J2リーグ
J2リーグ(英: J2 LEAGUE)は、日本サッカーのリーグ構成における2部リーグで、日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)の2部リーグ。略称はJ2。
タイトルパートナー契約(後述)により2024年から「明治安田J2リーグ」(2015年から2023年まで「明治安田生命J2リーグ」、英: MEIJI YASUDA J2 LEAGUE)の名称を用いている。
概要[編集]
1999年にJリーグの2部化によって誕生した。初年度のJ2は、J1参入決定戦でJ1参入が叶わなかった2クラブと第7回ジャパンフットボールリーグ (1998年) の参加クラブのうちJリーグ入りを希望していた8クラブの計10クラブで争われた。その後のエクスパンションを経て、2012年から2023年までは長らく22クラブで行われており(2024年以降は20クラブで行われる予定)、成績上位のクラブはJ1リーグ(明治安田生命J1リーグ)へ昇格し、成績下位のクラブはJ3リーグ(明治安田生命J3リーグ)へ降格する。
リーグ開始当初から現在まで2ステージ制を採用したことはない。
リーグカテゴリーカラーは緑。明治安田生命とのタイトルパートナー契約の際にJリーグの基調カラー(赤・緑・黒)から採用されたものだが、2022年のタイトルパートナー契約更新の際に「太陽に向かい成長する樹木の緑」とのブランディングが成されている。
大会名称[編集]
開始当初から2014年までは「Jリーグ ディビジョン2」(英: J. LEAGUE DIVISION 2)の呼称を用いており、リーグとしての冠スポンサーは存在しなかった。
2015年シーズンからは明治安田生命保険相互会社とJリーグ全体のタイトルスポンサーとしての契約(Jリーグタイトルパートナー契約)を締結し、リーグ戦の名称を「明治安田生命J2リーグ(MEIJI YASUDA J2 LEAGUE)」とすることとなった。2018年と2022年に明治安田生命保険との4年契約を更新している。さらに2024年からは、リーグ戦の名称を「明治安田J2リーグ」とすることになった。
所属クラブ(2024年)[編集]
クラブ名 | Jリーグ
加盟年 |
J2在籍年 |
---|---|---|
ベガルタ仙台 | 1999年 | 1999-2001,2004-2009,2022- |
ブラウブリッツ秋田 | 2014年 | 2021- |
モンテディオ山形 | 1999年 | 1999-2008,2012-2014,2016- |
いわきFC | 2022年 | 2023- |
水戸ホーリーホック | 2000年 | 2000- |
栃木SC | 2009年 | 2009-2015,2018- |
ザスパクサツ群馬 | 2005年 | 2005-2017,2020- |
ジェフユナイテッド千葉 | 1991年 | 2010- |
横浜FC | 2001年 | 2001-2006,2008-2019,2022,2024- |
ヴァンフォーレ甲府 | 1999年 | 1999-2005,2008-2010,2012,2018- |
清水エスパルス | 1991年 | 2016,2023- |
藤枝MYFC | 2014年 | 2023- |
ファジアーノ岡山 | 2009年 | 2009- |
レノファ山口FC | 2015年 | 2016- |
徳島ヴォルティス | 2005年 | 2005-2013,2015-2020,2022- |
愛媛FC | 2006年 | 2006-2021,2024- |
V・ファーレン長崎 | 2013年 | 2013-2017,2019- |
ロアッソ熊本 | 2008年 | 2008-2018,2022- |
大分トリニータ | 1999年 | 1999-2002,2010-2012,2014-2015,2017-2018,2022- |
鹿児島ユナイテッドFC | 2016年 | 2019,2024- |
開催方式[編集]
開催日時[編集]
2011年シーズンまでの数年は原則として毎週土曜日と日曜日に振り分け、終盤の数節を除いて土曜日に2-4試合程度、日曜日に残りの6-8試合程度を開催していた。2012年シーズンからは原則は日曜日が開催日となった。また、1クラブあたりホーム・アンド・アウェーで42試合を開催するため、月に1回程度(ゴールデンウィーク・お盆休みなども含む)は平日(主として水曜)に試合を開催することがある。
平日は祝日と重ならない範囲であれば基本としてナイターである。但し、開催初期の時代には照明設備を持たない会場でも試合を行った関係から、ごく一部では平日にデーゲーム(薄暮含む)を開催した事例がある。
なお、FIFAワールドカップが重複する場合はその年度やチーム数により中断する場合と中断しない場合の2つに分かれる。2002年・2010年はリーグ戦を中断したが、2006年・2014年は期間中にも試合を行った。夏季オリンピックによる中断期間が設けられたことはなかったが、2021年は東京オリンピック期間中にリーグを中断した。2022年は2022 FIFAワールドカップが11月21日に開幕する日程が組まれていて、また、J1参入プレーオフを行う日程の確保により開幕日は前年より1週間、閉幕日は前年より1か月半前倒しの日程となった。
試合方式[編集]
- 20チームによる2回戦総当りの1ステージ(通年制/各チーム38試合)の成績で順位を決定する。
- 勝ち点は3点、引き分けは双方に1点、負けた場合は0点。最終的に勝ち点の多いチームが優勝。同点の場合、得失点差・総得点・直接対決成績・反則ポイント・決定戦の順で決める。なお、決定戦は主催者が特に必要とした場合にのみ実施する。行わない場合は抽選で順位を決める。
昇降格[編集]
- 原則として、上位チームがJ1に昇格し、翌年はJ1所属となる(詳細は入れ替え制度の項目を参照)。2012年からは、上位2チームが自動で昇格し、残る1チームについては、J1昇格プレーオフ、J1参入プレーオフを行って決める。
- 2012年シーズンから下位チームとの間で日本フットボールリーグ (JFL) との昇降格が実施された。2014年シーズンからは昇降格の対象が同年に新設されたJ3リーグに変更された。
「J2リーグの将来像」の決定[編集]
2008年7月、Jリーグは「J2リーグの将来像」として、以下の3項目を理事会で承認した。
- J2の参加クラブ数は最大22とする(2012年に到達)。
- J2参加クラブ数が19に達したシーズン以降、日本フットボールリーグ(JFL)から入会できるクラブ数は22から逆算して定められる。ただし、この場合も「JFL4位以内」など、一定の成績条件が設けられる(2010年度から適用)。
- J2の参加クラブ数が22に達したシーズン以降はJ2とJFLと入れ替え制度を導入(2012年度のポストシーズンから実施)。
- Jリーグ準会員がJFLにおいて1位となった場合にはJ2の最下位(22位)と自動入れ替えとなる。
- Jリーグ準会員がJFLにおいて2位になった場合にはJ2の21位(JFL1位が準会員でない場合は22位)と入れ替え戦(J2・JFL入れ替え戦)を実施する。
- 当初は以下の項目が想定されていた。
- JFLから最大3クラブがJ2に昇格(Jリーグ入会)し、J2から同数のクラブがJFLに降格(Jリーグ退会)。入れ替え戦等は実施しない。
- JFL所属クラブは、Jリーグが別に定める入会条件を満たさなければ、順位に関わらず昇格(Jリーグ入会)できない。
- J2からJFLへ降格したクラブは、Jリーグ正会員資格喪失。
- J2の参加クラブ数が18に達したシーズン以降はJ1・J2入れ替え戦を廃止し、リーグ戦成績をもって昇降格要件とする(自動昇格・降格のみ採用)(2009年度から適用)。
- J2から最大3クラブがJ1に昇格し、J1から同数のクラブがJ2に降格。
- J2所属クラブは、リーグが別に定めるJ1昇格基準を満たなければ、順位にかかわらず昇格できない。
昇降格に関する備考[編集]
2012年から2017年まで導入されたJ1昇格プレーオフ、ならびに2018年から導入されているJ1参入プレーオフでは参加要件として「クラブがJ1の参入基準を満たしていること」とされており、J1参入資格を持たないクラブ(公式試合安定開催基金から融資を受けており完済前のクラブなど)はプレーオフに参加できない。この条件は従前から設けられていた(ただしこれを適用されたクラブは今までない)が、2012年の昇格プレーオフ実施に当たってルールが厳格化された。
また、Jリーグで2013年から導入された「Jリーグクラブライセンス制度」では、J1・J2別のライセンス基準が導入され、昇降格に当たってはそれぞれのライセンス基準を満たす必要があり、J1基準を満たさない場合にはJ2降格もあり得ると報じられている。2012年にFC町田ゼルビアがJ2に昇格した際には、運営会社設立から赤字続きであることを理由に「昇格初年となる2012年度の決算を黒字にすること」との条件が付いた。
なお、J2の下部に当たる全国リーグとしてJ3リーグが2014年度に創設され、J2の下位2クラブ(21位と22位)は従来のJFLに代わってこのJ3リーグの上位2クラブ と自動入れ替え、あるいは「J2・J3入れ替え戦」参加の対象クラブ(2016年まで)になりうると決められた。ただし、J3所属クラブがJ2に昇格するにはJ2クラブライセンスが必要なため、その取得状況次第で、J2で21位以下のチームにもJ2への自動残留、ないし自動降格から入れ替え戦参加へと変更される場合がある。
2020年シーズンは新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) による影響からJ1及びJ2からの降格は行われず、昇格のみが行われた。これを補正するため、2021年シーズンは「昇格2・降格4」のレギュレーションが導入される。
2024年からJリーグの全ディビジョンとも20チームずつでそろえることになり、その移行期間である2023年の大会はJ1からの降格は1チーム(最下位)のみ、J2からの昇格は上位2位までは無条件で、3-6位は昇格プレーオフを行い、そこで勝利したチームが自動昇格となる。2024年度以後も昇格プレーオフは継続する予定で、J1の18位以下の下位3チームがJ2へ降格し、J2からJ1の昇格は2023年の方式をそのまま踏襲する。