映像
映像(えいぞう)はテレビの普及以後に広く使われるようになった用語・概念であり、たとえば写真、テレビ、映画を中心に、ビデオ、コンピュータ・グラフィクス、アニメーション、ホログラフィーなど、化学、電子、光学技術による再現または創作像を広くさしている。
テレビ番組、ビデオ映画、映画などを一種のメディアや "業界" としてひとくくりにとらえるための概念・用語や、およびその作品として用いられる。たとえば「映像畑」などの形で用いられる。映像はしばしば活字(書籍、出版)と対比される(例:『映像の世紀』)。また舞台とも対比される。
定義[編集]
映像(えいぞう)は多義語である。
動く像[編集]
は時間に沿って変化する内容が記されたものである。ムービー、ビデオ(英: video)とも。
この意味での映像は、静止画の意味での「画像」と対比される。
映された像[編集]
写真、テレビ、映画、ビデオ、コンピュータ・グラフィクス、アニメーション、ホログラフィーなど、化学、電子、光学技術による再現または創作像を広く指す。英: footage とも。
この意味での映像は内容の時間変化を問わない。つまり動画と静止画の総称である。視覚像の意味での「画像」が類義語である。
特性[編集]
映像は他の媒体 (メディア) と異なる様々な特性を持つ。以下はその一例である。
映像単体の特性[編集]
以下では視聴と無関係に映像そのものがもつ特性を示す。
物理的時間の内包[編集]
映像は物理的な時間を内包している。
映像作品は時間芸術の一種であり、映像のなかに物理的・時計的な時間が含まれている。つまり作品側が各コマの表示タイミングを物理的な時間で規定しており、鑑賞者はこれを所与として映像を再生し鑑賞する。
この特性は、一枚絵であり鑑賞時間が鑑賞者に委ねられる絵画とは大きく異なる。また、コマの順序は作品側が規定するが読む速度(≒時間)は鑑賞者に委ねられる漫画とも異なる。更に、行・文字の順序は作品側が規定するが読む速度(≒時間)は鑑賞者に委ねられる活字文学とも異なる。
映像が内包する物理的時間は、作品側が規定する鑑賞速度である。作者と鑑賞者はこれを所与の基準値(= 1倍速)として共通認識しているが、観測者が必ずこの基準速度で鑑賞するとは限らない。ほとんどの映像再生機器・ソフトウェアが早送り機能を有しているのはこの現れである。
この特性は鑑賞者が映像のまえに長時間居続けることを要請する。そのため特に娯楽映像作品において鑑賞者が飽きない・時間を忘れるような工夫が必須となる。