Dr.スランプ
『Dr.スランプ』(ドクタースランプ、Dr.SLUMP)は、鳥山明による日本の漫画作品。
概要[編集]
『週刊少年ジャンプ』(集英社)にて1980年5・6合併号(1・2話を同時掲載)から1984年39号まで連載され、『月刊少年ジャンプ』2007年4月号には2007年特別編が掲載された。全18巻の単行本以外にも、1991年に愛蔵版、1995年から1996年に文庫版、2006年から2007年に完全版が発売されている。第27回(1981年度)小学館漫画賞受賞作品。
ペンギン村に住む発明家、則巻千兵衛が作った女の子タイプの人間型ロボット(アンドロイド)、則巻アラレを中心とした、ペンギン村に住む住民たちのハチャメチャな日常を描いたギャグ漫画。基本は1話完結だが、千兵衛とみどりの新婚旅行や、運動会の話など複数回に渡って続くエピソードもあった。
当初、鳥山は則巻千兵衛を主人公として毎回発明品で失敗する、という方向性でストーリーを構想していたが、最終的には担当編集者の鳥嶋和彦の強い意向を汲み入れ、アラレを主人公に据えて展開された。また、本作が短期打ち切りとなった時のことを配慮し、連載開始前からすでに鳥嶋と次回作の打ち合わせをしていたことも明かしている。
鳥山が大の車好きということもあり、一時期は毎回扉絵にアラレたちが自動車を運転するシーンが多く描かれたほどだったが、あまりに描きすぎたことから鳥嶋に注意されてしまった、というエピソードもあった。このように大概は鳥嶋の意向を汲んできた鳥山であったが、自身は恋愛漫画を描くのが大の苦手であり、鳥嶋から出されたアラレとオボッチャマンほかのラブシーンの要求には気が進まず拒否した。実際に、作中では千兵衛とみどりが結婚した際もギャグタッチのプロポーズシーンで済ませたほどであり、その他のキャラクターたちの恋愛エピソードも多くは描かれていない。
1981年4月には『Dr.スランプ アラレちゃん』のタイトルでアニメ化され、視聴率36.9%のアニメ視聴率歴代3位を記録する大ブームを巻き起こした。主にアラレのキャッチーなキャラクターが大いに受け、原作が少年誌掲載でありながらも、その人気は女性や未就学児にまで広がった。
「Dr.スランプ アラレちゃん#視聴率」も参照
同年12月に発売されたジャンプ・コミックスの第5巻はアニメのヒットに伴い、それまで『ドラえもん』が保持していた日本におけるコミック単行本の初版部数(120万部、巻数は不明)を上回る初版130万部を発行。第6巻では初版220万部とその数をさらに伸ばした。単行本の累計発行部数は3000万部を突破している。
1997年には2回目のアニメ作品『ドクタースランプ』(以下、第2作)を放送。原作者の鳥山がキャラクター原案・監修を担当している。また、『Vジャンプ』にて1997年12月号から2000年7月号までリメイク版の『ドクタースランプ』漫画版(原作・監修 / 鳥山明、脚本 / 成田良美、作画 / 山室直儀)が連載された。こちらは単行本化されていないが、2008年3月21日に発売されたTVアニメ『ドクタースランプ』DVD-BOXの特典として復刻コミック化している。
なお、2024年に大韓民国の衛星放送・JTBCにて生放送された同じ題名のテレビドラマとは一切関連がない。