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MBSラジオ

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株式会社MBSラジオ(エムビーエスラジオ、英: MBS RADIO, INC)は、MBSメディアホールディングスの連結子会社で、近畿広域圏を放送対象地域とする中波放送(AMラジオ放送)事業を行う特定地上基幹放送事業者である。コールサインはJOOR

1950年12月27日に「新日本放送株式会社」として設立する。1951年9月1日にラジオの本放送を開始し、1958年6月1日に「毎日放送」へ改称を経て、1959年3月1日にテレビの本放送を開始するまではラジオ単営局であった。テレビ放送開始以降は毎日放送のラジオ放送部門として運営され、「MBSラジオ」の呼称を使用する。2011年7月24日まで「毎日放送ラジオ」の呼称も併用したが、以降は「MBSラジオ」に統一する。

2017年4月1日に毎日放送(初代)が認定放送持株会社(MBSメディアホールディングス)へ移行したことを機に、テレビ放送事業とラジオ放送事業を一体として分割準備会社(新〈2代目〉・毎日放送)へ承継。2020年5月28日にラジオ放送事業の分割準備会社(分割会社)を設立すると、(新日本放送時代からの)開局70周年を迎えた2021年4月1日付で新・毎日放送のラジオ放送事業が分割会社へ承継されたことを受けて、同日付で分割会社の社名を「毎日放送ラジオ分割準備株式会社」から「株式会社MBSラジオ」に変更した。JOORのコールサインでラジオ放送事業を運営する放送事業者としては、3代目にあたる。

本項は、法人の「株式会社MBSラジオ」、ラジオ単営局「新日本放送」、毎日放送ラジオ放送部門時代の「MBSラジオ」それぞれについて述べる。

概要[編集]

コールサインはJOOR

当初の局名「新日本放送」の名称については、これまで日本のラジオ放送を独占してきた日本放送協会(NHK)に次ぐ、新たな日本の放送協会を目指すという意味合いが込められていた。そして毎日資本のラジオネットワークとしてラジオ日本(後に一本化調整によりラジオ東京→現TBSラジオ。現存のアール・エフ・ラジオ日本とは関連がないが、ラジオ関東時代の1977年12月31日までは毎日新聞社の資本とニュース提供を受けており、少なからずMBSとのネット関係が存在していた)、ラジオ九州(現RKB毎日放送)を巻き込んだ「RAPPON(ラッポン)ネットワーク」を計画する構想があった(これはのちにジャパン・ラジオ・ネットワーク(JRN)として形態化される)。

AMラジオ放送の周波数は1179kHz(京都中継局も同一周波数)。開局時は1210kHzであり、その後1180kHz を経て現在に至る。

本放送の開始は、1951年(昭和26年)9月1日、大阪市北区角田町の阪急百貨店うめだ本店屋上のスタジオから中波放送を開始。同日6時30分に開局した名古屋市の中部日本放送に続いて正午に放送を開始した。第一声は、坂本登志子アナウンサーの「JOOR、みなさまの新日本放送でございます。」であった。

当初は新大阪新聞社から出向した小谷正一放送部長の下で、リスナー(聴取者)が参加できる地域密着型のバラエティ番組(『うっかりテスト』『知らぬが佛(ほとけ)』『バイバイ・ゲーム』『おたのしみヒント』『浪花節天狗道場』など)を中心に編成。1965年(昭和40年)にラジオネットワークのJRNとNRNが発足してからは、両者への加盟を通じてクロスネット局(準幹事局)としての役割を担う(該当項参照)。

2010年(平成22年)4月から、「ラ・ラ・ラ ラブラジオ 1179 MBS」のキャッチフレーズを使用する。以前は「MBSラジオはOKステーション」で、その前は「耳のごちそうMBS(毎日放送)ラジオ1179」であった。2013年(平成25年)4月から、プロ野球中継の『MBSタイガースライブ』などでのステーションジングルで、(AM放送の周波数に「7」が入っていることにちなんで)「ラッキー7(セブン)のあるラジオ MBSラジオ」のキャッチフレーズも使用していた。FM補完中継局の運用によるワイドFMの本放送開始年の2016年(平成28年)1月からは「MBSラジオもFA宣言!!」、2017年(平成29年)4月から「もっと聴いてね。MBS」、2020年(令和2年)4月から「心のおまもり MBSラジオ」のキャッチフレーズを使用。毎日放送が保有していたラジオ放送部門と放送免許が2021年(令和3年)4月1日付で株式会社MBSラジオへ移管され、「Mラジ」(えむラジ)の愛称と、「ポチっとMラジ」のキャッチフレーズが同日から新たに用いられている。

新聞の番組表表記は1958年(昭和33年)の新日本放送から毎日放送に社名が変更されて以来、長年に渡って「毎日放送」「毎日 MBS」「毎日ラジオ」「毎日」と各紙によって異っていたが、2011年(平成23年)7月24日にテレビ部門の地上デジタル放送完全移行を機に、同日から「毎日テレビ」の表記が「MBSテレビ」に変更されることに伴い、ラジオもこれに準拠して「MBSラジオ」(または「MBS 毎日」「MBS」)の表記に変更された。2021年(令和3年)10月1日から、毎日新聞、中日新聞、聖教新聞など一部の新聞で「MBS エムラジ」、朝日新聞で「Mラジ MBS」、読売新聞で「エムラジ MBS」の表記に変更された。日本経済新聞や産経新聞、大阪日日新聞、日本海新聞、京都新聞、神戸新聞、奈良新聞などは引き続き「MBS」の表記を用いている。

日本国内の放送局が編成する天気予報では初めて、日本気象協会の担当者が直接概況を説明する方式を導入。現在でも、夜間~早朝の時間帯を除く放送で、この方式を継承している。その一方で、テレビ・ラジオとも、関西ローカル向けに放送する天気予報の呼称を「お天気のお知らせ」にほぼ統一。ラジオでは、押尾コータロー・DEPAPEPE・NAOTOなどが演奏するインストゥルメンタルを、天気予報や交通情報のBGMに採用している。毎日放送が2016年(平成28年)9月に気象庁から気象予報業務の実施許可を受けたことから、2017年(平成29年)4月以降の生放送番組の一部は、気象情報部(放送上の通称は「MBSお天気部」)の独自観測による天気予報を同部と契約する南気象予報士事務所所属の予報士が伝えている。

ラジオを聴きながら歴史のある場所などをウォーキングするリスナー参加型イベントラジオウォークを1982年(昭和57年)に国内の放送局ではじめて実施した。このイベントは、以降も早春(2011年までは2月11日、2012年以降は春分の日)に開催されている(新型コロナウイルス感染拡大の影響で2020年は中止・2021年はウォークラリー方式で開催)。

2011年(平成23年)3月11日の東日本大震災が発災直後、3月13日・19日・20日に深夜番組の一部を休止する代わりに、上泉雄一(毎日放送アナウンサー)の進行でフィラー番組として「ミュージックアワー」を放送。洋楽や洋画のサウンドトラックを流す合間に、番組の放送休止告知や地震関連ニュースを随時挿入した。

2021年(令和3年)3月31日まで毎日放送がラジオ放送事業とラジオ放送免許を保有したが、4月1日付でグループ会社の「株式会社MBSラジオ」が承継。「株式会社MBSラジオ」では、4月1日付でJRNとNRNに加盟したほか、「Mラジ」(エムラジ)の愛称と「ポチっとMラジ」のキャッチフレーズを使用している。その一方で、4月1日付でテレビ単営局へ移行する毎日放送では、正社員や「シニアスタッフ」(定年後の嘱託契約社員)に当たるアナウンサーの管理業務を「総合編成局」(同日付で新設)が引き継いだ。このため、毎日放送のアナウンサーは、株式会社MBSラジオの制作・放送番組にも「MBSアナウンサー」として出演している。

主な受賞歴に『ネットワーク1・17スペシャル~盛土崩壊』で2022年(令和4年)日本民間放送連盟賞ラジオ報道番組最優秀賞を受賞しラジオ番組グランプリ候補作品になった。CM部門でもラジオCM『栃木県庁 大阪センター 関西での栃木県の認識度向上/栃木県 実際どうなん 篇』(20秒)がラジオCM第1種(20秒以内)で最優秀賞を受賞した。同局は同賞をラ・テ分社化以前から実に多くの番組で受賞しているが分社化以降では初の最優秀賞だった。

沿革[編集]

分社化前の放送局としての沿革は毎日放送#年表を参照。ここでは現行運営会社の株式会社MBSラジオの沿革を記載する。

  • 2020年(令和2年)
    • 5月28日
      • 毎日放送のラジオ放送事業をMBSホールディングス傘下の子会社にすることを、この日の毎日放送とMBSメディアホールディングスの取締役会で決議。
      • この決議を受け、同日にMBSメディアホールディングス傘下の「毎日放送ラジオ分割準備株式会社(現在のMBSラジオの前身)」を設立。
    • 11月 - 毎日放送とMBSホールディングスとの間で、吸収分割契約を締結する。
  • 2021年(令和3年)
    • 3月10日 - 毎日放送が保有するラジオの中波(AM)放送と超短波(FM)補完放送の免許について、「毎日放送ラジオ分割準備株式会社」(社名は同日時点)が4月1日付で承継することを、総務省から許可を得る。
    • 4月1日
      • 社名を現在の「株式会社MBSラジオ」に変更
      • 毎日放送が所有していたラジオの中波(AM)放送と超短波(FM)補完放送の免許を継承
      • ジャパン・ラジオ・ネットワーク(JRN)と全国ラジオネットワーク(NRN)に、毎日放送と入れ替わりに加盟
  • 2023年(令和3年)3月17日 - 毎日放送のキャラクター「らいよんチャン」の姉妹キャラクターとして、MBSラジオ初のキャラクター「らじおんチャン」が登場。この日同社の翌月(4月)の番組改編の会見に於いて発表する。

アナウンサー[編集]

毎日放送では、株式会社MBSラジオへのラジオ放送事業移管・テレビ単営局への移行と同時に、2021年4月1日付の社内組織改編で「総合編成局」を新設。テレビ・ラジオ兼営局時代に単独で運営していたアナウンスセンター(アナウンサーの管理部署)を総合編成局に組み込んだ。その一方で、株式会社MBSラジオではアナウンサーを独自に採用していないため、毎日放送総合編成局アナウンスセンター所属のアナウンサーが「MBSアナウンサー」としてラジオ番組への出演を続けている。アナウンスセンターでは兼営局時代から所属アナウンサー(主にスポーツアナウンサー)をGAORA(CSデジタル放送サービスを運営する関連会社)の番組にも出演させているため、「『MBSアナウンサー』が地上波テレビ・CS・ラジオの3波で番組に出演できる」体制は、株式会社MBSラジオの発足後も維持されている。

MBSラジオは2022年度から新卒向けの社員採用活動を始めているが、募集対象の職種は総合職(ラジオ番組の編成・制作・広告営業やイベント関連の業務へ従事する社員)のみで、アナウンサーを専門職扱いで独自に採用しない。毎日放送のアナウンサーは、2022年度以降もMBSラジオ制作の番組に「MBSアナウンサー」として出演している。

スタジオ[編集]

本社(2014年4月以降は「M館」と呼称)

いずれもM館に設置。生ワイド番組は基本的にαスタジオとβスタジオを交互に使用する。交互に使う体制は千里丘時代から行われており(ラジオ第6・第7スタジオの交互使用)、次の番組の放送準備がしやすいメリットがあるため、茶屋町への移転後も引き続き行われている。茶屋町スタジオの完成当時は双方のスタジオの様子を把握するため、両スタジオにカメラとモニターが設置されていた。

  • α(アルファ)スタジオ
    • 『ヤマヒロのぴかッとモーニング』(平日午前)、『こんちわコンちゃんお昼ですょ!』(平日午後)、『ネットワーク1・17』(月曜夜間→日曜早朝→土曜夕方)、『ありがとう浜村淳です土曜日です』(土曜午前、2024年3月まで平日の午前帯に編成していた『ありがとう浜村淳です』でも使用)、『豊永真琴のMBSミュージックパーク』(土曜午後・夕方、夜間に及ぶ場合もあり)、『MBSベースボールパーク』(前座コーナー、後座番組、中継内のスタジオ進行パート、および土・日曜日に放送するナイターオフ版)、自社制作による平日夜間のナイターオフ番組(毎日放送時代の2017 - 2020年度は『MBSヨル隊』→MBSラジオへの移管後の2023年度は『不惑のMラジ』という共通レーベルを設定)
  • β(ベータ)スタジオ
    • 『上泉雄一のええなぁ!』シリーズ(平日ランチタイム → 平日夕方 → 月 - 木曜夕方 → 平日早朝)、『松井愛のすこ〜し愛して♥』(通年では金曜夕方 → 平日ランチタイム)、『福島のぶひろの、金曜でいいんじゃない?』→『福島のぶひろの いんじゃない?』を含む「夕方もポチっとMラジ」レーベルの生ワイド番組(平日夕方)、『かめばかむほど亀井希生です!』(土曜早朝)、『サンデーライブ ゴエでSHOW!』(日曜ランチタイム)、『ヤングタウン日曜日』(日曜深夜)、『MBSマンデースペシャル』枠の生放送番組(『厳選!月イチジャーナル』『桂文枝の茶屋町ホテル』『石井亮次と福島暢啓のフダンギダンギ。』など)
    • 2018年には、1月8日(月曜日・成人の日)から2月上旬まで改修工事を実施した 関係で、3月4日(日曜日)まで本社内の会議室(かつての役員室)に仮設したスタジオ から『子守康範 朝からてんコモリ!』『 - すこ〜し愛して♥』『かめばかむほど - 』『 - ゴエでSHOW!』および『上泉雄一のええなぁ!』シリーズを生放送。対象番組では、リスナーに対して、出演者がその旨を随時伝えていた。
  • γ(ガンマ)スタジオ - ラジオCMの録音や、ラジオの録音番組の収録などに使用。以前は定時ニュース(『MBSニュース』)にも使用していた。番組出演者がトークの合間にミキサーの操作やCDなどの音出しなどができるように機器を配置していることから、パーソナリティが基本として1人で生放送を進行する『あどりぶラヂオ』(火 - 木曜深夜)でも2021年10月の番組終了まで活用。
  • δ(デルタ)スタジオ - ニューススタジオ(2018年10月から2022年9月までの放送上の呼称は「報道フロア」)
    • 『MBSニュース』(生ワイド番組への内包分を含む)
    • 2018年のβスタジオ改修工事中は、『報道するラジオ』(『厳選!月イチジャーナル』の前身番組)、『次は〜新福島!』(当時のナイターオフ番組)の本編および、『こちら茶屋町お天気部!』の生放送でも使用。
  • ちゃやまちプラザ(ちゃプラステージ)
    • 2014年4月の本社新館(B館)開設を機に、M館1階のエントランスに新設されたオープンスタジオ。ラジオでは『茶屋町アイドルプラザ』の公開録音・生放送などに使用。
東京支社(MBS Tokyo Biz Studio)
  • 東京都港区赤坂5丁目3-1(赤坂サカス内)赤坂Bizタワー28階
ラジオ番組の収録に用いることを基調に、テレビ番組の収録・生中継にも対応できる多目的スタジオとして造られている。スタジオ設備のうち、ラジオ放送・収録用の「ラジオブース」では、本社での「受けサブ」を介さない生放送も可能である。
レギュラーで使用する番組は『アッパレやってまーす!』、『イマドキッ ドゥフドゥフ90分』、『ヤングタウン金曜日』、『ヤングタウン土曜日』、『ゴチャ・まぜっ天国!』、『オレたちゴチャ・まぜっ!〜集まれヤンヤン〜』『ごぶごぶラジオ』など。本社との二元生放送は、2017年8月1日深夜の『ザ・ヒットスタジオ(火)』 やミッツ・マングローブのOSAKA・ん!メガミックスなどでも実現している。また、首都圏に在住・滞在のコメンテーターがMBSラジオの生放送番組へ出演する場合に、本社スタジオとの二元中継形式で使用することがある。

新型コロナウイルス感染症の流行に伴う暫定措置(2020年)[編集]

本社では、放送・収録中に閉めることを原則に定めていたスタジオと副調整室の間のドアを、4月6日(月曜日)から放送・収録中も開放。生放送番組のレギュラー出演者の一部(毎日放送報道局気象予報部所属の気象予報士など)やゲストについては、Tokyo Biz Studioからの中継や、滞在先からスカイプ・電話を通じた出演へ徐々に切り替えるなど、感染拡大の一因とされる飛沫感染の回避に努めていた。8日水曜日の『上泉雄一のええなぁ!』から、複数の出演者が対座することの多いα・βスタジオ内のテーブル中央部にアクリルボードを設置。「街角ステーション」(当時『松井愛のすこ〜し愛して♥』の金曜日に内包されていたMBSラジオの企画ネット版)を含む生中継のコーナー・企画も、同月からは一時スタジオからの生放送に変更していた。4月13日(月曜日)以降の自社制作番組では、スタジオへ同時に滞在できる人数を、原則として3人以下に制限。スタジオへ同時に出演する人物が(コーナーレギュラーを含めて)4人以上の生放送番組では、一部のコーナーをスタジオとは別の部屋(前述した会議室など)からの生中継方式で放送していた。

日曜以外の曜日に生放送を実施していた『ありがとう浜村淳です』では、感染予防策の一環で、浜村淳(当時85歳)を4月28日(火曜日)から5月23日(土曜日)まで自宅からの中継で出演させている(当該項で詳述)。

Tokyo Biz Studioでは、 テレビ(MBSテレビ制作)番組である『痛快!明石家電視台』(5月25日・6月1日放送分「復活!リモート収録で明石家メンバーになにをきくねん」)の収録で、2020年5月18日にラジオブース を使用した。通常は本社内のテレビスタジオで隔週月曜日に実施している公開収録を、新型コロナウイルス感染拡大の影響で同年の3月上旬から休止していたことに伴う措置で、大半の出演者は自宅からの中継を通じて収録に参加。6月2日(月曜日)にも、上記の方式で収録を実施したうえで、その模様を同月9日・16日に放送した。



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