東京臨海高速鉄道りんかい線
りんかい線(りんかいせん)は、東京都江東区の新木場駅から品川区の大崎駅までを結ぶ東京臨海高速鉄道(TWR)の鉄道路線である。計画・開業時および現行の『鉄道要覧』における路線名は臨海副都心線(りんかいふくとしんせん)であるが、2000年からは一般公募によって決定された「りんかい線」を案内に使用している。駅ナンバリングで使われる路線記号はR。
大崎駅で接続する東日本旅客鉄道(JR東日本)埼京線・川越線と相互直通運転を行っている。大半の区間が地下にあるが、国土交通省監修の統計資料では地下鉄として扱われていない。また、日本地下鉄協会サイトの日本の地下鉄ページにも東京地下鉄や埼玉高速鉄道・東葉高速鉄道などと異なり、民営・準公営(第三セクター)地下鉄一覧には掲載されていない。
路線データ[編集]
- 管轄(事業種別):東京臨海高速鉄道(第一種鉄道事業者)
- 路線距離(営業キロ):12.2km
- 建設主体:日本鉄道建設公団(現 独立行政法人 鉄道建設・運輸施設整備支援機構)
- 軌間:1067mm
- 駅数:8駅(起終点駅含む)・1信号場
- 複線区間:全線
- 電化区間:全線(直流1500V・架空電車線方式)
- 最急勾配:33 ‰(大崎駅の地上に出る手前)
- 最小曲線半径:185 m(品川シーサイド駅付近)
- 閉塞方式:(複線)自動閉塞式
- 保安装置:ATS-P
- 最高速度:100km/h
- 車両基地:東臨運輸区(八潮車両基地)- 場所は東京貨物ターミナル駅脇
- 地上区間:大崎駅 - 大井町駅間(東京総合車両センター付近まで)、国際展示場駅(トンネル出口は東側) - 新木場駅間
- 地下区間:大井町駅 - 国際展示場駅間
沿革[編集]
新木場 - 東京テレポート間は高度成長期に東京外環状線の一部として計画され、湾岸部の海底トンネル工事も完了していた旧国鉄京葉貨物線のうち、国鉄時代に旅客線に転用されず、国鉄分割民営化後は国鉄清算事業団が所有していた新木場 - 東京貨物ターミナル間の一部を東京臨海副都心地区の開発と同地区での開催が予定されていた世界都市博覧会(1995年開催中止決定)に伴う旅客輸送のために旅客線として開業したものである。東京貨物ターミナル方面から分岐する品川埠頭分岐部信号場 - 大崎間については新規に工事を行った上で延伸開業した。
なお、同じく工事が終了していた品川埠頭分岐部信号場 - 東京貨物ターミナル間は、東京貨物ターミナルの東側に車両基地(東臨運輸区)を設置した上で回送線として利用されている。また新木場駅の蘇我方ではJR東日本の京葉線と線路が接続されている。この京葉線との連絡線は、JR埼京線との直通運転が開始されるまでは主に車両検査時の回送用に使用されていた。
東京テレポート駅 - 品川埠頭分岐部信号場 - 東京貨物ターミナル駅(東臨運輸区)を結ぶ海底トンネル・東京港トンネルは旧国鉄の京葉貨物線の一部として建設されたもので、沈埋工法で建設されたためにトンネル断面形状はボックスケーソンの四角形となっている。一方、りんかい線開業に伴って新たに掘削された品川埠頭分岐部信号場 - 天王洲アイル駅間についてはシールド工法で建設されたため、トンネル断面形状は円形である。両線の分岐点である品川埠頭分岐部信号場でトンネル断面形状が変化する。
2010年代以降は平常時の外国人乗客も増えているため、2018年4月27日から英語を話せるコンシェルジュを東京テレポート駅などに配置するといった対応を進めている。
年表[編集]
- 1996年(平成8年)3月30日:第1期区間・新木場 - 東京テレポート間開業。当時は70-000形電車4両編成での運転で、この時の路線名称は「臨海副都心線」。もっぱら運営会社の略称である「TWR」と呼ばれていた。
- 2000年(平成12年)9月1日:「りんかい線」の愛称を使用開始。同時に路線名を臨海副都心線からりんかい線に改称。
- 2001年(平成13年)2月8日:八潮車両基地の供用開始。
- 3月31日 第2期区間・東京テレポート - 天王洲アイル間部分開業。
- 2002年(平成14年)12月1日:第2期区間・天王洲アイル - 大崎間開業(全線開業)。同時にJR東日本埼京線・川越線と相互乗り入れを開始。これを機に埼京線・川越線直通用列車を10両編成化し、さらにりんかい線内の専用列車を6両編成化。また、この日から2003年2月28日まで開業時の運賃のままで利用できる「スピードアップキャンペーン」を実施。ただし、日中7分30秒毎の等間隔運転(1時間に8本運転)から毎時5 - 7本運転のランダムダイヤとなり、減便された。
- 2004年(平成16年)10月16日:全列車10両編成化。これ以降、JR車両もりんかい線内折り返し運用に就き、同様に自社車両も埼京線内折り返し運転の運用にも就くようになった。
- 2008年(平成20年)7月19日:東京テレポート駅において発車のベル音(公式ホームページでの呼称)を『踊る大捜査線』のテーマ曲に変更(詳細は後述)。りんかい線の駅でご当地メロディが導入されるのは初めて。
運行形態[編集]
大崎駅からJR埼京線に直通し、川越線の川越駅まで相互直通運転を実施している。これにより、りんかい線新木場駅から埼京線経由で川越線川越駅までは一つの運転系統として成立している。
りんかい線内は新木場駅 - 大崎駅間の全線を通して運転する列車のほか、八潮車両基地への出入りのために東京テレポート駅発着の区間列車も設定されている。日中は1時間に大宮駅・川越駅発着の快速が3本、新木場駅 - 大崎駅間の各駅停車が4本の計7本が運転されているが、運転間隔はパターン化されていない。
りんかい線内では快速および通勤快速を含めて全列車が各駅に停車する。
全列車が2004年に10両編成化されて以降は自社車両だけではなくJRの車両もりんかい線内での折り返し運転に使用されている。
東京ディズニーリゾート玄関口の京葉線舞浜駅への短絡ルートとして、時折中央本線や東海道線などからりんかい線を通り、京葉線へ直通する団体客向けの臨時列車が運転される。
混雑が予想される日に特別ダイヤを組んで対応することが2002年12月の全通前はたびたびあったが、全通後はあまり実施されなくなった。ただし、大晦日にはJRからの直通臨時列車が設定されるほか、東京湾大華火祭、コミックマーケット期間等にも臨時列車が設定される。コミックマーケットが行われる時期には会場となる東京国際展示場の最寄駅が同路線の国際展示場駅であるため非常に混雑し、始発列車は特にその傾向が顕著であった。そのためそのような時期には臨時ダイヤが組まれ、列車が増発される。
種別\駅名 | 直通先 | 大崎 | … | 新木場 | |
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快速 | 川越← | 3本 | |||
各駅停車 | 4本 |