本栖湖
本栖湖(もとすこ)は、山梨県南都留郡富士河口湖町及び南巨摩郡身延町に跨いで存在する湖。富士山の北西山麓にあり、富士五湖の一つで、最西端に位置する。最大水深121.6mは、富士五湖の中で最も深い。
千円紙幣E号券、五千円紙幣D号券の裏面に描かれる逆さ富士の図案に用いられている。
「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」の「富士山域」の一部として世界文化遺産の構成要素に含まれている。
地理[編集]
湖岸は山梨県南都留郡富士河口湖町及び南巨摩郡身延町に属するが、湖面は境界未定である。上九一色村(現・甲府市および富士河口湖町)では、湖面全てが村に属すると主張していた[要出典]。最大水深は富士五湖で最も深く、面積は3番目の大きさである。富士箱根伊豆国立公園の特別地域内にある。
流入・流出河川はないが、同じ富士五湖の西湖や精進湖とは透水性が高いスコリア層などを通して地下水が行き来しているとみられる。湖面の高さは海抜約900mで、降雨などがあっても水位がほぼ連動して変化する。これは、3湖が平安時代初期まで剗の海と呼ばれた一つの湖で、富士山の延暦2年(800年)噴火による溶岩流で本栖湖が分かれ、さらに貞観大噴火(864年)で残った部分が西湖と精進湖に分断されたためである。
こうした地理的条件や歴史から、火山灰などの湖底堆積物から富士山の噴火史を推測する研究・分析の対象となっている
本栖湖と西湖の間で、溶岩流の上に形成された森林が今日の青木が原樹海である。なお、この三湖及び流入河川は海に面していない内陸県では唯一の二級水系となっている。
湖岸のうち、富士河口湖町側は「本栖」地区、身延町側は「中ノ倉」および「釜額」地区に属するが、身延町側には人家はほとんどない。2021年12月1日現在の本栖地区の人口は99人。。
透明度[編集]
湖水の透明度は、『理科年表』平成24年 85冊では 11.2m が採用されている。季節変動があり、最小値はプランクトンの増加する7月、最大値は9月、従って調査を行った時期と組織により異なった値が示されている。しかし、好条件であれば、20mを超える透明度を観測することもあり、本州では実質的に最高透明度の湖であるが、栄養塩類の増加に伴い透明度が低下しているとされている。
近年では水の透明度が低下していたが、2001年から毎年6月の第一土曜日に本栖湖クリーンアップを開催。2006年3月から[要出典]水上オートバイやモーターボート等の動力船の使用を禁止するなど水質が綺麗になってきている。
観光[編集]
2013年(平成25年)6月22日、「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」の構成資産(富士山域)の一つとして、世界文化遺産(日本の文化遺産としては13箇所目)に登録された。
ウィンドサーフィンのメッカであり、夏季には多くのウィンドサーファーが訪れる。風光明媚なため湖畔周辺にはホテルや企業の研修所が並ぶほか、レジャーの場として活用されている。観光船による遊覧や、ブラウントラウトやニジマスなどを狙うフィッシングも盛ん。ヒメマスの釣り場としても知られる。静岡大学教育学部附属静岡中学校の生徒・教員が毎年7月に、湖畔でキャンプを行う。