YouTube
YouTube(ユーチューブ)は、アメリカ合衆国カリフォルニア州サンブルーノに本社を置くオンライン動画共有プラットフォーム。アクティブユーザー数は、2022年1月時点で25億6,200万人(うち定額制サービス契約者数は8000万人以上)であり、ソーシャルメディアとしては世界第2位。2005年2月にPayPalの元従業員であるチャド・ハーリー、スティーブ・チェン、ジョード・カリムの3人によって設立された。その後、2006年11月に16.5億米ドルでGoogleに買収され、現在は同社の子会社の1つとして運営されている。アレクサ・インターネットランキングによると、Google 検索に次いで2番目にアクセス数の多いウェブサイトである。
概要[編集]
YouTubeでは、ユーザーが動画をアップロード、閲覧、その作品の評価、共有、プレイリストへの追加、レポート、コメント、他のユーザーのチャンネル登録(簡単に更新をチェックできる機能)などを行うことができる。利用可能なコンテンツには、ビデオクリップ、テレビ番組のクリップ、ミュージック・ビデオ、短編映画やドキュメンタリー映画、音声録音、映画予告編、ライブストリーム、ビデオブログ、短編オリジナルビデオ、教育用ビデオなどがある。ほとんどのコンテンツは個人によって生成され、アップロードされるが、CBS、英国放送協会(BBC)、Vevo、Huluなどのメディア企業は、YouTubeとのパートナーシッププログラムの一環として、YouTubeを介してコンテンツの一部を提供している。登録していないユーザーも動画を視聴することはできるが、動画をアップロードすることはできない。年齢制限付きの動画は、18歳以上であることを確認した登録ユーザーのみが視聴できる。
2019年5月現在、YouTubeには毎分500時間以上のコンテンツがアップロードされており、毎日10億時間以上のコンテンツがYouTubeで視聴されている。YouTubeと選ばれたクリエイターは、サイトのコンテンツや視聴者に応じて広告のターゲットを絞るプログラムであるGoogle AdSenseから広告収入を得ている。動画の大部分は無料で視聴できるが、サブスクリプションベースのプレミアムチャンネル、映画のレンタル、YouTube Music、YouTube Premiumなどの例外もあり、それぞれがプレミアム音楽と広告なしの音楽ストリーミングを提供するサブスクリプションサービスであり、著名人から依頼された独占コンテンツを含むすべてのコンテンツに広告なしでアクセスできる。四半期ごとに報告された広告収入に基づいて、YouTubeの年間収入は150億米ドルと推定されている。
Youは「あなた」、Tubeは「ブラウン管(テレビ)」という意味である。
歴史[編集]
2005年2月15日、PayPalの従業員であったチャド・ハーリー、スティーブ・チェン、ジョード・カリムらがカリフォルニア州サンマテオで設立した。ハーリーはペンシルベニア州立インディアナ大学でデザインを、チェンとカリムはともにイリノイ大学アーバナ・シャンペーン校で計算機科学を学んだ。
メディア上でよく取り上げられる一説によれば、ハーリーとチェンが2005年の初めにYouTubeのアイディアをひらめいたのは、サンフランシスコのチェンのアパートで開かれたディナーパーティの動画を共有するのに苦労したことがきっかけだったとされている。カリムはこのパーティに出席しておらず、そのようなパーティが開かれたこと自体を否定している。チェンは、パーティは実際に開かれたとした上で、「YouTubeはディナーパーティをきっかけにされた」という物語は、わかりやすい物語を必要とするマーケティング上の都合によってかなり脚色されていることを認めた。
カリムによると、YouTubeの発想のきっかけとなったのは、2004年にジャネット・ジャクソンが起こした第38回スーパーボウルでのハプニング(パフォーマンス中にジャクソンの胸が露出した)と、同じく2004年に発生したスマトラ島沖地震だった。カリムはインターネット上でそれらの事件の動画を探したが、どちらの出来事の動画も簡単には見つけることができず、その体験が動画共有サイトのアイディアを生んだという。
YouTubeはベンチャーキャピタルが出資するスタートアップ企業として開業した。主な出資者はセコイア・キャピタルであり、2005年11月から2006年4月までの間に1150万米ドルをYouTubeに投資した。当初、YouTubeの本社はカリフォルニア州サンマテオのピザ販売店・日本食レストランの2階に置かれていた。ドメインは2005年2月14日に有効化された。ハーリーとチェンによれば、最初期のYouTubeは動画版のHot or Not(英語版)(ユーザーが異性の画像をアップロードできる出会い系サイト)を目指しており、その方向性を示したのはカリムだった。 YouTubeに初めて投稿された動画は、ジョード・カリムがサンディエゴ動物園の象の前にいる様子を映した 『ミー・アット・ザ・ズー』(2005年4月23日投稿)だった。2005年5月、YouTubeのベータ版が一般に公開された。YouTubeで初めて再生回数が100万に達した動画は、ロナウジーニョが出演したナイキの広告動画(2005年11月に達成)だった。2005年10月、カリフォルニア州で事業を行うデラウェア州法人としてYOUTUBE, INC.を設立。
2005年11月にセコイア・キャピタルから350万米ドルの出資を受け、YouTubeは2005年12月15日から正式なサービスを開始した。正式サービスの開始当時、1日の動画再生回数は約800万回だった。YouTubeは急速に成長し、2006年7月の発表では、1日に6万5000本以上の新たな動画がアップロードされており、1日の動画再生回数は約1億回であるとされた。
アメリカでは、2005年12月頃にNBCの人気テレビ番組『サタデー・ナイト・ライブ』がアップロードされていたことからブログなどで話題になり、2006年上旬にはYouTubeの映像をブログなどに貼り付け簡単に見られるAPIも公開され爆発的に普及した。日本では2006年3月に民間調査会社のネットレイティングスの調査で日本国内からの利用者が約212万人に達し、平均利用時間では米国ユーザーを上回っていることが発表された。
2006年4月にアメリカの映画制作会社のワインスタイン・カンパニー、ディメンション・フィルムズと提携し、映画の予告編がYouTubeで配信された。これを初めとして様々な企業や団体がYouTubeにチャンネルを持ち、コンテンツを公開するようになった。2006年10月、YouTubeは本社をカリフォルニア州サンブルーノに移転した。
YouTubeはサーバ回線コストだけで月間100万ドルに達すると言われていたため、どう収益を上げていくかが注目されていたが、2006年10月9日に16億5000万ドルの株式交換でGoogleの買収に同意した。GoogleによるYouTubeの買収は2006年11月13日に完了した。2006年11月、カリフォルニア州で事業を行うデラウェア州法人としてYOUTUBE, LLCを設立。「アップロードされた動画に対し厳しい規制が取られてしまうのでは」と一般ユーザーから危惧が持たれていたが、ハーリーは「YouTubeはGoogleに買収されたが、今後もYouTubeとしたブランドで独立したサービスを提供し続ける」と述べた。またGoogle側も類似サービスであるGoogle ビデオのサービスを継続。検索窓を通じてYouTube内の動画を検索するサービスを開始した。
その後、タイム誌の「Invention of the Year for 2006」に選出された。2007年3月、民間調査会社のネットレイティングスから日本国内家庭からの利用者が1000万人を超えたことが発表された。同年5月、第11回ウェビー賞を受賞。2007年にYouTubeが消費した通信容量は、2000年当時のインターネット全体の通信量に相当すると推定された。
2007年5月、YouTubeは、一部動画投稿者限定で広告収入分配するパートナープログラムを開始した。
2007年6月19日、インターフェース等が日本語を含む10か国語に対応した。その後は、次々とインターフェース等が多言語に対応した(後述)。
第三者のウェブ分析企業であるアレクサ・インターネットおよびシミラーウェブによれば、YouTubeは2016年12月時点で世界で2番目に訪問者の多いウェブサイト だった。さらにシミラーウェブは、月間150億人以上の訪問者を抱えるYouTubeは、テレビ・ビデオ分野における世界第1位のウェブサイトであるとした。2008年11月22日、YouTube本部が主催する公式イベント「YouTube Live」がサンフランシスコで開かれ、11月23日には日本の東京都で「YouTube Live Tokyo」が開かれた。
市場調査会社のコムスコアが発表したデータによれば、2010年5月にYouTubeの動画は140億回以上再生され、その市場占有率は約43%であり、YouTubeはアメリカにおけるオンライン動画の支配的な供給元であるとされた。
2011年5月時点では、毎分48時間分の動画がYouTubeにアップロードされていた。動画が投稿される速度は年々増加しており、
- 2012年1月時点では毎分60時間分が、
- 2013年5月時点では毎分100時間分が、
- 2014年11月時点では毎分300時間分が、
- 2017年2月時点では毎分400時間分の動画が
アップロードされていた。2012年1月の時点で、YouTubeの月間ユニークユーザーは8億人だった。
2010年3月、YouTubeは特定のコンテンツ(インディアン・プレミアリーグのクリケットのゲーム60試合を含む)の無料ストリーム配信を開始した。YouTubeは、この試みがメジャースポーツのイベントの世界初無料オンライン放送であるとした。
2010年5月、YouTube動画の1日の視聴回数は20億回以上だった。この数字は2011年5月時点では30億回、2012年1月時点では40億回に増加した。2017年2月時点で、YouTubeの1日あたりの視聴時間は10億時間に達していた。
2010年10月、チャド・ハーリーがYouTubeの最高経営責任者(CEO) を退任しYouTubeの顧問となること、CEO職がサラー・カマンガーに引き継がれることが発表された。2011年4月、YouTubeのソフトウェアエンジニアであるジェイムズ・ザーンは、視聴回数の99%が全体の30%の動画によって生み出されていることを明らかにした。
2011年12月、YouTubeはウェブサイトのユーザーインターフェース(UI)を刷新した。新しいUIでは、SNSのニュースフィードに似た形で、トップページ中央の一覧に動画のチャンネルが表示されるようになった。UIと同時にロゴデザインも2006年10月以来初めて変更され、使われる赤の色合いが濃くなった。
2013年5月、YouTubeは、コンテンツ制作者がサブスクリプション方式の有料チャンネルを開設できる試験的プログラムを開始した。2013年9月14日、YouTubeが主催する公式イベント『YouTube エンタメウィーク』が開催された。プロデューサーは高須光聖。
2014年2月、 GoogleによるYouTubeの買収に貢献したスーザン・ウォシッキーがYouTubeのCEOに就任した。2014年11月、YouTubeはサブスクリプション方式の有料サービス『Music Key』を発表した。『Music Key』は既存のサービスGoogle Play Musicと、YouTube上の音楽コンテンツを広告なしで再生できるサービスをバンドルしたものだった。2014年7月、YouTubeが常時SSL化(常時https)された。
2015年2月、YouTubeは子ども向けに最適化されたモバイルアプリ 『YouTube Kids』をリリースした。『YouTube Kids』では簡略化されたユーザーインターフェース、子供に適するよう精選されたコンテンツ、ペアレンタルコントロール機能が提供された。
2015年5月、YouTubeはマルチカメラアングル(マルチアングル動画)の再生を実験的に開始した(ライブ配信でのマルチカメライベント機能として実装されたが、現在はサポートを終了している)。
2015年3月、YouTubeは360度動画のアップロードと再生に対応した。2016年4月、YouTubeは360度動画のライブストリーミングに対応した。
2015年8月26日、YouTubeはコンピュータゲームの動画・ライブ動画に特化した『YouTube Gaming』のサービスを専用ウェブページとAndroid・iOSアプリで開始した。
2015年10月、広告なしでYouTube上の全てのコンテンツにアクセスできる有料サービス『YouTube Red』が発表された。(前年発表の『Music Key』の後継サービスに当たる)『YouTube Red』の会員はYouTubeタレントがプロデュースするオリジナル動画を視聴できるほか、モバイル端末でYouTubeコンテンツをバックグラウンド再生する機能も利用できる。YouTubeはさらに、音楽コンテンツの再生・検索に最適化された第3のアプリとなる 『YouTube Music』をリリースした。
2016年1月、YouTubeは2億1500万米ドルでオフィスパークを購入し、サンブルーノの本社を拡張した。本社の敷地面積は約51500平方メートルとなり、最大で2800人の従業員を収容することが可能になった。
2017年2月、新興国向け軽量版Androidアプリ「YouTube Go」をインドにてリリースした、2017年11月にナイジェリア、インドネシア、タイ、マレーシア、ベトナム、フィリピン、ケニア、南アフリカなど14か国で拡大。2018年2月にブラジル、メキシコ、トルコ、イラクを含む世界130か国で拡大し、2022年8月サービスを終了した。
2017年2月28日にYouTubeはテレビ番組のストリーミング配信サービス『YouTube TV』を発表し、同年4月5日にニューヨーク、ロサンゼルス、サンフランシスコベイエリア、シカゴ、フィラデルフィアなどのアメリカ大都市圏にて『YouTube TV』のサービスを開始した。
2017年8月29日、YouTubeはマテリアルデザインを採用した新ユーザーインターフェースを公式にリリースした。同時にYouTubeロゴも刷新され、動画再生ボタンをモチーフにしたものとなった。2017年12月、YouTubeはオリジナルビデオである『YouTube Originals』を開始した。アイドリッシュセブンのスピンオフ作品などが視聴できる。
2017年9月、YouTubeはYouTube Gamingのチャンネルに収益ツール「スポンサーシップ」を追加した。2018年6月、YouTube Gaming以外のYouTubeチャンネルにも「スポンサーシップ(現:チャンネルメンバーシップ)」が追加された。
2018年4月3日、カリフォルニア州サンブルーノのYouTube本社のオープンカフェにて銃乱射事件が発生した。サンディエゴに住む39歳女性YouTuberによる犯行とみられ、容疑者女性は自殺した。容疑者はYouTubeと長年争っており、YouTubeがコンテンツクリエイターを抑圧しようとしていると主張、投稿した動画に対する支払いが止められたことに憤っていた。
2018年5月17日、YouTubeは『YouTube Red』のサービス名を『YouTube Premium』に変更すること、このサービスをカナダと13のヨーロッパ諸国でも展開することを発表した。さらに、近く『YouTube Music』が独立したサブスクリプション方式のサービスとして展開されることも発表された。同年11月14日、日本での両サービスが展開された。
2019年12月10日、利用規約が更新され、YouTubeのサービス提供者がYouTube LLCからGoogle LLCに変更された。
2021年7月、YouTubeは2017年1月1日より前にアップロードされた限定公開の動画を非公開にした。
2021年11月11日、YouTubeは投稿された動画への低評価の数を非公開にした。この理由についてYouTube側によれば、小規模のクリエイター、およびYouTubeチャンネルを開設したばかりのクリエイターより、不当に低評価荒らしの標的にされるという報告を受けたが、これによる荒らし行為は小規模チャンネルの方でより高い割合で発生していることが判明したという。ただし、低評価ボタンは引き続き表示され、視聴者側は低評価をつけることはできるが数は表示されなくなり、クリエイター側は引き続きクリエイターツールで低評価の数を確認可能とした。
2023年2月16日、ウォシッキーがYouTubeのCEOを退任しGoogleとその親会社・Alphabetの顧問になることから、後任のCEOはYouTubeの最高製品責任者(CPO)を務めていたニール・モーハンに引継がれた。
歴代CEO[編集]
ouTubeは2005年の設立当初からCEOによって率いられており、2006年のGoogleによる買収後もそれを維持している。
氏名 | 在任期間 | |
---|---|---|
初代 | チャド・ハーリー | 2005年 - 2010年 |
2代 | サラー・カマンガー | 2010年 - 2014年 |
3代 | スーザン・ウォシッキー | 2014年 - 2023年 |
4代 | ニール・モーハン | 2023年 - 現在 |
機能[編集]
視聴[編集]
サービスは基本無料で利用できる。登録していなくても、多くの動画を見ることが出来る。動画の評価をしたり、コメントをしたり(評価や新着・評価順のソート、タイムスタンプの設定も可)や、再生リストの作成には、無料の会員登録が必要である。YouTube上での検索などで直接視聴できるものもあれば、チャンネルの動画一覧に表示されず特定のサイトやURL、通知からの経由のみで視聴できる限定公開も可能。Ajaxと呼ばれる技術が用いられており、YouTubeを利用するにはJavaScriptを有効にする必要がある。
かつてはAdobe Flashを用いた動画再生が行われていたが、2015年からHTML5での再生が標準になった。
再生リスト(キューに追加・追加先)により、動画をまとめたり自動再生(リピート)やシャッフル再生をすることができる。
検索においては、より目的の動画を判別するためにハッシュタグを挿入することもできる。
動画に企業案件などの有料プロモーションが含まれている場合、動画投稿者が設定を行うことで冒頭10秒間で「プロモーションを含みます」と通知される。
機能追加も活発に行われており、動画に吹き出しなどの注釈を書き込むことができる「Video Annotations」、動画に字幕が付けられる機能、動画の字幕自動翻訳機能、テレビ画面(家庭用ゲーム機含む)で視聴するための専用サービスの「YouTube for Television」、大画面テレビで視聴するための専用ユーザーインターフェイスの「YouTube XL」、Webブラウザでテレビ感覚で見られるユーザーインターフェイスの「YouTube Leanback」が公開されていた。
Super Thanks(スーパーサンクス、拍手を送る)[編集]
2020年初頭に実装された、動画向けのギフティング機能(投げ銭)。一定金額を拍手という形で購入し、動画投稿者に贈ることができる。全てのチャンネルユーザーには実装されず、随時実装が進められる。
日本においては開始時1人当たりの上限が200円相当で固定されていたが、同年9月に500円、1000円、5000円まで送ることができるように緩和された。
アップロード[編集]
アップロードできる動画形式は非常に広く、現在流通しているほとんどの動画形式に対応している。必ずYouTube側で再圧縮が行われるので、自前で圧縮せずにオリジナルファイルのアップロードが可能。
音声は、YouTubeはステレオまたは5.1チャンネルでサンプルレート96 kHzまたは48 kHzを推奨しているが、現時点では5.1チャンネルでの再生はできない。
尚、プレーヤーの右下のメニューによって画質が選択できるがアップロードされた動画の画質によって選択できる画質は限られるので、どの動画でも下記の画質で表示できる訳ではない。また、広告動画はメニュー上にない為、画質を選択できない。
アスペクト比は自動的に判断され正しい比率で再生できる。
卑猥な動画など過激な描写を含む動画は視聴者からの通報などにより、メンバー登録による18歳以上の年齢認証が設定されるが、年齢認証は検証の手段が無い簡易的なものなのであまり有効ではないため、場合によっては年齢認証ではなく、ガイドライン違反として削除されることもある。尚、年齢認証の必要な動画はYouTube側の独自の判断で決められる為、テレビで放映できるようなものも、嫌がらせの通報により年齢認証が必要となってしまうことがある(特に、暴力シーンがあると判断されたアクション映画のクリップ、路上でのストリートファイト等)。
投稿した動画が著作権侵害や過激な性描写などの理由で3回削除されるとアカウントと同時に過去にアップロードした全ての動画が警告なしに削除される。
基本は長さ15分までの動画ファイルをアップロードできる。電話番号やSMSによる認証を行うと15分を超える長さの動画ファイルをアップロード、投稿できるようになる。
2009年7月21日に初の3D動画がアップロードされ、2015年11月11日に「Google Cardboard」に対応し、すべての動画でヴァーチャル3Dが視聴できるようになった。
2015年6月7日には、アメリカの映像制作会社が8Kスーパーハイビジョンの動画アップロードに成功した。しかしながら、負荷がかかるため、対応した再生機器は少ない。
ちなみに、今回アップロードされた8K第一弾の映像もアメリカ製のカメラで撮影した6K映像を125%アップスケーリングして8K映像にしており、撮影した元の映像は8Kではない。
2015年3月には、360度動画のアップロードと再生に対応した。
YouTube Shorts[編集]
2020年9月にインドで公開された携帯電話で最大15秒(後に60秒に拡大)の短いビデオを投稿できる機能。クリエイターツールとして、複数のビデオクリップを繋ぐマルチセグメントカメラ機能やスピードコントロール、ハンズフリーで簡単に録画できるタイマー・カウントダウン撮影といった機能が用意されている。
YouTube Stories[編集]
2007年11月に「Reels」として発表された、一定期間で動画が消滅するInstagramやSnapchatのストーリーのような機能。チャンネル登録者数が1万人を超えているチャンネルで利用でき、YouTubeのモバイルアプリでのみ投稿・閲覧可能。2023年6月26日に終了すると発表された。
ライブストリーミング[編集]
2011年4月に開始されたYouTubeのライブストリーミング機能。通称YouTube Live。
YouTubeは、2008年11月にYouTube Liveというリアルライブイベントや、U2によるコンサート、2010年2月の米国大統領バラク・オバマとの質疑応答セッションなど、サードパーティパートナーの技術に依存したライブストリーミングの初期実験を実施した。
2010年9月にYouTubeはGoogle独自技術のライブストリーミングテストを一部コンテンツパートナーと開始し2011年4月にライブストリーミングサービスの正式開始を発表。
2012年10月には、約800万人以上がFelix Baumgartnerの宇宙の端から飛ぶレッドブル・ストラトスをYouTubeのライブストリームで視聴した。
ライブストリーミング機能の利用については、2013年5月にはチャンネル登録者数1000人以上が条件だったが、同年8月には100人以上へと緩和され、12月には制限が撤廃された。また、2017年2月からはモバイルアプリに導入。こちらは当初、登録者数1万人以上が条件だった。同年後半には100人以上に緩和されたものの、2019年10月現在、1000人以上に引き上げられている。
システムとしては、通常のYouTubeにもある画質変換機能の他、コメントの代わりとしてチャットを備えている(後述のメンバーシップ限定で書き込み許可することも可能。「モデレーター」の権限を持ったユーザーがチャットメッセージの除外を行うこともできる)。チャットは、視聴者からのポップアウトを除いた上位チャットと、全ての書き込みを表示する通常のチャットの二段に分けている。このチャット欄にスーパーチャット(後述)を贈ることも可能。放送後は12時間以内の配信に関してはアーカイブとして、動画の形で残すことも可能(チャットコメントに関しては再現の可否の設定が可能)。なお、ライブストリーミング中における厳密な機能名は「チャット」とそれに入力する「メッセージ」なのだが、日本ではストリーミング配信をするユーザーもその視聴者も、まとめて画面に送る「コメント」として区別せず呼ぶことが多い 。あらかじめ配信を行うことを予告したページでは、視聴者側でリマインダー設定(配信開始の直前通知)が可能。また、最大4K 60fpsや、360度ビデオの配信が可能。
動画と同様に特定のURLを介した限定生放送も可能。メンバーシップの加入者を対象とした限定ライブ配信は不可(アーカイブ化した動画には対応する)。これについては、その後ベータ版として限定的に可能になった。
ライブ情報は、検索での絞り込み、ライブ専用チャンネルで現時点でのライブ放送や今後予定しているライブ放送を一覧としてまとめている。ゲーム配信に特化した「YouTube Gaming」にも同様のサービスを受けることができる。
なお、ライブストリーミングは、ユーザーが著作権侵害やガイドライン違反をした場合(警告がされた場合)は、制限されて使用ができなくなる。
Super Chat(スーパーチャット)[編集]
「Super Chat」を参照
2017年2月に追加された、ライブチャットや動画のプレミア公開でチャット欄にメッセージを目立たせることができる有料機能。YouTubeにおいて一定のチャンネル登録者数を超えていると利用できる機能の一つ。投げ銭機能であり、略称は「スパチャ」。
複数の金額段階を持つ購入制となっており、支払った金額に応じてチャットコメントを色付きで強調表示し、一定の金額以上だとチャットの上部にティッカーという形で一定時間表示される。スーパーチャットとして課金された総額の数割が配信者への収益となる。1日で利用できるスーパーチャットの金額は1日ごとに上限が設けられている。
2019年9月のインタビューでYouTubeの最高プロダクト責任者だったニール・モーハンは、スーパーチャットの収益ランキングのトップ10人の内、7人までが日本のクリエイターと答えた。2020年3月4日、新型コロナウイルス感染症流行に伴い無観客ライブを行うM.S.S Projectが、開演を前に5000万円を集めた。
Super Stickers(スーパーステッカー)[編集]
2019年11月に追加された、ライブチャットや動画のプレミア公開で、チャット欄にステッカーを表示させる有料機能。YouTubeにおいて一定のチャンネル登録者数を超えていると利用できる機能の一つ。
YouTube プレミア公開(YouTube Premieres)[編集]
YouTubeで映画やテレビ番組のプレミア上映のように、クリエイターと視聴者が公開した(ストリーミングではない事前制作された)動画を同時に観て楽しむようにする機能。下記のYouTube Premium(プレミアム)とは別の機能。
スケジュール設定された動画が巻き戻しや早送りが出来ない状態でライブ再生され、全員が同じタイミングで動画を観ることになる。YouTube Liveのようなチャット機能および、スーパーチャットも使用できる。一度再生されると、通常の動画として再生出来るようになる。
コミュニティ機能[編集]
2016年9月13日、YouTubeはYouTubeチャンネルに「コミュニティ」機能を追加した。
クリエイターは、YouTubeチャンネルの「コミュニティ」タブにて、テキストや画像、動画のリンク、アンケート、GIF等を投稿することができる。また、視聴者はそれに対してコメントを付けられる。当初はiPadからは利用できなかったが、2023年6月からはiPadでも利用可能となった。
コミュニティ機能は、当初はチャンネル登録者数1000人以上が条件だったが、2021年10月からは500人以上へと緩和され、2022年11月には制限が撤廃された。
Googleアカウントとの連携[編集]
ほとんどの動画はGoogleアカウントを持ってなくても閲覧できるが、年齢制限がかかっている動画などはGoogleアカウントを持っている場合しか見ることができない。
Googleアカウントがある場合、主に以下のサービスを利用できる。
- 動画の投稿
- プレイリストの作成
- 動画への評価やコメント
- おすすめ動画の表示
- クローズド・キャプション用のファイルの追加
保護者向け管理機能[編集]
2021年2月25日にGoogleが発表した機能。
サービス[編集]
YouTube Premium[編集]
「YouTube Premium」を参照
YouTubeのサブスクリプションサービス。初月無料。月額料金を払うことで追加のサービスを受けられる。主な例として、動画に広告が表示されなくなり、音楽のバックグラウンド再生やオフライン環境での視聴を目的とした事前ダウンロードに対応する。また、プレミアムのみ公開されるコンテンツ(YouTube Originals)も存在する。YouTube Musicに関連したサービスでもあり、加入するとこちらも同様の扱いとなる。アメリカ、韓国などで実施されている。2018年11月には、日本でも実施されている。 旧名称YouTube Music Key、YouTube Red。上記のYouTube Premieresとは別サービス。
YouTube Music[編集]
「YouTube Music」を参照
YouTubeの音楽配信サービス。
YouTube Kids[編集]
「YouTube Kids」を参照
YouTubeの子供向け動画サービス。
YouTube TV[編集]
70を超えるテレビネットワークのライブTV、オンデマンドビデオ、クラウドベースの9か月間保存の録画機能を提供するYouTubeの有料ストリーミングテレビサービス
ビデオクリエイターとのパートナーシップ[編集]
2007年5月、YouTubeはGoogle AdSenseに基づくシステムであるパートナープログラム(YPP)を開始した。これにより、動画投稿者は、サイトの広告によって生み出された収益を共有できる。
YouTubeパートナーシップの用件を満たしたアカウントには
- 承認済みの Google AdSense
- マルチチャンネルネットワーク
のどちらかをリンクさせる必要がある。
本編の始まる前に動画CMを流す他、バナー(アイコンリク)での静止画広告も挿入することができる。
収益を受け取るには、AdSense経由の場合はAdSenseに準ずる(本人名義の銀行口座と現住所を登録する必要がある)。マルチチャンネルネットワークの場合はネットワークが定める方法で収益を受け取る(銀行振り込み、PayPalなど)。
ただし、2019年冬以降は「子供向け」コンテンツに関しては収益の対象外となる。YouTube側での自動判断で子供向けと判断される場合もあり、その都度申請が必要となる。
前述のYouTube Shortsについては、サービス開始当初はYouTubeパートナーシップの対象外であったが、2023年以降はチャンネル登録者数が1000人以上および直近90日間のショート動画視聴回数が1000万回以上を満たせば、YouTubeパートナーシップへの申請が可能となる予定。
チャンネルメンバーシップ[編集]
制度を利用したチャンネルに対し、利用者が一定料金を毎月支払うことで該当チャンネルの「チャンネルメンバー」となる。旧名称、スポンサーシップ。設定金額は、日本国内の場合90円から6000円まで対応。
チャンネルメンバーになることで、動画およびYouTube Liveのコメント欄に表示できるバッジや独自の絵文字、その他メンバー限定のコンテンツに優先してアクセスすることができる。
収益[編集]
Alphabet Inc.は2019年財務報告書の一部として、2020年2月にYouTubeの正確な広告収入を初めて公開した。
Alphabetの報告によると、YouTubeの広告収入は2017年が81億ドル、2018年が111億ドル、2019年が151億ドル、2020年が197億ドルだった。YouTubeの利益については未だ非公開である。
2019年第4四半期の時点でYouTube PremiumとYouTube Musicのサブスクリプションを合わせた加入者は約8,000万人、YouTube TVの加入者は200万人いる。 なお、一定に人数にチャンネル登録されるとバナーが贈られることがある。
脚注[編集]
注釈[編集]
- ^ ちなみに、YouTubeは買収前にGoogle AdSenseの広告を利用していた。
- ^ 一部のスポンサーはCMを一定時間映してからスキップして本編を見ることができる。
出典[編集]
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