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著作物

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著作物(ちょさくぶつ)とは、著作権の対象となる知的財産である。

概説[編集]

著作権及び著作物の概念はヨーロッパ大陸や日本などの大陸法の法体系とイギリスやアメリカなど英米法の法体系とで異なる。

著作権の歴史はヨハネス・グーテンベルクによる活版印刷機の発明によって印刷物が大量生産できるようになって生まれた権利とされている。1710年にイギリスでアン法が制定されたことによって創作物である文章を複写する権利は書籍出版業組合から著者に移行したが、著者はいったん出版社などの第三者に権利を譲渡してしまうと一切の権利を主張できないものとされた。そのため英米法では著作財産権が著作人格権に優先する形で発展した。一方、大陸法の著作権は古代ローマやギリシャの法の影響を受け、さらにフランス革命期の自然権思想を礎に著作者の名誉や社会的保護(のちの著作人格権)を約束する性格をもつものとして発展した。

以上のように英米法では出版・複写など単にコピーする権利として捉えられたため、アメリカ法などではレコードのように有体物に固定された物自体を著作物として扱ってきた。しかし多くの国々では有体物の存在とは無関係に知覚可能な状態になっていればよく有体物への固定を著作物の要件とはしていない。

一般的に、著作物を創造した人物は、その著作物を他人が無断で利用しても、自己の利用を妨げられることはない。しかし、他人が無制限に著作物を利用できると、著作物の創造者はその知的財産から利益を得ることが困難となる。著作物の創造には費用・時間がかかるため、無断利用を許すと、知的財産の創造意欲を後退させ、その創造活動が活発に行われないようになるといった結果を招く。このような理由から、著作物を他人が無断で無制限に利用できないように法的に保護する必要がある。このため、知的財産権の一種である著作権があり、著作権法が制定され著作物を法的に保護している。

世界的な著作権保護に関してはおおむね相互主義が採られている。国際的な著作権保護の枠組みとしては、万国著作権条約やベルヌ条約等の多国間条約が存在するが、未加盟の発展途上国の存在など、その不備が指摘されている。著作物は条約上に定義されているわけではなく、各国でも法律によって著作物の定義を行っている国は日本など限られる。



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