転職
転職(てんしょく)とは、職業を変えること、あるいは職場を変えること。
現在の日本では、一般的には、正規雇用の被雇用者がこれまでの雇用契約を解消し、別の雇用主と新たな雇用契約を結び雇用されることを指す。つまり必ずしも職種を変更することは意味しない。むしろ、職種は変更せず雇用主だけを変更することを意味することも多い。また、「転職」の語で、独立や開業、すなわち自営業を始めることなどを含めることもある。
日本[編集]
転職の現状[編集]
雇用形態は、明治時代は引き抜き等により職人の転職が活発であったが、大正時代頃から終身雇用が一般的となっていた企業・職種もある。
第二次世界大戦後の昭和期、「終身雇用が日本企業の特徴のひとつ」などとする、(まるで世の中の「企業」には大企業しか存在しないかのように錯覚して、世の労働者の半数以上が勤務しているのが中小企業であるという事実や、企業の数では圧倒的に多数なのは中小企業であるという事実をすっかり無視した、統計的調査に基づいていない、不適切な)まるで神話のような言説がしばしば行われたが、実際には中小企業においては必ずしも終身雇用が定着していたわけではなく、特に若年層においては転職は一般的に行われていた。中堅クラスの規模の企業においても医療、出版、ホテル、外食産業などに従事する専門職労働者は現在に至るまで転職率が高い。企業の側も昭和期から、新卒一括採用ではなかなか叶わない即戦力を求めて、好況期には中途採用を広く行っていた。
その後、バブル崩壊以降は、中小企業だけでなく、大企業においても終身雇用を厳格にとりつづけることは止めて状況に応じて従業員をそれなりの数、実質上の整理解雇する企業がしだいに増えるようになり、転職する人々の割合は増えてゆくようになった。(中小企業ではしばしば正社員ですらあっさり(やや乱暴な)解雇が行われてしまうが、従業員が数万人もいるような大企業ではそれを行うと社会問題になりかねず、また大企業では従業員の労働組合もしっかり機能していて従業員側から提訴され裁判沙汰になるなど困難は多いため、大企業の場合はしばしばあらゆる手段を用いて退職勧奨を行うなどして、裁判沙汰になることをできるだけ回避する方式で整理解雇(リストラ)を行った)。
転職する人々や転職せざるを得ない人々の割合は増え続け、現在、日本の全労働者の9割強は転職をする、という状況になっている。具体的な数字を挙げて言うと、2009年時点の日本においてすでに、正規雇用労働者の平均の勤続年数は20年に満たず、終身雇用と言えるような実態は従業員1000人以上の大企業の男性社員に限られており、その労働人口に占める比率はわずか8.8%にすぎない、という状況になっていた。
転職希望率及び実際の転職率については、職種毎に大きな差異がある。例えば、システムの企画・開発や運用・保守に携わるITプロフェッショナルに限れば、転職希望者は2人に1人という非常に高い水準にある。その理由の第一は「給与に対する不満」(48%)である。また、3人に1人が「より将来性のある組織で働きたい」と答えている。
転職平均回数[編集]
2024年1月の調査にて、男性の転職平均回数は約1.97回、女性の転職平均回数は約2.49回という結果となった[1]。