24時間テレビ 「愛は地球を救う」
『24時間テレビ 「愛は地球を救う」』(にじゅうよじかんテレビ あいはちきゅうをすくう、英: 24HOUR TELEVISION "LOVE SAVES THE EARTH")は、1978年から毎年8月下旬の土曜から日曜にかけて日本テレビ系列および沖縄テレビ放送で生放送されている日本の長時間特別番組。通称『24時間テレビ』、『24HTV』。
日本テレビ系列(NNN・NNS)30社に沖縄テレビ(フジテレビ系列)を加えた31社が共同で主催している。
第17回(1994年)以降の正式番組タイトルは『24時間テレビ○○ 「愛は地球を救う」』(○○には放送回が入る)。第14回(1991年)以前は『19xx スーパー・スペシャル』という冠タイトルも頭に付けられていたが、番組冒頭のオープニングなど、ごく一部でしか表記されていなかった。
概要[編集]
1978年、「愛は地球を救う」をキャッチフレーズとして、日本各地でチャリティーキャンペーン活動を行う番組として誕生した。年末年始や緊急時などを除いて、通常の放送を休止し特別番組を終夜放送することは当時としては画期的な企画であった。
視聴者からの寄付を、国内外の福祉・環境保護・災害復興の支援に役立てる事を目的とした番組であり「本当の主役は(テレビの前の)あなたです」を謳い文句にしている。このキャッチフレーズは2000年代初頭までエンディングで表記されていたが、表記されなくなった後も徳光和夫が番組内で時折「テレビをご覧の皆さんが主役」とこのフレーズに言及することがある。
番組のイメージカラーは黄色で、番組のシンボルマークは久里洋二が制作した。赤色・黄色・緑色のグラデーションで色付けされた太陽と軌道上を周回する地球をデザインしたものである。
毎年8月下旬の土曜日夜から日曜日夜まで生放送されている(8月最終週の週末に放送されることが多い)。第1回(1978年)の放送時間は土曜日20:00 - 日曜日20:00であり、文字通り「24時間」であったが、その後は回により増減しながら24時間以上放送されるようになり、第25回(2002年)以降は原則として土曜日18:30 - 日曜日20:54と26時間半に亘って放送されている。
番組内容は毎年設定されるメインテーマに基づき、健常者のみならず、障害者や被災者、難病患者などにも着目、チャリティーマラソンやドラマスペシャル、ドキュメンタリー、チャレンジ企画などを中心に構成されている。番組内では出演者が応援ソングを歌う場面があり、使用される楽曲は毎年40曲前後にも上る。
第3回(1980年)から第41回(2018年)までメイン会場として日本武道館が使用されていた。第42回(2019年)以降は両国国技館が使用されている。その他、日産グローバル本社ギャラリーや系列各局のイベント会場では、チャリティーオークションなどのチャリティーイベントが開催される。
徳光和夫は1978年の番組開始以来全ての回に出演している。第3回(1980年)から第33回(2010年)まで31年連続で総合司会を務めた。
2000年代以降のメインパーソナリティーは旧ジャニーズ事務所(現:SMILE-UP.)の所属タレントがほぼ独占扱いで起用されている。担当回数が歴代最多のメインパーソナリティーは櫻井翔と二宮和也(6回)で、嵐として第27回(2004年)・第31回(2008年)・第35回(2012年)・第36回(2013年)・第42回(2019年)に、櫻井は個人として第40回(2017年)、二宮もジャにのちゃんねるとして第45回(2022年)に務めている。
8月28日は本番組の制作局であり、日本の民間放送テレビ第1号の日本テレビ放送網(日テレ)並びに日本テレビ系列局で大阪準キー局の讀賣テレビ放送(ytv)の開局記念日でもある。本番組も日テレの開局25周年記念番組の1つとして開始した経緯がある(後述)。なお、本番組の放送日が日テレ・ytvの開局記念日と重なったのは2022年時点で第11回(1988年)・第28回(2005年)・第33回(2010年)・第39回(2016年)・第45回(2022年)の計5回が該当する。
募金活動[編集]
全国31社の民間放送局によって、全国から寄せられた募金の管理および適切な配分・行使を行うことを目的として「24時間テレビチャリティー委員会」を組織している。全国各地で行われるチャリティーキャンペーン活動は、加盟各社がそれぞれの放送エリアで独立して実施している。
募金は経費を一切差し引くこと無く、全額が3つの支援活動に分配されて活用される。
- 「福祉」(高齢者や身体障害者への支援):福祉車両の贈呈、身体障害者補助犬普及支援、障害者情報保障支援など
- 「環境」(地球環境保護支援):日本をきれいにするプロジェクト、全国各地での環境美化活動など
- 「災害復興」(災害緊急支援):日本国内外で発生した災害に対する緊急支援など
委員会や主催局は、社会福祉法第73条及び同施行規則14条・15条に基づき、厚生労働大臣の許可を得て募金活動・慈善活動・資金配分などを行っている。この様な法的な規制や公正な募金活動の実施のため、募金スタッフの責任者は法令に基づいた「寄附金募集従事証」を所持している。
2013年12月1日、「24時間テレビチャリティー委員会」は内閣府の公益認定等委員会から公益社団法人の認定を受けた。これにより、新たに発足した「公益社団法人24時間テレビチャリティー委員会」に対する寄附金には寄附金控除(企業の場合は損金参入)などの税制上の優遇措置が適用されるようになった。
募金方法[編集]
募金については、メイン会場の日本武道館、汐留・日本テレビ本社(超☆汐留パラダイス!会場内)、日産グローバル本社ギャラリー、系列各局の社屋やイベント会場、協賛企業・協力店で受け付けているほか、金融機関での振込による募金やイオンカード、クレジットカード、携帯電話のキャリア決済を利用したインターネット募金も可能。金融機関の24時間テレビ専用口座での振込募金は年間を通じて行う事が可能となっている。地域によっては郵便局での現金書留を受け付けている系列局もある。かつては武道館や各ネット局にオペレーターを配置し電話による募金受付も行っていたがいずれも廃止されている。募金の方法は番組内及び公式サイトなどでも案内される。
大規模な災害が発生した場合には、日本テレビ系列各局が発生直後から「24時間テレビ緊急募金」を告知し募金を呼びかけている。この際、預けられた募金は日本赤十字社を通じて全額が被災地への義援金として贈呈される。
現在では携帯電話のウェブコンテンツを利用した「24時間テレビケータイチャリティー」も実施しており、番組携帯サイトから待ち受け画像や着信ボイス、着信ムービーなどのチャリティーコンテンツを購入することで募金に参加することができる。第35回(2012年)以降はスマートフォンからも参加可能になった。第43回(2020年)以降はスマートフォン決済については「キャッシュレス募金」に名称を変更し、新たな決済方法としてPayPayやLINE Payといったスマートフォン決済サービスに対応した。第45回(2022年)からはd払い・au PAY・AEON Pay・Apple Pay・Google Pay・Amazon Payにも対応する。
日本テレビの夏のイベント「超☆汐留パラダイス!」の収益の一部もチャリティー募金として寄付されている。
本番組の募金活動を悪用した詐欺行為が度々発生している。そのため番組内や公式サイト、募金の告知スポットCMなどでは戸別訪問募金を一切行っていないことを強調し、詐欺行為に騙されない様に注意を呼び掛けている。