清水市
清水市(しみずし)は、静岡県中部(駿河国)にかつて存在した市。現在の静岡市清水区の大半で、旧蒲原町および旧由比町を除いた部分に当たる。特例市に指定されていた。
2003年4月1日、静岡市(〜2003年3月)との合体合併(新設合併)により、現在の静岡市(2003年4月〜)の一部となった。静岡市と清水市を合わせて静清〈せいしん、せいせい〉という呼称があり、それから静清合併と呼ぶことがある。
234,644人:2003年時点人口
概要[編集]
日本平の東麓に位置し、富士山を望む港町である。清水地区は天然の良港である折戸湾を持ち、古くから海運中継地として発展した。一方、江尻地区は東海道江尻宿の宿場町として発展した。
本市出身の漫画家さくらももこ原作の漫画『ちびまる子ちゃん』の舞台として有名である。また日本では『サッカー王国』としてサッカーが盛んな地域としても知られ、Jリーグ草創期には「日本のブラジル」とも呼ばれた。
羽衣伝説で知られ、旧静岡市と合併後の2013年に世界文化遺産に登録された、『三保の松原』を抱える都市でもある。
地理[編集]
駿河湾岸に位置し、平野部から山間部まで広い地域を占める。富士山の眺望が良く、「富士山と太平洋」の絵画や写真は、清水港とセットとなっている物が多く見られる。また、東の横浜に比較的近い点から、特に港湾・観光・娯楽の面では、横浜と対比されることもある。
- 川:巴川、興津川
- 高地:日本平
- 港湾:清水港、駿河湾、折戸湾
- 海浜:三保の松原
地域[編集]
市域が広いので、鉄道駅を基準にした地域ごとに見る場合もある。
- 中心市街地(清水駅周辺)
- 興津(東部)
- 草薙(西部:旧静岡市との境界付近)
姉妹都市・友好都市・提携都市[編集]
日本国外[編集]
- ストックトン市(アメリカ カリフォルニア州)
- 城南市(大韓民国 京畿道)
日本国内[編集]
- 上越市(新潟県)
- 室蘭市(北海道)
- 佐久市(長野県)
姉友好港湾・姉妹港湾[編集]
- 中国 山東省青島港 1984年4月、清水港と友好港湾提携
- アメリカ合衆国 ジョージア州サバンナ港 1986年10月27日、清水港と姉妹港提携
経済[編集]
農業・工業・商業の三面がそろった都市として、一部の地理教科書で採り上げられたこともある。
第一次産業[編集]
みかんの生産が知られるが、日本平界隈や山間部では緑茶の農地も多く見られる。清水港は、鮪の輸入日本一で知られ、緑茶の輸出も行われている。また、バラの生産量はかつて日本一であった。
工業[編集]
臨海部の大企業は戦時中は軍需工場であったが戦後はその技術を引き継ぐ民生品製造工場として残っている。昭和20 - 30年代にはさらに各種工場が建設され、清水の工業生産高は一時県下一を誇ったが、産業構造の変化によりその地位を失った。
また、江尻漁港を抱え「魚の缶詰」などの食品工場も立地しているが、その割合はごく小部分を占めるにすぎない。なお、全体の工業生産高は一時の底を脱し近年は微増に転じている。
窯業[編集]
清水市一帯で作られた瓦は「清水瓦」のブランドで流通している。第二次世界大戦後は、戦災や大型台風被害からの復興に伴い屋根瓦の需要が急増。1950年には200余の工場で月産150万枚が生産され、静岡県内はもとより関東地方や関西地方まで出荷するなど、一時は三州瓦(愛知県)、石州瓦(島根県)、淡路瓦(兵庫県)に日本三大生産地に匹敵する規模となったが、高度成長期に差し掛かると煤煙問題が生じたこと、豪雨により窯が水没する被害を受けるなど産地としての条件は悪化、生産量は減少した。
商業[編集]
清水駅を軸に商店街が形成されているが、現在は郊外型大規模店が多く進出しており、中心部は現在劣勢である。清水駅前に存在した、花菱百貨店(1964年から1972年まで存在)をはじめ、長崎屋、丸井、セイフー、ダイエー、西友等の商業施設が閉店し現存しない。
静清合併時には、東静岡駅界隈に中枢機関を移転する構想が持ち上がっており、この際には清水市街地、静岡市街地と列ぶ第三極が形成されるため、静岡市街地と共に衰退を危ぶむ声[要出典]も出ていた。
本社を置いた主な企業[編集]
- 鈴与(物流)
- はごろもフーズ
- 清水銀行
- 戸田書店
- 協和医科器械(医療機器卸売)
- セイリン(医療器具)
- アイエイアイ(略称:IAI、産業用ロボット)
- 靜甲(産業機械、ペットボトル)
- 駿河精機(精密金型部品)
- かつ好(とんかつ・コロッケの通信販売)
- どんどん(弁当販売)
- 大鐘(うどん・そば「鐘庵」等)
- 清和海運
- システムオリジン(タクシー専門システム)
スポーツ[編集]
日本で五指に入る「サッカー王国」として有名であり、Jリーグチームの清水エスパルスのホームタウン(本拠地)である。市内の小中学校やグラウンドには、夜間照明が整備されており、長期に渡ってインフラ面を整備して来たことが特徴である。
後に「清水東三羽烏」と呼ばれた長谷川健太・堀池巧・大榎克己の三人を擁した清水FCが、全日本少年サッカー大会で全国優勝している。1987年から、毎年8月には、清水カップと題した全国少年少女草サッカー大会も開かれている。
しかし、2000年頃からは、清水をはじめとする静岡県中部勢の全国大会における低迷、エスパルスの低迷など、明るい材料が少ない。2005年に長谷川健太がエスパルス監督となり、再建に乗り出している。
観光[編集]
イベント[編集]
- 清水七夕まつり
- 清水みなと祭り
- 羽衣まつり
観光地[編集]
- 日本平 日本武命(やまとたけるのみこと)の名を残し、富士山・三保の松原の絶景を望む丘陵地
- 三保の松原(日本三大松原)
- 龍華寺(高山樗牛ゆかりの寺)
- 鉄舟寺(山岡鉄舟ゆかりの寺)
- 梅陰寺(清水次郎長墓)
- 末廣(清水次郎長の経営した船宿。復元)
- エスパルスドリームプラザ
- 清水市日本平運動公園球技場(現・IAIスタジアム日本平)
- 清水ナショナルトレーニングセンター(通称J-STEP)
- 船越堤公園(桜の名所)
- 西里温泉
- 清水市民文化会館(静岡市清水文化センターを経て閉館 ※創価学会の施設が「清水文化会館」という名称であるため、改名した。)
- 三保文化ランド(東海大学社会教育センター内、現在は閉園)
- 清見寺(起源は7世紀ころと言われる。朝鮮通信使ゆかりの寺)
- 坐漁荘(西園寺公望の別荘)
- 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 果樹研究所カンキツ研究興津拠点(旧農商務省農事試験場園芸部)
- 日米友好のため旧東京市からアメリカ合衆国に贈られワシントンD.C.のポトマック川畔に植えられた桜の育苗地。贈られた桜の兄弟桜やアメリカ合衆国から返礼に贈られたアメリカヤマボウシ(ハナミズキ)が現存する。)
博物館[編集]
- 東海大学海洋科学博物館
- 東海大学自然史博物館
- 清水港湾博物館
- フェルケール博物館
- 清水視聴覚ライブラリー
土産[編集]
- 追分羊羹
- 緑茶
- アマンド娘
交通[編集]
鉄道[編集]
中心駅:清水駅
路線[編集]
- 東海旅客鉄道東海道本線
- 興津駅 - 清水駅 - 草薙駅
- 興津駅 - 清水駅間に、臨時乗降場の袖師駅が一時存在した。(1971年10月1日廃止)
- 日本国有鉄道清水港線
- 清水駅 - 清水埠頭駅 - 巴川口駅 - 折戸駅 - 三保駅
- 1984年4月1日廃止。廃止時点では旅客列車が1日1往復であった。
- 静岡鉄道静岡清水線
- 新清水駅 - 入江岡駅 - 桜橋駅 - 狐ヶ崎駅 - 御門台駅 - 草薙駅 - 県立美術館前駅
- 静岡鉄道清水市内線
- 港橋駅 - 万世町駅 - 市役所前駅 - 清水駅前駅 - 辻町駅 - 秋葉道駅 - 西久保駅 - 愛染町駅 - 嶺駅 - 鈴木島駅 - 袖師駅 - 横砂駅
- 路面電車で一部専用軌道。1974年7月7日休止、1975年3月22日廃止。
道路[編集]
道路元標:清水駅前交差点
路線[編集]
- 東名高速道路 - 清水IC
- 国道1号
- 国道52号
- 国道149号
- 国道150号
港湾[編集]
- 清水港
学校[編集]
高等学校以上のみを掲載する。小学校および中学校は「清水区」を参照すること。
高等学校[編集]
公立[編集]
- 静岡県立清水東高等学校
- 静岡県立清水西高等学校
- 静岡県立清水南高等学校
- 静岡県立清水工業高等学校
- 清水市立商業高等学校(通称「清商」、現・静岡市立清水桜が丘高等学校)
私立[編集]
- 清水国際高等学校
- 東海大学付属翔洋高等学校
- 静岡星美高等学校(現・静岡サレジオ高等学校)
大学[編集]
- 東海大学(海洋学部・人文学部)
- 国立清水海上技術短期大学校
清水を舞台にした作品[編集]
一部、関連作品、合併以降の作品も含む。
- ちびまる子ちゃん(さくらももこ)
- トライアルかおる!(山本よしふみ)
- ピンチランナー(撮影協力)
- ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃
- ビー・バップ・ハイスクール(きうちかずひろ) - 当作品は、清水が舞台になったのではなく、作者のイメージする風景が清水周辺だったことから、撮影地に選ばれた。舞台設定は、東京近郊の中都市である。
- クレージーの無責任清水港
- クレージーの殴り込み清水港
- 西部警察 PART-II 第10話 大追跡 静岡市街戦! 静岡 前編 (三保の造船所・日本平でロケ)
- もっとあぶない刑事 第18話・第21話
- 心のプラカード (AKB48) のMVロケ - 次郎長通り商店街
- ハルチカシリーズ