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葉巻きたばこ

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葉巻きたばこ(はまきたばこ)はたばこの形態の一種。単に「葉巻」と呼称されることが一般的である。同時に近年は「シガー」と呼ばれることが多くなっている。

概説[編集]

葉巻たばこはタバコの葉を筒状に巻いたものである。タバコの加工技術としては最古の部類に入り、古代中米で行われていた喫煙方法の一つであったとされる。ただし、当時は儀式などを行う際に大量のタバコ葉を用い、この煙を纏うといった宗教的な意味合いが強く、現在のような嗜好品としての趣はあまりなかったといわれる。これは新大陸発見で流入してきた幾人かのヨーロッパ人たちによって目撃され記録されている。こうした中に、タバコ葉を巻いた棒状のものがあり、これがヨーロッパに持ち込まれると貴族階級や商人たちの間に広く嗜まれるようになっていった。その後、だんだんと味や香りの善し悪しを競うように構造(後述)やタバコ葉の生産法などが確立されていくこととなった。

通常、プレミアムシガーと呼ばれる葉巻は刻みたばこのように細断された葉は使用されず、細断されていない数枚のタバコ葉を、糊のみを用い職人(トルセドール)の手によって特別な巻き方によって巻かれたものである。紙巻きたばこ(シガレット)のように紙で包まず、フィルターも用いない。こうした製造工程で全てに人の手が使われていることから高価となっている。また一部のパイプたばこのように香料をつける「着香」も基本的になく、プレミアムシガーは糊を除きタバコ葉を100%使用する。ただし、ドライシガーと呼ばれるものはこの限りではない。このため多くの葉巻愛好家はプレミアムシガーを好み、その歴史や製造工程などからプレミアムシガーをもって葉巻とする愛好家も存在する。葉巻の大凡の燃焼時間は一般的なコロナサイズのプレミアムシガーで、おおよそ40分〜1時間程度。大きなチャーチルサイズやダブルコロナサイズともなると1時間半〜2時間となる。ただし、吸い方の頻度や環境でも大きく左右されるため一概ではなく、ゆっくり葉巻を楽しむとなると同サイズであってもさらに30分〜1時間ほど長くなることもある。

葉巻に使用されるタバコ葉は熱帯地域を中心に生産されており、有名なのはキューバ(ハバナ葉)、ドミニカ共和国、フィリピン(マニラ葉)など。他にも、アメリカ合衆国(コネチカット葉、フロリダ葉)、ホンジュラス、ニカラグア、ペルー、エクアドル、インドネシア(ジャワ葉、スマトラ葉)などの葉がある。

なお、日本国内で販売されている葉巻には、たばこ事業法及び財務省令によって定められた、パッケージにニコチン・タール測定値を表示する義務が無い。

種類[編集]

葉巻は、保管に湿度と温度の管理を必要とする「プレミアムシガー」と、基本的にその必要がない「ドライシガー」に大別される。(ドライシガーについても可能であれば湿度管理を行った方がより良く品質が保たれる)同一ブランドであればプレミアムはドライより高価。また、プレミアムシガーの中でも機械巻きのマシンメイドシガーに対して、職人が1本1本手巻きするハンドメイドシガーがより高級とされる。

プレミアムシガーと一部のドライシガーの葉巻は吸い口部分がキャップと呼ばれるタバコ葉で閉じられており、吸う前に穴をあける必要がある。吸い口を作るために葉巻の端を切る専用の鋏やシガーカッター(en)、シガーパンチが喫煙具として市販されている。あらかじめ吸い口があけられた葉巻の中でも紙巻たばこと同様のサイズのものをミニシガーやシガリロ(cigarillo)と呼ぶ。ただしシガリロの称範囲は非常に広く、ドライシガー全般やリトルシガーまでを含めて呼ばれることもある。

日本国内ではたばこ税の値上げ及び高価格化とともに2014年以降、紙巻きたばこや葉巻の中間に位置するリトルシガーが普及している。大きさ・形状・フィルターが付いているなど外見上は紙巻きたばこに極めて酷似しているが、巻紙にたばこ葉加工品を使うことでたばこ税法上は葉巻扱いとなり比較的安価に設定できることから、海外ブランドはもとより2019年には日本たばこ産業からも旧3級品ブランド(わかば・エコー・ゴールデンバット)を中心に参入が相次いだ。企業努力の結果ではあるものの、政府は公平性の観点から税率を見直す方針と報道されている。



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