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進撃の巨人

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進撃の巨人』(しんげきのきょじん、英語: Attack on Titan)は、諫山創による日本の漫画作品。

また、これを原作とするアニメや小説(ライトノベル)・ゲーム・映画などの派生作品がある。

概要[編集]

圧倒的な力を持つ巨人とそれに抗う人間たちとの戦いを描いたダーク・ファンタジー漫画。『別冊少年マガジン』(講談社)で2009年9月9日発売の10月号(創刊号)から連載を開始し、2021年4月9日発売の5月号をもって完結した。連載期間中は、『週刊少年マガジン』(講談社)にも出張読み切りとして特別編が2度掲載された。2011年のスピンオフの小説化以降、様々なメディアミックス展開がされており、特に2013年から始まったアニメはシリーズ4作品まで続く程の反響を呼んだ。

ジャンルとしてはダーク・ファンタジーだが、魔法や超能力などの要素は控えめである。組織化された軍と戦術、現実の科学技術をモチーフとした装備などの軍事設定が盛り込まれ、架空戦記のような硬派な展開が主になっている。また、巨人や世界の設定には謎が多く、ストーリーが進むにつれて解き明かされていく。単行本の表紙カバーを外すと巨人から逃げて海を越え、もう1つの土地の壁の中に移住する人々を描いた中世の古文書風の絵が見られる。絵に書き込まれた文字は一見解読不能に見えて、実は逆さにすると、カタカナで記された日本語になっている。これらは物語の核心に触れる内容となっているが、これについて諫山は「この世界における教科書の1ページ目で、誰でも共通で持っている知識とかそういうものを込めている」と述べている。本作品は作者のデビュー作の読み切り版「進撃の巨人」が原型となっている。持ち込みのころからの担当編集者の川窪慎太郎は「諫山の作風が『別マガ』のコンセプトに合致している」との考えから、コンペに合わせて読み切り版を連載用に作り直すことを提案した。川窪によると、手探りの中で創刊した雑誌での新連載であったため、当初は指針や読者の傾向などが不明瞭で苦労したが、そのおかげで実験的なことも可能であったという。

読み切り版では「巨人は宗教科学団体が人類を駆逐するために作り出した兵器」「立体機動装置が登場せず無線機器が利用できる」などの設定が異なるものの、「人類は巨人が進入できない場所での生活を余儀なくされる」「人類の抵抗軍に所属する一人の兵士が巨人に変身する力を得る」という連載版の要素も含まれていた。作者は「巨人を最大限に活かすことの出来る世界観を考えた」「まずは世界観ありきで創り始めた」と語っている。

2019年に作者の地元の大分県日田市は本作品の10周年を記念して、銅像を設置するためのクラウドファンディングを募った。2020年11月には大山ダムの前に「エレン・ミカサ・アルミンの少年期の銅像」が設置された。さらに第二弾として2021年3月には「リヴァイ兵長の銅像」がJR日田駅前に設置。また、道の駅には「進撃の巨人諫山創ミュージアム」も建設予定。

売上記録[編集]

2010年12月(第3巻発売時)には既刊2巻の累計のみで発行部数が100万部を突破した。9巻までの発行部数は2013年4月初頭(10巻発売)時点で1200万部を突破していたが、アニメ放送開始後はさらに売上が伸び、同年の8月初頭(11巻発売)時点で10巻までで2300万部を突破。2013年12月9日に発売された12巻は初版発行部数が約220万部に達し200万部の大台を突破した。2014年4月9日に発売された13巻は、講談社史上最高となる初版275万部を記録し、この記録更新は1987年に発売された、「ビー・バップ・ハイスクール」8巻の227万部以来、約26年ぶりの大快挙である。 全世界18言語180ヵ国以上で出版され、2023年11月時点で全世界でのシリーズ累計発行部数が1億4000万部を突破するなど、日本のみならず世界中に衝撃を与えつづけている。講談社の漫画で1億部を突破したのは、『金田一少年の事件簿』シリーズに続いて2作目。

海外でも各国で出版されており、韓国では、2011年からコミックスが35万部以上の売り上げを記録(2013年8月時点)。アニメも日本と同時期にテレビ放送された。あまりの人気に放送日時が変更されたり、主題歌やオリジナルサウンドトラックまで日本と同時に発売されるなどの異例のブームとなる。アメリカでは、ニューヨークタイムズ(NYタイムズ)のベストセラーコーナーに掲載される週間マンガランキングの2013年10月第2週で、本作品の1巻が第1位。2位が2巻、4位が7巻、5位が3巻とベスト5のうち本作品が4冊を占める結果となった。

あらすじ[編集]

人類は突如出現した「巨人」により滅亡の淵に立たされた。生き残った人類は「ウォール・マリア」、「ウォール・ローゼ」、「ウォール・シーナ」という巨大な三重の城壁(甕城)の内側に生活圏を確保することで100年の間、辛うじてその命脈を保っていた。

ウォール・マリア陥落(1巻)
ウォール・マリア南端より突出したシガンシナ区で生活する少年エレン・イェーガーは、医者の父グリシャと母カルラ、そしてイェーガー家に引き取られた幼馴染ミカサ・アッカーマンと一緒に暮らしていた。壁の外の世界に憧れるエレンは、壁外調査へ出られる調査兵団への入団を希望していた。壁外調査は多数の死亡者を出すことから、カルラやミカサには入団を反対されるが、それでもエレンは幼馴染のアルミン・アルレルトと壁外への夢を語り合うのだった。
エレンが10歳となった845年。突如現れた、壁を超える巨体を持つ「超大型巨人」によってシガンシナ区の扉が破られ、巨人の群れが壁内に侵入する。全身が堅い外皮に覆われた「鎧の巨人」によって遮断不能となったウォール・マリアは放棄され、人類の活動領域はウォール・ローゼまで後退することになった。目前で母カルラを巨人の一体に捕食され、故郷、夢、全てを奪われたエレンは巨人の駆逐を決意し、ミカサ、アルミンと共に第104期訓練兵団に入団する。
シガンシナ区陥落から5年、訓練兵団入団から3年後の850年。全課程を修了し、トロスト区の固定砲の整備を行っていたエレンの前に「超大型巨人」が現れる。再び蹴破られた扉から無数の巨人が侵入、トロスト区は混乱状態となる。運悪く、対巨人戦に慣れた調査兵団は壁外調査のため不在であり、トロスト区の駐屯兵団と104期訓練兵団の卒業生が合同で巨人討伐を開始する。エレンはアルミンと同じ班になるが他の班員は全滅し、自身もアルミンの身代わりとなって巨人に捕食されてしまう。
トロスト区攻防戦(2-3巻)
アルミンは他の104期生たちと合流し、そこへ避難口でのトラブルを解決したミカサが駆けつける。アルミンから、エレンを含む班員が全滅したことを聞かされた104期生たちは動揺する。ミカサはその中で一人平静を装い、仲間たちに檄を飛ばして巨人に立ち向かうが、エレンを失ったショックから冷静さを欠き、窮地に陥る。それでもエレンへの思いを支えに立ち上がった彼女の前に「巨人を殺す巨人」が現れる。
「巨人を殺す巨人」を利用したアルミンの作戦により、104期生たちは力を合わせて安全地帯への脱出を果たす。一方「巨人を殺す巨人」は戦いの末に力尽き倒れるが、蒸発していくそのうなじから体を引きはがすようにして現れたのは、捕食され死亡したはずのエレンだった。
エレンの存在に恐怖した駐屯兵団により、彼をかばうアルミン、ミカサもろとも抹殺されようとしていた。しかし、兵団の説得に当たったアルミンの弁論がピクシス指令の関心を引いたことで救命される。ピクシス指令は、エレンの力で大岩を運び、破壊された扉を塞ぐというアルミンの発想を採用し、全軍にエレンの支援を命令する。ところが全軍の期待を負って巨人化したエレンは暴走し、意識を失い倒れこんでしまった。
過去と決意(4巻)
アルミンの呼びかけで意識を取り戻したエレンは、彼を援護した兵団から多大な犠牲を出しながらも扉を塞ぐことに成功する。残った巨人たちも急遽駆けつけた調査兵団と駐屯兵団工兵部によりせん滅され、人類は初めて巨人の侵入を阻止、ウォール・ローゼは死守された。
物語は、104期訓練兵団時代の回想へと移る。憲兵団を志望するジャンとエレンの対立や、姿勢制御訓練に失敗し続けるエレンとそんな彼に助言を送るライナー、ベルトルトとの交流、アニとの対人格闘訓練の様子などが語られる。最後にマルコとジャンの会話のシーンが描かれた後、時はトロスト区奪還直後へと戻る。
同期生たちから理想の指揮官として慕われ、自分の資質を見出してくれたマルコの遺体を確認したジャンは、調査兵団への志願を決意する。そのころエレンは憲兵団により地下牢で監禁されていたが、そこへ調査兵団団長のエルヴィン・スミスが訪れる。
第57回壁外調査(5-7巻)
エレンは調査兵団に配属され、監視と警護のために特別作戦班(通称リヴァイ班)に編入される。時期を同じくして同期の配属も決定し、ミカサ、アルミン、ライナー、ベルトルト、ジャン、コニー、サシャ、クリスタ、ユミルらが調査兵団に入団する。
調査兵団分隊長のハンジ・ゾエはトロスト区で生きたまま捕獲された2体の巨人の研究を続け、僅かながら成果が現れつつあった。しかし、2体の巨人は何者かにより殺害されてしまう。巨人を利する者の存在が疑われる中、エルヴィンは第57回壁外調査を強行する。エレンはいつとも知れず失踪した父グリシャから言いのこされた「自宅の地下室」を目指そうとする。だが、調査出発からほどなくして出現した「女型の巨人」に調査兵団は蹂躙される。
調査兵団は女型を一度は捕獲したが、結果として作戦は失敗に終わり、兵団は撤退を余儀なくされる。エルヴィンは作戦失敗の責を問われて査問を受けることになり、エレンの身柄は憲兵団へ引き渡されることが決定する。
ストヘス区急襲(8巻)
物語は壁内、憲兵団内部から始まる。強い正義感を持つマルロは腐敗した憲兵団を立て直すという理想を語る。ヒッチはそれを笑うが、アニから欲に弱いのが普通の人間であると指摘されたことで、変わるべきは腐敗を誘発する組織の仕組みではないかと考え直す。
調査兵団は憲兵団の警備の甘さを利用してエレンを護送馬車から脱出させ、さらに間者の捕縛をもくろむ。アルミンの作戦により誘い出された疑惑の人物はアニであった。追い詰められたアニは「女型の巨人」となって脱出を図るが、巨人化したエレンにより阻まれ、硬化能力によって作り出した水晶体に自らを封じる。
「女型」が崩した壁からは、大型巨人が顔をのぞかせていた。驚愕するハンジたちの前に壁を信仰する「ウォール教」のニック司祭が現れ、巨人に日光を当てないよう進言する。
ウォール・ローゼ内地(9巻)
「女型の巨人」の捕獲作戦に従事したエレン、アルミン、ミカサ、ジャンの4人を除く調査兵団の104期生たちは敵との共謀を疑われ、兵装を解除された状態で軟禁されていた。しかし、壁内であるにもかかわらず、突然複数の巨人が出現するという緊急事態が発生し、104期生たちは装備を与えられないまま、住民の避難誘導に駆り出される。サシャとコニーはそれぞれの故郷が近場だったため、案内役を務めることになった。
ミケ分隊長は単騎での時間稼ぎを引き受けるが、体が無数の毛で覆われた「獣の巨人」に翻弄される。「獣の巨人」は他の巨人に命令して意のままに操るという未知の能力を見せ、さらに立体起動装置に興味を示して奪い取ると、ミケを残りの巨人たちに捕食させた。
故郷の村に戻ったサシャは、民家の中で巨人に捕食されている女性を発見し、その娘らしき少女を保護、かろうじて手に入った弓矢で窮地を免れ、少女の知らせで駆けつけた父親と再会する。一方、同じく故郷へと駆け戻ったコニーは、破壊され無人となった集落を見て落胆するが、そこに取り残されていた巨人に母の面影を見出す。
ハンジたちと行動を共にしていたニック司祭は、壁の秘密を話す決定権を持つ人物の存在としてクリスタの名を挙げる。
ウトガルド城の戦い(10巻)
コニーたちの一行はウトガルド城の廃墟で休息をとるが、そこにも巨人たちが現れる。装備のない104期生を守ってベテラン兵士たちは全滅、全員の命が危機に瀕する中、ユミルは「胸を張って生きろ」とクリスタを励ますと巨人化し、巨人の群れに立ち向かった。
多勢に無勢のユミルだったが、危ういところへハンジたちが駆けつけた。クリスタはかねてからの約束として、ヒストリアという本名をユミルに打ち明ける。
夜通しの索敵にもかかわらず、ウォール・ローゼに巨人が侵入できる穴は見つからなかった。104期生たちが壁上で待機している最中、ライナーはエレンに突然「自分が鎧の巨人で、ベルトルトが超大型巨人だ」と告白し、自分たちの故郷への同行を求める。
エレン奪還戦(11-12巻)
ライナーたちの裏切りに激昂したエレンは巨人化して抵抗するが、激戦の末に敗北しユミルと共に連れ去られてしまう。エルヴィン率いる調査兵団は、合流した憲兵団・駐屯兵団と共にハンジが逃亡先と推理した巨大樹の森へ、エレンの奪還に向かう。
ライナーは壁の破壊を目的とする「戦士」と調査兵団の「兵士」との二重生活に耐えられず、精神に異常をきたしていた。裏の事情を知るユミルは、獣の巨人が巨人発生の元凶であり、その目的は威力偵察だと指摘する。
捨て身の作戦により、調査兵団はライナーたちの逃亡を阻止、エレンを奪回して撤退を開始する。
王政編(13-17巻)
ハンジは壁内に出現した巨人について、その正体はコニーの故郷ラガコ村の住人が変化したものと推定。また、巨人の弱点であるうなじ部分「縦1メートル横10センチメートル」が、人間の脳から脊髄にかけての大きさに相当することを指摘する。調査兵団が隠された謎に近づくほど中央からの圧力は重くなり、ニック司祭が拷問の末に暗殺されるなど、事態は闇を深めていく。
ウォール・マリア奪還に向け、エレンが持つ巨人の力に期待がかかる。リヴァイは「エレンには死にもの狂いになれる環境が相応しい」として、生き残った104期生の中からミカサ、アルミン、ジャン、コニー、サシャ、クリスタを新生リヴァイ班に加える。新生リヴァイ班は憲兵の目を逃れるため山奥へ身を隠し、エレンの巨人化実験を進めていく。そんな中、クリスタは真の王家であるレイス家の末裔「ヒストリア」としての凄惨な過去を語った。
調査兵団は偽りの王家を擁する現政権によるプロパガンダや、その状況を利用しようとしたケニー・アッカーマンの一派により追い詰められるが、数々の苦難を辛くも打ち破る。夢破れ重傷を負ったケニーは、巨人化の薬と注射器が入った箱をリヴァイに託して死亡する。父との対決を経て自分自身を確立したヒストリアは自ら身分を公表し、調査兵団は彼女を真の王として擁立、前政権の中枢を粛正する。
ウォール・マリア最終奪還作戦(18-21巻)
ヒストリアが女王となった新政権のもと、憲兵からの圧力がなくなったことで技術革新が進み、新兵器「雷槍」が発明される。またエレンの硬質化能力の研究が進んだことで、ウォール・マリアの壁を塞ぐ手段が解決されたほか、半自動で巨人を処分する機器も開発された。マルロやフロックら、憲兵団や駐屯兵団からの移籍組を加えた調査兵団は、ウォール・マリアの奪還を目標とし、またエレンの生家の地下室を目指してシガンシナ区へ進撃を開始する。しかし、シガンシナ区では「獣の巨人」の正体であるジーク戦士長がライナーとベルトルトを従えて待ちかまえていた。
調査兵団はシガンシナ区に到着し、エレンの硬質化能力によって破られた扉の封鎖に成功するが、壁内に潜んでいたライナーが「鎧の巨人」と化すと同時にシガンシナ区郊外(ウォール・マリア内側)に「獣の巨人」率いる多数の巨人が出現。挟撃を受ける形となった調査兵団は、内門側で「獣の巨人」を防ぐリヴァイ、エルヴィンの隊とシガンシナ区内で「鎧の巨人」を倒すハンジ班と104期生に分かれて戦闘を開始する。
圧倒的な力を発揮する「獣の巨人」に対し、エルヴィンは自らと新兵たちの特攻を囮にした奇襲作戦を実行する。エルヴィンと新兵たちは「獣の巨人」の投石によって無惨にも散っていった。そして作戦通りに、リヴァイは「獣の巨人」がエルヴィン達の特攻に気を取られているうちに「獣の巨人」に接近して奇襲を仕掛け、「獣の巨人」との戦闘になる。リヴァイの圧倒的な力の前に「獣の巨人」は為す術もなく切り刻まれ、遂に本体であるジークを巨人の体の中から引きずり出し、捕らえることに成功する。
リヴァイは、エルヴィンに渡されていた「注射薬」によって生き残りの兵士に「獣の巨人」の力を継承させようと、周りを見渡して生き残りを探すが、その直後、突然現れた「四足歩行型の巨人」よってジークは救出されてしまう。更に、「鎧の巨人」もミカサの雷槍により倒されるが、ライナーもまた「四足歩行型の巨人」によって救出され、ベルトルト以外の壁外勢力3人は撤退する。
「超大型巨人」はアルミンの捨て身の陽動作戦により、エレンの手で討伐された。奇跡的に生き残っていたフロックにより運ばれてきたエルヴィンとアルミン、巨人化薬で救命できるのは瀕死の二人のうち一人のみであり、それぞれの感情が交錯するが、判断を任されていたリヴァイの選択によりアルミンに注射が打たれる。巨人化したアルミンは捕虜となったベルトルトを捕食、超大型巨人の能力を継承した。
世界の真相(21-22巻)
調査兵団は団長であるエルヴィンをはじめとする大多数の兵士を失いながらも、シガンシナ区を奪回しエレンの生家へ到達。地下室でグリシャの手記を入手した。
生還者への勲章授与式を初めとするウォール・マリア奪還後の事後処理の間に、グリシャの遺した手記が紐解かれ、壁の外にも人類が存在し、より進んだ文明が繁栄していること、エレンの持つ巨人の力が「九つの巨人」の内の1つである「進撃の巨人」だったことなど、驚愕の事実が明かされる。その最中、エレンは「座標」を通じ、徐々にグリシャを初めとする過去の人物の記憶と交感するようになっていく。
調査兵団は巨人の正体が壁内人類と同じ祖先をもつ「ユミルの民」であり、他の人類からは「悪魔の民族」と呼ばれていること、100年前に「パラディ島」に逃れ、壁を築いた王により記憶を改ざんされていたこと、島の資源を狙う侵攻計画に晒されていることを公表する。
トロスト区襲撃から1年、1度目の「超大型巨人」襲来から6年が経過するころ、パラディ島から巨人はほぼ一掃され、調査兵団はエレンたちが幼い日に憧れた海に到達する。アルミンたちは感激に浸るが、エレンは一人海の向こうの敵を見据えていた。
マーレ篇(23-24巻)
舞台はライナー達の「故郷」であるマーレへと移り、マーレ側から見た歴史や外交問題、ガビやファルコを始めとするマーレ国内のエルディア人を巡る事情が説明され、ライナーたちの過去が語られる。
シガンシナ区の戦いから4年が経った854年、ライナーたちによる「始祖」奪還作戦の失敗を切っ掛けに開戦した中東連合国との戦争が終結する。長く続いた戦争に勝利したマーレであったが、巨人戦力の優位性は近代兵器の発達により失われつつあることが露呈し、巨人兵器となるエルディア人を取り巻く状況は悪化する一方であった。エルディア人戦士隊を率いるジークは、巨人戦力の統制を絶対的な物とする名目の元、改めて「始祖」奪還を軍上層部に提言する。
収容区に帰還したエルディア人部隊がつかの間の休息を得ているころ、戦士候補生のファルコは入院している負傷兵のクルーガーと次第に親しくなっていく。そのころ、かつて巨人大戦終結の鍵となり、今はマーレ政府のフィクサーとして君臨し、「戦槌の巨人」を代々受け継ぐタイバー家の当主ヴィリー・タイバーは、パラディ島に宣戦布告するために全世界へ向けた演説を行おうとしていた。演説が始まる中、ファルコはクルーガーの頼みでライナーを彼に引き合わせる。しかし、クルーガーの正体はパラディ島から海を越えてマーレに潜入していた敵、エレンであった。
レベリオ収容区襲撃(25-26巻)
ヴィリー・タイバーがパラディ島に宣戦布告した直後、エレンはその場で「進撃の巨人」となってタイバーを食らい、レベリオ収容区を襲撃する。
エレンが巨人化した際、ライナーはファルコを庇って戦闘不能になってしまう。
エレンによってマーレの上層を含めた各国の首脳や民間人が殺害され、レベリオは大混乱に陥るが、パラディ島勢力による襲撃をあらかじめ予期し、対巨人用の兵器を既に配備していたマガトがマーレ軍の指揮を取り、戦闘態勢に入る。更に、今まで不明だった「戦槌の巨人」の継承者がヴィリー・タイバーの妹、ラーラ・タイバーだと判明。彼女も巨人化して参戦し、エレンとの戦いが始まる。
何度うなじを潰されても何故か全く倒れることのない「戦鎚」が「進撃」を追い詰め始めた頃、エレン側にリヴァイやミカサを始めとする新型の立体機動装置を装備した調査兵団が参戦する。更に、マーレ側には「獣の巨人」となったジークに加え、兵装車両を装備した「車力の巨人」となったピーク、「顎の巨人」となったポルコが参戦し、両国の最大戦力がぶつかり合う。
戦いの最中、ミカサと「戦槌の巨人」の戦いを観察していたエレンが「戦槌の巨人」の秘密を暴き、これを無力化する。しかし、「戦鎚」の本体であるラーラ・タイバーは自身を強固な水晶体で包んでおり、エレンの「進撃」の力ではこれを破壊することは不可能だった。
その頃、軍港地帯ではマーレ海軍が軍港に兵達を集結させ、レベリオの戦いに加勢すべく急いでいたが、突如、漁船に扮して現れたアルミンが「超大型巨人」となって軍港を襲撃。マーレ海軍は一瞬にして軍港の周辺地帯もろとも壊滅させられてしまう。
その直後、レベリオではリヴァイの奇襲によって「獣の巨人」が敗れ、「車力の巨人」も雷槍を装備したジャン達調査兵団の猛攻で本体のピークが瀕死の重傷を負う。そして相次いで「顎の巨人」もミカサによって両足を切断された挙げ句、エレンに両腕を引きちぎられ、捕らえられてしまう。
その後、エレンは捕らえた「顎の巨人」の強靭な顎を利用しラーラ・タイバーを粉砕して殺害、それを飲み込むことで「戦槌の巨人」の力を継承する。そのまま「顎の巨人」も捕食しようとするが、ガビとファルコの助けを求める声によってライナーが不完全ながら巨人化して復活。ライナーとエレンの一騎打ちになる。
満身創痍の状態でなんとか巨人化した程度の不完全な「鎧の巨人」でエレンに敵うはずはなく、エレンの一撃で「鎧の巨人」は倒れ、勝負は一瞬で決着がつく。しかし、その直後にエレンも力尽きて戦えなくなったため、ミカサとともに飛行船で撤退。結果的にライナーとエレンの勝負は痛み分けとなった。
ガビは「パラディ島の悪魔」に故郷を蹂躙され、友人や仲間を殺されて激怒する。復讐心に燃えるガビはファルコと共に飛行船に潜入し、サシャを殺害する。
ガビとファルコは捕らえられ、ガビはレベリオ襲撃の首謀者への恨みを叫ぶが、2人の前に首謀者として現れたのは、リヴァイの奇襲によって殺害されたはずのジークだった。
エルディア国の情勢(27-29巻)
物語は再びエレン達パラディ島勢力、エルディア国の視点に戻る。調査兵団がウォール・マリアを奪還し、海へと辿り着いた後の4年間に起きた出来事である、イェレナを始めとする反マーレ派義勇兵達との出会い、エルディア国初の友好国となったヒィズル国との外交などが語られる。
過去回想が終わると、時はレベリオ収容区襲撃後へと戻る。捕虜として監禁されていたガビとファルコは脱走した直後、サシャがかつて救った少女、カヤと出会い、サシャの父が経営するブラウス厩舎の世話になる。ガビはカヤとの対話を経て、マーレでの教育により植え付けられてきた思想が揺らぎ始めていた。
マーレからの帰還後、調査兵団はジークを巨大樹の森へ隔離し、エレンを地下牢へ拘束する。104期生の間ではエレンに対する信頼が揺らぎ始めていた。一方、フロックたちがイェーガー派として勢力を確立し、エレンを擁護するとともに彼の解放を兵団に要求する。そして彼らの工作によりエレンの拘束が世間に知れ渡ってしまい、かつての協力者たちや民衆までもが現体制への不信を抱き始める。ハンジはその対応に悩んだ末、彼らを情報漏洩の罪で拘束する。
危機感を抱いた兵団は、巨人の大群による「地鳴らし」を世界に対する抑止力とするため、妊娠中のヒストリアを後継者にして「獣の巨人」の能力を継がせようと目論む者と、それに反対する者との間で意見が割れていた。その裏では、ジークとその信奉者であるイェレナたちによって「エルディア人安楽死計画」が進行していた。
様々な疑念や思惑が交錯する中、遂にイェーガー派が本格的に動き出す。全兵団を束ねるダリス・ザックレー総督が爆殺され、ハンジによって拘束されていたフロックらは、既に兵団の中に大勢潜んでいたイェーガー派の仲間によって解放される。更にエレンも「戦鎚」の力を使って地下牢から逃亡し、イェーガー派の者たちと合流。
その後、ニコロのレストランに、食事を振る舞われていたブラウス一家とガビ達、そしてアルミン達が集う。その時、サシャを殺した人物がガビであったことを知ったニコロが激昂し、ガビをワイン瓶で殴ろうとするが、彼女を庇ったファルコが代わりに負傷してしまう。
騒動を聞きつけたアルミン達がブラウス一家と合流した後、ニコロはサシャの父であるアルトゥルの言葉によってガビを殺すことを思いとどまるが、彼が平静を取り戻した直後、彼は今まで憲兵や兵団上層部に振る舞っていたワインの中にジークの脊髄液がはいっていた可能性が高い事、そのワインをファルコが口にしてしまったことを告げる。
更に、アルミン達の前に突然エレンとフロック率いるイェーガー派が現れ、レストランにいた一同は彼らに拘束されてしまう。加えて、脊髄液入りのワインを兵団の上層に飲ませていたことを利用し、イェーガー派が兵団を支配してしまう事態に。
一方、巨大樹の森ではジークが脊髄液入りのワインを飲んでいた監視役の調査兵たちを一斉に巨人化させ、リヴァイの監視を抜け出してエレンとの接触を図ろうとする。
エレンはシガンシナ区の砦に戻るが、そこにパラディ島に潜入していたピークが現れ、更に「顎の巨人」となったポルコが突如出現し、エレンに奇襲を仕掛ける。更に上空には、レベリオの雪辱を果たすべく、元帥となったマガト率いるマーレ軍の飛行船が現れていた。
パラディ島奇襲(29-30巻)
潜入していたピークたちの工作によって「始祖の巨人」の奪取を狙うマーレ軍の攻撃が開始され、更にマガトらと共に飛行船に乗っていたライナーが「鎧の巨人」となって降り立ち、シガンシナ区は混戦状態となる。
エレンは「進撃」の戦闘能力と、レベリオで手に入れた「戦鎚」の力を駆使して対抗するが、彼1人が「鎧」、「顎」、「車力」の3人の相手をすることになり、マーレ軍の飛行船からの砲撃などもあったため、初めはマーレが戦況を優位に進めていた。
しかし、リヴァイの監視を抜けてシガンシナへと駆けつけたジークの出現により、戦況は一変する。「獣の巨人」となったジークの投石によって、マーレ軍の飛行船は落とされ、シガンシナで戦っていたマーレ兵やライナー達も成す術もなく圧倒され始める。その隙にエレンはジークとの接触を図るべく、ジークのいる壁へと接近していく。
その頃、牢に捕らえられていたアルミン達の元にオニャンコポンが現れ、彼らを解放する。解放されたアルミン達は他に捕らえられていたピクシスらも解放し、シガンシナの戦いに加わる。エレンの真意がジークの計画への加担ではなく、パラディ島を守ることにあるのではないかという事を悟ったアルミン達は、一旦はエレンとジークの接触を支援することに決める。
一方、ジークの脊髄液を口にしてしまったために捕らえられていたファルコは、憲兵のナイルの計らいによってガビとコルトとの再会を果たす。その後、ガビ達一行はマーレ軍と合流しようとするが、その途中でカヤがサシャを殺したガビを殺したいほど恨んでいる事をブラウス一家に話しているのを聞いてしまう。物陰でその話を聞いていたガビは、この島にいたのは悪魔ではなく人であったこと、自分たちが何度も同じことを繰り返していることに気づき始める。
その後、ピークとマガトの騙し討ちによってジークが倒れるが、急所は外しており、ジークはまだ生きている状態だった。ジークはエレンとの接触の障害になるものたちを排除するべく、「叫び」によって脊髄液入りのワインを口にしてしまった人々を巨人化させようと試みる。その直後、ファルコを連れたコルトが現れ、ファルコも脊髄液を口にしてしまった事を告げ、「叫び」を待つように懇願するが、ジークはその事に悲しみながらも「叫び」の力を行使し、ファルコやピクシスらは全員「無垢の巨人」となってしまう。その時、ファルコの近くにいたコルトは巨人化時の熱によって死亡。
その直後にマガトらが再度砲弾を放ち、「獣の巨人」の急所を完全に貫く。その事によって使命は終えたと悟ったライナーは、巨人となってしまったファルコを救うべく、自身を食わせてファルコに「鎧の巨人」を継がせようとする。しかし、そこにエレンの攻撃によって瀕死の状態となっていたポルコが登場する。兄の記憶をみて過去の一連の出来事を知り、満足した様子のポルコは巨人化したファルコに食われて死亡する。
その後、マガトによって撃たれたジークは死んだふりをして生きていたことが判明し、エレンもアルミン達の支援を受け、2人の接触は目前に迫っていた。しかし、そこへ対巨人ライフルを持ったガビが出現し、エレンを撃つ。それによって、エレンは首を飛ばされてしまう。

登場人物[編集]

詳細は「進撃の巨人の登場人物」を参照

エレン・イェーガー
本作の主人公。第104期訓練兵団5席。母親を巨人に殺された過去から巨人の駆逐を行動原理とする。
ミカサ・アッカーマン
本作のヒロイン。第104期訓練兵団首席。エレンの幼馴染。優れた身体能力を持ち、巨人討伐において傑出した才能がある。
アルミン・アルレルト
第104期訓練兵団。エレンとミカサの幼馴染。非力だが作戦立案の能力に秀でている。
ライナー・ブラウン
第104期訓練兵団次席。屈強な肉体を持ち実力は非常に高く、104期の兄貴分的存在。
ベルトルト・フーバー
第104期訓練兵団3席。どの分野もそつなくこなし積極性に欠けるが、長身で運動能力も高い。
アニ・レオンハート
第104期訓練兵団4席。小柄だが、蹴り技主体の対人格闘術に優れた能力を持つ。
ジャン・キルシュタイン
第104期訓練兵団6席。立体機動装置の扱いに長け、現状認識能力に優れる。エレンとは気が合わない。
マルコ・ボット
第104期訓練兵団7席。王への忠誠心が強く、指揮役として優れた資質を持つ。
コニー・スプリンガー
第104期訓練兵団8席。自称「天才」のお調子者。バランス感覚と俊敏さに秀でている。
サシャ・ブラウス
第104期訓練兵団9席。幼い頃の狩猟生活で得た弓術、天性の勘の良さと五感に優れている。
クリスタ・レンズ
第104期訓練兵団10席。周囲の人間を惹きつける不思議な人徳の持ち主。本名は「ヒストリア・レイス」。
ユミル
第104期訓練兵団。クリスタに執着している謎の多い人物。
エルヴィン・スミス
調査兵団第13代団長。くせ者揃いの調査兵団を取りまとめる、卓越した統率力と決断力の持ち主。
リヴァイ
調査兵団兵士長。冷徹で小柄だが、1人で1個旅団並みの戦力を持つ最強の兵士。本名は「リヴァイ・アッカーマン」。
ハンジ・ゾエ
調査兵団分隊長。巨人の生体調査によって裏付けされた洞察力と先見性を持つ。


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