ANAホールディングス
ANAホールディングス株式会社(エーエヌエーホールディングス、英: ANA HOLDINGS INC.)は、全日本空輸(ANA)を中心とする企業グループ、ANAグループの持株会社。日経平均株価およびTOPIX Large70の構成銘柄の一つ。
概要[編集]
航空輸送事業を行っていた全日本空輸株式会社(旧)が2013年4月1日に子会社(旧:ANAホールディングス(株))に事業を譲渡し自らを持株会社制に移行したものである。定期航空運送事業を中心とする企業グループの経営の統括を目的とする持株会社で、航空輸送事業、旅行事業、商社事業を行う企業の株式を保有し、ANAグループの経営戦略の立案や経営管理を行う。社名は持株会社制移行時に現在のものに変更した。航空機の登録名義は持株会社制移行後もANAホールディングスに残されている。 なお、航空運送事業を継承した子会社(旧:ANAホールディングス(株))は全日本空輸株式会社(新)に社名変更している。
自民党総合政策研究所にホールディング傘下である全日本空輸から社員を送り込んでいる。
沿革[編集]
航空会社時代[編集]
- 1952年(昭和27年)12月26日 - 極東航空株式会社が設立される。
- 1952年(昭和27年)12月27日 - 日本ヘリコプター輸送株式会社が設立される。
- 1957年(昭和32年)12月 - 日本ヘリコプター輸送株式会社が商号を全日本空輸株式会社に変更。
- 1958年(昭和33年)3月1日 - 極東航空株式会社と全日本空輸株式会社が合併。
- 1961年(昭和36年)10月 - 東証第二部と大証第二部に上場。
- 1975年(昭和50年)7月21日 - 東証、大証とも第一部に上場。
- 1991年(平成3年)10月 - ロンドン証券取引所に上場。
- 2012年(平成24年)4月2日 - 持株会社化に向け航空輸送事業の受け皿子会社(旧)ANAホールディングス株式会社を設立。
持株会社時代[編集]
- 2013年(平成25年)4月1日 - 航空輸送事業を子会社であった(旧)ANAホールディングス株式会社に譲渡し持株会社となり、商号を(新)ANAホールディングス株式会社に変更。
- 航空輸送事業を譲り受けた子会社(旧)ANAホールディングス株式会社は商号を(新)全日本空輸株式会社に変更。
- 筆頭株主でもある名古屋鉄道グループとは様々な形で深い繋がりを持っている。
- 2016年(平成28年)3月22日 - システム障害、国内線87便欠航。
- 2017年(平成29年)4月 - 持分法適用会社であったPeach Aviation株式会社の株式を、株式会社産業革新機構及びFirst Eastern Aviation Holdings Limitedから追加取得し、出資比率を67%に引き上げ連結子会社とする。
グループ傘下企業[編集]
- 全日本空輸株式会社
- ANAウイングス株式会社
- 株式会社エアージャパン
- Peach Aviation株式会社
- 株式会社ANA Cargo
- 全日空商事株式会社
- ANAセールス等の航空関連子会社・地上支援会社等
スカイマーク支援[編集]
2015年(平成27年)、スカイマークに対して29億7千万円 (16.5%) の出資を行うことを決定した。同年、スカイマークが民事再生法の適用を申請した後に組織された再生チームは、スポンサーを募集。その他の航空業界からは、デルタ航空、アメリカン航空、エアアジアなどが支援の意向表明をしたが、具体的な提案は特になかったと言われている。
同年8月5日、債権者集会が開催され、当社・日本政策投資銀行・投資ファンドインテグラル側の支援案と、債権者側である米航空機リース会社イントレピッド・アビエーションと米デルタ航空による独自案との決選投票が行われた。その結果、議決権額60.25%、債権者数135.5票で当社などによる支援案が採用され、決着した。本再生案の成立に必要条件とされていた2つの点(投票した債権者数の過半数、議決権総額の2分の1以上)を同時に満たした。決め手となったのは、スカイマークが機体購入をキャンセルしていた大型旅客機エアバスA380の買取りも含めた提案といわれている。本件ではスカイマークはエアバスに対して最大約7億ドルという巨額の違約金を抱えていた。一方、同時期に支援を名乗り出たデルタ航空からエアバスに対しては、期限までに機材発注の提案がなかった。
支援策決定後、各メディアは国内における「第3極」勢力としてのスカイマークの存在意義を問う論調であったが、当社の長峯豊之取締役は「スカイマークの経営独立性は担保されており、運賃や路線の設定などの面でANAが関与することはない」とスカイマークの独自性を保持するとした。インテグラルの佐山代表も、交渉中はANAの進め方に反発する場面もあったが、再編案の収束後は「第1幕が終わり、今は同じ船に乗って第2幕が始まる。まったく違うステージにこぎ出す」「ANAが出資することでスカイマークの運賃が高止まりするとの声もあったが、ANAとしても出資先のスカイマークの売上が減るので意味がない。」と話した。
なおANAはコードシェアやシステムの統合をはじめとして議論し、今後のスカイマークに対して整備・営業部門から人材を送ることで、機体の整備や販路開拓の活動を支援する方針である。これに対し、「再上場を目指すスカイマークは全日空への依存度が高まることを警戒し、自前のシステムにこだわっている」と日本経済新聞に評されている。
この結果として、当社は羽田空港で8%分の一日36枠という発着枠を取り込み、出資先を合わせた同空港発着枠のシェアは約6割に上ることとなった[出典無効]。
CM[編集]
- きたえた翼は、強い。 - 企業CMのキャッチコピーで、ANAの心からのメッセージとして知られる。