンギとの協撃が敵キャラクターの中で唯一追加された。
- アニメ版
- 戦う描写がなく、ハクオロの鉄扇を喉に突き立てられ、あっさりと殺されてしまった(漫画版も同様)。
- インカラ
- 声 - 日本語:大川透、英語:Andrew Love
- エルルゥ達の國のケナシコウルペの皇でササンテの兄、ヌワンギの伯父。やはり弟同様、語尾に「にゃも」がつく。ユーモラスな外見とは裏腹に、弟ササンテ以上に狡猾かつ残虐な性格で、民からの収穫を私事につぎこみ、「民あっての國ではなく、國あっての民、そして國はこのインカラ自身」とまで言い切る愚皇。自分の髪の毛(アフロ)には並々ならぬこだわりを持っている。皇都陥落の際、皇の最後の務めを拒否し、最後の最後まで贅沢と我侭を通そうとしたため、それを良しとしないベナウィに介錯される(最後まで自害を拒んだため、実質的にはベナウィに引導を渡された形)。しかしインカラ亡き後、トゥスクル國内では叛意を持つ残党が未だに活動を続けている。
- チキナロ
- 声 - 日本語:太田哲治、英語:Andy McAvin
- 旅の商人。薬や武器や装飾品から他國の情報まで、あらゆる物を売り買いしている。人身売買は何でも扱うのをモットーとする一方、商人としてのプライドを貫くために、自分自身の命ならば平気で質に入れる。
- 『うたわれるもの』におけるチキナロ
- ケナシコウルペと取引していたが服従していたわけではなく、ケナシコウルペの滅亡後はトゥスクルと取引を行なっており、ノセシェチカとも取引している場面がある。
- 護身のためか仕込み武器を持っており、忠告と称して「自分が刺客なら命を頂戴していた」と発言したり、ユズハの病の治療のために必要なムイコーハ(紫琥珀)を欲していることを知っている(そもそも治療に使うものが紫琥珀だとわかっていた)など、あまりにも底が知れない人物。また、ハクオロについても「惹かれる」のだと、本質の一端を見抜いていた。
- 作者の菅によれば、実はディー(ウィツァルネミテア分身)側の人間である設定があるが、それを説明するシナリオが入れられなかったことが心残りであったとされる[14]。
- 『うたわれるもの 二人の白皇』におけるチキナロ
- クオンの手引きによりエンナカムイを訪れて、エンナカムイのための物資調達を行う。またクオンが用意した、毒にやられたアンジュを癒やすための薬をオシュトルに手渡した。
オンカミヤムカイの人物[編集]
- ワーベ
- 声 - 日本語:大木民夫、英語:John Swasey
- 宗教國家オンカミヤムカイの皇で、教祖たるオルヤンクル(賢大僧正)でもある。ウルトリィ、カミュの父親で、性格は温厚かつ厳格。
- トゥスクル建國の際、使節団を派遣しようとするが、カムナギ(巫)であったことに加え、思うところがあると言うウルトリィたっての願いにより、ウルトリィをトゥスクルに派遣させることを了承する。オンカミヤムカイにクンネカムンが進軍した際、シャクコポル族が種の運命に翻弄されていることを嘆きながらも、オンリィヤーク(大封印)にて対抗する。成功したと思われたが、突如ディーの手によりオンリィヤークは打ち破られてしまい、このような芸当が出来る者は他にはいないと、ディーがウィツァルネミテアであることに気づく。オンカミヤムカイ陥落後、生死不明とされたがサハラン島に幽閉されていることが判明し、これをハクオロ逹が救出(アニメ版では、この時ハクオロは体調が不安定だったため休養し、救出の軍勢はベナウィが率いた)。後に、逸早くウィツァルネミテアのことを感じ取り、ハクオロのことを見守り続けたウルトリィに賢大僧正(オルヤンクル)の地位を譲る。
- お茶目な面もあり、救出された後に「思い残すことはない」と発言し息絶えてしまったかと思われたが、疲れて眠ってしまっただけで、ハクオロは「殴ってもいいかコレ」と呆れ半分、怒り半分の感情を覗かせていた。
- ムント
- 声 - 日本語:白熊寛嗣、英語:Jay Hickman
- オンカミヤムカイの僧正(ヤンクル)にして皇女ウルトリィ、カミュのお目付役を務める老人。
- 『うたわれるもの』におけるムント
- ウルトリィとカミュが國師(ヨモル)としてトゥスクルに派遣された際、共にトゥスクルへやって来た。ウルトリィやカミュのことを心から心配しているが、気合いが空回りする事もあり、色々と気苦労が絶えない。僧としての位は、ウルトリィよりも高い。ゲームとアニメの両方とも、戦闘には参加しない。
- アニメ版
- DVD特典のショートエピソードでは、勉強を放りだして遊びに行ってしまったカミュを必死の形相で追い回し続ける、愉快なムントを見ることができる。
- 『うたわれるもの 二人の白皇』におけるムント
- 『偽りの仮面』にも名前のみ登場。ウルトリィやカミュのお目付役。サボり癖のあるカミュに手を焼かされている模様。
クンネカムンの人物[編集]
- アムルリネウルカ・クーヤ
- 声 - 日本語:富坂晶、英語:Luci Christian
- 三大強國の1つであるクンネカムンの若き女皇で、数ある種族の中で最弱と言われ迫害され続けているシャクコポル族。ハクオロに興味を持ち接触してくる。言葉遣いは尊大だが、非常に愛らしい容姿をしている。その姿は、仮面を脱いだ際、思わずハクオロが見とれてしまうほど(ただ、それまでの二度の秘密裏の会談でハクオロがクーヤのことを男だと思い込んでいたことも大きく起因しているようである)。また、年若い皇であることも相まって、臣民や忠臣たちからは密かに軽く見られがちなため、人前では常に外套で素顔を隠している。
- 戦場では、白のアヴ・カムゥを駆って戦う。戦場にて初めて人を殺めたことで戦争の恐ろしさを自覚し、自分に与えられた力の大きさと自身の未熟と非力の落差や、自分の中の理想と現実との齟齬に苦悩する。そして、攻め滅ぼされ続ける自國の民逹の無念の声や臣下の強い要望から、ついに自分の意思で(ハウエンクアを筆頭とした扇動の影響はあるものの結果的に)シャクコポル族の権威の確立のため、全土統一に乗り出す。
- クーヤが精神的に追い詰められ自暴自棄になったことを察したゲンジマルが謀反を起こしたことで、アヴ・カムゥの弱点[注 23]が露呈したことに加え、多数の同盟を従えたトゥスクルに敵うはずもなく、ハクオロとも刃を交えることになるが敗退。その後、突如戦闘に割り込んできたディー達に國土を焼かれ、敬愛する忠臣であるゲンジマルを目の前で失ったショックから、精神崩壊を起こし、幼児退行してしまう。以後、トゥスクルにサクヤと共に預けられ、作中では、ついに精神が復帰することはなかった。それでもハクオロのことだけは記憶に残っていたようで、何度も名前を呼んでいた。なお作中では、部下に恵まれているハクオロとそうでないクーヤとが対照的になっており、悲劇性が目立つ要因となっている[注 24]。
- また、クーヤを演じた富坂晶は「演じるのがとても大変な役で、辛く、悪戦苦闘した。(暗に声優人生を試されているかのような気分だったとも)自分にとって絶対に忘れることができない役になると思う」と語っている[24]。
- サクヤ
- 声 - 日本語:水橋かおり、英語:Allison Sumrall
- クーヤの世話係で、ゲンジマルの孫でありヒエンの妹。性格は大人しく、とても純粋で、ひたむき、そしておっちょこちょい。主であるクーヤに振り回されるが彼女のことをとても大切に思っており、クーヤにとっては親友ともいえる存在。クーヤ曰く、床上手(布団を敷くのがうまい)。クーヤにトゥスクルとの友好のためと、ハクオロの室にいつの間にか入れられそうになったが、事なきを得た。『うたわれるもの』の世界観では母親の遺伝子を強く受け継ぐため、ゲンジマルとは違いシャクコポル族。本来は腰まである長髪だったが(原作では見せなかったが、アニメではその姿が描かれている)、ハクオロを呼びに禁裏に忍び込んだ際に衛兵に見つかり、逃げている最中に髪を斬られて短髪になってしまった。この際、ゲーム版だと、堀に落ちたせいでハクオロから「泥田坊」呼ばわりをされたり、アニメ版だと運動神経はないが天井に張り付いて移動するという離れ技を披露したりしている。
- ワーベ救出の際、ゲンジマルの人質として逃げ出さない証のため、自ら願い出てゲンジマルに足の腱を切られており[注 8]、走ったり強く力を入れることが出来なくなっている。終盤以降、幼児退行してしまったクーヤの親代わり兼世話役として、共にトゥスクルで過ごす。
- ゲンジマル
- 声 - 日本語:飯塚昭三、英語:Charles Campbell
- 先代のクンネカムン皇の頃よりクンネカムンに仕えている大老(タゥロ)でクーヤの腹心。そのクンネカムンに対しては、まずは國を盤石にするべきとの思いを常に抱いている。エヴェンクルガ族の中でも稀代の英雄であり、生ける伝説とまで言われている。アヴ・カムゥを苦もなく倒し、カルラとの一騎討ちではカルラの大剣を剣技で叩き斬るほど。
- 一族の名に恥じぬ忠義に厚い性格で、クンネカムンが全土統一に向けて動き出してしまった際には「真の忠義とは、君主の道を正すことにございます」とまで言い切り、謀反を起こしてまでクーヤのことを案じ続けた。
- ウィツァルネミテア(ディー)と契約して彼の眷属となっている。そのためディーに仇なすことは許されていなかったが、クーヤ達の身を守るため、あるものを代償として、ディーが先代の皇と交わした契約の破棄を願う。友のその覚悟に心動かされたディーは、先代からクーヤに渡っていた契約の破棄を認めている。かつてカルラの父を、長年に渡る決闘の末に打ち倒している[25]。
- シミュレーションパート
- 大太刀から繰り出される究極の剣技で相手を蹴散らす。
- ハウエンクア
- 声 - 日本語:渡辺明乃、英語:Blake Shepard
- 右耳のピアスが特徴のクンネカムン右大将。人を人とも思わず、「戦いの火を撒き散らし、大勢の人間を殺したい」という己の欲望のために大義名分でクーヤを扇動しようとする、「手段」のためなら「目的」を選ばない残虐な人物。戦場では赤いアヴ・カムゥを駆り、無力の相手をも容赦なく皆殺しにする。クンネカムン滅亡の禍(わざわい)を作った男。手帳に瞋恚(しんい)[注 25]を書き溜めており、その歪んだ一面を垣間見ることができる。ヒエンとは考え方の違いから(統一も支配も大差ないなど)口論になることが多い。
- トゥスクル侵攻の際、アルルゥに瀕死の重傷を負わせたことでウィツァルネミテアの逆襲に遭い、敗走している。最期は、契約によってディーが与えた強大な仮面の力に精神と肉体が耐え切れなくなり心身ともに崩壊を起こし、それを哀れに思ったヒエンにより介錯され、そのまま奈落の底へと落ちていった。
- アニメ版ではクンネカムン皇都にて、ディーの術により心を解き放たれ、完全な狂人と成り果てる。その際、変身したハクオロから原型を留めない程に殴られ続け、狂気的な笑い声をあげながら絶命した。シャクコポル族として生まれ、虐げられ続けてきた凄惨な過去により残虐な性格となったと推測でき、クンネカムンの負の一面を一手に担い、体現した人物と言える。
- また、演じている渡辺明乃は、ドリィ、グラァとのダブル(トリプル)キャストで、正式な持ち役でないハウエンクアの出番のほうが多いことに葛藤していたとされる[27]。
- ヒエン
- 声 - 日本語:野島裕史、英語:Clint Bickham
- 鉢金が特徴のクンネカムン左大将。ゲンジマルの孫で、サクヤの兄。仁義に厚く、義を重んじる人格者であるゲンジマルの孫らしく、彼の影響を顕著に受けた武人。ゲンジマルが居ぬ間はクーヤの御側付きを務めようとするなど、責任感の強さも持ち合わせる。原作では全土統一を進言しつつ、クーヤが「國を盤石にする」と宣言した際はそれに忠実に従い、ハウエンクアと側近がクーヤを扇動し全土統一の令を発させようとした際は、それを阻止しようと動き、統一の令を発した後もクーヤに令を取り消すよう進言している。一方でアニメ版では原作版における全土統一派の側近達の言動や立ち位置が彼に置き換わっており、クーヤの全土統一の決意が鈍った際には苦言や不満な表情を度々見せているなど人物像が異なる描かれ方をしている。祖父であるゲンジマルを強く尊敬しているものの、エヴェンクルガでもある彼と違って自分が貧弱なシャクコポル族であり、到底自分では追いつけないほどの英雄であることに強烈なコンプレックスを抱いている。そのため、ハウエンクアとはまた違った理由で戦争による武功を、そして強さを望む。その強い願望からディーと契約し、仮面の力を得て、アヴ・カムゥをもってさえすればゲンジマルにも迫るほどの力を得る。ハウエンクアに対しては、全土を統一(支配)するという望みに関しては一致しているものの、扇動するやり方が気に食わないとした。戦場では青いアヴ・カムゥを駆り、厳格に、しかし慈悲無く敵兵をなぎ払う。
- ディーと契約し力を得るに至るが、敗退。その後、約束を守るため、ハクオロ達を進ませるために、ムツミと戦い、またディーとの契約の反動もあって絶命する。
- アニメ版
- クンネカムン皇都で変身したハクオロと相対し果敢に挑むが、終始劣勢。ハクオロより「お前を殺す理由はない」と言われるも、その声が届くことはなく、敗退し息絶える。差異はあれど原作と同じく、最期はゲンジマルの血を受け継ぐ者として、誇り高い武人として散った。
その他の諸國および勢力の人物[編集]
- ニウェ
- 声 - 日本語:秋元羊介、英語:Christopher Ayres
- 三大強國の1つであるシケリペチムの皇。武と知を兼ね備えた皇で元は狩猟部族の長だったが、各地に散らばった部族達を統括し、一代で國を三大強國の1つと言われるようにまで成長させた。
- 非常に好戦的な性格で大変気性が荒く、戦うために生まれ、戦うために生きる武人なのだと自ら認めている。妖兵という「強いものと戦いたい」という欲求を満たすためだけの軍用ではない兵士(攻め滅ぼした國の有望な武将)を幾人も所有し、潜在能力を引き出しては争わせている[28]。ハクオロに「最高の獣」としての素質を見抜き、獲物と定め執拗にトゥスクルに攻め込む。しかしトゥスクルに軍勢の大半を送り込んでいる隙に、ハクオロを含む少数の精鋭に城を襲撃される(「狩りは獲物を追い込むのではなく、誘い込むものだ」という発言をしており、ハクオロと戦いたいがためにわざと軍勢の大半を送り込んだ可能性もある)。その際、自分の欲を満たすためだけに多くの命を弄び続けたニウェに対して、怒りを露わにしたハクオロがウィツァルネミテアへと覚醒し、倒される。
- その最期の時まで「最高の獣」を見出した自分の目に狂いはなかったと満足していた様子。笑い方が非常に特徴的[注 26]。
- シミュレーションパート
- 薙刀を得物として戦っており、初登場の際には大木を一刀両断するなどの芸当を見せた。
- シケリペチム三人衆(エムロ、イナウシ、イコル)
- 声 - 日本語:白熊寛嗣、近藤孝行、加藤将之
- アニメ版にのみ登場。シケリペチムの武将で、三人揃った時に真価を発揮するとされる。大柄なのがエムロ、中背で髪を編んでいるのがイナウシ、小柄で目つきが悪いのがイコルである。ベナウィ、クロウ達が対等に戦える相手として設定され[29]、一度はクロウを追い詰めるも、決着がつくには至らなかった。シケリペチム侵攻の際、カルラに対して三位一体の攻撃を繰り出すも、圧倒的な力の前に、なす術もなく敗れてしまう。
- オリカカン
- 声 - 日本語:小形満、英語:John Swasey
- 北方の騎馬民族國家・クッチャ・ケッチャの皇。ハクオロを裏切り者の義弟ラクシャインと呼び、同胞と妹の仇としてトゥスクルに攻め込んだ。しかしハクオロに対する憎悪は実はディーによって精神操作された偽りのものであり、トゥスクルへの進攻もハクオロを追い詰めるためにニウェとディーによって仕組まれたものに過ぎなかった。最期はハクオロがラクシャインでないことには気づくが、用済みとされ暗殺(毒殺)されてしまう。スタッフによれば「騙されちゃった悲劇の武将」[30]。オリカカンの死後、國が滅びたわけではなく、別の人物が皇となって存続している模様。
- シミュレーションパート
- 黒いウォプタルを駆り、棍棒の両端に棘のある鉄塊の付いた得物を使用している。
- アニメ版
- 「オリカカン皇もニウェとその手の者による不幸な被害者だった」という場面について、遺体を故郷の土へ還してやるようにトウカへ命じるシーンが追加されている。
- ラクシャイン
- 声 - 日本語:小山力也
- オリカカンの義弟。オリカカンやトウカの台詞によれば、己の欲望のために自分の妻と子、クッチャ・ケッチャの多くの同胞を殺めたとされる男。精神操作されたオリカカンが、ハクオロのことをラクシャインだと思い込んでおり、それが原因でクッチャ・ケッチャとの戦争に繋がった。いずれも他キャラクターの台詞のみで、実際には作中での登場はなく「ハクオロと同時期に行方不明になった」となっている[4]。アニメ版12話のアバンタイトル(オリカカンの回想)では仮面を着けている人物であることが描写されているが、上記の精神操作のため実在している人物なのかどうかも定かではなく、ミスリードの可能性も含めて、依然として謎の人物のままである。
- スオンカス
- 声 - 日本語:近藤孝行、英語:Josh Grelle
- 奴隷の売買を國益とするナ・トゥンクの皇。生きた人間を苗床にすることで綺麗な花を咲かせる「ラルマニオヌの花」を栽培するなど、倒錯した美的感覚をもつ残忍な性格。カルラに異様なまでの執着心を抱いており(彼にとってのラヤナ・ソムカミ(日天之神)であるらしい)、昔から手に入れたいと思い続けていた。その愛は本物であり、当のカルラもそのことだけは認めていた様子。実はカルラに男性としての機能を破壊されているが、本人はむしろそのことを「汚い雄の呪縛から解き放たれた」などと言って感謝しており、オカマ言葉で喋る。得物として投擲用のナイフを袖の下に隠し持っており、その腕前は確かなもの。最期は愛するカルラの腕の中で「今この時だけ、誰よりも愛してあげる」と言われながら息絶えた(当のカルラも「嫌いではなかった」と発言している)。
- シミュレーションパート
- 上述のナイフを操る上、柵(檻)を有効に利用して戦うなどの戦技を見せつける。
- アニメ版
- カルラが守りの兵を薙ぎ倒した隙に、デリホウライから痛恨の一撃を顔面に喰らい、そのまま絶命した。
- デリホウライ
- 声 - 日本語:加藤将之、英語:Nomed Kaerf
- 滅亡した超大國ラルマニオヌの皇子で、ナ・トゥンクの解放軍「カルラゥアツゥレイ」のリーダー。ギリヤギナ族。当初はその強さゆえに傲慢な性格で、自分の力に溺れていた。カルラに「弱い者の気持ちというものを教えてあげますわ」と叩きのめされ、自分よりも強い力を見せられたのをきっかけで丸くなり、彼女を生き別れになった姉と面影を重ねる。その幼い頃に生き別れた姉を今でも慕っているが、かなり美化して記憶しているようで、話を聞いたハクオロは「それは正反対だ」と心の中でツッコんでいる。新國「カルラゥアツゥレイ」建國後は皇となり、トゥスクルと同盟を結ぶ。戦後、ハクオロからカルラの様子を聞いて安心し、晴れやかな表情で自國へと帰っていった。
- クンネカムン侵攻の際、トゥスクルの同盟國として参戦していたがために「浄化の炎」から逃れる様子が見られたが、無事であったかどうかは不明のままである。
- シミュレーションパート
- やや大きいトンファーのような武器を駆使して戦う。
- カトゥマウ
- 声 - 日本語:白熊寛嗣
- 幼い頃からデリホウライの面倒を見てきた忠臣の老人。デリホウライについては「大器を持つ漢であるが、未だその器は完成せず、むしろこのままではその器が歪んでしまう」と語っている。デリホウライに体術を教えたのも彼であるとされる[注 27]。
- カンホルダリ
- 声 - 日本語:最上嗣生、英語:John Swasey
- 三大強國の1つ、ノセシェチカの皇。屈強の肉体を持ち傲慢で自己中心的性格。明確な描写がないため種族は不明だが、シャクコポル族に対して偏見があり、憎悪にも近い嫌悪感を抱いている。戦の才はあっても、視野の狭い独裁者。ポナホイにクンネカムンへの侵攻を命じたが、その後自身も返り討ちにあい、ディーによって生きた操り人形にされてしまう。
- シミュレーションパート
- 仮面兵と共にディーの傀儡として登場する。
- アニメ版
- アヴ・カムゥになす術もなく蹂躙される自軍を目の当たりにした結果「俺様が負けるなどありえない」と特攻し、クーヤのアヴ・カムゥによってあっさりと一刀両断され死亡する。その後、死体をハウエンクアが回収し、ディーが仮面兵を作り出すための研究材料とされてしまった。
- カンホルダリ
- 声 - 日本語:近藤孝行、英語:ジェーソン・ダグラス
- ノセシェチカと同盟を結んでいる小國、エルムイの皇。本人が皇になりたかったわけではなく、カンホルダリが自らの支配欲を満たすために傀儡として祭りあげた元漁師で、カンホルダリの言いなりになっている。都合の良い下僕として扱われ、民からは弱腰の無能者とそしられている自分に苦悩している。カンホルダリの死後、「脅されて仕方なくクンネカムンに攻め入った」とトゥスクルに助けを求めたものの、結果は虚しく、後日クンネカムンによってエルムイは滅ぼされてしまう。その際ハウエンクアから「生き続けて苦しめ」等と言われているが、その後の消息は不明。
- アニメ版
- 上記の「元漁師」などの細かい説明はなく、エルムイの皇として登場する。クンネカムンから反撃を受けた際には、ハウエンクアたちに土下座して「責めは私一人に。民に罪はありません」と慈悲を求めるも、聞き入れられなかった。
ストーリー上の重要なキャラクター[編集]
- ディー
- 声 - 日本語:池田秀一、英語:Nomed Kaerf
- 凛とした涼やかな容貌の、オンカミヤリュー族の青年。終始無表情で、畏怖・重圧さえ感じるような気配をまとっている。さまざまな國に現れ、意図的に戦火を拡大せんとする。元はオンカミヤムカイの哲学士で、ウルトリィと師弟関係にあった。自分逹が崇拝している「神」に対しての好奇心が抑えられず、オンカミヤムカイの宗廟に侵入した結果、ウィツァルネミテアを発見。用もなく眠りを妨げたとして逆鱗に触れる。その際、知識を求めていることを見透かされたために、一方的な契約の代償として自分の肉体を差し出すこととなり、多量の知識(意識)が一度に流れ込んだ影響でディー本人の精神は崩壊してしまう。そのため、憑代とさせられる前の面影はもはや霞ほども残っていない。
- その正体はハクオロと起源を共にするウィツァルネミテアの半身が顕現した姿であり、精神は「分身」である(「ディー本人」からすると「分身」に憑代〈よりしろ〉として肉体を奪われた状態)。オンカミヤリュー族であるため、憑代として「しっくりとくる良質な躰」であると発言している。さまざまな陰謀に関わりハクオロとは度々敵対した。闘争こそが進化の本道であるとし、戦乱を通じて自らの「子供達」をより高い存在へと導こうという超越的な「愛情」を見せる。闘争の過程で抑圧され、あるいは滅びていく種に対しては「必要な犠牲」と冷酷に切り捨てる姿勢であり、その手段や思想、またそれを「愛情」と呼ぶことそのものも含めて全く相反する思想を持つ自身の「空蝉」であるハクオロとは対立している。ストーリー終盤でハクオロ側から強引に意識の統合を行われ、「力のある者」へと回帰する。
- ゲンジマルのことを「友」と呼んでおり、契約を反故にしたために彼の命を奪う結果となってしまったが、「お前まで先に逝くのか」と悔やむ様子も見せていた。
- ウィツァルネミテアは「無限の孤独から解放されることが願い」だと発言しており、種を昇華させる行為は最終的にこの目的を果たすためである。化石として存在していた時から、この行動原理は引き継がれているようであるが、オンヴィタイカヤン(旧人類)もこの産物であったかは劇中で明言されていないため不明。空蝉と分身が出会ってしまった際に争う衝動が抑えられないのは、自分と同じ次元の存在に飢えていたウィツァルネミテアにとって、もう一人の自分が目の前にいることは歓喜の極み(または憎悪)であり、その存在を確かめたいがために争ってしまうとされている[31]。
- シミュレーションパート
- 刀を得物としており、強力な光の法術も使用する。
- ムツミ
- 声 - 日本語:釘宮理恵
- ディーの側に控える、黒翼・血眼の女性。現行の法術・術者の水準を遥かに超越した力を操り、法術とは明らかに別物である不可思議な現象までをも行使する。ディーのことを「お父様」と呼び、ハクオロに対しても何らかの含みのある態度を見せる。
- その正体は、遠い過去(創成期)にハクオロの遺伝子から複製された彼の子供たち「実験体」のうち、最もハクオロに近い性質を持った一体。強大な力を発現させてしまったため、研究者たちによって肉体を分解・破棄処分されたロストナンバー「製造番号欠番No63」。「No63」の語呂合わせで「ムツ (6) ミ (3)」と付けられた。その名前の意味するところは「睦[注 28]」。アニメ版では肉体が存続している描写が存在するが、原作では脳髄のみの存在となって「父親」であるアイスマン(ハクオロ)にコンタクトを試みた。ディーとハクオロを同一視し「お父様」と呼ぶ。彼女の行動はすべて父の望み(我を滅せよ、出来ぬならば封ぜよ)を叶え、「父を安らかに眠らせる」という理由に起因する。名前が「ムツミ」に決定する前に「ムーミン」やら「ムツゾウ」などという名前を付けられかけ、そのたびにサイキックウェーブをアイスマンに叩き付けて激しい異議申し立てを行う場面が見られた。オンカミヤリュー族の生物学的始祖である。
- また、カミュはムツミの中に存在するいくつもの人格のうちのひとつであり、ストーリー終盤でディーの呼びかけに答えてムツミへと変貌する。オンカミヤムカイ最深部でカミュの意識に立ち戻るが、ムツミとはある程度意識を共有している状態である。数々の能力の他に、太古の人類が衛星軌道上に創った衛星レーザー兵器「アマテラス」[33]と直接リンクすることができ、衛星軌道上から超出力レーザー「浄化の炎」で標的を跡形もなく破壊することができる。クンネカムン皇都を破壊し尽した他、過去にウイツァルネミテアを滅するためにも使用されたが、それには至らず封印という形となった。
- シミュレーションパート
- 強力な闇の法術に加え、分身しながらの連続攻撃など、始祖の名に恥じない力を見せる。
- アニメ版
- 前述のアイスマンとの関係の描写が省かれてしまったため、ハクオロのことを「もう一人のお父様」と呼ぶ理由については謎のままの部分がある。
- ミコト
- 声 - 日本語:柚木涼香
- 時折、ハクオロの脳裏に涼やかな鈴の音と共にフラッシュバックする幻影に出てくる女性。
- その正体は、ムツミと同じくハクオロの複製体の内の一体「製造番号No3510」。ミコトの名付け親もまたアイスマン(ハクオロ)であり、「No3510」にちなんで「3(ミ)5(コ)10(ト)」と付けられた。その名前の意味するところは、「命」[34]。また、「No3510」という製造番号もミコトにとっては、「博士がつけてくれた名前」なのであると語っている。ムツミのような特殊能力は見られなかったため、彼女は大勢居る実験用モルモットの内の一体として扱われていた。アイスマンと共に研究施設を脱走し、彼との間に子をもうけるが、後にアイスマンを追ってきた研究者達に捕獲され、「人との間に子を成した貴重なサンプル」として解体・惨殺される。エルルゥが髪飾りにしている輪っかのような物は、古代の研究施設のリング型のマスターキーであり、アイスマンとの接触でミコトに微かな父性的愛情を持ち、彼らの逃亡を幇助した研究者ミズシマがミコトに与えたものである。マスターキーはミコトの「父」からの贈り物としてアイスマンとミコトの間に産まれた子供に贈られ、その後は直系の子孫の長女に引き継がれていった。トゥスクルの代では彼女の姉が死んでしまったためにトゥスクルが受け継ぎ、その直系の長女であるエルルゥに授けられた。また、研究過程では発覚しなかったようだが、ミコトは「動物の声を聞く」という特殊な感応能力を持っており、彼女の子孫には希にその能力が発現する。そうした存在は、動物達と心を通わせるその様から「森の母(ヤーナ・マゥナ)」と呼ばれている。
- アイスマン
- 声 - 日本語:小山力也
- 隠蔽されていたウィツァルネミテアの化石を発見したために、射殺されそうになった考古学者。朦朧とする意識の中、自身の返り血によって目覚めた「化石」の声を聴き、「眠らせてくれ」と頼んだ結果、化石と同化(契約の代償)し、氷の中で長い眠りにつくこととなった。後にミズシマをはじめとする研究者達に発見され、研究材料のためとして蘇生させられる。ミコトを解体したことに加え、肉体を強化する作用のある仮面のレプリカが完成したことを研究者の口から聴いた結果、怒りからウィツァルネミテアの力に目覚め、研究者達を次々と赤いゲル状の謎の物体へと変貌させる(強い肉体が欲しいという願いを歪めて叶えた)。その際、ウィツァルネミテアの凄まじい力に愉悦を感じる心と、こんな残酷なことはしたくないという心がせめぎあい、ムツミの手によって封印されるも、長い年月が経ち封印が弱まるにつれてその心は二つに分かれ、戻ることなく、やがてそれぞれが自我を持つようになった[35]。
- ミズシマ
- 声 - 日本語:加藤将之
- 生命の創造の研究を進めていた科学者の一人で、主にアイスマンの仮面についての秘密を探っていた。オンヴィタイカヤン(旧人類)。地下での生活を続けている間に、地上の環境に耐えられない肉体となってしまった。そのため新たな生命を創造するという研究を続けていたが、気の遠くなるような時間の中で研究を続けていくうちに、罪の意識が麻痺していき何も感じなくなることを恐れていた、良識ある人物で、「神の真似をし、生命の臓器を弄ぶことなど人の身には余りにも大それていること」だと考えている。実験体であるミコトに対しては、「研究者である自分が名前をつけることはできない」としてアイスマンに名前をつけてあげるように頼んでおり、後に逃亡を幇助した際には「ミコト」という名前に満足していた様子を見せた。
- ゲームの中ではミズシマの他にもマツオなどの日本の名字を持つ研究者が登場している。
『うたわれるもの 偽りの仮面』からの登場人物[編集]
主人公、ヒロイン[編集]
- ハク
- 声 - 藤原啓治
- 本作の主人公。20代の青年であり、ヤマトの西方シシリ州の雪原でクオンと出会う。記憶を失っており自分の名前を思い出せなかったため、クオンに「伝承にまでうたわれし御方の名からいただいた」というハクと名付けられる。後に、クオンが「お守りのようなもの」として大切に持っていた鉄扇を借りて、そのまま武器とするようになる。
- 子供でもできるような力仕事にも苦労するほど体力不足で、何かにつけては仕事をさぼろうとする。その一方、頭の回転が速く洞察力があって機転が利き、数学や化学などの知識が豊富。この世界の文字は読めなかったが、それもすぐに覚えていった。
- 甘い菓子が好きで、ルルティエと新作菓子を作る時にも、化学の知識を応用している。酒も好み、宴会などに目が無い。時々、イタズラでオシュトルにも変装したりしてオシュトルの一番の関係者であるネコネにも見破れないほどに変装と物真似が上手だった[注 8]。
- 正体は、旧時代の支配者たる人類(この世界でオンヴィタイカヤンと呼ばれる存在)の生き残り。兄によって人体実験の被験者とされた後に眠らされ、その数百年後となる現代に目覚めた[注 29]。
- シミュレーションパート
- 先述のように鉄扇を武器とするが、攻撃力は低め。だがレベルが上がると回復能力や、周囲の味方ユニットに対する支援効果を得られる。
- 『二人の白皇』からは、オシュトルの刀も使うようになる。またステージによっては、仮面(アクルカ)の能力で変身して戦う。
- 『うたわれるもの 偽りの仮面』におけるハク
- 「ハクの仕事を探すため」という名目で、クオンによって帝都に連れてこられる過程でオシュトルに人柄や才覚を認められ、クオンと共にオシュトルに雇われて活動するようになる。そういった仕事の中、危機的な状況に陥っても即興で的確な作戦を考えては、皆に指示を与えていくようになる。
- オシュトルの死に際に仮面を託され、アンジュを頼むと言われ、オシュトルの死を隠して彼の遺志を継ぎ「ハクは死んだ」「我が名はオシュトル」という“偽りの仮面”を被り、修羅の道へと突き進む。
- アニメ版
- ゲーム版では、最初から化学知識があって菓子作りなどに使っていたように描かれているが、アニメ版では17話で記憶が蘇ってから化学知識も復活したらしく、20話でその知識を初めて爆弾作りに使ったように描かれている。オシュトルを初め多くの有力な人々とのかかわりの中、その存在感を増していく事で、後に分裂していくヤマトの中で帝室復権を旗印にヤマト再統一を導く存在となっていく。
- 『うたわれるもの 二人の白皇』におけるハク
- 『偽りの仮面』に引き続き主人公。亡き親友オシュトル(ウコン)の意志と仮面を継ぎ、ヤマト右近衛大将の後を継いてオシュトルに扮したハク(ゲーム内でも名前は「オシュトル」と表示されるが、区別のため「オシュトル(ハク)」と表記されることもある)。アンジュの帝位奪還のために、オシュトルとしての名声とハクとしての知略を生かした指揮でエンナカムイ勢を率いて奔走することとなる。オシュトルに扮してからは、オシュトルが使っていた刀も使うようになるが、以前クオンがハクに貸した鉄扇を「友の形見」として使い続ける(鉄扇はハクの死を告げたときクオンに返したが、クオンはその場に落としてそのまま去って行った)。
- 序盤こそ頼りない一面を見せるものの、オシュトルとしてのカリスマとハクの知性を徐々にだが発揮させていき、物語中盤に差し掛かる頃にミカヅチと決闘の末に仮面の者(アクルトゥルカ)の力を完全に覚醒させる事に成功した。これ以降は白兵戦時の戦闘力も劇的にアップし、ヴライやミカヅチといった八柱将とも互角以上に戦えるほどにまで成長する。そして仲間たちと共に朝廷軍に対抗するため、味方となってくれる国々を求めてヤマト国内を奔走する。
- ネコネとの関係は最初はかつてのオシュトルの代わりという気持ちで接していたものの、次第に互いに心を通わせるようになった。そして彼女がヴライの手の者にさらわれた際には身を徹して彼女を助け出し、何よりも大切な存在として認めた。
- 物語の終盤、オシュトルと同様に塩と化して消滅するも、常世でハクオロにクオンの危機を知らされ、半ば奪い取る形でウィツァルネミテアの権能を受け継ぎ現世へ帰還。クオンを救い再び姿を消した。
- その後、ウルゥル・サラァナと共に人助けをしつつタタリを不死の契約から解放する旅を続けている。
- クオン
- 声 - 種田梨沙
- 本作のヒロイン。各地を一人旅していた少女で、記憶を失っていた青年を助け、ハクと名付ける。薬師(くすし)である一方、苦無を主な武器とした体術にも優れる。そのためか相手の強さを見極める能力も高く、例えばアトゥイがかなりの強者であることを一目で見抜いている。
- ハクを拾った責任者として、ハクが自立できるようになるまで面倒を見ることを自分の義務とし、彼を自分の旅に連れ回すようになる。この経緯や、ハクがこの世界についての知識が無いため、彼の保護者のように振る舞い、ハクが仕事をさぼったときなど「お説教」「お仕置き」としてハクを正座させたり、しっぽで締め上げたりすることがある。
- しゃべるとき、語尾に「~かな」と付けるのが特徴。活動的だが、時に上品で気品がある面を見せることがある。またしたたかな一面も持ち、言質などから相手を追い込むことが得意。一方、機嫌がよくなると表情に表れずともしっぽが揺れ動いたり、自分のこととなると隠し事をしているのが露骨に態度に表れることがある。
- 相当な風呂好きで、旅のさなかでもわざわざ水を汲んで、湧かした湯に浸かるのをいとわず、風呂のことになると人が変わる事もあるほど。また見かけによらず大食いで、自分で料理もできるが、ルルティエに比べると味付けや盛り付けなどは大ざっぱ(ハクには「男の料理」と評されている)。酒もたしなみ、特にハチミツ酒が好物。古代の遺跡・文献調査なども趣味とている。
- 出身地はトゥスクル。『偽りの仮面』では明言こそ避けられているものの、前作ゲーム版エピローグで描かれている、ハクオロとユズハの間に生まれた娘であり、トゥスクルの皇女にして皇位継承者。名前は、短命だったユズハの代わりに長生きするようにと、《久遠》という言葉から取られている[注 30]。
- かつてハクオロに仕えていた者達を親代わりとして育っており、幼い頃から学問や武術などをその者達から学んだほか、名は出ないが薬師としての技術もエルルゥから学んだことが示唆されている[注 31]。そんな状況で育ったため、家族や姉のような人物は多いが友人はほとんどいなかった。
- 旅路の身であるが愛郷心は強く、ヤマト帝都の発展ぶりを見て悔しがる場面などがある。
- シミュレーションパート
- 苦無や格闘術で戦い、ある程度の遠距離攻撃能力もある。また薬師として味方の回復能力などもある、マルチロールなキャラ。周囲の味方の気力を回復させる能力もある。
- 『うたわれるもの 偽りの仮面』におけるクオン
- 旅をしているということだけを語り、トゥスクル出身だということや自分の身分は隠していたが、アルルゥ、カミュのヤマト来訪によって、トゥスクル出身であるということが知られる(大使であるアルルゥたちの妹のように扱われていることから「恐らく身分の高い人物の関係者」とは皆に想像されたが、皇女であるということまでは悟られず想像もされなかった)。「約束の期限」を過ぎたため、アルルゥなどから帰国を求められているが、ハクの面倒を見ることなどを理由に帰国を渋り、結局ヤマトに残る。
- ハクがオシュトルから引き受けた、トゥスクル遠征軍への救援という依頼を持ってきたときには、母国への侵攻に荷担することになるため逡巡したが、ハクや、トゥスクル遠征軍に加わっていたムネチカを案ずる心もあり、傍観者でいるよりは自分も加わることを選び、ハク達と共にオシュトルの依頼を引き受けた。
- 帰国後、帝の暗殺による混乱と、アンジュの毒殺未遂という騒動の最中に、ハク、ネコネ、オシュトルと分断される状況となり、ハクは帰ってくるのだと信じて待つ。だが、戻ってきたオシュトルによってハクが死んだと聞かされて鉄扇を返されると、失意により自分が扇を落としたことも気づかぬまま、茫然自失となって故国へと一人帰っていく。
- その途中でオシュトルの関係者を狙ってきた暗殺者達に捕らえられるが、彼らを超常能力を用いて人体発火・人体凍結・人体腐敗などで返り討ちにした。その後、彼女を迎えに来たオボロによって、自分がハクに対して抱いていた本当の気持ちに気づき、涙する。
- アニメ版
- 能力を用いるタイミングが異なっており、帝都でアンジュを連れてのノスリと共に逃走してた最中、ライコウの手勢を一瞬で飛来した矢ごと消し飛ばした。
- 『うたわれるもの 二人の白皇』におけるクオン
- ハクを「失った」後、自らの故郷へと帰還。その後アンジュを襲っている状況を知り、アンジュたちヤマトに残してきた仲間たちへの間接的な支援のために、自らが裏切り者のそしりを受けることになろうとも、オボロの命に従いヤマトを攻め落とそうとする。しかし、トゥスクル皇女として正装と面紗で正体を隠した状態でエンナカムイに赴き、オシュトルたちと対面してヤマト侵攻を告げた後、オシュトルが言った何気ないひとことを聞いたことで、彼の正体がハクだと確信する。その後のトゥスクルへの帰路の最中、クロウとベナウィに背中を押される形で、一人の少女クオンとしてオシュトルたちの下へ帰還。アンジュの帝位奪還の戦いに身を投じる。
主人公の仲間となる人物[編集]
- ウコン
- 声 - 利根健太朗
- クオンが、ハクを見つけた後最初に立ち寄った、クジュウリ國シシリ州の集落で出会った男性で、ネコネの兄にあたる風来人。ハクとクオンのことを気に入り、ギギリ駆除や、帝都へ運ぶ貢物の護衛といった自分の仕事に、ハク達を誘う。
- その正体はヤマト右近衛大将オシュトルで、仮面(アクルカ)を外し、髪をぼさぼさにして付け髭をつけ、変装した姿。口調や態度も、オシュトルの姿の時は改まっているが、ウコンの姿の時は垢抜けて、さばさばとした状態になっている。
- オシュトルは官位が上がりすぎて小規模な行動が取りにくくなったため、ウコンとして隠密活動などをするようになったが、次第にウコンのほうも有名になって正体を探られはじめたため、ウコンとしての仕事をハク達に引き継がせる。しかしその後も、ウコンの姿でいる方が気楽なため、よくウコンとして白楼閣に現れては、ハク達と酒を飲むなどしている。
- シミュレーションパートには基本的に参加せず、プレイヤーが操作することはできない。2018年にリメイク版が発売されたうたわれるもののダウンロードコンテンツにて、操作可能ユニットとして登場する。
- ネコネ
- 声 - 水瀬いのり
- 史上最年少で、数年に一人しか合格者が出ないという殿試に合格した才女。本来は哲学士の資格を得るはずが、幼すぎたせいで保留にされているため学徒扱い。呪法の使い手で、豊富な知識とは裏腹に、子どもっぽい一面が目立つ。
- ウコン(オシュトル)の妹で、ウコンを「兄(あに)さま」と呼んで溺愛しており、兄を侮辱する者には容赦ない。また大人ぶろうとし、ウコンに撫でられるなどすると照れて抗議するものの、嫌がらないブラコン。なおオシュトルの政敵などに利用されるのを避けるため、あくまでネコネは、オシュトルではなくウコンの妹ということになっていて本人たちもそのように振る舞うようにしており、事実を知る者は少ない。だがネコネ個人は幼き才女として、宮廷などではそれなりに有名な人物になっている[注 32]。
- 幼いときから本の虫で、同年代の子供達と馴染めずにいたため、人付き合いが苦手。だが遺跡や古代の文献調査などといった同じ趣味で意気投合したクオンを「姉(あね)さま」と慕うようになり、義姉妹の契を結ぶ。理想の兄であるオシュトルに比べると欠点が多いハクに対しては辛辣で、ハクがデリカシーのない発言などをすると、杖で殴ったり脛を蹴ったりしているが、苦手なものがあるとハクの後ろに隠れるようになるなど、「兄以外の人間にここまで気を許すのは珍しい」と言われるようになる。
- シミュレーションパート
- 呪法を使った遠距離攻撃と、回復や防御力強化の術が使え、ダメージや回復が持続するエリアを作ることができる。さらにレベルが上がると、攻撃の術と防御の術の同時使用が可能になる。また、囮などとして使える、呪符による人形を召喚できる。
- 『うたわれるもの 偽りの仮面』におけるネコネ
- 「本だけでは得られない知識を得てほしい」というウコンによってハク達の元に身を預けられ、仲間となる。
- 帝暗殺とアンジュ暗殺未遂の混乱の最中、オシュトルの死に大きな関わりを持ってしまったために大きな罪の意識を背負うこととなった。兄の遺言によって“偽りの仮面”の真実を守り続ける立場となったが、目つきと声音は死人同然に変わり果てた。
- アニメ版
- 古代の遺跡調査などという趣味でクオンと意気投合するという話は出ず、クオンやハクの人柄に自然と惹かれていったように描かれている。クオンとの義姉妹の契の話もない。
- ウズールッシャとの戦いが始まったときには、キウルと共にオシュトルに同行し、ハクより先行して出陣している。
- オシュトルの死の時の状況や行動は、原作と大きく異なっている。
- 『うたわれるもの 二人の白皇』におけるネコネ
- 今作ではヒロイン的な立位置にある。「ハクを頼む」という兄の遺言からオシュトル(ハク)の手助けを行っているが、兄の死に大きく関わった罪の意識と、ハクの人生を奪ってしまったという思いから塞ぎがちになる。そして精神的にも肉体的にも追い込まれていき、ハクがオシュトルとして偽り続けていつしかハクという存在、また本当のオシュトルという存在が消えていく事への恐れが、更に彼女を追い詰めていく。
- その過程もあり序盤は目の色や声に精気は無く朧とした雰囲気を漂わせていたが、ハク自身の優しさに触れて互いに心を通わせることで徐々にだが元気を取り戻し、以前のような振る舞いを見せるようになる。そしてハクをもう一人の大切な兄として認め、彼を最後まで心の底から支え続けた。
- エピローグでは帝都でなくとも学問が学べる事、そして今回の戦でエンナカムイへの移住者が増えた事もあり、エンナカムイの発展に助力し、成長した國をハクに見せたいとエンナカムイへ帰國し、城の書庫の管理を担当する殿学士となり、「家族」であるハクが帰って来る事を信じて母のトリコリと共に待つ事にした。
- マロロ
- 声 - 杉山大
- ウコンの従者である男性。白塗りの顔に、一人称が「マロ」で語尾に「おじゃる」をつけるなど、公家のような容姿と言動が特徴。ネコネと同じく、殿試に合格した人物(助学士)で、呪法の使い手。自分は助学士となった一方、ネコネは幼いために学徒扱いにされているが、実際はネコネが得るはずの資格である哲学士のほうが位が高いため、学士であることなどについてネコネに皮肉を言われても言い返せず、頭が上がらないでいる。貴族の出身だが、祖父や父の散財のせいで家は没落してしまっているため、どうにか立て直そうと努力しているが、自分自身も風雅な趣味の造詣が深いため思わぬ出費をしてしまうことがあり、なかなか成功しない。
- シミュレーションパート
- 味方として戦闘に参加させられるのは『偽りの仮面』序盤と中盤の一部だけだが、主に炎の呪法を使った遠距離攻撃が使える。
- 『うたわれるもの 偽りの仮面』におけるマロロ
- ウコンら一行と共に、クジュウリからの荷を護衛する任についていたとき[注 33]、ハク達に出会う。ギギリ退治などで自分を助けたハクを「心の友」と呼ぶようになる。当初、ウコンの仕事を引き継いだハクの仲間になりたがっていたが、「学士の俸禄は高給であり、その相場を安易に下げることもできないため支払えないから雇えない」としてクオン達に断られ、落胆している。だがウコンらと共に、時折白楼閣でハク達と酒を飲んでいる。
- その後金策のため、やむなくデコポンポの采配師として雇用され、ウズールッシャとの戦でデコポンポらに同行する。だが、マロロの適切な助言はことごとくデコポンポに無視され、さらにデコポンポ敗戦の責任を押しつけられた。
- 学士として、ウズールッシャの遺跡にいたところ、同じく遺跡を調査するためにやってきたハクと再会し、共に遺跡に入っている。
- デコポンポがトゥスクルに遠征することになった時にも、デコポンポの采配師として同行。その後、帝崩御の知らせを受け、デコポンポらと共に帰国している。
- 『うたわれるもの 二人の白皇』におけるマロロ
- 「本物の皇女」を奪取しようと独断でエンナカムイに攻め入ったデコポンポの敗北後、オシュトル(ハク)によって自らの傘下に加わるよう言われるが、戦いにおける容赦ないオシュトルの采配を目にし、さらにハクの死を聞いてショックを受け、ひとり帝都へ戻る。
- だが、実はマロロの才能はライコウも評価していた。ライコウの指示を受けたウォシスの手によって洗脳され、修羅の如き形相へと変貌。洗脳が未調整だった時に実家を焼き払い、父と祖父を含む家中の者達を惨殺し、“親友であるハクを殺したオシュトル”に復讐を果たそうと、オシュトル(ハク)と戦うことになる。
- オシュトル(ハク)の帝都奪還後に洗脳が解け、負傷した自分を介抱するオシュトルの言葉から彼の正体を察するが、直後に襲い掛かってきたシチーリヤからハクを庇って致命傷を負う。そして親友を救えた事に安堵しながら息を引き取った。
- ルルティエ
- 声 - 加隈亜衣
- ヤマトの属国クジュウリの姫君で、15人兄妹の末女。父はクジュウリ皇で、ヤマト八柱将でもあるオーゼン。ペットはホロロン鳥のココポ。
- 性格は気弱で家庭的。裁縫や料理が好きで、故郷の城でも厨房を仕切っていた。白楼閣でも皆の茶を入れたり、厨房を借りて皆の食事を作ったり、ハクの知恵を元に新作菓子作りに挑戦したりするようになる。一方で密かな耽美趣味があり、帝都に来たときも、事前に調べていた店から、その趣味の本を買いにいくなどしている。
- シミュレーションパート
- ココポに乗って戦う。体力が非常に高い上ZOC効果もあるため、敵に対する近接攻撃役のほか、味方に対するタンク(盾)役として活躍できる。
- 『二人の白皇』ではゲーム途中より、バフ(能力強化)効果のある笛を使えるようになる。
- 『うたわれるもの 偽りの仮面』におけるルルティエ
- 帝へ貢物を運ぶ使者として、ヤマトの帝都に向かっていたところをウコン達が護衛することになり、ハク、クオンも同行して、帝都へと向かう。故郷の城から出ることはほとんどなかったため、友人と言える人物はいなかったが、似た境遇で育ったクオンから積極的に話しかけられて親しくなり、またハクを慕うようになる。
- 帝都にやってきた後、オーゼンの計らいで見聞を広げるためオシュトルのもとに身を預けられることになり、そのままオシュトル(ウコン)によって、ハクの仲間として身を預けられた。
- アニメ版
- 料理をしている描写は僅かにあるが、ハクと菓子作りをしている描写はない。また耽美趣味が強調されており、ウコンとハクの関係を妄想するなどしている。
- ココポに乗って戦う戦闘描写はないが、ウズールッシャとの戦いが始まったときは、アトゥイと同様に父の名代として出陣を命じられている。
- 『うたわれるもの 二人の白皇』におけるルルティエ
- 好意を感じていたハクの死を受けて人一倍衝撃を受けて塞ぎがちな日々を送っていたが、「もう誰も失いたくない」と精神的に成長し、改めて戦いに出ることを決意。戦を控えたエンナカムイの厨房を預かるようになる。
- ある事をきっかけに、ハクがオシュトルの身代わりとして生きていることを知り、そのままオシュトル(ハク)を見守る事となる。
- エピローグではクジュウリに帰國し、ハクが生きている事を信じ、いつの日かクジュウリを訪れる事を待ち続ける事にした。
- キウル
- 声 - 村瀬歩
- ヤマトの属国エンナカムイの皇子(皇イラワジの孫)で、弓を使う少年。同郷の出身であるオシュトルとは義兄弟の契りを結んでいる。またネコネを慕っているが、彼女からは全く相手にされていない(ネコネは、キウルが積極的に話しかけてくるのは、自分がキウルの義兄であるオシュトルの妹にすぎないからだと思っている)。素朴な性格ゆえに、周囲の人間が持ち込むトラブルに振り回されることが多く、そのストレスでいつも腹痛に悩まされている。
- シミュレーションパート
- 弓矢で戦う。レベルが上がれば、移動しないで射撃することにより連続攻撃が可能になるため、適切な場所に配置すれば、非常に高い攻撃力を発揮する。さらに回復能力なども使用できるようになる。
- 『うたわれるもの 偽りの仮面』におけるキウル
- オシュトルの元で修行を積むため、皇女の聖誕祭にあわせて帝都にやってくる。最初、ウコン(オシュトル)によってハクのもとに預けられようとした時は、あくまでオシュトルのもとで修練するつもりでいたため乗り気ではなかったが、ネコネもハクの元にいることを知るとすぐに態度を変え、ハクの仲間となった。
- 帝の崩御後、囚われの身にあったオシュトルとアンジュが救出されると、オシュトルに頼まれ、彼直属の手兵を逃がすための連絡を引き受けて、オウギと共に帝都に残った。
- アニメ版
- 初登場時、行方不明になったアトゥイの捜索をオシュトルに依頼されて彼女を追っていたところ、ハク達と遭遇した形となっている。この時「内密に」とオシュトルに言われていたため、原作では描写がない覆面をつけている。
- ウズールッシャの攻撃が始まったときには、オシュトルの兵に同行する形でネコネと共に、ハクに先行して出陣している。
- またトゥスクル遠征の際には、エンナカムイ皇の名代としてムネチカらと共に、ハクより先行してトゥスクルに向かっている。また帝都に帰還後、オシュトルとアンジュ救出後の避難場所としてエンナカムイを提案。彼らを受け入れるよう説得するため、シノノンを連れて一足先にエンナカムイへ向かっている。
- 『うたわれるもの 二人の白皇』におけるキウル
- オシュトル直属の手兵やその家族を引き連れ、後からエンナカムイに到着。その後は、オシュトル(ハク)の正体に気付かないまま、変わらず義兄として接している。
- エピローグではヤマト大老となった祖父・イラワジの推しでエンナカムイの皇になったが、本人のかつての願いでアンジュの世直し道中に同伴、間者として活躍している。アンジュより「先帝から世直しの旅に必要なのは右と左の家臣、そしてうっかり間者」として「うっかり」と名付けられた。
- アトゥイ
- 声 - 原由実
- ヤマトの属国シャッホロの姫で、ヤマト八柱将でもあるソヤンケクルの娘。恋愛話が好きで、惚れっぽい性格。やわらかい言葉遣いをし、ハクを「おにーさん」と呼ぶほか、ルルティエを「ルルやん」、ネコネを「ネコやん」と呼ぶなど、独特の愛称を他人に付けて呼ぶことがある。一方、かつて幼い自分を背負って戦っていたソヤンケクルの影響か、強そうな相手などを見ると戦ってみないと気が済まず、ウルゥルによると「シャッホロの狂い姫」などと呼ばれているというほどで(アトゥイ本人は褒め言葉と受け取っている)、戦いでもすぐ突出しようとする戦闘狂。折り畳みが可能な二叉の槍を持ち歩いている。クラリンという、空中を漂うクラゲのような生物をペットにしている。
- シミュレーションパート
- 槍で戦い、クラリンも攻撃に参加することがある。槍による長めの射程や、攻撃後に再度移動が可能になる能力も使えるようになるため、ヒット&アウェイなど機動性の高い近接戦闘が可能となる。
- 『うたわれるもの 偽りの仮面』におけるアトゥイ
-
- 皇女の聖誕祭に合わせて帝都にやって来るが、連れの者から逃げ出して追っ手も叩きのめし、父が用意した屋敷も無視して「せっかく帝都にまで来たのだから恋がしたい」などと言い、帝都で評判の旅籠屋だという白楼閣で過ごそうとしていたところ、町中から白楼閣に戻ろうとしていたハクと偶然出会い、宿まで案内された。
- その後、オシュトルの依頼でハクが護衛することになったユゥリに一目惚れし、クオンがアトゥイの強さを見抜いたこともあって引き込まれ、なあなあのうちにハクの仲間となる。
- ウズールッシャがヤマトに侵攻してきたときには、国を離れられないソヤンケクルの代わりに戦に出るよう求められたが、ソヤンケクルの暑苦しくてむさ苦しい私兵を連れて行くのを嫌がったため、オシュトルの許可を得て、代わりにハク達を戦いに連れて行った。以後もハク達と行動を共にする。
- アニメ版
- ユゥリの話は登場せず、帝都を散策していたハクに出会って共にあちこち歩き回るなどした後、単に白楼閣に泊まることになって、そのままハクの仲間となっている。また戦闘狂の描写はほとんどない。
- 『うたわれるもの 二人の白皇』におけるアトゥイ
- ハクの死を受けても独特な生死観により動揺しなかったが、心の片隅に小さな違和感を覚えた。
- 物語が終盤に差し掛かる頃、帝として即位したアンジュの命により八柱将に抜擢された。
- エピローグではシャッホロに帰國したものの、ハクが生きている事を信じハクを探す旅に出る事を決意、腕づくで阻止しようとするソヤンケクルや四天王を叩きのめし、ノスリと共に旅に出た。ちなみにハクに対して「異性」としての感情も芽生えている模様で、彼となら良い子が生まれるだろうと子作りも計画に入れている。
- ノスリ
- 声 - 山本希望
- 弓使いの少女で、前作におけるトウカ、ゲンジマルと同じ、エヴェンクルガの出身。没落した家を再興するため、ノスリ旅団という義賊の長として、役人の不正を暴いたり悪徳商人から金を奪って庶民に与えるような活動をしているが、思い込みが激しく行動も大ざっぱなため、助けられるはずの側からひんしゅくを買うこともある。「いい女」という言葉をよく口にし、常に自分も「いい女」であろうとしている。
- シミュレーションパート
- 弓矢で戦う。キウルは移動すると直後の攻撃が不利となるが、ノスリにはその制約がないため、常に新しい標的を狙って動かしつつ遠隔攻撃させることが可能。
- 『うたわれるもの 偽りの仮面』におけるノスリ
- モズヌ一党と手を組み、帝都に向かっていたルルティエ一行の荷を奪うが、それは女子供など弱者も襲うモズヌを許せなかったため、モズヌのアジトを突き止めるというオシュトルの計略に協力したものであった。オシュトルの事は私利私欲がない人物として認めてはいるが、慎重すぎて行動が遅いとも批判している(正確にはノスリの方が直情的に動きすぎている)。だがそういった批判もオウギによれば「憧れの裏返し」とのこと。
- アンジュの正体に気付かないまま、アンジュが言い出した狂言誘拐に協力してしまう。その騒動が一段落した後、オシュトルの提案に乗り、オウギを除く配下の旅団の者を解散させて、しばらく目立たないためにもハクの仲間となる。以後はハクの指示で、オウギと共に斥候の役目を行っていることが多い。
- アニメ版
- 狂言誘拐事件の後オシュトルにより、ハクが「目付」になるべくノスリとオウギの身柄を預けられた形となっている。また「旅団」の他の配下も登場しない。
- 『うたわれるもの 二人の白皇』におけるノスリ
- 一族の再建という使命と目的を果たすために、エンナカムイ陣営に大きく貢献していく。そして、それは物語終盤に彼女が八柱将に抜擢されたことにより、ついに果たされる事となる。
- エピローグではアンジュからハク捜索の任を与えられ、アトゥイと共にハクを探す旅に出る。
- オウギ
- 声 - 櫻井孝宏
- ノスリの弟で、エヴェンクルガの出身。いつも姉を褒め称えて、引き立てるような言動を行っている。その一方、姉とは対照的に理知的で、思い込んだら止まらないノスリを制御するため、ノスリを止めようとする代わりに、時にはノスリ本人をも平気で騙しつつ補佐している。
- シミュレーションパート
- 二刀流で戦う。敵をすり抜けたり敵のZOCを無視したりすることができるなど移動力が高く、相手の背後を取ると攻撃が有利となる能力も使用できるようになる。
- 『うたわれるもの 偽りの仮面』におけるオウギ
- 以前からオシュトルと繫がりがあり、ノスリを腹芸で誘導しつつ、「利害の一致」でオシュトルに協力している。これもノスリを引き立てる行動の一環であり、オシュトルの依頼で動いていることは、大抵ノスリには伏せられている。
- ノスリによるアンジュの狂言誘拐でも、最初からアンジュの正体などに気付いていたが、事を最小限に抑えつつ、ノスリの行動を引き立てるために暗躍している。その騒動が一段落した後、ノスリと共にハクの仲間となる。
- 帝の崩御後、囚われの身にあったオシュトルとアンジュが救出されると、ハク達が逃亡するのに紛れる混乱を引き起こすための彼の策により、閉め出されていたライコウとデコポンポ及びその手兵を帝都に入れるため、キウルと共に帝都に残った。また、ヴライが生きていることを知ると、彼が帝位を簒奪しようとしているという話や、アンジュの居場所の偽情報などをキウルと共に流し、混乱を助長させてハク達のための時間を稼いでいる。
- 『うたわれるもの 二人の白皇』におけるオウギ
- キウルと共に、後からエンナカムイに到着。その後はオシュトル(ハク)を、得意の諜報の任で補佐する。
- エピローグでは帝の御側付きの地位を与えられ、時々帝の影武者になっているシノノンやカルラなどのサポートも行なっている。
- ウルゥル、サラァナ
- 声 - 佐倉綾音
- ホノカの娘である双子の姉妹。鎖の巫(カムナギ)と呼ばれる能力者で、術法[注 34]の使い手。外見は姉妹で非常によく似ているが、ウルゥルは色白で、サラァナはやや色黒。ウルゥルは言葉数が少なくぶっきらぼうな雰囲気で、サラァナはウルゥルの言葉を補足し説明することが多い。
- シミュレーションパート
- ウルゥルとサラァナ2人で1ユニット扱い。術法を使った遠距離範囲攻撃火力が非常に高い反面、その他の能力は非常に低い。ネコネ同様、囮を作る能力もある。
- 『うたわれるもの 偽りの仮面』におけるウルゥル、サラァナ
- クジュウリからの荷およびルルティエと、ウコン、ハク、クオンが合流した頃より、2人揃って黒いベールを纏った状態で現れ、全く言葉を話さないまま、ハクにつきまとうように神出鬼没を繰り返す。帝都に着いた後は一時姿を消すが、「ミト」と名乗る老人の元へハクを案内するかのように、再び現れる。この時もベールを纏っていて、終始無言である[注 35]。
- その後、悪漢から皇女アンジュを救い出した(ということにされた)ハクに、「褒美」として帝より下賜され、初めてベールや外衣を外した姿を見せ、言葉を発した。オシュトルによると、たとえどんな手柄を立てたとしても、一市民に過ぎないハクに鎖の巫が下賜されるのは前代未聞のことであり、城を賜る以上の壮挙であるという。
- 以後ウルゥルとサラァナは、ハクを「主(あるじ)様」と呼び、食事から夜伽に至るまで、ありとあらゆる世話を焼こうとし、寝所にまで潜り込んでこようとする。またハクの護衛および、ハクと帝(ミト)の連絡役を勤めるようになる。ヤマトの深層にある旧人類の遺跡にも帝と共に奥底まで入れたり、帝による今のヒトの始まりの話を聞いていることから、ホノカと同様に、帝とハク達旧人類のことも知っている。
- 鎖の巫というのは“仮面の者”がヤマトに反逆した時のための対抗措置と言える存在で、大封印(オンリィヤーク)を扱うことができる。
- アニメ版
- 帝都からの逃走の最中、ハク、ネコネ、オシュトルと共に同行しヴライに大封印で力を弱体化させた。最後の“偽りの仮面”を知る真実の一人として、ハクとオシュトルの違和感を隠すなどしてオシュトルの傍付という立場となる。
- 『うたわれるもの 二人の白皇』におけるウルゥル、サラァナ
- エンナカムイ到着時は、ヴライの力を封じた反動の疲労困憊によって眠っていたが、目覚めた後、ハクがオシュトルに扮しているのに直ちに気付き、彼の正体を隠すため呪法により助力する。
- 以後、「ハクの遺言により、オシュトルを新たな主とする」という設定の元、従来通り“主”に献身的に尽くそうとする。
- ヤクトワルト
- 声 - 江口拓也
- 特定の人物に仕えることをせず、各国を渡り歩く剣豪。速すぎて剣先が陽炎のようにしか見えないということにより「陽炎のヤクトワルト」の異名を持つ。帝の御前試合に飛び入り参加して、全勝したほどの使い手。いつもキセルを口にくわえており、飄々とした雰囲気で話す。シノノンという養女がいる。
- シミュレーションパート
- 居合いの剣術で戦う。攻撃を受けたときの豊富な回避・反撃能力やZOC効果を持ち、近接戦闘能力が特に高い。
- 『うたわれるもの 偽りの仮面』におけるヤクトワルト
- シノノンを人質に取られ、剣奴(ナクァン)としてウズールッシャのために戦うことを余儀なくされていたが、クオンと出会ったとき、彼女がハク達にも見せたことがない威厳ある声で、自分たちが差し伸べる救いの手を受け取るか選択を求めたとき、クオンに賭けることにする。その後、ハクやクオンの助けを得て無事シノノンの救出に成功したあと、クオンに誘われ、ハク達の仲間となる。
- アニメ版
- 最初にクオンから話を聞く場面はなく、偶然別行動していたハクやルルティエ達が助けたシノノンを見て、ヤマトの側についたようになっている。
- 『うたわれるもの 二人の白皇』におけるヤクトワルト
- ヤクトワルトにとっての恩人、すなわちハクが死んだと聞かされ、もうひとりの恩人クオンが去っても、エンナカムイに残り、オシュトルのために戦う。
- その中で、かつてゲンジマルがヤクトワルトの故郷レタルモシリを訪れていた頃に彼の剣術を見て学び、それがヤクトワルトの武人としての基礎となっていたこと、彼の使ってる刀がゲンジマルから譲られたものであることが明かされる。
- その後、レタルモシリの一族をを纏めるために帰るよう、エンナカムイまでやって来たヤムマキリに言われるが、これを断り、決闘してヤムマキリを退けている。
- エピローグではアンジュとの公約通りに帝都に屋敷と禄を与えられ、帝の御側付きとして、時折帝の影武者を演じるシノノンの成長を見守る事となる。
主人公の仲間の関係者[編集]
- ココポ
- 声 - 米澤円
- ルルティエが飼っているホロロン鳥。通常のホロロン鳥よりも非常に巨大で、ルルティエが乗れるほど。通常は空を飛ばずに歩いており[注 36]、荷車を引いていることもある。ルルティエ以外の人にはなかなか懐かず、特にルルティエに対する害意に敏感で、彼女を害そうという者などに対しては蹴る、つつくなどの行動で暴れる。一方でハクには初対面から懐いている。性別は不明[注 37]。
- 初めてモズヌと遭遇した際、ルルティエを人質に取ろうとしたモズヌを叩きのめしたため、モズヌからは疫日神(ヌグィソムカミ)呼ばわりされている。
- ハクにすぐ懐いたのと同様に、『二人の白皇』ではハクが扮したオシュトルにも懐いており、その正体に気がついている模様。
- アニメ版
- アルルゥが連れてきて同じ厩舎に入れられたムックルと友情(?)を育み、ムックルがアルルゥ、カミュと共に去って行くときは、涙目になって翼を振っている描写がある。
- またトゥスクル遠征時、ムネチカ達の陣に向かおうとしていたところ、見つけたムックルを追おうとして飛び出し、他のヤマトの部隊と引き離され、そのままムネチカ達の陣に到着している。
- クラリン
- 声 - 三宅麻理恵
- アトゥイのペット。半透明な身体で2本の触手があり、空中を漂うクラゲのような生物。アトゥイの帽子のように、頭におさまっていることがある。小さな昆虫などを主な餌とする。触手から、相手を痺れさせる攻撃を繰り出すことがある。
- アニメ版
- 公式サイトでアトゥイと共に紹介されているが、登場シーンは第8話、第25話など僅かで、アトゥイと行動を共にしている場面はほとんどない。
- シノノン
- 声 - 久野美咲
- ヤクトワルトの養女。男の子のような口調だが、比較的おとなしい性格。
- ヤクトワルトのことは「とぉちゃん」と呼んでいる。「とうさま」と呼ぶ実父はヤクトワルトの義兄にしてレタルモシリの族長ムカルであり、ムカルの弟ヤムマキリの計略によりムカルが死んだ後、ヤクトワルトによって連れ出され逃げた。
- ハク一行の中では特にキウルに懐いているが、キウルのことを手下のようにも思っているらしい[4]。
- 『うたわれるもの 偽りの仮面』におけるシノノン
- ヤクトワルトを剣奴(ナクァン)にするため囚われていたが、預けられていたエントゥアにはとても優しくされていた。
- アニメ版
- ハクよりも一足先に出発したキウルと共に、エンナカムイへと向かっている。
- 『うたわれるもの 二人の白皇』におけるシノノン
- エピローグではヤクトワルトと共に帝都に住み、時折世直し道中の旅に出ているアンジュの影武者になり、「夫の帰りを待ついい女」として、アンジュによる世直し道中に同伴しているキウルの帰りも待っている。
ヤマトの人物[編集]
帝とその関係者[編集]
- 帝(ミカド)
- 声 - 木村雅史
- ヤマトを統治し、絶対的権力を持つ人物。老人の姿をしており、足が不自由で車椅子を使っているが、数百年生きているといわれている。帝都には壮年時の帝の像があるほか[4]、姿絵なども出回っているが、現在は長らく一般庶民の前には姿を現していない。
- 聡明で博識な賢君として、諸将の忠誠を一身に集める大人物であると同時に、ヤマトの民からは現人神、太陽のような御方として崇拝されている。帝本人は威厳があるものの穏やかで、滅多に怒ることはないが、帝の意向に逆らうことは許されないことと、ヤマトの民には考えられている。
- その正体は旧人類(オンヴィタイカヤン)の生き残りで、ハクの実の兄。過去に起きた旧人類がタタリへと変貌させられた災厄を目の当たりにし、そこから生じた人類同士の殺し合いからただ一人逃れた。自分がタタリになるのが避けられたのは、自分自身を基礎体力向上などの被験者にしたためではないかと自ら推察している。同時にこの研究は意図せず、寿命を通常の人間よりもはるかに伸ばすことにも繫がった。
- その後アマテラスの制御を取り戻して地上環境を整え、地上に出ることに成功するが、孤独のあまりデコイを作って文明を起こさせ、今に至るまで生き延びてきた。それから旧人類復活と、眠りにつかせていたハクの捜索のため、ヤマトを建国して敵対勢力を排除し、占拠した各地の遺跡から得られた情報を元に、研究を続けていた。
- 『うたわれるもの 偽りの仮面』における帝
- オシュトルがハク一行を都へ導いた直後、ウルゥル、サラァナよりハクについての報告を受け驚喜した一方、ハクが記憶を失っていることも知らされて、しばらく様子を見ることにする。そこでハク達が帝都に到着してからしばらくして、ウルゥル、サラァナを使ってハクを、聖廟にある庭園へと呼び出すと、「チリメン問屋の隠居のミト」と名乗って正体を隠し、ハクから、記憶を失って目覚めた後に起こったことなどの身の上話を聞いている。
- アンジュの狂言による誘拐騒動が一段落すると、アンジュを救出した(ということにされた)ハクを、帝として宮廷に呼び出し、“褒美”としてウルゥル、サラァナを下賜した(真の目的は、ハクの護衛および自分との連絡役を務めさせるため)。その後も時折「ミト」としてハクを呼び出し、茶や酒などを飲みながら話をしている。
- ゲーム版ではハク達がタタリの正体を目の当たりにするウズールッシャの遺跡の調査の後、ハクに自らやこの世界の真実を明かす。
- その時、延びた寿命をもってしても老化は避けられず、残りの命は短いものとなりつつあると感じていることを語り、ヤマトの帝の座はアンジュに継承させる一方、最後に残った人として、自分が行ってきた研究をハクに委ねようとする。
- トゥスクルの先皇の陵とされる、旧人類の過去の研究所であった遺跡があるオンカミヤムカイの調査を要望し続けたが断られ、自らの最後の成すべきこととして、ヤマトの軍にトゥスクルへ侵攻を命ずる。しかし侵攻の最中に突如として崩御。その後の薬師の調査で、毒を盛られたと言われており、その容疑者としてオシュトルとホノカの名が上げられることになった。
- アニメ版
- 帝の死因は語られておらず、帝殺害の容疑者とされているものはいないが、(弟の)ハクはタイミング的にアンジュ暗殺事件と連動した謀略とみなし、(オシュトルの姿で)帝族抹殺によるヤマト簒奪の為の謀略と断じて帝室復権の為の蜂起を促すプロパガンダとした。
- 『うたわれるもの 二人の白皇』における帝
- 殺害されかに思われたが、宮廷の地下施設の救命ポットの中で生存しており、ダミーを使って死を偽装していた。その後、オシュトル(ハク)にマスターキー取得の依頼をした。
- その間、負傷したミカヅチを治療し、トゥスクルに行ったオシュトル(ハク)を助けるよう依頼。そして、マスターキーを奪取し帝都の地下施設に戻ったウォシスを止めようとするが、施設の使用を強行されてしまい、それを引き金に地下に封印されていたタタリが溢れだし、帝都は滅亡の危機に晒された。そしてタタリの拡散を阻止するため、マスターキーを取り返したオシュトル(ハク)からアマテラスの使用権限を譲り受け、帝都へ放ったアマテラスの光によりホノカと共に消滅した。
- アンジュ
- 声 - 赤﨑千夏
- ヤマトの皇女。ヤマトの多くの民から愛されている一方、子供らしく天真爛漫で時に我が儘な振る舞いを行い、世情にも疎いため、たびたび周囲を困らせるところがある。皇女とはいえ厳しく育てられており、ムネチカに尻を叩かれて説教されることなどもある。
- よく、帝都の外の話をしてくれたオシュトルに好意を抱いている。オシュトルは立場もあるため好意に気付かぬふりをしているが、そのことが理解できず不満。
- 本人によると「天子」として祝福された存在のため、いくら食べても太らないなど特殊な体質であり、また常人なら死に至るほどの毒でもある程度耐えられるという。その正体は、帝の実娘が災厄でタタリへと変貌した後、帝が実娘の遺伝子を元に作りだしたヒト(デコイ)。
- 『うたわれるもの 偽りの仮面』におけるアンジュ
- 皇女の聖誕祭が行われたときハクたちは、薄布に隠れていたアンジュの顔をよく見ることができなかった。その後、ハクがオシュトルに雇われていることを知ったアンジュは、オシュトルに会おうとして白楼閣に現れるが、ルルティエが作った菓子を勝手に食べるなど、好き放題にしていた。この時、アンジュが皇女だとすぐに気付いたのはネコネだけである[注 38]。この時はアンジュ自身の発言から、自分を「皇女」という立場が使えないよう追い詰めたクオンによって絞られ、捨て台詞を吐いて逃げ帰っている。だがその後も菓子などを目当てに、宮廷を抜け出しては白楼閣に姿を現している。
- また白楼閣の詰め所にいたとき、ルルティエが隠していた本を見つけ、どこまで内容を理解しているのかは不明だが「男同士の友情」の素晴らしさに目覚めている。
- オシュトルに好意を抱いているという話を白楼閣でしていたとき、アトゥイが語った「誘拐された女を助ける男の物語」を聞き、狂言誘拐として実行しようと考えるが[注 39]、アンジュを知る皆に「自分を誘拐する役」を断られたところ、アンジュの正体に気付かないノスリが突然その場に現れ、この話に乗ってしまう。その後、アンジュを「拉致していった」場所に実際にオシュトルが現れ、狂言誘拐という行動に走らせた「姫殿下の目を曇らせた責任」として右近衛大将を辞すると言い出したときは[注 40]「余の悪戯で忠臣を失っては御父上に申し開きようもない」とさすがに反省し、オシュトルに頭を下げて詫びた。だがその後、さらにムネチカに尻を叩かれて絞られている。
- 聖誕祭の後は、滅多に民の前に姿を現さない帝の代理として、たびたび民の前に姿を現している。その後、父にあたる帝の急死により泣きじゃくっていたが、帝の後継者として泣いてばかりはいられないと決意。それもつかの間、オシュトルが用意したとされる、毒が盛られた茶を飲んで倒れてしまい、一命は取り留めたものの、意識が混濁し、さらに喉が焼かれて声が出せない状態となっている。だがどうにかハク達に救出され、エンナカムイへと運ばれた。
- 『うたわれるもの 二人の白皇』におけるアンジュ
- 前作終盤における帝崩御の混乱の最中、何者かの策略で毒を盛られて喉が焼けただれ、声を出せない状態でいる。だが、元々桁外れな生命力の持ち主であったことが幸いし、毒から回復した後は、自らも帝位奪還のためにカルラから譲られた(突如放り込まれた)鉄塊の如き大剣を担ぎ、戦場に出陣する。本作よりプレイヤー操作の一人として加わる。
- 基本的な性格に変化は無いものの、ヤマトを統べる次期帝としての自覚と覚悟を持つようになり、戦場や交渉の場にも自ら赴くようになる。そして多くの國々を味方に付けて、ついに帝都にまで攻め上がり、ライコウ率いる朝廷軍を打破してヤマトの奪還に成功、無事に帝に即位した。
- エピローグでは時折シノノンなどの縁者を影武者に立てて政務を任せ、かつて帝がお忍びで行っていた「世直し道中」を、ミカヅチやムネチカ、そしてキウルと共に行い、悪徳領主を成敗しながらハクを探している。そしてミカヅチの影響か、夜中にこっそり賭場に出向く事もあり、その度にムネチカに説教されている。
- シミュレーションパート
- 『二人の白皇』よりプレイアブルキャラクターとなる。攻撃力は仲間内で随一だが、反動ダメージがある技もあり、防御力がウルゥル・サラァナ同様最低値なので、慎重な行動が求められる。
- 『うたわれるもの ロストフラグ』におけるアンジュ
- 成長した姿で登場しており、カルラから譲り受けた大剣を携えて単身で世直し道中をしており、かつて帝が偽名として使っていた「ミト」の名を自身も使っている。さらに法術も使え、大剣に火神の法術を付加する事により灼熱化させて文字通り「焼き潰す」などの荒技を使う。
- ホノカ
- 声 - 矢作紗友里
- ヤマトの祭祀などを司る大宮司で、いつも帝の側に仕えている女性。アンジュの本来の教育係(東宮傅)でもある。ウルゥル、サラァナの母。
- その正体はアンジュと同じく、災厄でタタリへと変貌した、帝(ハクの兄)の妻であった、ほのかの遺伝子を元に作りだされたヒト(デコイ)で、外見も似ているためハクが既視感を覚えた理由だった。また帝の配下などの中で彼女およびウルゥルとサラァナだけ、帝やハクの正体などを詳しく知っていることが明示されている。
- 『うたわれるもの 偽りの仮面』におけるホノカ
- 最初、「ミト」を名乗る帝の付き人として現れ、ハクに緑茶などを振る舞っている。この時ハクはホノカに既視感を覚えるが、ホノカ自身はハクとは初対面と答えている。
- その後、誘拐されたアンジュを“救出”したハクが、帝の前に呼び出されたときにも帝の付き人として現れ、「ミト」と「帝」が同一人物であるとハクが気付くことになった。
- トゥスクル遠征軍出発後の帝の突然の死が毒殺だったことが判明すると、ホノカは帝暗殺の共謀を図った容疑者にされるが、エントゥアに対しハクに助けを求めるよう伝え、自分は姿を隠す。
- アニメ版
- 帝が毒殺されたようには描かれていないためホノカは容疑者にはされておらず、宮廷に忍び込んだクオンらに、直接アンジュを委ねている。
- 『うたわれるもの 二人の白皇』におけるホノカ
- 生きていた帝と共に、帝都の地下施設に潜んでいた。その後、アマテラスの光によって帝と運命を共にすることを選んだ。ウルゥルとサラァナは自身の実娘ではなく、姉妹が産んだため姪にあたる。
ヤマト近衛大将[編集]
ヤマトの双璧と呼ばれる人物で、その名は海を越えた國にも聞こえているほど。帝やヤマトの民を、災いから守ることを任としており、定期的に帝都の巡邏も行っている。
- オシュトル
- 声 - 利根健太朗
- ヤマト右近衛大将(うこんえたいしょう)を務める武人で、ウコンの本来の姿。帝より仮面(アクルカ)を賜った仮面の者(アクルトゥルカ)のひとり。仮面は、顔の上半分を覆う形状。
- 清廉潔白で、民からの信頼が篤く、巡邏の時には歓声が上がるほど。将として優れているだけではなく、自ら剣術にも秀でており、かつて試合で、唯一ヴライに土を付けた人物である。
- 地方の下級貴族出身で、かつてヤマトに仕えて民を守っていた父に憧れ、帝都に上京して仕官する。その後、自身の能力と(本人によると)幸運に恵まれ、右近衛大将にまで上り詰めた。その結果、貴族(特にデコポンポなど)の中には「成上り者」として毛嫌いする者もいる。
- だがオシュトル自身はこの高すぎる出世が、ウコンとして活動するようになった一因であり、ウコンとしての活動の方が、かつて憧れていた父に近いものだという。
- 『うたわれるもの 偽りの仮面』におけるオシュトル
- トゥスクル遠征軍が出発した後、自分は帝都の守護を任され留まっていたが、そんな中で帝が崩御。さらにオシュトルは帝の暗殺及び、アンジュ暗殺未遂の容疑をかけられ、投獄される。そこからハク達によって助け出されるが、追跡してきたヴライと戦う殿となり、仮面の力を開放してヴライと激闘を繰り広げる。その最中、ネコネの介入が裏目に出てしまい渾身の攻撃を外してしまうが、仮面に自らの魂を喰わせてまでの執念の一撃でヴライを倒す。ハクにはアンジュを頼むといい、ネコネにハクの支えとなってやってくれと頼み、ウコンとしての声音で別れを告げ、仮面に魂を喰われた者の成れの果てとして消滅した。
- アニメ版
- ヴライより、アンジュ暗殺未遂容疑で自分が罠にかけられたこと、オシュトルの無実を信じる彼直属の兵士や民が暴動を起こしかねない状況であることを聞かされ、ヤマトを安定させて事態を早急に収集(国家の分裂と内乱で多くの民が犠牲とならないように)するために、この容疑と死罪を受け入れるよう言われ、甘受しようとする。
- 『うたわれるもの 二人の白皇』におけるオシュトル
- 本物のオシュトル。前作でヴライとの死闘において仮面(アクルカ)の力を限界以上に引き出した結果、魂を消耗しきって力尽き死亡した。身体が塩となって消滅する寸前にハクに自分の仮面を渡し、アンジュとネコネを託している。
- 本作では回想シーンなどで何度か登場。『二人の白皇』におけるオシュトルとは、基本的にハクが扮しているオシュトルで、ゲーム内でも区別のためそちらは「オシュトル(ハク)」と表記されることもある。
- ミカヅチ
- 声 - 内田夕夜
- ヤマト左近衛大将(さこんえたいしょう)を務める武人。仮面の者(アクルトゥルカ)のひとり。仮面は、顔の左半分を覆う形状。巨大な刃を持つ鉈を武器とする。
- 落ち着いた物腰のオシュトルとは対照的に、強面で武を重んじる人物。信頼されてはいるが、威圧的な雰囲気のため、ネコネなどヤマトの民からは恐れられていることが多い。普段混雑して賑わっている市も、ミカヅチの巡邏の時には、途端に整然として静かになる。オシュトルとは(特にネコネなどからは)仲が悪いと思われていることがあるが、実際には互いを信頼し、気の合う間柄。
- オシュトルがウコンとして活動するようになったことを聞いて真似し「飴屋のサコン」として、頭がはげ上がった老人に変装して、美しい細工を施した飴を帝都で売っている。この姿の時は威圧的な雰囲気は全くなくなり、飄々とした好色な老人のように振る舞っている。そうやって飴を売りながら人々の話を聞き、市井の情報収集をしている。この飴屋の姿は、かつて悪童だった自分にも公平に接してくれ、飴を作りながら色々な土地の話をしてくれた憧れの老人を模したものだという。
- 女性陣には親切で、サコンの姿の時は、よく飴をサービスしている。特にネコネがお気に入りなようで、ネコネに大きな飴を与えたり酒宴の時に酌を頼んだりしている。また「飴屋のサコン」の正体を明かす前にもミカヅチとして、ハクとネコネを自分の屋敷に呼び出し、菓子などを与えている。
- 一方、周囲に美人が多いハクのことを羨みやっかんでいるようで、ハクには嫌がらせのように、精巧にギギリの形を模した「蟲味」の飴を押しつけてくる。だがハクに「あの飴屋のオヤジを思い出す」と興味を持ち惹かれている部分もあって、自分がミカヅチの姿をしているとき、ハクとネコネが持ってきたオシュトルの手紙より、ハクのことや、彼がオシュトルの密偵として働いていることなどを知らされた後、自分とハクを会わせるよう再度オシュトルに依頼し、白楼閣で酒宴が開かれることになった。その後ハクのことを「友」とまで呼ぶようになっている。
- 「昔、妹がいた」という発言をする場面があるが、妹についての詳細は不明。
- 『うたわれるもの 偽りの仮面』におけるミカヅチ
- ミカヅチ本人の依頼で、オシュトルが「紹介したい人物がいる」として白楼閣でサコンとハク達を会わせ、サコンがミカヅチの変装であることを自ら明かしたときには、オシュトル以外の全員が絶句するほどに驚いた[注 41]。
- ウズールッシャとの戦いでは仮面の力を使い、崩壊しかけたデコポンポの兵を救出する。また帝崩御の時には、ウズールッシャの残党狩りの任のため帝都を離れていたが、急ぎ帝都に戻る。そして、オシュトルを追おうとするヴライと一戦交え、アンジュの笑顔こそがヤマトの民を幸福にするものであり、ヴライが帝になれるわけはないという自らの信念を叫ぶ。だが、(ハク達が救出していった)アンジュを捜索すべきというライコウに止められ、またオシュトルに対するヴライの執念に感じるものがあり、ヴライを見逃して行かせた。
- アニメ版
- 帝の崩御とアンジュ暗殺未遂事件発生時に、ウズールッシャに行っていた描写はない。オシュトルの無罪を最初から信じていたが、この事件を冷淡に利用しようとする兄・ライコウに強い反発と怒りを抱く様子が伺える。
- 『うたわれるもの 二人の白皇』におけるミカヅチ
- 先帝とその皇女であるアンジュには強い忠誠心を向けており、先帝の遺した「帝都とアンジュを守る」という最後の命を遵守するべく、アンジュはオシュトルに託して、自分は帝都の民を守ろうとする。そのため、アンジュにはエンナカムイで静かに暮らして欲しいよう頼むが、アンジュが帝位奪還のため挙兵することを選ぶと、敢えてエンナカムイとは敵対する道を選ぶ。この時のオシュトル(ハク)との対決で、彼がハクの変装した姿であること、本物のオシュトルは既に死んだことを見抜くが、仮面の力を引き出したハクの力と覚悟から、彼を“オシュトル”と認める。その場は撤退するも、その後もライバルとして幾度と無く激闘を繰り広げる。だが帝都奪還戦の最中に(シチーリヤの裏切りのため)負傷し、行方不明となる。
- その後、帝によって救出され、ヤマト安寧のため忠臣として参戦。トゥスクルに行ったオシュトル(ハク)を助けに行き、その後もヤマト復興のために尽力する。そして年相応に童子だったアンジュが数々の修羅場を越えて帝に相応しい威厳を持つ程に成長した姿に、此処まで育ててくれたオシュトル(ハク)に感謝している。
- エピローグではアンジュの世直し道中の御供として同伴、「ミカさん」と呼ばれている。時折アンジュに「息抜き」と称して賭場などに連れて行き、アンジュに丁半賭博などを教え、その度にムネチカに説教されている。さらに「飴売りのサコン」の姿での諜報活動も行っている。
- シミュレーションパート
- 後半の一部のマップにて、プレイアブルキャラクターとなる。仮面(アクルカ)の力は使えないが、非常に高い火力と機動力によって戦える。
ヤマト八柱将[編集]
属国の皇や豪族を出身とし、帝から将の位を与えられた8人。地位は近衛大将よりも上。
- ライコウ
- 声 - 置鮎龍太郎
- ミカヅチの兄で「聖賢のライコウ」と呼ばれる。知略による戦いを得意とし、力に頼らずとも必ず勝利するという。
- 逓信衆(ティリリャライ)という、離れた場所にいても念話で情報伝達ができる兵を使い[4]、正確な情報をもとに緻密な用兵を行う。
- 情報収集に優れており、ウコンとオシュトルが同一人物で、ネコネがオシュトル本人の妹であることや、ハクがオシュトルの密偵として動いていること、ハクとオシュトル(ウコン)がどのように出会ったかなども、子細に知り尽くしていた。たださすがに、ハクがどこから現れた何者かまでは調べられなかった模様。
- 『うたわれるもの 偽りの仮面』におけるライコウ
- トゥスクル侵攻軍を率いる将の一人にして統率者に選ばれたが、罠があると思われる場所に突出するデコポンポの自滅を放置しようとしていた。またいざとなれば、女子供の虐殺なども含んだありとあらゆる方法で勝つために手段を選ばないことをしかねないと、ムネチカに危険視されている。
- さらに野心があり、トゥスクル侵攻を急いだ帝の朝議を目にして、今の帝の御代は長くないのではないかと感じ、そのための計略を考え始めている。そんな状況の中トゥスクル遠征軍の指揮官とされてトゥスクルにいたとき、帝崩御の知らせにより帰国したが、ウォシスとヴライの意向により、手兵もろとも帝都より閉め出されている。帝の後釜となる計画を立てていたようだが、帝暗殺を実行した何者かによって先を越された形となった。
- その後、ハクの策によって開門されると、我先に入城するデコポンポの後に続いて入城し、悠然と状況を俯瞰しつつ自らの策を動かし始める。
- アニメ版
- 帝都より閉め出される場面はないが、野心家ぶりは健在であり、アンジュ暗殺未遂の件における八柱将らの会議では(オシュトル追い落としの好機とばかりに)オシュトルが実行犯であってもおかしくないかのような発言をして、弟・ミカヅチの不審を買った上、脱走騒ぎのドサクサを利用してアンジュを巻き込むように抹殺を指示した上、オシュトルのみならずブライの抹殺をも意図し、目的を達成すると自分の上に立てる者はいないとばかりにヤマト中枢を動かす中心となっていく。
- 『うたわれるもの 二人の白皇』におけるライコウ
- 亡き先帝に対しては「比類なき英主」と本心から忠義と敬意を抱いていたが、「國とはそこに生きる人々の力によって繁栄と衰退を繰り返していくものであり、それが自然の摂理である」という考えから、帝の世の理を超越した権能とヤマトの民がそれによって守られ過ぎていることに対しては否定的であり、ヤマトを帝という超越者から独り立ちさせることを目的に政権の掌握に乗り出す。
- そのため偽の皇女を擁立。そしてオシュトル(ハク)と知略戦を繰り広げるが、その戦いを楽しんでるかのような様子も垣間見える。冷徹で計算高いが残忍ではなく、オシュトルとの戦いでも、帝都内を戦場にして市民を犠牲にすることのないような配慮も行っていた。
- ムネチカ
- 声 - 早見沙織
- 「鎮守のムネチカ」と呼ばれる。仮面の者(アクルトゥルカ)のひとり。仮面は、顔の下半分を覆う形状だが、他の仮面の者とは異なり、戦いの時にしか仮面は付けない[注 42]。右手に巨大な鉄拳のようなものをつけて武器とする。
- 八柱将唯一の女性で、守りの戦いを得意とし、帝都や皇女の守護を主な任とする。また帝よりアンジュの指南役の任を与えられ、ホノカの代理でアンジュの教育係となることもあり、時にはアンジュの尻を叩いて説教している。生真面目で言葉遣いは堅いが性格は温厚で、オシュトルとは強い信頼関係にある。またソヤンケクルのことは、若い自分を指導してくれた人物として尊敬している。一方ムネチカ本人は、ルルティエに憧れられている。
- 『うたわれるもの 偽りの仮面』におけるムネチカ
- 最初、オシュトルに教えられ、白楼閣のハク達の詰め所で遊んでいたアンジュを連れ帰りにやって来る。その後単独、あるいはアンジュの付き添いで白楼閣を訪れて茶や菓子を頂くなどするうちに、ハク達と親しくなっていく。さらにアンジュの使いで「男同士の友情の本」を買いに行くべき場所を尋ねるため白楼閣を訪れたとき、その方面の趣味でルルティエと親密になる。
- トゥスクル侵攻軍を率いる将の一人に選ばれたが、帝の崩御によってヤマトの軍勢やハク達が撤退する中、自らは殿となってトゥスクルに残った。
- アニメ版
- トゥスクルからの撤退時、引き上げるヤマトの船を守るためトゥスクルの地に留まり、最後の力を振り絞って戦っている姿を、ハクやクオンらが目撃している。
- 25話で、トゥスクル兵が警備している屋敷に、仮面がない状態でひとり座っており、トゥスクルの捕虜になった姿が描かれている。
- 『うたわれるもの 二人の白皇』におけるムネチカ
- 前作のトゥスクル撤退時における殿としてトゥスクルに残った結果、捕虜として軟禁され仮面(アクルカ)を没収されていたことが明かされる。その後、クオンの元に向かうフミルィルの案内をするという名目で釈放され、エンナカムイ勢と合流。以後はアンジュを守り彼女が帝位を奪還するために戦う。本作より、プレイアブルキャラクターとなる。
- エピローグではアンジュの世直し道中に御供兼保護者として同伴、「ムネさん」と呼ばれており、時々こっそり賭場で出歩くアンジュとミカヅチに説教をしている。
- シミュレーションパート
- 「鎮守のムネチカ」の異名通り防御力が高く、周囲の防御力を上げたり、ZOCの発生やカウンター攻撃をしたりする能力を持っている。
- ヴライ
- 声 - 乃村健次
- 「豪腕のヴライ」と呼ばれる、仮面の者(アクルトゥルカ)のひとり。仮面は、顔の右半分を覆う形状。
- 帝への忠誠心は非常に高く、力こそ絶対的なものと考えており、帝に刃向かう者はすべて力でねじ伏せようとする。ゲーム版では我が強く暴走しがちな性格で、後述のデコポンポとは異なる意味でトラブルの種になりやすい人物。ウズールッシャとの戦いが起こったときには、剣奴(ナクァン)とされていた元来のヤマトの民も、ウズールッシャの兵もろとも徹底的に殺戮した。
- 過去に御前試合でオシュトルに敗北を喫した事に、やや鬱屈した思いを抱いている描写がある。
- 『うたわれるもの 偽りの仮面』におけるヴライ
- 宮廷内にてウォシスが冠童(ヤタナワラベ)と話していた、帝が暗殺されたという話と、アンジュ暗殺未遂の話を耳に挟み、これをオシュトルが企てたものと疑わず、オシュトルに対して激怒する。また帝の死で泣きじゃくり、さらにその後毒によって意識が混濁したアンジュを、帝をつぐ器ではないと感じ、帝位は力あるものが次ぐべきだとの信念を固める。ハク達との激闘や大封印をされてもまだ戦うことを諦めずにオシュトルを追跡した果てに、仮面の力を開放したオシュトルと戦いを繰り広げ、自らの魂をも仮面に喰わせたオシュトルによって谷の奈落の底へと落ち果てた。
- アニメ版
- アンジュ暗殺未遂を企てたのは、ヤマトを分裂させて実権を狙っている野心家であると冷静に状況を分析し、オシュトルが無実である事を確信しつつも、ヤマトの分裂と瓦解を防ぐために事態の早期収束を優先して、オシュトルにアンジュ暗殺未遂の容疑をかぶって首を差し出すことを求める。また、乱世へ向かうヤマトの安寧には武人としての実力主義で帝位継承を決するべきだとの信念から、先帝には及ばないと自覚しつつも自身が意思を継ぎ力でヤマトを統治すべきと考える。オシュトルとの激戦の果てに心臓に刀を突き立てられ、果てる。
- 『うたわれるもの 二人の白皇』におけるヴライ
- 前作でオシュトルに敗れて谷底に落ち、瀕死の状態となっていたが、ヴライを見つけて放っておけなかったエントゥアに介抱されて徐々に回復。それでも自分に残された命と力が残りわずかなことを悟っていたが、なおもオシュトルとの決着を求め、オシュトルとの「死合い」を求めて決闘。最後は力を使い果たし、その姿は仮面(アクルカ)だけを残し、塩となって消えた。
- ウォシス
- 声 - 菊池幸利
- 「影光(えいこう)のウォシス」の二つ名を持つ人物。個性が強い八柱将の纏め役で、ヤマトの実質的な大老。物腰は柔らかいが、時折、その瞳に冷たい光を宿す人物。
- 「ラウラウ先生」の名のもと、趣味で(本人によると「本業」)絵物語を描いており、その原稿を届けるためなどで、たびたび市井に現れている(この時は眼鏡をかけている)。ルルティエはラウラウ先生の大ファンだが、彼の正体は知らない。偶然「ラウラウ先生」とハク達が出会ったとき、一緒にいたネコネとは既知の間柄で、ネコネは彼の正体も知っていたが、自分が八柱将であることは、その場でネコネに口止めしている。
- 『うたわれるもの 偽りの仮面』におけるウォシス
- 帝の暗殺とアンジュ暗殺未遂の事件が起こると、オシュトルとホノカが容疑者とされたことに疑問を抱きつつ、ヤマトの安定を第一に考えてオシュトルを投獄させる。またトゥスクルより帰還したライコウとデコポンポ及びその手兵を、アンジュの命として“静寂の中喪に服すべし”という理由により帝都から閉め出し、ヴライ配下によるオシュトルへの拷問なども黙認している。
- アニメ版
- 聖廟内部の人工の自然環境の庭園に入ることができることが明かされ、そこで帝へ状況の報告を行っている。また、アンジュ暗殺未遂事件では、オシュトルが犯人であるかのように審議を誘導し、その脱走を抹殺の口実とするなどその心底に冷酷なものがある様子が伺える。
- 『うたわれるもの 二人の白皇』におけるウォシス
- 偽の皇女を擁立したライコウに従うように見せていたが、内心は自己中心的な価値観と我欲じみた目的意識で満たされており、他の同僚達を含めた一切の人物を滅ぼすべき敵か、使いつぶしていい道具と見なすほど冷酷極まりない姿が明らかになっていく。
- その正体は帝の遺伝子を受け継ぐ“息子”であり、帝暗殺から始まる全ての災厄を引き起こした黒幕。自身を捨てた(と思った)帝や、新たな後継者となったハクを憎み、前作のヒロイン・エルルゥと前作の主人公・ハクオロが所持するマスターキーを奪取し、古代の遺産を蘇らせようとする。だが、自身も気付けなかった重大な秘密に直面し、決定的な蹉跌を迎えることとなる。
- ソヤンケクル
- 声 - 最上嗣生
- ヤマトの属国シャッホロの皇(オゥルォ)であり、帝よりヤマト全領海の統治を任じられ、海上交易の免状や港の管理などを行っている海の男で、「溟海のソヤンケクル」の異名を持つ。帝より賜ったポロロウンハという巨船の主。アトゥイの父で、娘を溺愛している。アトゥイからも好かれているが、スキンシップは嫌がられている。
- 『うたわれるもの 偽りの仮面』におけるソヤンケクル
- トゥスクル侵攻軍を海運し、またハク達がトゥスクルに向かうことになったときにも、一行をポロロウンハに乗せてトゥスクルまで運んだ。その後、帝崩御の知らせを受けてヤマトの軍勢が撤退することになったとき、自分は殿を勤めるムネチカを最後まで待つことにし、ハク達は部下に任せて帝都まで送らせた。
- アニメ版
- トゥスクルからの撤退後、自分もハク達と共に、帝都にまで引き上げている。
- オシュトルによるとされるアンジュ暗殺未遂事件が起こり、さらにオシュトル、アンジュがハク達によって連れられ逃亡したときには、帝都の海側を海軍で包囲するが、アトゥイが乗り、クオンやアンジュらが隠れていた小舟を、敢えて見逃している。
- 『うたわれるもの 偽りの仮面』におけるソヤンケクル
- ヤマトの内乱では早々に中立を宣言していたが、その後、甥にあたるイタクを連れてエンナカムイを訪れ、助力と協力を申し出る。
- 帝となったアンジュによって左大臣に抜擢され、八柱将の地位はアトゥイが引き継ぐことになった。
- オーゼン
- 声 - 佐々木義人
- ヤマトの属国クジュウリの皇(オゥルォ)。戦いの才があるだけではなく、自ら陣頭に立って荒れ地を開墾した功績を認められ八柱将となったため「楽土のオーゼン」と呼ばれている。
- 15人の子を持ち、ルルティエは末子にあたる。ルルティエを箱入りに育てすぎたと考え、オシュトルの元に預けて、見聞を広げさせることにする。
- 『うたわれるもの 偽りの仮面』におけるオーゼン
- ゲーム版、アニメ版共に、皇女の聖誕祭などで姿が見えるのみであり、セリフはない。
- 『うたわれるもの 二人の白皇』におけるオーゼン
- オシュトル、ルルティエ、アンジュらの来訪を受けてエンナカムイに助力しようとするが、長女のシスに振り回されることになる。
- トキフサ
- 声 - 志賀麻登佳
- 強弓の使い手で「調弦のトキフサ」の異名を持つ。かつてノスリとオウギの父ゲンホウを策略によって追放し、その後釜として八柱将になった。
- 攻守共に堅実な戦いを旨とするが、逆に言えば能力的に際立った部分がないといえる人物。実力的に八柱将に選ばれるほど有能とも言えないが後述のデコポンポの無能さが際立っているせいで、現在、さほど問題視されていない。
- 『うたわれるもの 二人の白皇』におけるトキフサ
- 人望や能力などでゲンホウに劣るところがあり、コンプレックスを抱いていた。デコポンポ死後はその才幹の無さをライコウに見咎められるようになり、苦しい立場に追い詰められていた模様。
- 初代族長が帝より族長の証として拝領した金印の現所有者であり、そのためエヴェンクルガ族の長として並々ならぬ執着を持ち、ノスリが借り受けに来た際にライコウに利用され亡き者にしようとしたが失敗。金印が無くとも一族をまとめるいうノスリが金印を濁流に投げ捨せると、我を忘れて飛び込み金印と共に濁流に飲まれ、下流の滝壺の中に消えた。
- デコポンポ
- 声 - 大川透
- 忠臣で有能だった親の七光りによって八柱将になったような人物[36]。アニメ版ではそのまま「七光のデコポンポ」というテロップがつけられていた。贅沢好きで、自分の屋敷を華美に飾り立てている。語尾に「にゃも」をつけたしゃべり方をする[注 43]。
- 戦の才もないが傲慢で悪知恵も働き、汚職などを行いつつも、いつもうまくもみ消している。オシュトル(ウコン)が、時にはハクにも依頼して何度も探りを入れているが、古くからの貴族の家系で横の繫がりも強いため、八柱将の地位を守り続けている。しかし、そうした事が他の八柱将から決定的な侮蔑を買う結果を招いており、ライコウからは「豚(ブルタンタ)」呼ばわりされたり、ミカヅチからは「八柱将の面汚し」と呼ばれたりしている。
- 『うたわれるもの 偽りの仮面』におけるデコポンポ
- ウズールッシャとの戦いでは、采配士であるマロロの忠言をことごとく無視し、自軍を壊滅させかけるが、かろうじてミカヅチに救われる。その汚名をそそぐ機会として、トゥスクル侵攻軍にも選出された。だがそこでも突出を繰り返して兵を損耗させ、さらにムネチカの兵に、損害を引き受けさせようとする。
- その後、帝崩御の連絡を受けて帰国している。
- アニメ版
- ウズールッシャがヤマトに侵攻してきたときの軍議で、存在をほとんど無視され、針の筵に乗せられたような屈辱を受けるものの、素行を改めるどころか、自己顕示欲のままに軍の基本方針を突き崩すような暴走を見せた。
- また、アンジュ暗殺未遂の容疑をかけられたオシュトルから、預けられた仮面(アクルカ)をそのまま隠匿し、弄んだ挙句に失ってしまうという失態を犯すなど、愚昧な性格を遺憾なく発揮している。
- 『うたわれるもの 二人の白皇』におけるデコポンポ
- エンナカムイの擁する「本当の姫殿下」の身柄を確保すべく、独断専行で猪突猛進してエンナカムイを襲撃するが、愚鈍ぶりは相変わらずでありオシュトルの策によって敗北。切り札としてウズールッシャの猛獣ガウンジを放つも、ライコウの策略で命令を聞かず暴れ狂うガウンジに生きながら貪り食われ、彼の死はライコウのプロパガンダとして、「死して」初めて役に立つ事となる。
近衛大将、八柱将の関係者[編集]
- シチーリヤ
- 声 - 三宅麻理恵
- ライコウの小姓にして腹心として、ライコウの緻密な指示を迅速にこなす。ミルージュとは同じ部族の出身で、黒い髪をしている。
- その正体はウォシスの密偵であり、長きに渡りライコウに仕える事でその信頼を得て、ライコウをウォシスの真の目的に利用するという使命を帯びていた。
- ミルージュ
- 声 - 高森奈津美
- ミカヅチの小姓。強面のミカヅチにも滅多に臆することなく、庶務をこなす物腰柔らかな人物だが、ライコウのことは苦手としている模様。シチーリヤと同じ部族の出身で、銀色の髪をしている。
- シチーリヤ同様、ウォシスの手のものとしてミカヅチを監視する役目を負ってもいる。『二人の白皇』にて帝都を巡る決戦中、ミカヅチを背後から斬って重傷を負わせるが、反撃によって倒れた。
- シャスリカ
- 声 - 浅利遼太
- ウォシスが側に置いている3人の冠童(ヤタナワラベ)のうちのひとりで、栗色の髪をしている。小姓かつ護衛としてウォシスを補佐するほか、ウォシスの趣味にも付き合わされている。3人の冠童のリーダー的な存在[4]。
- ボコイナンテ
- 声 - 中西としはる
- デコポンポの腹心。軍略は稚拙だが、悪事でデコポンポを補佐している。
その他の人物[編集]
- モズヌ
- 声 - 拝真之介
- 街道を荒らしていた盗賊団の首領。
- 『うたわれるもの 偽りの仮面』におけるモズヌ
- ノスリと手を組んでルルティエ一行を襲うように仕向けられるが、これはモズヌのアジトの位置を突き止めようとしていたウコンの仕組んだ計略だった。その後モズヌはアジトから、秘密の通路を通って逃げ出すが、ルルティエと共に待機していたハク達と鉢合わせ、ココポに叩きのめされた後、オシュトルに捕らえられる。だがその後、たびたび脱走を行って帝都で強盗を働き、ハク達が依頼を受けて追う羽目になる。
- 最終的にはハク達に捕らえられ、「アンジュ誘拐の実行犯」として、ノスリの身代わりに差し出された。その後は出番がない。
- アニメ版
- 最終話にて、破壊された帝都の瓦礫を片付けている者達の中に、その姿が見える。
- 『うたわれるもの 二人の白皇』におけるモズヌ
- 投獄されていたところ、地下より現れたタタリの群れの騒ぎにより脱獄できたが、タタリの群れから人々を助けたいと義賊心に目覚めて手下と共に奔走、その際に仮面の力を得たウォシスより願い事を聞かれ、何故か咄嗟に「女装が似合うようになりたい」と願ってしまったため文字通りに女性へと性転換し、エピローグでは帝都再建に尽力する姿に周囲から支持力を得ているばかりか、美人でプロポーションの良い体形になった事から、チャラフンをはじめとする手下や町の男たちから好意の目で見られ、貞操の危機を感じている。
- ユゥリ
- 声 - 佐藤恵
- ある豪族の隠し子である少女。父が死去したとき、彼の遺書から隠し子であることが発覚し、遺産の一部を受け継がせるよう書かれていた。だがユゥリ本人は、遺産相続の内紛に巻き込まれて辟易したため、遺産の権利を放棄して帝都から抜け出し、婚約者のンハライと新天地で暮らすことにする。その帝都脱出までを、オシュトルより依頼されたハクたちが護衛することになるが、遺産を狙う追っ手を騙すため男装していたところ、アトゥイに一目惚れされてしまった。
- アニメ版には登場しない。
- ンハライ
- 声 - 野間田一勝
- ユゥリの婚約者。新天地でユゥリを守って暮らすことを決意する。帝都よりハクたちが脱出させたユゥリと合流し、去って行った。
- アニメ版には登場しない。
- 旅籠屋の女将
- 声 - 羽吹梨里
- ハクとクオンが最初に到着した、クジュウリ・シシリ州の集落にあった、旅籠屋の女将。クオンに薬草採取などの仕事を依頼していた。
- 『二人の白皇』で、ヤシュマが最初にオシュトルと面談するときにも、この旅籠を指定した。
- チャラフン
- 声 - 浅利遼太
- 帝都でアトゥイが一目惚れした相手のひとり。その正体は詐欺師で、仲間にアトゥイを襲わせ、自分がアトゥイを助けるという芝居を打つことでアトゥイの信頼を得たあと、アトゥイから金を巻き上げようとしていた。だがアトゥイ本人が彼の仲間を叩きのめす姿を見て恐れおののき、逃げ出す。
- アニメ版には登場しない。
ウズールッシャの人物[編集]
- グンドゥルア
- 声 - 小松史法
- ウズールッシャの多数の部族を、一代にしてまとめ上げた王。実力はあるが自惚れが強い上に残忍な性格で、自分の気にくわない知らせを持ってくる者は、敵の使者どころか味方の使者であっても殺すほど。その傲慢な性格ゆえヤマトの実力を軽視し、ヤマト侵攻を開始するが軍勢は敗れる。その事をなかなか認めようとしなかったが、ゼグニの忠言でようやく撤退を決め(本人は「転進である」「必ず戻ってくる」としている)、引き上げる。
- その後の生死は不明とされていたが、『二人の白皇』にて、その後は負傷しつつもウズールッシャに辿り着いたが、国力が低下した事により周辺諸国の侵攻や反旗を翻した部族の離反などにより領土は縮小し、この事で心労が祟った事に加えて負傷した傷口が元でやがて憤死した事が語られている。。
- ゼグニ
- 声 - 下山吉光
- ウズールッシャの将である千人長。エントゥアの父で、グンドゥルアにも臆せず自分の意見をはっきり言う、思慮に長けた誇り高い武人。
- ヤマトの反撃に遭って絶望的な状況に陥ったのが解っておりつつ、グンドゥルアを逃がすため自ら殿を引き受けた結果、オシュトルに敗れて戦死した。
- エントゥア
- 声 - 米澤円
- ゼグニの娘。元来は裁縫や料理が好きであるなど、女性らしくて温厚な人物だが、尊敬する父・ゼグニを補佐するため自らもヤマトとの戦いの場に出る。
- 『うたわれるもの 偽りの仮面』におけるエントゥア
- 兵糧や、剣奴(ナクァン)の人質の管理などを任されていたが、シノノンのことは養い子のように優しく扱っていた。
- ゼグニがオシュトルに敗れる場面を目撃し、父の仇を取ろうとオシュトルを襲うが全く歯が立たず、オシュトルに敢えて見逃される。その後今わの際にあったゼグニより「仇など討とうとしてはならぬ」「女としての幸せを手に入れるのだ」と言われ、さらにウズールッシャの残党を捜索していたヤクトワルトやハクにも敢えて見逃された結果、新たな生き方を模索することになる。
- その後放浪の結果ヤマトの帝都にたどり着いてホノカに見いだされ、自身がウズールッシャ出身であることを知られるものの宮廷の女官として召し抱えられ、さらにウォシスにより、皇女御側付に推挙される。
- だが帝の崩御後、自らがオシュトルに頼まれたと“思い込んで”アンジュに持っていった茶に毒が混入されていた。その後、茶を持っていくのを自分に頼んだのが本当にオシュトルだったのか、記憶がはっきりしないと語っている。
- さらに、帝暗殺の共謀者ということにされたホノカより、ハクに状況を伝えて助けを求めるよう頼まれて白楼閣に現れ、オシュトルやアンジュのこと、ホノカのことなどをハク達に語っている。
- ハク達が、オシュトルとアンジュを救出してエンナカムイへ向かった後も、姿を隠したホノカを案じて、自らは帝都に残ることにする。だが、生きていたヴライがオシュトルの後を追ったことを知ると、警告するため自分もハク達の後を追ったが、ヴライより先には追いつけなかった。
- アニメ版
- ゼグニとともに戦場に出る場面、倒れたゼグニを抱きかかえる場面だけが描かれており、ヤマト宮廷の女官として召し抱えられる以降の話はカットされている。
- 『うたわれるもの 二人の白皇』におけるエントゥア
- エンナカムイへ向かっていたとき、オシュトルとの戦いで瀕死の状態になっていたヴライを発見し、見捨てられずに介抱してしまう。自分の余命が長くないのを知りつつもオシュトルとの決着を求めるヴライに父親の面影を重ね、その望みを叶えてやりたいと思うようになる。
過去の人物[編集]
- 兄
- ハクの過去の記憶に出る兄。ハクからは「兄貴」と呼ばれている。災厄から生き延びた現在はヤマトの帝となっている。
- ほのか
- 「兄」の妻。ハクは「ほのか義姉さん」と呼んでいた。過去に起きた災厄によって、タタリへと変貌してしまった。
- 兄は、ほのかの遺伝子からデコイのホノカを誕生させている。
- チィちゃん
- ほのかの娘で、ハクの姪にあたる。ハクを「おじちゃん」と呼んで懐いており、彼にカレーを作るなどしていた。過去に起きた災厄によって、タタリへと変貌してしまった。兄は、この娘のの遺伝子からデコイのホノカを誕生させている。
- ハクが、色々厄介ごとを起こすアンジュを放っておけなかったのは、無意識にアンジュとチィちゃんの姿を重ねていたからではないかと想像している。
- アイスマン
- ハクが過去に別の方面にあった人類の研究所からハッキングして得たデータにあった、当時のハク達から見ても更に過去から発掘された古代人。前作のアイスマンこと過去のハクオロと同一人物。
- ハクオロとしての彼は前作で彼に関わっていたカルラ、アルルゥ、カミュ達は、ハクを通して、どこかハクオロを想起させるように感じ取っている。
『うたわれるもの 二人の白皇』からの登場人物[編集]
トゥスクルの人物[編集]
- フミルィル
- 声 - 儀武ゆう子
- 前々作『うたわれるもの』で登場している、赤ん坊だった人物[37]。かつてトゥスクル内で対立していた部族の間に生まれた子のため、一時ウルトリィが身柄を預かっていた。
- 現在はクオンの御側付きで、クオンにとって年の近い幼馴染のような関係。トゥスクルの人物だが、クオンがオシュトルらの元に戻ったため、彼女の御側付きとしてエンナカムイ勢に加わることになり、プレイアブルキャラクターとなる。
- すぐに服がはだけたり、無意識のうちに色っぽい仕草をしたりして男性の目を非常に引くため、「傾国のフミルィル」と言われるほどである。
- エピローグではトゥスクル特使としてクジュウリでルルティエと再会、「傾国」の名は健在で、ルルティエの兄達の心を射止めている。
- シミュレーションパート
- 術による遠近距離攻撃と回復ができ、レベルが上がるとネコネと同様に攻撃と回復が1ターンで行動可能。また、彼女に他のキャラからの回復をすると「返礼」のカウンターをし、相手と周囲に回復ができ「シュマリ」という式神を召喚する。シュマリ自体も微力ながら射程が長い回復術が使える。
エンナカムイの人物[編集]
- イラワジ
- 声 - 白熊寛嗣
- エンナカムイの皇で、キウルの祖父。オシュトルとネコネからは「御前」と呼ばれている。オシュトルらのことも高く評価しており、危険であることを承知しつつも、彼らと彼らが連れてきたアンジュを快く迎え入れた。
- エンナカムイに善政を敷いて平和に統治していたが、自分が戦いには向いていないことも承知しており、戦乱を前にしてエンナカムイの全権をオシュトルに委ねた。終盤で、帝に即位したアンジュによって大老(タゥロ)に抜擢され、後任のエンナカムイ皇にキウルを推挙した。
- トリコリ
- 声 - 藤田昌代
- オシュトルとネコネの母。エンナカムイの町外れに住んでおり、夫亡き後は女手一つで二人を育ててきた。躰が弱く目を患っており、現在は視力が殆ど無い。
- 途方もないほどの包容力と慈愛の持ち主。洞察力も高く、目の病にもかかわらず、ハクがオシュトルに扮していることに気づいた。さらにオシュトルの遺志を継いで戦い抜こうとするハクの志を認め、ハクにとっても“母”として接する。
クジュウリの人物[編集]
- オーゼン
- クジュウリの皇(オゥルォ)にしてヤマト八柱将。#オーゼンを参照。
- シス
- 声 - 山村響
- クジュウリの皇オーゼンの長子でルルティエの姉。気が強く、政略結婚で國を出ていたが自ら反故にして帰國している。ルルティエを溺愛し、ルルティエが戦場に出るのを止めようとするが、ルルティエ本人の意思とオシュトル(ハク)らの言葉によって考えを変え、ルルティエを送り出す。
- ヤシュマ
- 声 - 田丸篤志
- クジュウリの皇オーゼンの長男であり兄弟の中では上から2番目にあたる。礼儀正しく侠気にあふれるが、姉であるシスには頭が上がらない。
イズルハの人物[編集]
- トキフサ
- イズルハの皇(オゥルォ)にしてヤマト八柱将。#トキフサを参照。
- ゲンホウ
- ノスリ、オウギの父で元八柱将。かつてトキフサの策略により追放処分を受けたことから政(まつりごと)に嫌気が差し、そのまま状況を受け入れて、人里離れた地で悠々自適の生活を送っている。だが未だに彼を慕う者も多い。
- その後、自らの元を訪れたアンジュ、ノスリ、オシュトル(ハク)らに協力してイズルハの部族を纏めあげる。アンジュが帝位を奪還すると、右大臣に抜擢された。
ナコクの人物[編集]
イタク
- ナコクの皇子。ソヤンケクルの妹の子で、アトゥイにとっては従兄弟であると同時に許婚。誠実で生真面目な青年で、幼い頃に出会ったきりのアトゥイを一途に想い続けていた。戦闘の際は大振りの三叉槍を得手とし、実力も確かである。
- 母国は早々にエンナカムイと「本物の皇女」支持を公表していたが、そのために朝廷より攻撃を受けてイタクの父は死亡。イタクはソヤンケクルによってエンナカムイに運ばれ、オシュトルに助力を要請する。
- 終盤、帝となったアンジュの命により八柱将に抜擢された。
- シミュレーションパート
- アトゥイ同様槍を装備しているが、隣接する敵にも攻撃可能で、回復技も持っている。
レタルモシリの人物[編集]
- ヤムマキリ
- 声 - 水島大宙
- ウズールッシャの近くにあるレタルモシリの族長。ヤクトワルトの兄代わりだった人物の一人。
- 計算高く理知的な判断を下す冷酷な性格で、ウズールッシャに無謀な抵抗をしようとした兄ムカルを死に追い込んで、自分が族長となりウズールッシャに従属する道を選んだ。
- ウズールッシャがヤマトに侵攻しようとして敗北した後、レタルモシリを纏めるためにヤクトワルトとシノノンの名を利用しようとする。
注釈[編集]
- ↑ ただし、アルルゥやクーヤなど一部の者はハクオロを見たかのような(または気配を感じた)発言をしている。続編の『二人の白皇』にて、大神ウィツァルネミテアの化身として現世に帰還していたことが正式に明かされ、物語の重要な鍵を握る人物として登場し、その後はハクが大神ウィツァルネミテアの力を引き継いだことにより、人間として正式にトゥスクルへ帰還することとなった。
- ↑ ドラマCDやラジオドラマなどではその部分が強調されている。
- ↑ つける場所はどこでも良く、エルルゥは髪飾りにしている。
- ↑ トゥスクルは次女だが、姉が死んだので受け継いだ。
- ↑ 死亡したのではなく、あくまで封印なので契約状態であっても何も影響がない可能性もある。
- ↑ 成長したムックルを見てハクオロやエルルゥが驚愕する場面がある。
- ↑ ムックル担当の下山曰く「突然出てきてアルルゥの愛を奪っていく憎いやつ(笑)」とある[10]。
- ↑ 8.0 8.1 8.2 8.3 8.4 8.5 アニメ版ではこのくだりはカットされている。 引用エラー: 無効な
<ref>
タグ; name "animecut"が異なる内容で複数回定義されています - ↑ 国家予算で購入した薬を与えてもらっている[7]。
- ↑ ゲームの収録時、これを知ったエルルゥ役の柚木は、メインヒロインであるはずのエルルゥではなくユズハと子供を作ったことをなぜかハクオロ役の小山に対して激怒した[15]。
- ↑ しかし、女性用の耳飾りに興味を示したり、オボロと衆道関係にあるような描写もあった。またアニメ版では、性別は敢えて明言されていない。
- ↑ ゲーム中のイベントCGから。
- ↑ トウカも知らなかったが、ウルトリィが連れ出されたときには、彼女は事情を知らされておらず、クオンによると当時「賢大僧正が行方不明になった」と大騒ぎになったという。カルラによると、ウルトリィに事情を伏せていたのはわざとで、こうでもしないと仕事を離れない彼女に、たまには羽を伸ばさせるためとのこと。
- ↑ オンカミヤムカイの出身ではあるがあくまでトゥスクルの使節団員ということになっており、『偽りの仮面』以降ではオンカミヤムカイはトゥスクルの一部のような描かれ方をしている。
- ↑ アニメ版ではウー、ヤー、ターの3人も。
- ↑ ここでは物語の主人公を「ハクオロ」、エルルゥ達の父親を「ハクオロ(故人)」と区別する。
- ↑ 恋慕うことの意。
- ↑ しもおんな、げじょ。身分の低い女性の意。
- ↑ ちゃくし。跡継ぎ、跡取りの意。
- ↑ ようせつ。早くに亡くなってしまうことの意。
- ↑ 作中でのエルルゥの発言より。
- ↑ 最終回で、普通に働いているヌワンギの絵を入れようという話がスタッフの間であったが、「原作と違うヌワンギの結末は絶対に不可」であると原作者から釘を刺されたとのこと[22]。
- ↑ アニメ版24話より、脇腹の継ぎ目とある。
- ↑ クーヤを案じるシーンにて「私は幸せだ、良い者逹に囲まれて」という作中でのハクオロの発言より。
- ↑ 黒手帳(恨み手帳)[26]。
- ↑ アニメ版では秋元羊介は監督から「東野英治郎が演じる初代水戸黄門の笑い方をイメージしてくれ」という指導を受けたと語っている。
- ↑ 作中の台詞から。
- ↑ 結びつき、繋がりなどの意[32]。
- ↑ ゲーム版では、本人には詳細を知らされないうちに実験の処理を勝手に施されていたが、アニメ版では自ら真人計画の被験体へと志願したように描かれている。
- ↑ 作中での、ハクとオボロの会話より。
- ↑ クオンが薬師の技術を厳しく学んだという描写が、エルルゥが祖母のトゥスクルから厳しく学んだという、前作ゲーム内における描写と全く同じ。
- ↑ ラウラウ先生ことウォシスや、アンジュなどと以前から面識があった。
- ↑ 実際には、荷を餌にして盗賊を誘い出し撲滅する作戦だったが、マロロは腹芸が苦手ということで、この事実は彼には伏せられていた。
- ↑ ネコネやマロロが使う呪法が「精神と体幹の鍛錬で得られる内なる力」なのに対し、術法は「天地の精気を操る外の力」とされている。
- ↑ アニメ版では帝都に向かうときは、輿に乗っている姿が僅かに映るのみ。またミトのもとにハクを案内するとき、僅かに言葉を発している。
- ↑ 飛んでいる姿が確認できるのは、ゲーム内でルルティエが必殺技を使用したときのみで、その時も長時間滞空できず落下している。
- ↑ 作画を担当したみつみ美里は「ココポの性別は決めてなかったんだけど、ゲームは♂、アニメは♀な気がする」と発言している。“みつみのTwitterでの発言。”. 2015年10月31日閲覧。
- ↑ ネコネは以前から、オシュトルに好意を抱いているアンジュを警戒していたようである。一方アニメではアンジュは、聖誕祭よりも先に白楼閣に現れている。この時オシュトルの話は出ず、クオンが作った菓子の匂いに釣られたように描かれている。この時はネコネを含め誰にもアンジュの正体がわからないままムネチカに連れ帰られており、聖誕祭で直接顔を現して正体がわかるように演出されている。
- ↑ アニメ版では、ハクが冗談で言い出した形になっている。
- ↑ アニメ版では「腹を切る」とも言っている。
- ↑ アニメ版では、ネコネのみ酒宴の前に、サコンの正体を知っていたように描写されている。
- ↑ アニメ版では、宮中の帝の前でもつけている。
- ↑ 前作におけるササンテ、インカラと同じ特徴で、声優も同じ。
出典[編集]
- ↑ 1.0 1.1 1.2 公式ガイドブック、p184。
- ↑ DVD特典ブックレット、p13。
- ↑ 戦闘フェイズ「エヴェンクルガの女」より
- ↑ 4.0 4.1 4.2 4.3 4.4 4.5 4.6 4.7 ゲーム内の用語辞典より。
- ↑ PS2版作中でのクロウの台詞から。
- ↑ アニメ版23話のウルトリィの発言より。
- ↑ 7.0 7.1 7.2 公式ガイドブック、p185。
- ↑ 公式ガイドブック、p182。
- ↑ 公式ガイドブック、p191。
- ↑ 公式ファンブック、p85。
- ↑ HDリメイク版とそれ以前では若干仕様が変更されており、HD版以前では必殺連撃がミスとなりダメージも増加していなかったが、HD版からは演出上のみで失敗となるがダメージは加算される扱いとなった。ガチャタラ加入前は無属性ダメージだが加入後は属性ダメージへと変更される
- ↑ DVD特典ブックレット、p2。
- ↑ 13.0 13.1 13.2 公式ガイドブック、p187。
- ↑ 14.0 14.1 公式ガイドブック、p188。
- ↑ DVD特典キャストインタビューVOL7より。
- ↑ DVD特典ショートエピソード第二話より。
- ↑ 公式ファンブック、p107。
- ↑ 日めくりCD トラック37 「ウルトリィとカルラ」より。
- ↑ うたわれるもの オリジナルサウンドトラックより。
- ↑ DVD特典キャストインタビューVOL5より。
- ↑ ゲームに収録された人物図鑑の記述より。
- ↑ 公式ファンブック、p95。
- ↑ 公式ファンブック、p111。
- ↑ DVD特典キャストインタビューVOL6より。
- ↑ 公式ガイドブック、p186。
- ↑ ゲーム版の蒐集品説明より。
- ↑ DVD特典ブックレット、p11。
- ↑ 公式ファンブック、p47。
- ↑ DVD特典ブックレット、p7。
- ↑ 公式ガイドブック、p189。
- ↑ 公式ファンブック、p65。
- ↑ うたわれるもの オリジナルサウンドトラックより。
- ↑ 元来は兵器ではなく、地上の気象をコントロールして人類が再び住める土地にするための人工衛星だったと『偽りの仮面』で明かされる。
- ↑ うたわれるもの オリジナルサウンドトラックより。
- ↑ 公式ファンブック、p64。
- ↑ 続編の「二人の白皇」では文武共に立派だった父親が、やっとで授かった一粒種のデコポンポが可愛いあまりに帝に懇願し、数々の功績もあり根負けして八柱将の位を与えた経緯が語られており、宦官の中でも父親に唯一落ち度があるなら、子煩悩のあまりに國のために非情になりきれなかったと語られている。
- ↑ “『うたわれるもの 二人の白皇』に登場する新キャラクターが発表”. エンターブレイン (2015年11月29日). 2015年11月30日閲覧。
This article "うたわれるものの登場人物" is from Wikipedia. The list of its authors can be seen in its historical and/or the page Edithistory:うたわれるものの登場人物.