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過剰摂取

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過剰摂取(かじょうせっしゅ、英語: overdose)とは、身体あるいは精神にとって急性の有害な作用が生じるほどの量の薬物を使用することである。それによって一時的、あるいは永続的な影響があり、最悪の場合死亡することがある。過量服薬ともいう。英語の発音は /ˈoʊ.vɚ.doʊs/(日本ではオーバードーズと読まれることが多い)、略称は OD。英語の超過を意味する over と服用量の dose との複合語である。

意図的な過剰摂取は、自殺企図を意味することがある。数では違法な薬物よりも、合法的な薬物における方が多い。

近年、医師から処方された向精神薬を過量服薬する例が相次いでいる。アメリカ合衆国での調査では、薬物による死亡は意図的でない死亡が多く、処方箋医薬品によるものが過半数である。日本で精神科の患者に対する多剤大量処方が問題となり、2012年の閣議決定で薬剤師の活用が提起されたが、2014年度からは一定数を超えた処方箋の診療報酬が減額することとなった。日本で、2010年に原因不明の死亡を司法解剖した約3,000人から、医薬品(841人、28%)やアルコール(22%)の検出が多く、医薬品の内訳は睡眠薬(306人、10%)、精神神経用薬(10%)である。一般用医薬品では、ドラッグストアで販売されている解熱鎮痛剤などが使われる。

英米では、医薬品の過剰摂取による死亡は、国際的な懸念となっている。アメリカでは、11年連続で過剰摂取による死亡が上昇し、2010年にはアルコール以外に38,329人の薬物過剰摂取による死亡があり、死亡の原因となっている薬物は一般医薬品や違法薬物ではなく、処方箋医薬品が原因となっているものが半数を超えている。そのうち、鎮痛剤に使われるオピオイド系薬物の関与が16,651人で最多、鎮静催眠剤であるベンゾジアゼピン系薬物が6,497人で第2位、3位に抗うつ薬が3,889人と続く。アメリカ合衆国で、特に死亡者の多いオピオイド系鎮痛薬による死亡者数は、医療大麻が合法化された州では減少している。

歴史[編集]

精神障害の診断には、軽症の状態をうまく分離する境界がないため、製薬会社は薬を販売するため、強力な販売促進を推進し、アメリカ合衆国では、精神障害の有病率が毎年20 - 25%ずつ増加し、ヨーロッパでもあまり離れていない数字を維持している。

そして大手製薬会社は、精神科の薬や他の分野においても、副作用を隠したり、処方した医師に奨励金を渡したり、適応のない病気に対してマーケティングを行ったりといった違法な行為を行ったため、2010年前後半にも、それぞれの製薬会社は数億ドルから数十億ドルの罰金を支払っており、犯罪的に販売していた。そして街角で売られる(違法な)薬物よりも、処方箋医薬品による死亡が多くなるという結果を生んでいった。

アメリカ合衆国では、2000年と比較して2005年には薬物関連死が1.5倍となり、その結果、自殺や銃殺を上回ることとなった。特に2000年には4,000人程度であったオピオイド系鎮痛薬による死亡は、2010年には16,000人を超えた。

アメリカ薬物乱用・精神衛生管理庁(英語版)(SAMHSA)は、薬物による自殺企図によって救急医療に搬送された件数は、2005年の151,477件から2011年には228,277件へと51%増加し、その内訳は(おそらく重複も数え)抗不安薬や睡眠薬が48%、鎮痛剤が29%、抗うつ薬が22%、医薬品以外ではアルコールが39%、違法薬物11%と報告した。イギリスのキース・ヴァズ議員は、今行動しなかった場合の悲惨な結末を、今日のアメリカに見ることができると述べた。

医薬品の過剰摂取による死亡者は、英米で交通事故死亡者数をも上回り、国際的な懸念となっている。毎年8月31日は、国際過剰摂取啓発デーである。

こうした状況から2013年に、『精神障害の診断と統計マニュアル』の第4版の編集委員長であったアレン・フランセスは、危険な過剰処方を防ぐために、大量や多種類など疑わしい処方を調剤薬局の販売システムなどで監視し、危険な処方や過剰な処方をする医師を割り出したりすることで対策し、逸脱者を懲戒することを提案している。FDAの薬の承認後の監視プログラムは十分ではないので、悪い薬を特定し廃止することが必要だともしている。アメリカにおける消費者への直接広告の禁止、適応外のマーケティング、病気喧伝の禁止も必要だとしている。

アメリカ疾病予防管理センターによれば36の州で、処方薬の監視プログラムが稼働しており、これは規制されている処方薬や調剤を追跡する国営の電子データベースである。

2010年には、日本うつ病学会など4学会が合同で過量服薬防止の願いを出し、2012年8月の日本の閣議決定で薬剤師の活用も提起されているが、2014年4月1日からは、一定数を超えた抗不安薬・睡眠薬、抗うつ薬、抗精神病薬を処方した医師には、診療報酬を減額することが決定した。

アメリカ合衆国では、処方されたオピオイドによる過剰摂取死は、2009年までの10年間で4倍となり、将来ヘロインによる死亡につながるのではと懸念されており、その増加は見られなかったが、2010年と2011年に薬物過剰摂取死の最多であったオキシコドンを、2012年に急増したヘロインが上回った。

2016年8月、アメリカ食品医薬品局(FDA)は、極度の眠気、呼吸抑制、昏睡および死亡につながることがあるオピオイドとベンゾジアゼピンの併用について、それら医薬品に、最も強い枠内警告を追加した。

2017年まで止まることなく増加しており、その過剰摂取と、これまた増加してきた自殺の40%が、オピオイドに関連したものであるため、両方の防止策が重要となってきた。

原因[編集]

過剰摂取の原因には、誤投与、誤飲/誤判断、自殺企図/自傷行為を目的としたもの、現実逃避、多幸感を得る為など多々ある。アメリカでの調査では、死亡の74.3%もが意図的でない死亡である。

誤判断の例として、作用量と致死量が近い薬物を日常的に利用している場合、薬物に耐性がついて以前と同じ量では効かなくなるが、しばらく利用をやめ耐性が回復したにもかかわらず、以前と同じ感覚で利用した場合に、過剰摂取してしまう場合がある。特に解毒施設や薬物更生施設、刑務所から解放された後はリスクが高い。

他には、薬の誤飲や、用量の誤判断がある。たとえば、子どもが鉄を含むマルチビタミン剤によって過剰摂取に陥る場合である。アメリカで子供が救急医療を必要とする頻度の高い原因として、アルコールやメチルフェニデートと並んで、エナジードリンクがある(カフェインの大量摂取となるため。死亡例も報告されている)。

自殺企図を試みて、処方薬の過量服用を行う場合がある。精神疾患にかかっている場合、過量服薬を繰り返す場合がある。自傷行為は致死性が低い点で、自殺企図とは本質的に異なるが、自傷行為を行う患者の場合、一つの方法を繰り返すよりは複数の方法を用いる場合が多く、こうした場合、過量服薬直後に人に打ち明け介入を求める傾向もある。2009年の英国国立医療技術評価機構(NICE)の診療ガイドラインは、自殺企図や自殺念慮の強い傾向がある場合には薬物療法を用いず、もし用いるとしても相対的に安全な薬で1週間をめどにし、効果がなければ中止することを推奨している。2008年の日本のガイドラインも、そうした患者に対し、抗うつ薬と抗精神病薬のような併用療法の有効性を支持する証拠もなく、同種類の薬を複数処方することにも注意し、過量服薬の危険性にも注意することを推奨している。

日本では多剤大量処方の問題があり、合計すれば致死的になるほどの処方薬が処方される場合もある。ガイドラインの後も、こうした患者に対して大量に処方する医師の存在は珍しくないとされる。また、悪徳な医師が意図的に多剤大量処方を行い、診療報酬などを稼ぐ例も見られ、問題となった。患者が他の精神科にかかったことがない場合、騙されていることに気がつくことはないため、その後、強い副作用や後遺症で生涯苦しむことになる。

致命的行動の誘発[編集]

日本での調査では、精神科にて治療中の自殺既遂者の多くがその直前に過量服薬していたことが明らかになっており、ベンゾジアゼピン系の薬物に作用によって、判断力が低下しまた衝動性が高まったことによってそのような行動に至った可能性も推測されている。また、特にアルコールは判断力を消失させて、他の薬物の服用など危険な行動につながりうるし、結果として薬物相互作用による重篤な過剰摂取が起こり得る。

日本では2010年の国会にて、東京都監察医務院の行政解剖から、自殺者の317人中289人(91%)が精神科の薬を服用した上での自殺であり、その多剤に服用した作用等が原因となって自殺を引き起こしているのではないか報告されている。



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