静岡市
静岡市(しずおかし)は、静岡県中部に位置する市。静岡県の県庁所在地であり、政令指定都市のひとつ。県内では浜松市に次ぐ第2位の人口をもつ。
概要[編集]
静岡市は、東京と名古屋の太平洋ベルト地帯上のほぼ中間に位置し、静岡県の東西間でもほぼ中央にあり、静岡市葵区・駿河区・清水区の3区の範囲は駿河湾から日本平、静岡平野や清水平野を経て赤石山脈(南アルプス)の県境まで南北に繋がる。気候は非常に温暖穏やかで雪が殆ど降らず、一年を通して晴れ間が広がる。
旧静岡市と旧清水市の新設合併により、2003年4月1日に設置され、2005年4月1日に全国14番目(県内初)の政令指定都市に移行した。市制施行日は全国の政令指定都市の中で最も新しい。人口・面積ともに県内では浜松市に次ぎ第2位である。県西部の浜松市とともに静岡・浜松大都市圏を形成している(都市雇用圏として静岡市単独では静岡都市圏)。675,930人: 2024年時点人口。
市内には約4万の事業所が置かれ、年間商品販売額では3兆円を超えるなど静岡県中部地区における商業都市、ビジネス都市として機能している。静岡駅から駿府城周辺にかけてを核とした静岡都心と清水港周辺にかけて広がる清水都心を併せ持つ多核都市であり、文化教育拠点として東静岡・草薙副都心の整備が進んでいる。
世界遺産に指定された三保の松原や駿府城、清水港、静岡浅間神社、国宝に指定された久能山東照宮、日本夜景遺産(自然夜景遺産)に認定された日本平、登呂遺跡、オクシズ(奥静岡エリア)など多くの観光資源を有し、大道芸ワールドカップin静岡や静岡まつりなど毎年100万人超の参加者が集まる大規模イベントの他、静岡ホビーショーが開催されるなど 県内の観光都市の一つでもあり、年間約2500万人の観光客が訪れる。
徳川家康が拠点としていた駿府城周辺地域は「駿府」と呼ばれ、江戸時代初期の大御所政治(駿府政権)では、実質的な首都として機能し、江戸・上方(京・大坂)に並ぶ大都市であった。
1969年までの旧安倍郡域吸収合併などにより、全国で5番目に大きい面積を擁すが、森林面積が市域の約80%と全県庁所在地及び政令市の中で最も高く、人口の約98%が市面積の8%に満たない市街地に集積し、高密度な都市を形成している。一方、南海トラフ巨大地震による建物倒壊の懸念から市内マンション化率は政令市で最も低い。そのため地価が高騰する傾向にあり、バブル景気以前の公示地価は横浜市や神戸市など一部の旧六大都市より高く、バブル期の静岡銀行の貸し渋り や人口減少などにより停滞状態にある現在でも、札幌市や千葉市など一部の地方中枢都市や首都圏の大都市を抜き後発政令市ではトップクラスに高い。駿府政権時の駿府九十六ヶ町の町割りにより中心市街地の道路幅が狭い傾向にある。市面積の大半はオクシズより構成される。北部赤石山脈の他、日本平、賤機山、谷津山、八幡山など市街地にも多くの山が存在する。2009年3月27日、国により「中心市街地活性化基本計画」が、2地区(静岡地区、清水地区)に認定された。
地理[編集]
国土地理院の全国都道府県市区町村別面積調によると、静岡市の面積は1,411.90平方キロメートルである。
『静岡県 市区町村の役所・役場及び東西南北端点の経度緯度(世界測地系)』(国土地理院)によると静岡市の広袤は以下の通り。また、『我が国の人口重心 -平成27年国勢調査結果から-』(総務省)による人口重心 も併記する。
- 静岡市役所 - 北緯34度58分32秒 東経138度22分58秒(葵区追手町)
- 東端 - 北緯35度06分54秒 東経138度38分22秒(清水区蒲原:富士川河口)
- 西端 - 北緯35度19分29秒 東経138度04分59秒(葵区田代:百俣沢の頭)
- 南端 - 北緯34度53分55秒 東経138度20分54秒(駿河区石部:大崩海岸)
- 北端 - 北緯35度38分45秒 東経138度13分42秒(葵区田代:間ノ岳)
- 人口重心 - 北緯34度59分51.58秒 東経138度25分16.05秒(葵区古庄五丁目)
地形[編集]
温暖かつ穏やかな気候で知られる。三方を山に囲まれ、南は駿河湾に接している。平野部に人口が集中しており、残り市域の大半は非可住の山林である。糸魚川静岡構造線上に位置しており、急峻な山や急流が目立つ。
山地[編集]
- 主な山
- 間ノ岳
- 塩見岳
- 荒川岳(悪沢岳)
- 赤石岳
- 聖岳
- 光岳
- 山伏(やんぶし)
- 大無間山
- 満観峠
- 真富士山
- 十枚山
- 竜爪山
- 賤機山
- 谷津山
- 八幡山
- 有度山(日本平)
- 梶原山
- 薩埵山(薩埵峠)
- 浜石岳
- 大丸山
- 大平山
河川[編集]
- 主な川
- 大井川(上流)
- 安倍川
- 藁科川
- 丸子川
- 巴川
- 大谷川放水路
- 長尾川
- 富士川
- 興津川
- 大沢川
- 庵原川
- 山切川
- 中河内川
- 大橋川
- 小河内川(興津川支流)
湖沼[編集]
- 井川湖(井川ダム湖)
- 畑薙湖(畑薙第一ダム湖)
- 麻機沼(麻機遊水地)
- 鯨ヶ池
- 有東坂池
- 二ツ池(小鹿池)
- 船越堤
気候[編集]
温暖な太平洋側気候である。夏は暑さが厳しく、南アルプスからの北風によるフェーン現象で最高気温が39℃前後に達することもある。冬は1月の平均気温が6.7℃(1991年~2020年の平年値は6.9℃)と九州や四国の県庁所在地に匹敵する温暖さである。南岸低気圧では太平洋から暖気が入るため関東平野や濃尾平野が大雪の際にも基本的に雨になる。そのため1 cm以上の積雪は非常に希で、本土のなかでも最も雪の積もりにくい地域のひとつである。冬型の気圧配置下ではにわか雪が見られる。 北部の南アルプス南麗に接する井川(葵区)は、豪雪地帯対策特別措置法に基づく豪雪地帯に指定されている。最暖月の平均気温が22.4℃で西岸海洋性気候(Cfb)との境界部に位置しまた年間降水量が非常に多い。