DMG森精機
DMG森精機株式会社(ディーエムジーもりせいき、英: DMG MORI Co.,Ltd.)は、世界最大手の工作機械製造会社。マシニングセンタ(MC)・数値制御(NC)旋盤・5軸加工機・複合加工機・アディティブマニュファクチャリング(AM)機で強みを持つ。2013年9月までの旧社名は株式会社森精機製作所(もりせいきせいさくしょ)。ドイツ企業ギルデマイスターグループ(DMG)と2009年から業務・資本提携を始め、2016年に経営統合完了。
2014年7月に東京都江東区潮見に東京グローバルヘッドクォータを開設し、DMG MORIグループの本社を移転。 2022年7月には奈良県奈良市に第二本社として奈良商品開発センタを設立。東京グローバルヘッドクォータとともに、両拠点を本社とする二本社制を導入している。。
世界各地に開発・生産拠点を設け、業界で類を見ない顧客に密着した体制を構築し、付加価値提案を通じて、顧客の課題解決に貢献している。
- 日本:三重県伊賀市、奈良県大和郡山市、奈良県奈良市、北海道札幌市、東京都渋谷区、新潟県長岡市
- ドイツ:バイエルン州フロンテン、ゼーバッハ、ノルトライン=ヴェストファーレン州ビーレフェルト、ラインラントプファルツ州シュティップスハウゼン、ミュンヘン、シュツットガルト、フランクフルト、ハンブルク
- アメリカ合衆国:シカゴ、ボストン、ダラス、ロサンゼルス、ヒューストン、シアトル、ノースカロライナ州シャーロット、カリフォルニア州デービス
- ポーランド:プレシェフ
- イタリア:ミラノ、トルトナ、ベルガモ
- 中国:上海、天津、浙江省平湖
- インド:コインバトールラクシュミ(生産委託(OEM))
概要[編集]
主に工作機械(マシニングセンタ、数値制御装置付旋盤及びその他の製品)の製造、販売を手掛けている。工作機械製造会社としての歴史は古くないが、機械工作の主流がNC加工へと移って以降に急伸した。
2000年代からは複合加工機、2010年代からは5軸加工機、2020年代からは自動化システム、アディティブマニュファクチャリング機というように、約10年ごとに起こる社会的ニーズの大きな変化に応じて、ビジネスモデルを発展させ、提供する製品・サービスを成長させている。また、工作機械本体に加え、計測装置やソフトウェアの開発も行い、修理復旧サポート、アプリケーション、エンジニアリングを包括したトータルソリューションを提供している。また、自社製品を活用した高度な基幹部品の内製にも強みを持つ。
2023年には5軸・複合加工機による工程集約、ロボットやAMRによる自動化、GX(グリーン・トランスフォーメーション)、DX(デジタル・トランスフォーメーション)を活用して、サステナブルな社会を実現するMX(マシニング・トランスフォーメーション)という取り組みを発表した。
GXにおいては、三重県伊賀市の事業所の工場屋根に太陽光パネルを設置、設置面積約130,000㎡、パネル容量13,400kWで国内最大の自家消費型太陽光発電システムを導入した。
歴史[編集]
1948年(昭和23年)に奈良県大和郡山市で創業した。当初は繊維機械を製造していたものの、1958年(昭和33年)に工作機械製造へ進出し、1968年(昭和43年)には数値制御式(NC)旋盤の製造を始めた。
2001年(平成13年)5月には、独創的なCNC立形研削盤で知られていた太陽工機が傘下入りし、 2002年(平成14年)には複合加工機で定評のあった日立精機の事業を吸収した。
2005年(平成17年)4月には、CNC旋盤における「ビルトインモータ・タレット」の開発において、2004年度日本機械学会賞(技術)を受賞した。
2009年(平成21年)3月、ヨーロッパ最大手の工作機械メーカー、ギルデマイスターグループと資本提携。
2010年(平成22年)3月末には、ソニーの子会社であるソニーマニュファクチュアリングシステムズから計測機器事業を買収し、株式会社マグネスケールを設立した。
2013年(平成25年)3月、ギルデマイスターグループとの提携強化の一環として社名を「DMG森精機株式会社」に変更することを発表し、同年10月1日付けで変更した。なおギルデマイスター社(GILDEMEISTER AKTIENGESELLSCHAFT)も社名を「DMG MORI SEIKI AKTIENGESELLSCHAFT」に変更している。
2014年(平成26年)7月、東京都江東区潮見に東京グローバルヘッドクォータ(グローバル本社)を開設。
2015年(平成27年)3月25日までの株式公開買い付け(TOB)で目標にしていた保有割合50%を超え、同年5月付けで独DMG MORI SEIKIを子会社化し、6月に社名をDMG MORI Seiki Aktiengesellschaft からDMG MORI Aktiengesellschaftに変更。これにより世界最大の工作機械メーカーとなった。また、同年4月1日には、アマダマシンツールより旋盤事業を譲り受けた。
2018年(平成30年)10月 創立70周年記念として顧客70社に5軸マシニングセンタ「DMU 50 3rd Generation 」70台を貸し出し、「5軸加工研究会」を発足、現在の会員は150社に上る
2019年(平成31年)10月 インドコインバトールラクシュミ社での立型マシニングセンタを生産委託開始
2020年(令和2年)5月 機械購入後のお役立ち情報を提供する会員制ポータルサイト「my DMG MORI」を立上げ
2020年(令和2年)5月 KDDI、NTTコミュニケーションズと5G環境構築による共同検討・実験を開始
2020年(令和2年)6月 金属積層造型機LASERTEC 30 DUAL SLMを発表
2020年(令和2年)7月 伊賀グローバルソリューションセンタをフルCG(4K画質)化したデジタルツインショールームを公開
2021年(令和3年)1月 DMG森精機 健康経営宣言
2022年(令和4年)3月 国立大学法人奈良女子大学と包括協定を締結し、女性工学系人材の育成支援を開始
2022年(令和4年)7月 奈良県奈良市に奈良商品開発センタ(第二本社)を開設
2022年(令和4年)9月 伊賀事業所に国内最大の自家消費型太陽光発電システムを導入
2023年(令和5年)4月 地域の顧客や学生に対し、工作機械の基礎的な内容から5軸加工機での高度な加工に関するトレーニングを提供する場として、DMG MORI ACADEMY浜松を開所。2023年5月に金沢、2023年9月に仙台にも同施設を開所した。2024年春には岡山の開所を予定する。
2023年(令和5年)9月 倉敷機械株式会社の株式の取得(連結グループ化)を発表。2024年1月5日に倉敷機械を連結グループ化を完了。4月1日にDMG MORI Precision Boring株式会社に社名変更。
主要製品[編集]
- マシニングセンタ
- 5軸加工機
- 複合加工機
- アディティブマニュファクチャリング機
- ターニングセンタ(CNC旋盤)
- 自動化システム
- ソフトウェア(ユーザーインタフェース、テクノロジーサイクル、組込ソフトウェア)
- 計測装置
- 周辺機器、修理復旧サポート、アプリケーション、エンジニアリングを包括したトータルソリューション
グローバル拠点[編集]
- 日本:三重県伊賀市、奈良県大和郡山市、奈良県奈良市、北海道札幌市、東京都渋谷区、新潟県長岡市
- ドイツ:バイエルン州フロンテン、ゼーバッハ、ノルトライン=ヴェストファーレン州ビーレフェルト、ラインラントプファルツ州シュティップスハウゼン、ミュンヘン、シュツットガルト、フランクフルト、ハンブルク
- アメリカ合衆国:シカゴ、ボストン、ダラス、ロサンゼルス、ヒューストン、シアトル、ノースカロライナ州シャーロット、カリフォルニア州デービス
- ポーランド:プレシェフ
- イタリア:ミラノ、トルトナ、ベルガモ
- 中国:上海、天津、浙江省平湖
- インド:コインバトールラクシュミ(生産委託(OEM))
- ロシア:2022年3月に生産中止を発表
国内事業所[編集]
- 東京グローバルヘッドクォータ(東京都江東区)
- 奈良商品開発センタ(奈良県奈良市)
- 伊賀事業所(三重県伊賀市)
- 奈良事業所(奈良県大和郡山市)
- 東京デジタルイノベーションセンタ(東京都江東区)
- DMG森精機セールスアンドサービス株式会社(日本営業本社)(愛知県名古屋市中村区)