西日本鉄道
西日本鉄道株式会社(にしにっぽんてつどう、英: Nishi-Nippon Railroad Co., Ltd.、NNR)は、福岡県を基盤に鉄道、路線バスなどの運営を行う会社で、日本の大手私鉄の一つである。一般的には西鉄(にしてつ、Nishitetsu)として知られている。公共交通機関の経営以外にも国内外で幅広く事業を展開し(「国際物流事業」「その他の自社直営事業」参照)、西鉄グループの中心となる会社でもある。
本社所在地は福岡県福岡市であるが、同市中央区の天神地区の再開発に伴い、博多区に所在する博多センタービルに仮移転している。2025年春に、建て替え後の仮称「新福岡ビル」に移転する予定で、約6年ぶりに本社が同社の本拠地である天神に戻る。
なお、大阪府大阪市に本社を置き、北陸・近畿・中国地方および福岡県の一部を営業エリアとする西日本旅客鉄道(JR西日本)との関連はない。
会社概要[編集]
福岡県内で天神大牟田線、太宰府線、甘木線、貝塚線(旧・宮地岳線)の4つの鉄道路線、および路線バス・高速バスなどを運営するほか、国際貨物(輸出入)、不動産業、レジャーサービス業なども行っている。福岡県内に留まらず日本全国、さらには海外でも事業を行っている。
鉄道事業の通称は西鉄電車(にしてつでんしゃ)、バス事業の通称は西鉄バス(にしてつバス)である。バス事業は福岡県内を中心とした路線バスや、九州や本州の各都市を結ぶ高速バスを運行しており、その規模は日本最大級である。鉄道事業の規模も日本の民鉄業界の中でも比較的大きく、首都圏・中京圏・京阪神圏の三大都市圏以外の鉄道会社としては唯一大手私鉄の中に含まれる。日本の大手私鉄の中では唯一本州以外で鉄道事業を展開しており、営業エリアが最も西に位置している。
本線格である天神大牟田線のターミナル駅である西鉄福岡(天神)駅は、九州最大の繁華街である福岡市の天神の中心に位置している。同駅周辺には、駅ビルのソラリアターミナルビルやソラリアプラザ、西鉄天神高速バスターミナルなど西鉄グループの施設が集積している。2019年に天神ビッグバンの影響で一時的に博多駅前に移転するまでは、天神にある福岡ビルに本社を置いていた。
1908年に現在の福岡県北九州市で創業した九州電気軌道が前身 で、2018年に110周年を迎えた(傍系の博多湾鉄道汽船は1900年創業)。かつては福岡市内線や北九州線などといった路面電車も有していた が、(事実上の)全面廃止を受けて、都市間高速電車として発展を続けていた大牟田線(現・天神大牟田線)にその中心がシフトした。現在は同路線が鉄道・バス部門における大動脈を担っており、利益捻出の柱ともなっている。
グループ全体でのコーポレート・スローガンは「まちに、夢を描こう。(英語版:Connecting your dreams)」(2014年9月22日から)。
歴史[編集]
西日本鉄道は、1908年(明治41年)に設立され、1911年(明治44年)に開業した九州電気軌道(九軌)が前身である。これに先立つ1902年(明治35年)には太宰府馬車鉄道(1913年に太宰府軌道と改称、1934年九州鉄道に合併)が二日市 - 太宰府間に馬車鉄道を開業している。1910年(明治43年)には福岡市内で福博電気軌道が、翌1911年には博多電気軌道が路面電車の運行を開始。両社は後にそれぞれ東邦電力と九州水力電気に吸収されるが、1934年(昭和9年)に福博電車が双方の軌道事業を引き継いだ。一方、1924年(大正13年)には九州鉄道(九鉄、国有化された1887年設立の九州鉄道とは別)が福岡駅 - 久留米駅間で高速電車を開業(現・天神大牟田線)し、その約1か月後に博多湾鉄道汽船(湾鉄)が新博多駅(後の千鳥橋駅) - 和白駅間で現在の貝塚線にあたる路線を開業している。
1942年(昭和17年)には陸上交通事業調整法に対応するため、九州電気軌道、福博電車、九州鉄道、博多湾鉄道汽船、筑前参宮鉄道の5社が合併し、西日本鉄道が発足した。登記上は九州電気軌道(本社は小倉市砂津、現在の北九州市小倉北区)による他4社の吸収合併で、合併成立3日後の1942年9月22日に現社名に改称している。当時は太平洋戦争下であり、小倉地区への戦災を恐れて、西鉄発足と同時に本社を福岡市西新に移転し、旧九州電気軌道本社は「北九州営業局」となった。「西日本鉄道」の社名は、5社合併時の博多湾鉄道汽船社長であった太田清蔵により命名されたものである。
西鉄では創立年を自社の直接の母体会社である九州電気軌道が設立された1908年としているが、創立記念日は5社合併後、現社名に改称した9月22日としている。
年表[編集]
- 1942年(昭和17年)
- 9月19日 - 九州電気軌道が福博電車、九州鉄道、博多湾鉄道汽船、筑前参宮鉄道を合併。
- 9月22日 - 西日本鉄道に社名変更。社紋制定。これまで関係各社が保有していた各路線の名称は以下のように定められた。
- 九州電気軌道 → 北九州線
- 福博電車 → 福岡市内線
- 九州鉄道
- 大牟田線、太宰府線、三井線、大川線、上久留米線、大牟田市内線 → いずれも九州鉄道時代の呼称を踏襲
- 博多湾鉄道汽船
- 貝塚線(新博多駅 - 貝塚駅 - 宮地岳駅間) → 宮地岳線
- 西戸崎駅 - 香椎駅 - 宇美駅間、酒殿駅 - 志免駅 - 旅石駅間 → 糟屋線、糟屋線旅石支線
- 筑前参宮鉄道 → 宇美線
- 1943年(昭和18年)
- プロ野球球団「大洋軍」を買収して「西鉄軍」発足(同年シーズン終了後に解散)。
- 日本初の高速連接車・前面展望型電車500形が運転開始。
- 1943年(昭和18年) - 1944年(昭和19年) - 福岡県内のバス事業者各社を買収。
- 1944年(昭和19年)5月1日 - 糟屋線と宇美線が戦時体制により国有化され、糟屋線は国鉄香椎線及び香椎線旅石支線に、宇美線は国鉄勝田線となる。
- 1945年(昭和20年)
- 1月15日 - 本社を福岡市大名町1番地に移転。
- 6月19日 - 福岡大空襲により本社焼失。
- 1948年(昭和23年)
- 7月15日 - 三井線の一部区間を休止(1952年廃止)し、甘木線と福島線に分断。上久留米線を休止(1951年廃止)。
- 11月5日 - パンアメリカン航空と代理店契約を結び航空貨物事業本部を設置、航空貨物事業を開始。
- 1949年(昭和24年) - プロ野球球団「西鉄クリッパース」(会社名:西鉄野球株式会社)発足、パ・リーグに加盟。
- 1950年(昭和25年)
- 1月6日 - 本社新社屋落成。
- 3月6日 - 貸切バス事業開始。
- 1951年(昭和26年)
- 私鉄初の中間電動車を持つ600形(初代)が運転開始。
- 西鉄クリッパースが西日本パイレーツと合併、「西鉄ライオンズ」となる。
- 7月1日 - 宮地岳線宮地岳駅 - 津屋崎駅間が延伸開業。同時に宮地岳駅移転。
- 9月25日 - 大川線を休止(1966年廃止)。
- 1952年(昭和27年)
- 日本初のモノコック鉄道車両である313形運転開始。
- 1月6日 - 大牟田市内線を休止(1954年廃止)。
- 1957年(昭和32年)2月11日 - 西鉄初の新性能車として1000形運転開始。
- 1958年(昭和33年)11月27日 - 福島線を廃止。
- 1959年(昭和34年)5月1日 - 大牟田線で特別料金不要の特急を運行開始。
- 1961年(昭和36年)12月28日 - 西鉄福岡駅に自動券売機を設置。
- 1962年(昭和37年)
- 4月27日 - 福岡ビル内に本社を移転。
- 9月25日 - 大牟田線で新600形通勤電車の運転開始。
- 1969年(昭和44年)6月25日 - 日本民営鉄道協会(民鉄協)を脱退。
- 1972年(昭和47年)
- 10月28日 - シーズン終了後、西鉄ライオンズを中村長芳(福岡野球)に売却。
- 12月11日 - 西鉄初の冷房車700形通勤電車運転開始。
- 12月16日 - 大牟田線全線に自動列車停止装置(ATS)完備。
- 1973年(昭和48年)
- 1月5日 - 福岡市内線の吉塚線(吉塚駅前 - 千代町間)が廃止。
- 5月10日 - 大牟田線で2000形特急電車運転開始。翌年九州初の鉄道友の会「ローレル賞」受賞。
- 11月17日 - 九州自動車道鳥栖 - 南関間開通に伴い、福岡市 - 熊本市間の都市間高速バス「ひのくに」を高速道路経由に変更(西鉄初の高速バス)。
- 1975年(昭和50年)
- 10月10日 - 大牟田線で5000形通勤電車運転開始。
- 11月2日 - 福岡市営地下鉄の建設工事に伴い、福岡市内線の貫線(九大前 - 姪浜間)、城南線(西新 - 渡辺通1丁目間)、呉服町線(呉服町 - 祇園町間)が廃止。
- 1978年(昭和53年)3月3日 - 高架化の完成した平尾駅 - 大橋駅間で西鉄初のロングレールを採用。
- 1979年(昭和54年)2月11日 - 福岡市内線の循環線と貝塚線が廃止。これにより福岡市内線は全線廃止に。
- 1980年(昭和55年)11月1日 - 北九州線の路線の一つである北方線が廃止。
- 1982年(昭和57年)8月1日 - 民鉄協に復帰。
- 1983年(昭和58年)
- 3月24日 - 福岡 - 大阪(阪急梅田駅)間に夜行高速バス「ムーンライト号」を運行開始(阪急バスとの共同運行)。
- 8月3日 - 鉄道運賃改定を実施(改定率は普通12.5%、通勤18.8%、通学17.9%)
- 1985年(昭和60年) - 西鉄福岡駅ターミナルプロジェクト(天神ソラリア計画)開始。
- 10月23日 - 新キャッチフレーズ「今日も笑顔とまごころで」制定。
- 1986年(昭和61年)
- 2月5日 - 鉄道運賃改定を実施(改定率は普通11.3%、通勤14.8%、通学15.3%)。
- 9月6日 - 地平区間としては西鉄初のロングレールが大牟田線春日原駅 - 白木原駅間で完成。
- 1987年(昭和62年)
- 3月25日 - 大牟田線に新種別「直行」が登場。
- 10月1日 - 主要駅に自動改札機を導入。
- 1989年(平成元年)
- 3月10日 - 大牟田線で8000形特急電車運転開始。
- 福岡市で開催されたアジア太平洋博覧会会場内において日本初のガイドウェイバスを運行開始(同博覧会終了と同時に終了)。
- 3月24日 - 天神ソラリア計画第1期の「ソラリアプラザビル」が営業開始。
- 4月25日 - 大牟田線の全車両(事業用および保存車両を除く)の冷房化・高性能化が完了。
- 1990年(平成2年)10月14日 - 京王帝都電鉄(現・京王電鉄)と共同で福岡 - 東京(新宿)間に日本最長距離の高速バス「はかた号」を運行開始(後に京王は撤退)。
- 1991年(平成3年)7月22日 - 宮地岳線の全車両の冷房化が完了。
- 1993年(平成5年)
- 4月18日 - 博多湾クルージングシップ「マリエラ」運航開始(2007年(平成19年)5月1日に西鉄シティホテルに移管)。
- 5月17日 - 西鉄初の4扉車両6000形通勤電車が大牟田線で運転開始。
- 7月3日 - 鉄道運賃改定を実施(改定率は普通13.3%、通勤22.7%、通学16.6%)。
- 9月22日 - 企業理念、社内スローガン「私の顔が、会社の顔です」、社外向け企業メッセージ「人へ、社会へ、あしたへ動く―」を制定。
- 1995年(平成7年)
- 2月23日 - 西鉄初のVVVFインバータ制御車両、6050形通勤電車が大牟田線で運転開始。
- 3月25日 - 大牟田線薬院駅の高架化完成に伴い同駅に全ての列車が停車。
- 1996年(平成8年)3月8日 - 西鉄福岡駅に自動継続定期券発売機導入。
- 1997年(平成9年)
- 1月1日 - VI(ビジュアル・アイデンティティ)導入。コーポレートシンボル制定。
- 7月1日 - 鉄道運賃改定を実施(改定率は普通15.4%、通勤19.7%、通学18.4%)。
- 9月27日 - 西鉄福岡駅の改良工事が完成。
- 9月29日 - 天神ソラリア計画第2期の「ソラリアターミナルビル」が竣工。
- 1998年(平成10年)4月23日 - 西鉄天神バスセンターが全面完成。これにより天神ソラリア計画の第2期として計画され、西鉄福岡駅、西鉄天神バスセンターおよび福岡三越が入った「ソラリアターミナルビル」が全面完成。
- 1999年(平成11年)
- 4月1日 - 福岡市交通局との共通プリペイドカード「よかネットカード」を導入。
- 4月24日 - 天神ソラリア計画第3期の「ソラリアステージビル」が竣工。これにより西鉄福岡駅ターミナルプロジェクト(天神ソラリア計画)が完了。
- 7月1日 - 福岡都心部(天神 - 博多駅間各ルート)のバス運賃を100円に値下げ。同時に都心部を循環する100円循環バスを運行開始。
- 2000年(平成12年)
- 4月1日 - 駅業務を子会社の西鉄ステーションサービスに委託開始。「駅から・駅まで100円バス」開始、主要駅最寄りバス停とそこから約1km以内のバス停との間の運賃が100円に値下げされる。
- 5月3日 - 西鉄バスジャック事件発生。
- 11月26日 - 北九州線が熊西駅 - 黒崎駅前駅間を除いて全線廃止。熊西駅 - 黒崎駅前駅間は子会社の筑豊電気鉄道運営に関わる法の関係で第三種鉄道事業者として形式的に残したもので、事実上は全廃である。
- 2001年(平成13年)
- 1月1日 - 大牟田線を天神大牟田線に、西鉄福岡駅を西鉄福岡(天神)駅に改称。
- 1月20日 - 天神大牟田線に快速急行を新設。
- 2月17日 - 天神大牟田線で7000形通勤電車運転開始。
- 2002年(平成14年)
- 3月 - 駅を拠点としたウォーキングイベント「レールあんどハイク」開始。
- 5月1日 - 北九州営業局を西鉄バス北九州として分社。北九州地区における本社直轄拠点が消滅した。
- 2003年(平成15年)12月 - 天神大牟田線で7050形通勤電車運転開始。
- 2005年(平成17年)3月1日 - SUNQパス発売開始。
- 2006年(平成18年)
- 3月25日 - 西鉄初のステンレス車両3000形電車が天神大牟田線で運転開始。翌年鉄道友の会「ローレル賞」受賞。
- 4月1日 - SUNQパスの対応範囲が全ての九州島内高速バスおよび路線バスに拡大。
- 2007年(平成19年)
- 4月1日 - 宮地岳線の西鉄新宮駅 - 津屋崎駅間を廃止、同時に宮地岳線を貝塚線に改称。
- 7月21日 - 戦後初の女性車掌が誕生。
- 8月1日 - 鉄道車両の前部標識灯(ヘッドライト)の終日点灯を開始(ただし、JRや東武鉄道など他の大手民鉄とは異なり、夜間を除いて後部標識灯(尾灯)の点灯はほとんどされていない)。
- 2008年(平成20年)
- 西鉄の会社登記上の直接の前身である九州電気軌道の設立100周年を記念して、西鉄100周年事業を開始。
- 3月27日 - 鉄道各路線で緊急地震速報システムを運用開始
- 5月18日 - 非接触型ICカード乗車券「nimoca」を導入。
- 6月9日 - 西鉄バスの新デザインバスを52台導入し、運行を開始。
- 7月1日 - 鉄道沿線の活性化・沿線価値向上に向けた専門部署「まちづくり推進室」を新設。
- 9月22日 - 福岡シティループバス「ぐりーん」運行開始。
- 2010年(平成22年)
- 3月13日 - nimocaと、JR九州のSUGOCA、福岡市地下鉄のはやかけん、JR東日本・東京モノレール・東京臨海高速鉄道他のSuicaとの相互利用を開始。
- 3月27日 - 天神大牟田線の列車種別の整理・統合を実施。直行・快速急行を急行に格下げし、両種別が消滅。
- 3月31日 - 「よかネットカード」販売終了(使用は2011年10月31日で終了)。
- 10月17日 - 天神大牟田線で2000形電車の運用終了。
- 12月21日 - クレジットカードによる定期券・高速バス乗車券等の購入に対応(ただし、当面対応カードはクレジットnimoca(JCB)、JMB nimoca、arecore nimocaの3カードのみ。また、雑餉隈・小郡・貝塚各駅および電車地下鉄連絡定期券は2011年3月中旬頃から対応)。
- 2011年(平成23年)
- 6月17日 - 天神大牟田線を走行中の車内で火花が起こるトラブルが発生。
- 10月7日 - 株式会社あんくるふじやの株式を創業家など3名から取得して同社を買収。
- 10月中旬 - 電車教習所に3000形ベースの「運転シミュレータ」を導入。
- 2012年(平成24年)
- 1月1日 - 完全子会社の株式会社福岡スポーツセンターを吸収合併。
- 3月24日 - FUKUOKA OPEN TOP BUS運行開始
- 8月16日 - Jリーグ「アビスパ福岡」のユニフォームスポンサー(胸)に就任
- 2013年(平成25年)
- 3月23日 - Kitaca、PASMO、manaca、TOICA、ICOCA、PiTaPaが交通系ICカード全国相互利用サービス開始によって利用可能になる。
- 9月4日 - 株式会社マルキョウとの資本・業務提携を発表。
- 12月22日 - ホームページをリニューアル。新たに、電車・バスの時刻検索やグループの商品・サービス情報等を紹介する「西鉄くらしネット」を新設。従来のページは会社情報等のページに移行。また、同日よりスマートフォンアプリ「にしてつバスナビ」を提供開始。
- 2014年(平成26年)
- 3月22日 - 天神大牟田線・太宰府線で8000形を使用した太宰府観光列車「旅人」運転開始。
- 4月 - 天神大牟田線で戦後初めての女性運転士が乗務開始。
- 9月22日 - 現行コーポレートメッセージ「まちに、夢を描こう。」「Connecting your dreams」を制定。
- 2015年(平成27年)
- 3月1日 - 会社分割(簡易吸収分割)方式により、西鉄が保有する黒崎駅前 - 熊西間の鉄道事業および資産を子会社の筑豊電気鉄道へ承継。同時に西鉄が保有する同区間の第三種鉄道事業は廃止となった。
- 3月24日 - 阪急不動産と共同で初の海外マンション分譲事業に参入を発表。
- 6月30日 - 西鉄グループ共通商品券「西鉄ギフト券」の取扱いを終了。
- 7月1日 - 福岡西鉄タクシーを存続会社として北九・久留米・柳川の西鉄タクシー3社を吸収合併。福岡西鉄タクシーは中間持株会社「西鉄タクシーホールディングス」となり事業子会社4社を会社分割の方式で新設した。
- 10月4日 - 天神大牟田線で8000形を使用した柳川観光列車「水都」運転開始。
- 2016年(平成28年)4月11日 - 西鉄が保有するビルの空き区画の有効活用として、西鉄と福岡移住計画の2社共同事業による、人材交流スペース「HOOD天神」が開設。
- 2017年(平成29年)
- 2月1日 - 全線全駅に駅ナンバリングを導入。これにより全ての大手私鉄で駅ナンバリングが導入された。
- 3月20日 - 天神大牟田線・太宰府線で9000形通勤電車の営業運転開始。
- 3月31日 - 福岡 - 近畿地方を結ぶ夜行高速バス「ムーンライト号」休止。
- 4月1日 - 鉄道全線(筑豊電気鉄道含む)、一般路線バス及び高速バスの一部で精神障害者保健福祉手帳所持者を対象とした割引制度の適用開始。それまでは身体障害者手帳及び療育手帳の所持者(付き添い人は一部のみ割引対象)のみが対象であった。nimoca障がい者カードも発行の対象を拡大する。大手私鉄では初の試み。
- 7月1日 - 西鉄タクシーホールディングスを吸収合併。
- 7月22日 - 天神大牟田線で3000形を使用した二代目「水都」運転開始。同日より同車内及び一部駅で無料公衆無線LAN「Nishitetsu Train Free Wi-Fi」サービスを開始。
- 9月16日 - 天神大牟田線・太宰府線で3000形を使用した二代目「旅人」運転開始。
- 10月15日 - 天神大牟田線で8000形電車の運行終了。
- 2018年(平成30年)
- 西鉄の会社登記上の直接の前身である九州電気軌道の設立110周年を記念して、西鉄110周年事業を開始。
- 3月17日 - 人員不足により100 円循環バスの見直しと最終バス運行時刻繰り上げを実施。
- 5月11日 - 商業施設「大橋西鉄名店街」第1期リニューアルオープン。
- 8月3日 - 「天神コア」及び「福岡ビル」の一体建て替えを発表。2019年4月からの福岡ビル取り壊しに伴い、2019年3月末で本社を博多区の博多センタービルへ移転させることも発表。
- 10月18日 - 海上物流事業を手掛けるフランス企業「GLOBAL STAR INTERNATIONAL SSR」を買収して、子会社「NNR GLOBAL LOGISTICS FRANCE SAS」を設立したと発表。
- 11月1日 - トヨタ自動車と共同でマルチモーダルモビリティサービス「my route」の実証実験を福岡市内で開始(2018年11月から当初2019年3月までのところ、2019年8月まで延長後2019年内まで再延長)。
- 2019年(平成31年・令和元年)
- 1月28日 - 太宰府天満宮付近での古民家宿泊事業の開始を発表(福岡銀行と協力)。7月29日に施設名称を「HOTEL CULTIA DAZAIFU」、開業日を2019年10月4日と決定した。
- 2月28日 - 西鉄福岡(天神)駅でホームドアの実証実験を開始。
- 3月11日 - 同日より、本社機能を順次博多センタービルに移転。4月1日には、全事業部及び関連会社で移転先での業務を開始する。
- 3月23日 - ダイヤ改正と同時に、天神大牟田線・太宰府線で観光列車「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」運行開始。
- 4月26日 - 大橋西鉄名店街リニューアル完了と同時に、名称を「RAIRIA Ohashi(レイリア大橋)」と変更。今後、西鉄沿線の他の施設においても同名称 (RAIRIA) へ変更予定。
- 10月 - 上質かつ特別なバスツアーブランド「GRANDAYS」を始動、同ツアー用のラグジュアリーバスを導入。
- 11月28日 - 実証実験としてトヨタ自動車と共同で行っていた「my route」を本格実施に移行。同日より北九州市もエリアに加えられ、同時に九州旅客鉄道(JR九州)が参画。
- 2020年(令和2年)
- 10月1日 - 駅業務に集中管理方式(駅集中管理システム)の試行導入。無人駅を従来比4割増の24駅に増やす。
- 10月14日 - LINE Fukuokaを発起人に、西鉄を含む9社(JR九州、嘉穂無線ホールディングス、西部ガス、西日本シティ銀行、福岡銀行、福岡国際空港、福岡地所)とオブザーバーの福岡市で「Fukuoka Smart City Community」を発足。
- 2021年(令和3年)
- 3月6日 - 鉄道運賃を値上げ(天神大牟田線:7 km - 17 km、貝塚線:4km以上の区間が対象)
- 3月13日 - 天神大牟田線ダイヤ改正。終電繰上げ、土曜ダイヤの新設、平日日中の特急を急行に格下げするなど、新型コロナウイルス感染症流行の影響による利用減を反映した減便を行う。
- 3月31日 - 電車・バスの利用に応じて付与するnimoca乗車ポイントを終了。
- 4月1日 - 2020年10月1日より試行実施している集中管理方式の本格運用を開始。
- 7月31日 - 回数乗車券の発売を終了。
- 12月30日 - 運営する遊園地「西鉄香椎花園(かしいかえんシルバニアガーデン)」の営業が終了。
- 2022年(令和4年)
- 3月31日 - 子会社の西鉄興業が運営するボウリング場「西新パレスボウル」の営業が終了。西鉄興業は翌4月1日に西鉄ウェルネスへ社名を変更。
- 6月- 台湾の電気バスメーカーRACと共同でディーゼルエンジンの中古バスを電気バスに改造する技術を開発し、北九州市で試験運行。
- 7月15日 - 天神大牟田線の一部駅でクレジットカードなどのタッチ決済実証実験を開始。
- 8月28日 - 連続立体交差事業区間(雑餉隈駅から下大利駅間)を高架切替。
- 2024年(令和6年)
- 3月16日 - 天神大牟田線ダイヤ改正で平日日中の特急が運転再開。同線に14年ぶりの新駅として桜並木駅が開業。
- 3月21日 - 西鉄電車開業100周年を記念して、西鉄バスの公式キャラクターである「ババ・バスオ」を手がけたパントビスコがデザインした公式キャラクター「ガタンコ」と「ゴトンコ」を起用。
- 3月28日 - 天神大牟田線一部駅と一部バス(太宰府ライナーバス「旅人」、Fukuoka BRT、博多駅 - 福岡空港国際線)で行っていたタッチ決済実証実験を2025年3月31日まで延長。同時に、対象駅を2024年度内に天神大牟田線・貝塚線の全駅に順次拡大予定。
- 2025年(令和7年)春 - 本社を中央区天神の「新福岡ビル」に戻す予定。
コーポレートシンボル・社紋[編集]
コーポレートシンボルは1997年のVI導入時に制定された。グラフィックデザイナーの原田進が制作を担当している。
意匠は社名の「Nishitetsu」と方向舵に見立ててNの上下に配置された2つのフィンで構成されている。フィンは人・物・情報・文化の「出逢いの場を提供する事業」「移動を支えるネットワーク事業」という会社が目指す2要素を表し、事業展開を通して会社が躍動感と力強さをもって発展していくことを表現している。コーポレートシンボルに使用されるカラーはコーポレートカラーでもあり、限りない可能性と信頼を表す「にしてつブルー」、若々しさと輝きを表す「にしてつイエロー」、情熱と活動を表す「にしてつレッド」の三色で構成される。
なお、専ら「Nishitetsu Group」のロゴが使われているのが殆どで、「Group」が入っていないオリジナルのロゴは西日本鉄道(本体)と西鉄バス北九州だけが使用している。西鉄グループであっても亀の井バスや株式会社ニモカなどのように「Nishitetsu Group」ロゴを一切使用していない企業もある。
これの派生として、国際物流事業専用で後述の「NNR」ロゴや、一番先頭の「N」のみで表現したものもあり、後者は乗務員の制帽や、西鉄グループ関連のホームページにおける殆どのファビコンで使用されている。
社紋は1942年9月22日に制定された。西日本鉄道の「西」を車輪状に図案化し、3本のスポークが「株主の投資」「従業員の努力」「乗客の愛顧」を表していた。コーポレートシンボル制定後はあまり使われなくなったが、現在もシンボル導入以前の一部バス停や電車・バスの復刻塗装などに使用されている。
鉄道事業[編集]
西鉄の鉄道路線は、軌間および歴史的経緯(前身会社)の違いから大牟田線系統と貝塚線系統に大別される。大牟田線系統は、軌間が1,435mmで天神大牟田線、太宰府線、甘木線の3路線から構成される。貝塚線系統は軌間が1,067mmの貝塚線のみで構成され、他の西鉄路線から孤立した状態である。
大牟田線系統の本線格にあたる路線である天神大牟田線は、九州一の繁華街である天神に直通しており、料金不要の特急・急行列車が多数行き交っている。また、天神大牟田線は福岡市中心部から福岡県南部にかけてJR九州の鹿児島本線と並走しており、一部競合関係にある。
一方で、貝塚線は都心のターミナル駅を持たないが、貝塚駅で福岡市地下鉄箱崎線と乗り換えることで都心部への結節を果たしている。貝塚線の地下鉄相互直通運転の構想はあるものの実現は難航している。
路線は全て福岡県内にあり、他県に乗り入れていない(JR鹿児島本線とは異なり西鉄天神大牟田線は筑紫野市から久留米市の途中で佐賀県を経由しない)。また、複線および単線区間はあるが複々線区間は存在しない。
路線のほとんどが福岡平野・筑紫平野上の平坦な地形にあり、地下線も地下駅もないため、日本の大手私鉄で唯一、自社路線にトンネルが全くない。廃止路線も含めると北九州線にトンネルが1か所存在していたが、このトンネルは併用軌道区間にあり、同線廃止後も道路トンネルとして現存している。
かつては北九州市内に北九州線、福岡市内に福岡市内線、大牟田市内に大牟田市内線という軌道線(路面電車)も有していた。収入は軌道線が鉄道線を上回っていたが、高速都市間電車として成長する大牟田線と対照的に利益面では悪化をたどった。自動車流入量の増加や福岡市営地下鉄や北九州モノレールなど代替輸送機関の整備に伴い全廃されている。
かつては北九州線が筑豊電気鉄道線への乗り入れ を1956年の筑豊電気鉄道開業時から北九州線が廃止される2000年まで行っていた。北九州線廃止によって他社局線との直通運転がなくなった西鉄は、2019年11月30日より相模鉄道が東日本旅客鉄道(JR東日本)との相互直通運転を開始したことに伴い、大手私鉄で唯一、他社局線との直通運転を行っていない事業者となった。
なお、三大都市圏以外で唯一の大手私鉄であることから、2023年3月31日時点では、鉄軌道営業収益は18,620(百万円)、旅客輸送人員92,504千人、1日1キロ平均旅客輸送人員(輸送密度)34,516人、旅客用車両は297両と、大手私鉄16社の中で最も少ない数字となっている。ただし、阪神電気鉄道が新線を開業した2009年度以前は、同社より保有車両数は上回っていた。また、2013年度以前は名古屋鉄道より輸送密度は上回っていた。
近年、西鉄では鉄道事業の活性化施策としてパークアンドライドを推進している。現有路線はその大半が平坦な地形であり、駅までのアクセス手段として路線バスよりもマイカーやバイク、自転車などを用いることが便利な環境にある。これらは広大な筑紫平野では特に顕著であり、沿線の民間経営の駐車場も含めると相当数に上る。駅ロータリーが存在する駅ではキスアンドライドも通勤通学時間帯を中心に多い。西鉄では限られた社有地の範囲内で今後もパークアンドライドを推進したいとしている。
西鉄のダイヤグラム編成上の特徴として、旅客への列車案内時刻が他の鉄道会社と異なり「終着駅では秒単位を切り上げとなっている」点がある(例:ダイヤグラムの到着時刻が10時30分15秒なら、時刻表の到着時刻は10時31分と表示)。途中駅では他社と同様に秒単位を切り捨てた形で案内している。
また、天神大牟田線・太宰府線の主要駅では一般利用客向けにダイヤグラムを有料で販売している。この一般利用客向けダイヤグラムには甘木線は掲載されていなかったが、2021年3月13日のダイヤ改正からは掲載されている。ただし、貝塚線は従来どおりダイヤグラムの掲載はない。
2022年3月末時点の旅客輸送人キロは1,208百万人キロ、列車の最大連結両数は7両となっている。これは大手私鉄の中では最も短い。
路線[編集]
現有路線[編集]
以下の合計106.1kmの路線を営業しており、これは日本の大手私鉄16社の中では第11位、JR九州以外の九州の鉄道としては肥薩おれんじ鉄道 (116.9km) に次ぐ第2位の路線規模となっている。
路線名左の英字は駅ナンバリングに使われる路線記号
- T 天神大牟田線(西鉄福岡(天神)駅 - 大牟田駅間:74.8 km)
- D 太宰府線(西鉄二日市駅 - 太宰府駅間:2.4 km)
- A 甘木線(宮の陣駅 - 甘木駅間:17.9 km)
- NK 貝塚線(貝塚駅 - 西鉄新宮駅間:11.0 km)
廃止路線[編集]
- 北九州線
- 福岡市内線
- 大牟田市内線
- 福島線(福島駅 - 宮の陣駅間)
- 大川線(大善寺駅 - 西鉄大川駅間)
- 上久留米線(津福駅 - 上久留米駅間)
- 宮地岳線(西鉄新宮駅 - 津屋崎駅間)
北九州線のうち、黒崎駅前 - 熊西間は、2000年の軌道法による軌道線としての北九州線全廃後も、この区間に乗り入れていた子会社の筑豊電気鉄道が鉄道事業法による第二種鉄道事業者となり、西鉄が第三種鉄道事業者として線路を保有していたが、2015年にこの第三種鉄道事業を筑豊電気鉄道へ吸収分割したため、西鉄の保有路線ではなくなっている。
未成線[編集][編集]
- 雑餉隈線(雑餉隈 - 博多間)
譲渡路線[編集][編集]
いずれも国による戦時買収。
- 糟屋線(西戸崎駅 - 宇美駅間、酒殿駅 - 志免駅間) - 現・香椎線(酒殿駅 - 志免駅間は貨物線で1985年廃止)
- 宇美線(吉塚駅 - 筑前勝田駅間) - 後の勝田線(1985年廃止)
利用客数上位20駅[編集]
順位 | 駅名 | 所在地 | 利用客数 | 備考 |
---|---|---|---|---|
1 | 西鉄福岡(天神)駅 | 福岡市中央区 | 109,641人 | 天神大牟田線の起点・福岡市地下鉄空港線(天神駅)、及び福岡市地下鉄七隈線(天神南駅)との乗換駅 |
2 | 大橋駅 | 福岡市南区 | 37,294人 | 特急停車駅 |
3 | 薬院駅 | 福岡市中央区 | 35,012人 | 特急停車駅・福岡市地下鉄七隈線との乗換駅 |
4 | 西鉄久留米駅 | 久留米市 | 28,355人 | 特急停車駅 |
5 | 井尻駅 | 福岡市南区 | 20,625人 | 普通のみ停車 |
6 | 春日原駅 | 春日市 | 20,274人 | 特急停車駅 |
7 | 高宮駅 | 福岡市南区 | 18,514人 | 普通・一部急行停車駅 |
8 | 西鉄二日市駅 | 筑紫野市 | 16,904人 | 特急停車駅・太宰府線との分岐駅 |
9 | 貝塚駅 | 福岡市東区 | 16,071人 | 貝塚線の起点・福岡市地下鉄箱崎線との乗換駅 |
10 | 雑餉隈駅 | 福岡市博多区 | 14,203人 | 普通のみ停車 |
11 | 下大利駅 | 大野城市 | 14,148人 | 急行停車駅 |
12 | 西鉄平尾駅 | 福岡市中央区 | 12,541人 | 普通・一部急行停車駅 |
13 | 朝倉街道駅 | 筑紫野市 | 11,853人 | 急行停車駅 |
14 | 太宰府駅 | 太宰府市 | 11,658人 | 太宰府線の終点 |
15 | 西鉄柳川駅 | 柳川市 | 10,072人 | 特急停車駅 |
16 | 西鉄小郡駅 | 小郡市 | 9,236人 | 急行停車駅・甘木鉄道甘木線(小郡駅)との乗換駅 |
17 | 白木原駅 | 大野城市 | 8,973人 | 普通のみ停車 |
18 | 大牟田駅 | 大牟田市 | 7,856人 | 天神大牟田線の終点・JR鹿児島本線との乗換駅 |
19 | 花畑駅 | 久留米市 | 7,370人 | 特急停車駅 |
20 | 筑紫駅 | 筑紫野市 | 7,006人 | 急行停車駅 |
- 参考
-
- 特急停車駅のうち、上表に掲載されていない駅の利用者数は、新栄町駅が3,365人、大善寺駅が2,973人。また、急行停車駅で最も少ないのは宮の陣駅で、2,066人。乗換駅では、特急や急行が停車しても改札を出入りする人数が少ないため、統計上の利用客数が低いものになっていることに留意されたい。
- 大善寺駅自体の利用客は少ないものの、この駅で特急・急行と普通が緩急接続し、同駅 - 西鉄柳川間の特急通過駅から乗り換える利用客が多い。宮の陣駅に関しても、甘木線と天神大牟田線の急行が接続している。
- 薬院駅は元々普通列車しか停車しない駅であったが、全列車が停車するようになったのは1995年のダイヤ改正時からである。これは福岡(天神)駅の工事がきっかけで、混雑を緩和して乗客を分散させる狙いがあった(ただし、それ以前にも朝の上り列車は全停車していた)。これにより、福岡(天神)駅の利用者数は減少したが、近年は増加傾向にある。
- 花畑駅も薬院駅同様、元々は普通列車しか停車しない駅であった。しかし2004年の高架化の際、周辺の再開発事業との関連もあり、久留米市の要望で特急停車駅になった。また、これにより花畑駅の利用者は大幅に増えたが、その分、西鉄久留米駅の利用者が減少傾向にある。
- 西鉄久留米駅は長期に亘り福岡(天神)駅に次いで第2位の利用者数であった。しかし、利用者数の減少と花畑駅への分散化が進み、さらに福岡市内の利用者が増えたため、2012年度のランキングから第3位に。そして、2013年度のランキングから第4位に順位が下がった。
- 2020年度は、新型コロナウイルス感染症流行の影響により、大幅に利用客数が減った。また、駅によって影響の度合いが多少差があり、前年度2位の薬院駅と同3位の大橋駅の順位が入れ替わっている。
- 特急停車駅のうち、上表に掲載されていない駅の利用者数は、新栄町駅が3,365人、大善寺駅が2,973人。また、急行停車駅で最も少ないのは宮の陣駅で、2,066人。乗換駅では、特急や急行が停車しても改札を出入りする人数が少ないため、統計上の利用客数が低いものになっていることに留意されたい。
車両[編集]
西鉄の車両は鉄道線向けに日本初のモノコック構造や高速連接車、前面展望式車両、私鉄初の中間電動車といった日本の鉄道車両史に残る先進的な技術を導入してきた。
2023年(令和5年)3月31日時点で297両(天神大牟田線用281両、貝塚線用16両)の旅客用車両を保有している。かつては気動車、蒸気機関車、電気機関車、客車、貨車も保有していたが、貨物輸送廃止や路線の国有化・廃止などにより、保有車両は1978年以降電車に統一されている。
大牟田線系統で運用を離脱した車両は一部が貝塚線に転用されているが、前述の通り軌間が異なるため、転用に際しては軌間が同じ1,067mmの西武鉄道および東急電鉄の中古台車に履き替えた上で転用されている。現在、貝塚線に在籍する全車両が大牟田線系統からの転用車両である。
西鉄の車両の形式は京成電鉄や小田急電鉄、名古屋市営地下鉄などと同様に「…系」ではなく「…形」と表記するが、西鉄での読み方は「けい」である(例:3000形→3000けい)[要出典]。この読み方は西鉄以外では遠州鉄道など一部の鉄道会社で見られる特徴的な読み方である。また、旅客用車両の形式記号は名古屋鉄道や近畿日本鉄道などと同様に等級を表す「ハ」を付けずに「ク」(Tc車)、「モ」(MおよびMc車)、「サ」(T車)と呼ぶ。
鉄道線の車体寸法は13m級から19m級が混在する不統一な状態が1970年代まで長く続き、18m以上のロングシート大型車でも構造や出自の相違から2扉と3扉が混在した。標準最大長は600形(2代目)以降19.5mと長めに取っている反面、車体幅は7000形・7050形まで2,670mmの細長い車体が特徴であった。性能面では、標準軌間を利して同じく600形から強力モーターを搭載したM・T同数の経済的な編成を基本としている。
電動車の制御方式は抵抗制御および可変電圧可変周波数制御(VVVFインバータ制御)となっている。特急用である8000形の設計においては、従来の抵抗制御に代わる省エネルギーな制御方式としてチョッパ制御や界磁添加励磁制御などの導入も検討されたが、回生ブレーキの使用効果が薄いことなどから見送られたため、これらの制御方式の車両は存在していない。このため、新製車の制御方式は1990年代前期まで抵抗制御を継続し、1995年の6050形で一足飛びにVVVFインバータ制御に移行している。制御装置は長らく三菱電機製(313形の一部は日立製作所製)を使用していたが、7000形以降は東芝製を採用している。
アルミニウム合金やステンレス鋼といった軽量の合金を使った車体の導入には消極的で、2007年にオールステンレス車両の3000形が登場するまで1両も存在しておらず、これは大手私鉄の中でも最も遅かった。
車両メーカーは軌道線では系列下の九州車輌(現在は解散)ほか複数社のものが採用されていたが、鉄道線では1962年の600形以降、川崎車輌および後身の川崎車両(旧・川崎重工業車両カンパニー)に統一されている。本州にあるメーカー工場(川崎車両兵庫工場)からの新造車両の搬入は、かつては大牟田まで国鉄線を甲種輸送して行っていたが、現在ではカーフェリーにトレーラーごと積み込んで門司港まで海上輸送し、門司港から車両基地までそのまま陸送する形が取られている。
台車については過去近畿車輛、住友金属工業、日本車輌などのさまざまな形式のものが使われてきたが、最近は川崎重工業の軸梁式のものが増えている。かつては連接車(西鉄500形電車、西鉄1000形電車)等の特色のある車両が使われていた。
列車無線アンテナは、全車両上り側(ただし貝塚線は下り側) 先頭車両の運転席屋根に設置されている。
すでに廃車になった車両[編集]
全車が廃車にはなっていないが、当該路線から完全撤退した形式も含む。
天神大牟田線(大牟田線)・太宰府線・甘木線[編集]
- 1形
- 50形
- 10形
- 20形(→宮地岳線120形)
- 100形
- 200形
- 301形
- 303形・308形(→宮地岳線・貝塚線300形)
- 313形(→宮地岳線・貝塚線313形)
- 500形
- 600形(初代)
- 600形(2代)(→宮地岳線・貝塚線600形)
- 700形
- 1000形
- 1300形
- 2000形
- 8000形
- モワ800形(→モエ800形)
- モト900形
- クエ902-モエ901(→貝塚線600形)
大川線[編集]
- 9形蒸気機関車
貝塚線(宮地岳線)[編集]
- 1形(1・2・4 - 9)
- 1形(3)
- 10形(11・12・15)
- 10形(13)
- 10形(14)
- 50形(51 - 54)
- 50形(55 - 63)
- 120形
- 300形
- 313形
- ED200形電気機関車
北九州線[編集]
- 1形・35形(→福岡市内線100形)
- 66形
- 100形
- 200形
- 300形(初代)
- 300形(2代目)
- 321形
- 323形
- 331形
- 500形
- 561形
- 600形
- 1000形
福岡市内線[編集]
- 4輪単車
- 66形(→北九州線66形)
- 100形
- 200形
- 300形(→北九州線300形 (2代目))
- 500形
- 551形
- 561形(→北九州線561形)
- 1000形
- 800形・1000形電気機関車
大牟田市内線・福島線[編集][編集]
- 4輪単車 1 - 12・21
- 200形(→福岡市内線200形)