World Wide Web
World Wide Web(ワールド・ワイド・ウェブ、略名:WWW)はインターネット上で提供されているハイパーテキストシステムである。Web、ウェブ、W3(ダブリュー スリー)とも呼ばれる。
情報提供を担う者はウェブサーバを公開し、一般利用者はウェブブラウザを介してウェブサーバにある情報を閲覧するようなシステムが基本である。1990年代のマルチメディアブームで登場したシステムの内で最も普及したシステムの1つで、技術の進歩に合わせて現在も仕様が更新され続けている。今ではハイパーテキストの枠組みを超えた仕様も追加され、アプリケーションの基盤としても活用されている。また、1980年代に各国で独自に商業展開されていたビデオテックスを置き換えるに至った。
誤解に基づく俗称として「インターネット」という表現がWWWを指す場合もある。その逆で「ウェブ」という表現がインターネットを示す場合もある。Web会議はこれに相当する。
概要[編集]
ワールドワイドウェブではドキュメント(ウェブページ)の記述には主にHTMLやXHTMLといったハイパーテキストの記述言語が使用される。ワールドワイドウェブで使われるハイパーテキストとは、文書中に別の文書のURLへの参照を埋め込むことで(これをハイパーリンクと呼ぶ)インターネット上に散在する文書同士を相互に参照可能にするシステムである。閲覧者は表示している文書中でハイパーリンクが付された箇所をクリックやタップなどする事でハイパーリンク先の文書を表示させることができる。
世界中に張り巡らしたような、文書間のつながり方が蜘蛛の巣を連想させることから、世界に広がる蜘蛛の巣を意味する「World Wide Web」と名付けられた。尚、蜘蛛の巣は現実のケーブルの配線を表しているわけではない。HTMLの記述方式は比較的単純なため、急速に広く普及した。
ワールドワイドウェブにアクセスするためのソフトウェア(ユーザーエージェント)は WWW クライアントと呼ばれる。そのうち、利用者による閲覧を目的としたものは特にウェブブラウザ(WWW ブラウザ、あるいは単にブラウザ)と呼ばれる。また、ワールドワイドウェブのサービスを提供するソフトウェアを「WWWサーバソフトウェア」あるいは単に「ウェブサーバ」という。
ポータル検索エンジンとウェブディレクトリの出現により、ワールドワイドウェブは徐々にその真価を発揮し始めた。数学的な理論に基礎付けられたウェブページの順位決定法を実用化することによって、検索エンジンの首座は一気呵成に確定した。それとは対照的に、すべての分野に亘って個々の事例の集積を要するウェブディレクトリの作成は、継続的で地道な作業によって成し遂げられる辞書の編纂と似ている。前者が数学的手法に依存しているのに対し、後者は分類学的手法によっている点が対照的である。
World Wide Webが実装するハイパーテキストの思想はザナドゥ計画に起源を持ち、その仕様はザナドゥ計画の縮小版とも説明される。但し、World Wide Webで実現されたWebアプリやクラウドコンピューティング等は、厳格なルール運用を想定したザナドゥ計画等の前世代のハイパーテキストシステムの思想を遥かに超えている。