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江戸川乱歩

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江戸川 乱歩(えどがわ らんぽ、旧字体:江戶川 亂步、1894年〈明治27年〉10月21日 - 1965年〈昭和40年〉7月28日)は、日本の推理小説家、怪奇・恐怖小説家、アンソロジスト。本名は平井 太郎(ひらい たろう)。日本推理作家協会初代理事長。位階は正五位。勲等は勲三等。ペンネームは小説家のエドガー・アラン・ポーのもじり。

大正から昭和期にかけて活躍し、主に推理小説を得意とした。また、第二次世界大戦後は推理小説分野を中心に評論家や研究家、編集者としても活躍した。乱歩の寄付で創設された江戸川乱歩賞が推理作家の登竜門となるなど、後世にも大きな影響を与えた。自らも実際に探偵として、岩井三郎探偵事務所(ミリオン資料サービス)に勤務していた経歴を持つ。

経歴[編集]

1894年(明治27年)、三重県名賀郡名張町(現・名張市)に名賀郡役所書記の平井繁男ときくの長男として生まれる(本籍地は同県津市)。平井家は武士の家柄で、祖先は伊豆伊東の郷士だった。のちに伊勢の津藩の藤堂家に仕え、乱歩の祖父の代まで藤堂家の藩士として勤め上げた。

2歳の頃父の転勤に伴い三重県鈴鹿郡亀山町(現・亀山市)、翌年、愛知県名古屋市に移る。以降、大人になっても引越しを繰り返し、生涯で46回引っ越した。

小学生の頃に母に読み聞かされた菊池幽芳訳『秘中の秘』(ウィリアム・ル・キュー原作)が、探偵小説に接した最初であった。中学校では、押川春浪や黒岩涙香の小説を耽読した。旧制愛知県立第五中学校(現・愛知県立瑞陵高等学校)を卒業後、早稲田大学の政治経済学科に進学。在学中に(メルヴィル・D・ポーストに先んじた世界初のトリックという意味で)傑作の処女作『火縄銃』を執筆。博文館の雑誌『冒険世界』に投稿するが、掲載はされなかった。卒業後は貿易会社社員、古本屋、支那そば屋など多くの仕事に勤務。

就職と結婚[編集]

1917年(大正6年)11月、三重県鳥羽の鳥羽造船所電機部(現・シンフォニア テクノロジー)に就職。庶務課に配属されたが、技師長に気に入られ、社内誌『日和(にちわ)』の編集や子供へおとぎ話を読み聞かせる会を開くなど地域交流の仕事に回された。無断欠勤などもあったが許されていたという。『日和』では編集のみならずイラストも描いている。この会社は1年4ヶ月で退職するが、この時期の体験が『屋根裏の散歩者』『パノラマ島奇談』の参考になったという。

1919年、読み聞かせ会で知り合った坂手島の小学校教師である村山隆子と結婚する。

作家デビュー[編集]

1923年(大正12年)、森下雨村、小酒井不木に激賞され、『新青年』に掲載された『二銭銅貨』でデビューする。欧米の探偵小説に強い影響を受け、本格探偵小説を志す一方で『心理試験』『赤い部屋』といった変格とみなせるような作品も書き、黎明期の日本探偵小説界に大きな足跡を残した。『人間椅子』や『鏡地獄』に代表されるようなフェティシズムや怪奇小説の部類も初期から執筆しており、岩田準一とともに研究していた衆道の少年愛・少女愛、男装・女装、人形愛、草双紙、サディズムやグロテスク、残虐趣味などの要素を含んだ通俗探偵小説も、昭和初期から一般大衆に歓迎された。

当初は小説家として生計を立てるか悩んだと述べており、デビュー作『二銭銅貨』以降は、あくまで兼業の趣味の範疇として散発的に短編小説を執筆するに留まっていた。1925年に森下の企画で『新青年』に6ヶ月連続短編掲載するにあたってその2作目の『心理試験』が好評で踏ん切りがついたと述べている。ここで会社を辞めて小説家一本にしたが、探偵小説家としては早くも行き詰まり、連続掲載の6作目に当たる『幽霊』は自ら愚作と評し、小説家になったことを後悔したという。しかし、森下の紹介で『写真報知』や『苦楽』にも掲載を持てることとなり、探偵小説専門誌である『新青年』には載せられないような通俗的な作品の執筆で生計が安定した。

海外作品に通じ、翻案性の高い作品として『緑衣の鬼』『三角館の恐怖』『幽鬼の塔』などを残している。このほか、探偵小説に関する評論(『幻影城』など)を残している。

また、少年向けとして1936年に発表した、明智小五郎と小林少年や少年探偵団が活躍する『怪人二十面相』は、少年層からの圧倒的な人気を得てシリーズ化され、その他にも少年向けの作品が作られるようになった。

晩年から死去[編集]

戦後も主に評論家、プロデューサーとして活動するかたわら、探偵小説誌『宝石』の編集・経営に携わった。また、日本探偵作家クラブの創立と財団法人化に尽力した。同クラブに寄付した私財100万円の使途として江戸川乱歩賞が制定され、同賞は第3回より長編推理小説の公募賞となる。 晩年は高血圧、動脈硬化、副鼻腔炎(蓄膿症)を患い、さらにパーキンソン病を患ったが、それでも家族に口述筆記させて評論・著作を行った。

1965年(昭和40年)7月28日、蜘蛛膜下出血のため東京都豊島区池袋の自宅で70歳で没した。戒名は智勝院幻城乱歩居士。31日、正五位勲三等瑞宝章を追贈される。8月1日、推理作家協会葬が行われた。墓所は多磨霊園(26区1種17側6番)。

作品一覧[編集]

  • 著作権は既に消滅し、パブリックドメインとなっている。江戸川乱歩の小説は色々な形で出版され、かつ作品集の類も戦前から現在まで何度も刊行されている。文庫で多数の作品を収録しているものとして、光文社文庫の「江戸川乱歩全集」(全30巻)、創元推理文庫(全20巻)、春陽文庫「江戸川乱歩文庫」(改訂版)、ポプラ社文庫(児童向け)などがある。没後半世紀を経て著作権が失効したことを受け、角川文庫(改訂版)、岩波文庫、文春文庫でも刊行されている。

探偵小説[編集]

明智小五郎もの(長編)[編集]

  • 『一寸法師』(『朝日新聞』1926年12月〜1927年2月)
  • 『蜘蛛男』(『講談倶楽部』1929年8月〜1930年6月)
  • 『猟奇の果』(『文芸倶楽部』1930年1月〜12月)
  • 『魔術師』(『講談倶楽部』1930年7月〜1931年5月)
  • 『黄金仮面』(『キング』1930年9月〜1931年10月)
  • 『吸血鬼』(『報知新聞』1930年9月〜1931年3月)
  • 『黒蜥蜴』(『日の出』1934年1月〜11月)
  • 『人間豹』(『講談倶楽部』1934年1月〜1935年5月)
  • 『悪魔の紋章』(『日の出』1937年9月〜38年10月)
  • 『暗黒星』(『講談倶楽部』1939年1月〜12月)
  • 『地獄の道化師』(『富士』1939年1月〜12月)
  • 『化人幻戯』(『別冊宝石』〜『宝石』1954年11月〜55年10月) - 乱歩晩年の「本格」ものに挑戦した作品 と言われる。
  • 『影男』(『面白倶楽部』1955年1月〜12月)

明智小五郎もの(中短編)[編集]

  • 『D坂の殺人事件』(『新青年』1925年1月)
  • 『心理試験』(『新青年』1925年2月)
  • 『黒手組』(『新青年』1925年3月)
  • 『幽霊』(『新青年』1925年5月)
  • 『屋根裏の散歩者』(『新青年』1925年8月)
  • 『何者』(『時事新報』1929年11月〜12月)
  • 『兇器』(『大阪産業経済新聞』1954年6月)
  • 『月と手袋』(『オール讀物』1955年4月〜)

その他の探偵・ノンシリーズ[編集]

  • 『二銭銅貨』(『新青年』1923年4月)
  • 『一枚の切符』(『新青年』1923年7月)
  • 『恐ろしき錯誤』(『新青年』1923年11月)
  • 『二癈人』(『新青年』1924年6月)
  • 『双生児』(『新青年』1924年10月)
  • 『赤い部屋』(『新青年』1925年4月)
  • 『日記帳』(『写真報知』1925年4月)
  • 『算盤が恋を語る話』(『写真報知』1925年4月)
  • 『盗難』(『写真報知』1925年5月)
  • 『白昼夢』(『新青年』1925年7月)
  • 『指環』(『新青年』1925年7月)
  • 『夢遊病者の死』(『苦楽』1925年7月)
  • 『百面相役者』(『写真報知』1925年7月)
  • 『一人二役』(『新小説』1925年9月)
  • 『疑惑』(『写真報知』1925年9月)
  • 『人間椅子』(『苦楽』1925年10月)
  • 『接吻』(『映画と探偵』1925年12月)
  • 『闇に蠢く』(『苦楽』1926年1月〜11月で連載中絶)1927年に完結
  • 『湖畔亭事件』(『サンデー毎日』1926年1月〜5月)
  • 『空気男』(原題:二人の探偵小説家)(『写真報知』1926年1月〜2月で連載中絶) (未完)
  • 『踊る一寸法師」(『新青年』1926年1月)
  • 『毒草』(『探偵文芸』1926年1月)
  • 『覆面の舞踏者』(『婦人之国』1926年1月〜2月)
  • 『灰神楽』(『大衆文芸』1926年3月)
  • 『火星の運河』(『新青年』1926年4月)
  • 『モノグラム』(『新小説』1926年7月)
  • 『お勢登場』(『大衆文芸』1926年7月)
  • 『人でなしの恋』(『サンデー毎日』1926年10月)
  • 『パノラマ島奇談』(別表記:パノラマ島綺譚)(『新青年』1926年10月〜1927年4月)
  • 『鏡地獄』(『大衆文芸』1926年10月)
  • 『木馬は廻る』(『探偵趣味』1926年10月)
  • 『陰獣』(『新青年』1928年8月〜10月)
  • 『芋虫』(原題:悪夢)(『新青年』1929年1月)
  • 『孤島の鬼』(『朝日』1929年1月〜1930年2月)
  • 『押絵と旅する男』(『新青年』1929年6月)
  • 『蟲』(『改造』1929年9月〜10月)
  • 『盲獣』(『朝日』1931年2月〜1932年3月)
  • 『目羅博士』(原題『目羅博士の不思議な犯罪』)(『文芸倶楽部』1931年4月)
  • 『地獄風景』(『平凡社版江戸川乱歩全集』1931年5月〜1932年4月) 全集付録冊子への連載
  • 『恐怖王』(『講談倶楽部』1931年6月〜1932年5月)
  • 『鬼』(『キング』1931年11月〜1932年2月)
  • 『火縄銃』(『平凡社版江戸川乱歩全集』1932年4月) 学生時代(1916年以前)の習作
  • 『悪霊』(『新青年』1933年11月〜1934年1月で連載中絶) (未完)
  • 『妖虫』(『キング』1933年12月〜1934年10月)
  • 『石榴』(『中央公論』1934年9月)
  • 『大暗室』(『キング』1936年12月〜39年6月)
  • 『偉大なる夢』(『日の出』1943年11月〜44年12月)米国相手の戦意高揚小説
  • 『断崖』(『報知新聞』1950年3月)
  • 『悪霊物語』(『講談倶楽部』1954年8月〜)
  • 『防空壕』(『文藝』1955年7月)
  • 『十字路』(講談社、1955年11月、書き下ろし) 渡辺剣次による第一稿を書きなおし。トリック、構想も渡辺剣次の案出。
  • 『堀越捜査一課長殿』(『オール讀物』1956年4月)
  • 『妻に失恋した男』(『産経時事』1957年10月〜11月)
  • 『ぺてん師と空気男』(桃源社、1959年11月、書き下ろし)
  • 『指』(『ヒッチコック・マガジン』1960年1月)
  • 『薔薇夫人』(未収録作品)

翻案・再筆小説[編集]

  • 『白髪鬼』(『富士』1931年4月〜1932年4月」) - マリー・コレリ作『ヴェンデッタ』(Vendetta, A Story of One Forgotten)の黒岩涙香による翻案小説『白髪鬼』を書きなおしたもの。
  • 『緑衣の鬼』(『講談倶楽部』1936年1月〜12月)- イーデン・フィルポッツ作『赤毛のレドメイン家』(The Red Redmaynes)の翻案小説。
  • 『幽霊塔』(『講談倶楽部』1936年12月〜37年4月) - アリス・マリエル・ウィリアムソン作『灰色の女』(A Woman in Grey)の黒岩涙香による翻案小説『幽霊塔』を書きなおしたもの。
  • 『鉄仮面』(1938年) - フォルチュネ・デュ・ボアゴベイ作『サン・マール氏の二羽のつぐみ』(Les Deux Merles de M. de Saint-Mars)の黒岩涙香による翻案小説『鉄仮面』を小中学生向けに書きなおしたもの。
  • 『幽鬼の塔』(『日の出』1936年4月〜40年3月) - ジョルジュ・シムノン作『聖フォリアン寺院の首吊男』(Le Pendu de Sant-Phollien)の翻案小説。
  • 『三角館の恐怖』(『面白倶楽部』1951年1月〜12月) - ロジャー・スカーレット作『エンジェル家の殺人』(Murder Among the Angells)の翻案小説。
  • 『死美人』(小山書店『黒岩涙香集 日本探偵小説代表作集1』1956年)- フォルチュネ・デュ・ボアゴベイ作『ルコック氏の晩年』(La Vieillesse de Monsieur Lecoq)の黒岩涙香による翻案小説を現代語訳(完全新版・河出書房新社、2018年)

連作・合作小説[編集]

  • 『五階の窓』(『新青年』1926年5月) リレー連作小説の第1回目を担当
  • 『空中紳士』(原題:飛機睥睨)(『新青年』1928年2月〜9月) 乱歩を含む5人の作家による合作
  • 『江川蘭子』(『新青年』1930年9月) リレー連作小説の第1回目を担当
  • 『殺人迷路』(『探偵倶楽部』1932年10月) 全集の付録冊子に連載されたリレー連作小説の第5回目を担当
  • 『黒い虹』(『婦人公論』1934年1月) リレー連作小説の第1回目を担当
  • 『畸形の天女』(『宝石』1953年10月)
  • 『女妖』(『探偵実話』1954年1月)
  • 『大江戸怪物団』(『面白倶楽部』1955年7月)

児童向け作品[編集]

少年探偵団・怪人二十面相もの[編集]

一部明智小五郎や二十面相が登場しない作品もある。

  • 『怪人二十面相』(『少年倶楽部』1936年1月〜12月)
  • 『少年探偵団』(『少年倶楽部』1937年1月〜12月)
  • 『妖怪博士』(『少年倶楽部』1938年1月〜12月)
  • 『大金塊』(『少年倶楽部』1939年1月〜1940年2月)
  • 『青銅の魔人』(『少年』1949年1月〜12月)
  • 『虎の牙』(『少年』1950年1月〜12月)、※ポプラ社版では「地底の魔術王」
  • 『透明怪人』(『少年』1951年1月〜12月)
  • 『怪奇四十面相』(『少年』1952年1月〜12月)
  • 『宇宙怪人』(『少年』1953年1月〜12月)
  • 『鉄塔の怪人』(『少年』1954年1月〜12月)、※ポプラ社版では「鉄塔王国の恐怖」
  • 『灰色の巨人』(『少年クラブ』1955年1月〜12月)
  • 『海底の魔術師』(『少年』1955年1月〜12月)
  • 『黄金の虎』(「探偵少年」改題 『読売新聞』1955年1月〜12月)
  • 『天空の魔人』(『少年クラブ増刊』1956年1月15日)
  • 『黄金豹』(『少年クラブ』1956年1月〜12月)
  • 『魔法博士』(『少年』1956年1月〜12月)
  • 『サーカスの怪人』(『少年クラブ』1957年1月〜12月)
  • 『妖人ゴング』(『少年』1957年1月〜12月)、※ポプラ社版では「魔人ゴング」
  • 『魔法人形』(『少女クラブ』1957年1月〜12月)、※ポプラ社版では「悪魔人形」
  • 『まほうやしき』(『たのしい三年生』1957年1月〜3月)
  • 『赤いカブトムシ』(『たのしい三年生』1957年4月〜1958年3月)
  • 『奇面城の秘密』(『少年クラブ』1958年1月〜12月)
  • 『夜光人間』(『少年』1958年1月〜12月)
  • 『塔上の奇術師』(『少女クラブ』1958年1月〜12月)
  • 『鉄人Q』(『小学四年生』1958年4月〜1959年3月、『小学五年生』1959年4月〜1960年3月)
  • 『ふしぎな人』(「ふしぎな人」、『たのしい二年生』1958年8月〜1959年3月、続けて「名たんていと二十めんそう」、『たのしい三年生』1959年4月〜12月)
  • 『仮面の恐怖王』(『少年』1959年1月〜12月)
  • 『かいじん二十めんそう』(『たのしい二年生』1959年10月〜1960年3月)
  • 『かいじん二十めんそう』(『たのしい一年生』1959年11月〜1960年3月、続けて『たのしい二年生』1960年4月〜12月)
  • 『電人M』(『少年』1960年1月〜12月)
  • 『おれは二十面相だ!!』(『小学六年生』1960年4月〜1961年3月)、※ポプラ社版では「二十面相の呪い」
  • 『怪人と少年探偵』(『こども家の光』1960年9月〜1961年9月)
  • 『妖星人R』(『少年』1961年1月〜12月)、※ポプラ社版では「空飛ぶ二十面相」
  • 『超人ニコラ』(『少年』1962年1月〜12月)、※ポプラ社版では「黄金の怪獣」
児童向け作品(ノンシリーズ )[編集]
  • 『新宝島』(『少年倶楽部』1940年4月〜1941年3月)
  • 『智恵の一太郎』(『少年倶楽部』1942年1月〜43年4月)

随筆・評論[編集]

  • 『悪人志願』博文館(1929年)
  • 『鬼の言葉』春秋社(1936年)
  • 『幻影の城主』かもめ書房(1947年)
  • 『随筆探偵小説』清流社(1947年)
  • 『幻影城』岩谷書店(1951年)、評論集
  • 『続・幻影城』早川書房(1954年)、評論集。類別トリック集成を含む。
  • 『探偵小説三十年』岩谷書店(1954年)
  • 『探偵小説の「謎」』社会思想研究会出版部 現代教養文庫(1956年)
  • 『海外探偵小説作家と作品』早川書房(1957年)評論集
  • 『わが夢と真実』東京創元社(1957年)。それまでの随筆のうち、乱歩自身にかかわるものを収録したもの。
  • 『乱歩随筆』青蛙房(1960年)
  • 『探偵小説四十年』桃源社(1961年)。自伝的回想録で、乱歩の目を通し描かれた初期日本探偵文壇史とでも称すべきもので、貴重な文献資料でもある。
  • 『彼・幻影の城』東都書房(1963年)

翻案作品[編集]

映画[編集]

  • 一寸法師(1927年)
  • パレットナイフの殺人(1946年)
  • 一寸法師(1948年)
  • 氷柱の美女(1950年)
  • 怪人二十面相(1954年)
  • 青銅の魔人 (1955年)
  • 一寸法師 (江戸川乱歩の一寸法師)(1955年)
  • 少年探偵団/妖怪博士(1956年)
  • 少年探偵団/二十面相の悪魔(1956年)
  • 死の十字路(1956年)
  • 少年探偵団/かぶと虫の妖奇(1957年)
  • 少年探偵団/鉄塔の怪人(1957年)
  • 少年探偵団/二十面相の復讐(1957年)
  • 少年探偵団/夜光の魔人(1957年)
  • 少年探偵団/透明怪人(1958年)
  • 少年探偵団/首なし男(1958年)
  • 少年探偵団/敵は原子潜航艇(1959年)
  • 蜘蛛男(1958年)
  • 黒蜥蜴(1962年)
  • 黒蜥蜴(1968年)
  • 盲獣(1969年)
  • 江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間(1969年)
  • 屋根裏の散歩者(1970年)
  • 江戸川乱歩猟奇館 屋根裏の散歩者(1976年)
  • 江戸川乱歩の陰獣(1977年)
  • 押繪と旅する男(1994年)
  • 屋根裏の散歩者(1994年)
  • RAMPO(1994年)
  • 人でなしの恋(1995年)
  • 人間椅子(1997年)
  • D坂の殺人事件(1998年)
  • 双生児 -GEMINI-(1999年)
  • 盲獣vs一寸法師(2001年、公開は2004年)
  • 乱歩地獄(2005年)
  • 人間椅子(2006年)
  • 屋根裏の散歩者(2007年)
  • 陰獣(フランス映画 2009年)
  • 失恋殺人(2010年)
  • キャタピラー(2010年)※当初、乱歩の『芋虫』原作と言われていたが、その後製作者側は公式には乱歩原作という表記を撤回している。
  • D坂の殺人事件(2015年)
  • 屋根裏の散歩者(2016年)
  • メビウスの悪女 赤い部屋(2020年)※乱歩の『双生児』が原案
  • 裸の天使 赤い部屋(2021年)※乱歩の『畸形の天女』が原案
  • 聖なる蝶 赤い部屋(2021年)※乱歩の『悪魔人形』が原案
  • 人でなしの恋(2022年)

テレビドラマ[編集]

  • 江戸川乱歩シリーズ 明智小五郎(東京12チャンネル 1970年)
  • 江戸川乱歩の美女シリーズ(テレビ朝日系 1977年〜1985年)
  • 乱歩〜妖しき女たち〜(TBSテレビ 1994年)
  • 乱歩R(日本テレビ系 2004年)
  • シリーズ・江戸川乱歩短編集(NHK 2016年~2021年)

漫画[編集]

乱歩作品の漫画化は、藤子不二雄による子供向けの『少年探偵団』ものが1959年(昭和34年)に発表されている。初の成人向け作品の漫画化としては、昭和45年に少年誌『週刊少年キング』が「江戸川乱歩恐怖シリーズ」と銘打ち、エログロ物を含む乱歩作品を横山光輝、桑田次郎、古賀新一、石川球太の四者に競作させている。

  • 怪人二十面相(藤子不二雄 1959年)
  • 白髪鬼(横山光輝 1970年)
  • 地獄風景(桑田次郎 1970年)
  • 屋根裏の散歩者(古賀新一 1970年)
  • 人間椅子、芋虫、白昼夢、お勢地獄(お勢登場)(石川球太 1970年)
  • 黒とかげ(高階良子 1971年4月〜8月 原題『黒蜥蜴』)
  • 血とばらの悪魔(高階良子 1971年11月〜1972年2月 原題『パノラマ島奇談』)
  • 巡礼萬華鏡(真崎守 1973年)
  • ドクターGの島(高階良子 1974年4月〜1974年8月 原題『孤島の鬼』)
  • 陰獣(古賀新一 1984年)
  • 江戸川乱歩 屋根裏の散歩者(長田ノオト 1994年)
  • お勢登場(池上遼一 1996年)
  • 大暗室(山田貴敏 1997年)
  • 妖怪博士(山田貴敏 1997年)
  • 人間椅子(有沢遼 1997年)
  • 江戸川乱歩のパノラマ島奇談(長田ノオト 1999年)
  • 名工のカタルシス(木暮峰 2004年 原題『人間椅子』)
  • パノラマ島綺譚(丸尾末広 2007年)
  • 百面相役者(東元 2007年)
  • 双生児(東元 2007年)
  • 人間椅子(東元 2007年)
  • 鏡地獄(東元 2008年)
  • 人でなしの恋(東元 2008年)
  • 赤い部屋(東元 2008年)
  • 怪人二十面相(山田貴敏)
  • 大金塊(山田貴敏)
  • 江戸川乱歩の押絵と旅する男(長田ノオト)
  • 江戸川乱歩の孤島の鬼(長田ノオト)
  • 芋虫(丸尾末広)
  • 江戸川乱歩異人館 (山口譲司 2010~2015年)
  • 乱歩アナザー -明智小五郎狂詩曲-(薫原好江)

テレビアニメ[編集]

  • わんぱく探偵団(フジテレビ系、1968年2月1日から同年9月26日まで全35話、制作:虫プロダクション)。
  • 乱歩奇譚 Game of Laplace(フジテレビ系、2015年7月から9月まで)
  • TRICKSTER -江戸川乱歩「少年探偵団」より-(TOKYO MXほか、2016年10月から3月まで)
  • 超・少年探偵団NEO(TOKYO MXほか、2017年1月)

派生作品[編集]

乱歩が登場するフィクション[編集]

  • 『目羅博士』など、一部の作品は「私が聞いたり見たりした話を元に書いた」という体裁を取っており、聞き手として乱歩が出てくる。
  • 『陰獣』:乱歩作。自身をパロディした作家「大江春泥」が登場。春泥の本名「平田一郎」も乱歩の本名「平井太郎」をもじっている。
  • 横溝正史『呪いの塔』1932年。上記『陰獣』をさらに捻った推理パロディ長編。意外性を狙っているため、乱歩に相当する人物は、親友の横溝以外には困難だったであろう遠慮会釈のない造形となっている。
  • 斎藤栄『乱歩幻想譜』1974年、のち双葉文庫。乱歩を主人公にして、作品世界と関連した事件に次々と遭遇する連作短編。
  • 加納一朗『浅草ロック殺人事件』1985年 - 乱歩をモデルとした探偵作家「香川幻夢」が登場。
  • 久世光彦『一九三四年冬―乱歩』初刊1993年、創元推理文庫、2013年(新版) - 山本周五郎賞受賞。
  • 川田武『乱歩邸土蔵伝奇』光文社文庫、2002年
  • 『乱歩の幻影』日下三蔵編、ちくま文庫、1999年
  • 『江戸川乱歩に愛をこめて』ミステリー文学資料館編、光文社文庫、2011年
以下は小説以外
  • 映画『RAMPO』1994年 - 乱歩役は竹中直人。
  • 映画『まぼろし探偵 地底人襲来』1960年 - 乱歩のパロディである作家「江戸山散歩」がキャラクターとして登場。
  • 映画『シルバー假面』2006年 - 作家になる前の「平井太郎」として登場。
  • 映画『ゴーストライターホテル』2012年 - 著名な作家たちが執筆のために宿泊したというホテル「本天堂」に現れる作家の霊の一体として。乱歩役はカンニング竹山。
  • 舞台『サンタクロースが歌ってくれた』(演劇集団キャラメルボックス) - 作家になる前の「平井太郎」として劇中映画「ハイカラ探偵物語」に芥川龍之介と共に黒蜥蜴を追い詰める探偵役として登場し、スクリーンから飛び出した黒蜥蜴を追って芥川と共にスクリーンから飛び出す。太郎役は上川隆也と岡田達也(2010年10日限定公演のみ)。
  • テレビアニメ『啄木鳥探偵處』2020年 - 作家になる前の「平井太郎」として登場。
  • 漫画・テレビアニメ『文豪ストレイドッグス』2013年~ - 文豪をモチーフとしたキャラクターの一人として登場し、「超推理」の異能力を持つ。
  • テレビドラマ『探偵ロマンス』2023年。太郎役は濱田岳。


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