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朝日新聞出版

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株式会社朝日新聞出版(あさひしんぶんしゅっぱん、Asahi Shimbun Publications Inc.)は、日本の出版社。朝日新聞社の子会社。

概要[編集]

2008年4月1日に朝日新聞社の出版本部(2002年8月31日までは朝日新聞社出版局)が分社化し、創業した。初代社長は当時の朝日新聞社出版本部長で元『AERA』編集長の宇留間和基。本社所在地は旧朝日新聞社出版本部・出版局と同じく、東京都中央区築地五丁目の朝日新聞東京本社内にある。

企業ロゴマークは、従来からの朝日新聞のロゴ・社章は使わず、ローマ字の「ASAHI」を前面に押し出したものである。アートディレクター戸田正寿のデザイン。

朝日新聞社出版本部・出版局時代は赤字続きで不採算部門とされ、それが分社化のきっかけとなったが、独立後は大きく業績を伸ばし、黒字を続けている。リアル書店最大手の紀伊國屋書店での出版社別売上ランキングで、分社化直前の2007年は23位だったが、年々、各社を抜いて順位を上げ、2023年にはベストテン入りし10位となった。

日本で最も長い歴史を持つ総合週刊誌『週刊朝日』と1988年創刊の『AERA』という週刊誌2誌を発行していたが、『週刊朝日』は2023年5月末(6月9日号)で休刊した。

著名な写真家を数多く輩出し、「写真界の芥川賞」と呼ばれる木村伊兵衛写真賞を朝日新聞社とともに主催、事務局機能を担っている。

新聞社の出版部門が分離・独立してできた出版社に毎日新聞出版、産経新聞出版、日経BPがある。

1962年設立の朝日出版社とは無関係である。

出版物、ベストセラー[編集]

従来朝日新聞社が発行する朝日新聞、朝日新聞縮刷版、『論座』(2008年9月1日発売の10月号にて休刊)以外の刊行物の編集・販売等の出版機能を全て継承した。縮刷版は販売機能のみ請け負う。

2007年9月末に解散した朝日ソノラマの出版物・事業・商標・債務も、朝日新聞社が継承し、その後、朝日新聞出版設立に伴い、同社が引き継いだ。

各出版物は全国の主要な書店のほか、朝日新聞傘下の出版社であることから、朝日新聞販売所「ASA」での購入・取り寄せも可能である。

吉田修一の小説『悪人』は朝日新聞連載後、2007年に書籍化され、2010年に200万部を超えた。第61回毎日出版文化賞と第34回大佛次郎賞をダブル受賞した。さらに2010年、李相日監督によって映画化され、全国東宝系列で公開。モントリオール世界映画祭ワールド・コンベンション部門にも正式出品され、深津絵里が最優秀女優賞を受賞。

2012年に発売した「TOEIC L&R TEST 出る単特急 金のフレーズ」は、その後の改訂版も含め、2018年に100万部を突破した。

2019年、「小説トリッパー」に掲載された今村夏子の小説『むらさきのスカートの女』が第161回芥川龍之介賞を受賞した。これは朝日新聞グループ史上初の芥川賞受賞である。直木三十五賞については朝日新聞社出版局時代の1999年、宮部みゆきの『理由』(刊行は1998年)が第120回直木賞を受賞している。

分社化直前の2008年から売り出した『科学漫画サバイバルシリーズ』は、巻を重ね、順調に売り上げを伸ばして年間100万部ペースとなり、2020年に累計1000万部を突破した。2022年現在1200万部。

1926年に創刊し、写真雑誌としては最も長い歴史を持つ『アサヒカメラ』は、広告収入減少により、2020年6月19日発売の同年7月号をもって休刊、94年の歴史に幕を下ろした。

『ゲッターズ飯田の五星三心占い』シリーズは、かつてセブン&アイ出版が刊行していたが、同社の事業終了に伴い、各社が名乗りを上げ、朝日新聞出版が獲得し2020年から刊行している。同シリーズは累計800万部(2022年9月現在)。

1922年2月25日創刊で総合週刊誌として日本で最も長い歴史のある『週刊朝日』(創刊時は『旬刊朝日』、1922年4月から週刊に)が、2022年に創刊100年を迎えた。毎日新聞出版発行の『サンデー毎日』(1922年4月創刊)も創刊100年。ただし、経済系週刊誌の『週刊東洋経済』(1895年創刊)や『週刊ダイヤモンド』(1913年創刊)は週刊朝日やサンデー毎日より古い。

人気YouTuberの「リベラルアーツ大学」両学長が書いた『本当の自由を手に入れる お金の大学』は2020年6月の発売後、2022年3月に100万部を突破した。

2023年1月、同年5月末で『週刊朝日』を休刊にすることを発表した。

2023年10月5日、科学雑誌『Newton』を出版しているニュートンプレスの全株式を取得し、子会社化したことを発表した。朝日新聞出版の前身である朝日新聞出版局はかつて『Newton』の競合誌である『科学朝日』(2000年休刊)を発行していたため、朝日新聞出版としては23年振りに科学雑誌の発行が復活することになった。

雑誌・定期刊行物[編集]

  • AERA
  • ジュニアエラ
  • AERA with Kids
  • 週刊朝日別冊「小説トリッパー」
  • HONKOWA
  • Nemuki+
  • SOCCER KING(発行:フロムワン)
  • 朝日新聞縮刷版(発行:朝日新聞社)
  • Journalism(発行:朝日新聞社ジャーナリスト学校、書籍扱い)
  • 國華(書籍扱い)  
  • 一冊の本(PR誌)

廃刊・休刊誌[編集]

  • 民力
  • メディカル朝日
  • オートカー・ジャパン(2015年1月休刊)
  • 週刊マンガ日本史
  • 男の隠れ家
  • 旅と鉄道(もとは鉄道ジャーナル社発行で、休刊していたものを譲受し復刊。2017年に山と渓谷社に移管、2024年4月よりイカロス出版が発行)
  • アサヒカメラ
  • Sesame(婦人生活社→角川・エス・エス・コミュニケーションズ→朝日新聞社)
  • みんなの漢字
  • 週刊朝日(2023年6月9日号を以て休刊)
以下は朝日ソノラマ(2007年9月廃業・会社清算)より継承。
  • ネムキ(終刊)
  • 夢幻館(休刊)→ホラー&ファンタジー倶楽部(ウェブコミック誌)に移行
  • ほんとにあった怖い話(発行終了)
以下はフロムワン発行・朝日新聞出版発売。
  • SOCCER KING
  • Jリーグサッカーキング
  • 浦和レッズマガジン(Jリーグサッカーキング増刊)
    • 2010年2月号より。なお、2010年1月号まではアスペクトが発売していた
  • ワールドサッカーキング
  • サムライサッカーキング(ワールドサッカーキング増刊)
    • 月刊誌時代は講談社発売。不定期刊化とともに移行
  • サッカーゲームキング

書籍・文庫[編集]

  • 朝日選書
  • 朝日新書
  • 朝日文庫
  • HONKOWAコミックス
  • Nemuki+コミックス
  • ソノラマ+コミックス
  • 科学漫画サバイバルシリーズ(韓国の翻訳版)
  • 歴史漫画タイムワープシリーズ
  • 朝日キーワード
  • 「困った」シリーズ
    • スマホで困ったときに開く本
    • パソコンで困ったときに開く本
    • Word&Excelで困ったときに開く本
  • FC東京オフィシャルファンブック(2010年・2011年のみ。それまでは毎日新聞東京本社出版・広告部から取り扱われていた。2012年よりクラブの直接発行となった)
  • Jリーグオフィシャル書籍(2011年号より。コナミグループの出版社から発売元移行)
    • Jリーグイヤーブック(2014年をもって発売元から撤退。本そのものはJリーグ発行・直売の形で引き続きネット通販限定で出版)
    • Jリーグオフィシャルファンズガイド(2012年をもって休刊)

ウェブメディア[編集]

  • AERA dot.
  • ソノラマ+

関係する人物[編集]

  • 宇留間和基 - 初代社長(在任2008年4月 - 2012年6月)、元『AERA』編集長。元J-CASTニュース編集長
  • 島本脩二 - 創業時の書籍統括。元小学館で矢沢永吉「成りあがり」「日本国憲法」など編集、元「SAPIO」編集長
  • 神徳英雄 - 第2代社長(2012年6月 - 同年11月)。元朝日新聞社取締役経営企画担当・出版担当、元同社監査役
  • 一色清 - 元『AERA』編集長、元雑誌統括。元テレビ朝日「報道ステーション」コメンテーター
  • 篠崎充 - 元取締役、週刊朝日の橋下徹特集記事問題で神徳社長の引責辞任後、社長代行として、中村正史社内調査委員長、尾木和晴週刊朝日編集長代行とともに3人で橋下大阪市長に面会し謝罪
  • 青木康晋 - 橋下徹特集記事問題後の第3代社長(2012年12月 - 2021年6月)、元会長、元『週刊朝日』編集長。9年連続黒字、過去最高益更新、初の芥川賞受賞作刊行、『ゲッターズ飯田の五星三心占い』シリーズ獲得。Gakken常勤顧問、東日本国際大学特任教授
  • 市村友一 - 第4代社長(2021年6 月- )、元『AERA』編集長、元朝日新聞社執行役員西部本社代表。『週刊朝日』休刊、ニュートンプレス買収
  • 中村正史 - 元取締役、橋下徹特集記事問題の社内調査委員長として、篠崎社長代行らと橋下大阪市長に面会し謝罪
  • 尾木和晴 - 元『AERA』編集長、橋下徹特集記事問題後に週刊朝日編集長代行となり、篠崎社長代行らと橋下大阪市長に面会し謝罪。のち常務取締役
  • 山口一臣 - 元『週刊朝日』編集長。テレビコメンテーター、テックベンチャー総研CEO
  • 河畠大四 - 元『週刊朝日』編集長
  • 今西憲之 - 大阪をベースに『週刊朝日』などに寄稿しているフリージャーナリスト
  • 浜田敬子 - 元『AERA』編集長。元Business Insider Japan統括編集長
  • 森下香枝 - 元『週刊朝日』編集長、元AERA dot.編集長。元週刊文春のスクープ記者


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