電子メール
電子メール(でんしメール)あるいはEメール(英: electronic mail、email)は、コンピュータネットワークを使用して、まるで郵便による手紙のように文章(や添付したファイルや写真データなど)のやりとりをすること、およびその技術。
概要[編集]
インターネットの初期からある通信手段であり、UUCPやSMTPなどのプロトコルを介して、メールを相手サーバに届けられる。電気的な信号で送受信を行うので、地球の裏側にいる相手に送る場合でも隣の部屋にいる相手に送る場合でも、かかる時間は一般的には数十秒から数分程度である。
一方で、インターネットの普及以前にコンピュータでの通信手段として広く行われていた、いわゆるパソコン通信でも、加入者同士で文書のやり取りを行うシステムが「電子メール」として提供されていた。ただし、パソコン通信では、一般的に、通信が1つのパソコン通信システム内にとどまっていたので、他のシステムとの間での電子メールの交換機能などの相互通信機能はほとんどなかった。また、各パソコン通信システムごとに独自のシステムが構築されていた事が多かったので、ユーザインターフェイス等についても互換がなかった。しかしその後、インターネットの普及に伴って、大手パソコン通信システムとインターネット間で相互に通信が可能にもなった。メール友達(メル友)も、流行になった時期があった。
電子郵便とも言った。
英語では1990年代や2000年代あたりでは「e-mail」とハイフンを入れて表記することが一般的だったが、2010年代や最近の英語ではemailとハイフンも省略することが増えている。
なお、以下では「広義のメール」と記載が無い物はRFCに準拠した、UUCP、SMTPのプロトコルを使用した電子メールについてのみ記述する。それ以外の電子メールについては上記の各関連項目を参照のこと。
狭義のメール[編集]
- RFCに準拠した、UUCP、SMTPのプロトコルを使用した電子メール。
広義のメール[編集]
- 他のコンピュータ(サーバ、ホスト)にログインして見るメール - クライアントの端末ソフト(ウェブブラウザやTelnet端末など)以外のソフトウェアを必要としないメール。そのサーバまではRFCに準拠した方法で伝達されている。ウェブメールも広義の電子メールであり、これを用いたフリーメールサービスも普及している。
- 電子掲示板(BBS)やブログのコメント - インターネットが普及し始めた頃(あるいは現在も)、それらを「メール」と呼称していた初心者がいた。
- ショートメッセージサービス(SMS) - 携帯電話等の間でごく短い文章を送受信する、iモードなどのサービス開始前より行われている。
- インターネット選挙運動におけるメール - 総務省の定義ではRFCに準拠したメールとショートメッセージサービスをメールとしている。
電子メールを支える技術[編集]
アドレスの表現法[編集]
実際に電子メールを使うためには独自ドメイン名を得て、ドメイン名を管理するDNSサーバやメールサーバに(手動であれ、自動であれ)登録することで送受信できるようになる。かつては、加入インターネットプロバイダや勤務先・通学先の企業・学校などのアドレス(アカウント)が多かったが、『Yahoo!メール』や『gmail』が普及してからはむしろそれらのアドレスのほうが多数派になっている。