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日本の女性専用車両

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日本の女性専用車両(にほんのじょせいせんようしゃりょう)では、世界各国の女性専用車両およびそのシステム・サービスのうち、日本の公共交通機関のものについて詳述する。なお、日本では東日本地区と西日本地区で名称が異なっており、東日本地区では「女性専用車」という名称が、西日本地区では「女性専用車両」という名称が使われている傾向にあるが、両者に大きな違いはなく本質的には同じものである。以下では「女性専用車」および「女性専用車両」が混在している箇所がある。

日本の公共交通機関における「女性専用車(女性専用車両)」について、国土交通省は「鉄道事業者において、輸送サービスの一環として導入された女性等に配慮した鉄道車両」と定義しており、「法的な強制力はありませんが、利用者のご理解とご協力のもとで成り立っています」としている。

歴史[編集]

戦前[編集]

日本における女性専用車両は、1912年(明治45年)1月31日に当時の東京府の中央線で朝夕の通勤・通学ラッシュ時間帯に登場した「婦人専用電車」が最初とされている。この「婦人専用電車」の導入は、女学生が痴漢に遭うという話を聞きつけた乃木希典学習院院長が、上野駅の駅長に進言して導入されたと言われることもあるが、当時の新聞記事には以下のような記事が掲載されている。

乃木将軍もかつて学習院女学部の生徒が電車に乗ると男子が女生徒の体に触れたがって困ると電気局員に語られたと記憶するが、近来不良学生が山手線沿線より市内各女学校に通う女学生の乗車するを機とし混雑に紛れて、或いは巧妙なる手段を以て誘惑し、逸らすとも女生徒の体に触れて、其の美しき姿を見るを楽しみとする風がある。彼らは此の女学生の満載せる電車を称して「花電車」と呼んで居るが、今回中野昌平橋間に各駅から婦人専用電車を朝の八時半前後と午後の三時半前後の数回運転せしむることに決定し、此の電車を女学生が利用する様にお茶の水附属女学校、女子学院、千代田女子学校、雙葉女学校、三輪田女学校、精華女学校等に対し通知し、来る三十一日より実施することになった。

関西地方では1920年10月、大戦景気の余韻を買って神戸市電が買い物客を誘致するために「御婦人専用電車」を運行した事があるが、この年で姿を消した。また、阪神急行電鉄(阪急)では1933年(昭和8年)の神戸女学院の神戸から西宮への移転と同時に、女学生の風紀を守るためとして、今津線門戸厄神駅まで神戸から直通する神戸女学院貸切車(1両編成)が通学時間帯に一日に2本運行されたが、1937年(昭和12年)頃廃止された。

太平洋戦争中には、1942年(昭和17年)11月25日から大阪市電木津川線と北泉尾線で婦人専用列車を運行を開始したほか、軍港である舞鶴港最寄りの中舞鶴線で見送りや面会の婦人専用列車が運行された。

昭和20年代[編集]

太平洋戦争後には、乗車率が300%にも及ぶ過密状態であったため、1946年(昭和21年)には中央線の東中野駅付近で乗客が走行中の電車のドアから神田川に転落して死亡する事故が起きた。こうした殺人的通勤ラッシュから子供と働く女性を守る目的から、1947年(昭和22年)5月に中央線の朝のラッシュ時間帯に「婦人子供専用車」が登場し、同年9月からは京浜東北線にも連結された。しかし、京浜東北線の「婦人子供専用車」は利用率が低く1953年(昭和28年)に廃止され、中央線では朝の通勤・通学ラッシュ時間帯での運行が継続されていたものの、下り列車は1956年(昭和31年)に廃止された。上り列車の「婦人子供専用車」は、1973年(昭和48年)9月15日(当時の敬老の日)より導入された「シルバーシート」(優先席)と入れ替わる形で前日の14日をもって廃止された。なお、中央線と京浜東北線には進駐軍関係者のための専用車を格下げして「老幼専用車」が1957年(昭和32年)6月より設定された事があるが、中央線は1958年(昭和33年)11月、京浜東北線は1961年11月に廃止されている。このほか、宇品線でも女子専用車が運行されたほか、東武東上線も1959年から夫人専用列車を運行した。

2000年代[編集]

この頃になると、車内における迷惑行為や痴漢行為が社会問題として大きく取り上げられ、明瞭な犯罪として意識されるようになった。このような状況を背景に、女性が安心して乗車できる事を目的として女性専用を謳った車両が導入され始める事になる。輸送力の増強計画が進捗し、バブル経済の崩壊による都心回帰や少子高齢化などによる利用者の減少も重なり、総じて混雑度が緩和されつつあった事も、鉄道事業者が同車両の導入に踏み切る事ができた理由の一つである。[要出典]

2000年12月、京王電鉄京王線で平日深夜帯に新宿駅を発車する下りの臨時列車(急行・通勤快速)の最後部の車両に「女性専用車両」の名で試験的に導入した。翌2001年3月のダイヤ改正で女性専用車両が本格導入となり、以後は他の鉄道事業者においても徐々に導入が広がり始める。国土交通省は2002年にアンケート調査と関西地方での試験運行を行い、導入に対し肯定的な意見が多かったため、導入を推奨した。以後、2005年頃までは導入が相次いだのは関西地方だった。

一方、首都圏では鉄道各社と警視庁と東京都が「駅構内・電車内等公共空間における反社会的行為等の防止に関する協議会」を2004年7月に組織し、検討作業を進めていた。しかし、混雑との兼ね合いなどから「大阪との混雑度の違い」をほのめかし導入に二の足を踏む事業者も見られた。一方、行政側は推進に積極的で、2005年1月には警視庁が女性専用車両導入の要請を行った。

国土交通省は「女性等に配慮した車両の導入促進に関する協議会」を鉄道局に設置し、同年3月7日に第1回の会合を開催し、同省より鉄道各社に設置の要請を行った。同月28日には第2回の会合を開き、第1回での要請を受けて各社が導入・拡充を決めた。これにより、2005年5月9日から多くの路線で新規導入と設定範囲の拡充が図られた。これに呼応する形で、関東の鉄道各社もキャンペーンを行った。

法律・規則[編集]

鉄道営業法第34条には「制止ヲ肯セスシテ左ノ所為ヲ為シタル者ハ十円以下ノ科料ニ処ス」、同2号では「婦人ノ為ニ設ケタル待合室及車室等ニ男子妄ニ立入リタルトキ」という条文が存在する。しかし、女性専用車両の制度について、国土交通省は「現行の女性専用車両に、鉄道営業法34条2号の適用は想定していません。女性専用車両は、鉄道事業者が輸送サービスの一環として実施しているもの。法的な強制力はありませんが、利用者のご理解とご協力のもとで成り立っています」としており、長谷川裕雅弁護士は「鉄道営業法第34条の『婦人の為に設けたる待合室及車室等』は女性専用車両よりもっと厳格な排他的領域を想定していると考えられている」と解説している。大阪高裁でも同様の判断が示されている(後述)。

大阪市交通局(現・大阪市高速電気軌道〈Osaka Metro〉)と横浜市交通局は自社公式サイトで鉄道事業者が乗客に任意協力を求めているものであると述べている。名古屋市では「名古屋市交通局は鉄道営業法34条2号の適用を考えていない」と報告書の中で述べている。

鉄道事業者の多くでは、小学生以下の男児及び障害者とその介助者の男性も利用できるとしている。西武鉄道ではこれに加えて「小学生以下の児童(男女とも)とともに乗車する男性の保護者」も利用可能としている一方で、名古屋市交通局では小学生以下及び障害者とその介助者であっても男性単独では利用不可としている。

判例[編集]

大阪地方裁判所[編集]

平成16年(ワ) 第6584号 平成16年8月6日判決

JR西日本が女性専用車両を導入した際の裁判では、女性専用車両の導入は男性乗客に女性専用車両に乗ることを控える義務を負わせるものではない前提で実施されるとして、日本国憲法第14条1項に違反しないという判断が示された。

男性乗客に女性専用車両に乗ることを控える義務を負わせるものではないし、また女性専用車両に乗った男性に対して罰則を課すものでもなく、あくまでも乗客の良識と任意の協力の下に実施されている。

大阪高等裁判所[編集]

平成16年(ネ) 第2773号 平成17年1月19日判決

JR西日本が女性専用車両を導入した際の控訴審では、女性専用車両の導入は男性乗客の任意の協力の下でのみ実施されるとして、鉄道営業法第34条2号は適用されないという判断が示された。

控訴人は、女性専用車両に男性客が乗車する行為は、鉄道営業法34条2号所定の「制止ヲ肯セスシテ」「婦人ノ為ニ設ケタル待合室及車室等ニ男子妄ニ立入リタルトキ」に該当し、罰則が課せられる旨主張するが、前記認定のとおり、被控訴人による女性専用車両の導入は、乗客の任意の協力の下でのみ実施されることが予定されていることが認められ、同車両に関して同条2号が適用されることはないものと解される。

女性専用車両に対する意見[編集]

調査・統計[編集]

2000年代の女性専用車両導入に関連したアンケートで最も古いものは、京王電鉄が2000年に行ったものである。調査規模としては、2002年に行われた国土交通省の「拡大モデル調査」関係が最も大きく、専用車の試行や意見聴取も多様な手法が使われている。2004年の公明党の調査によると、20代から30代までの女性の6割位が痴漢被害を受けているとのアンケートの結果が出ている。2005年の「駅探」のアンケート調査によると、女性の9割、男性の6割、全体で78%が女性専用車両に賛成している。同年から2006年にかけての札幌市交通局の調査では、「ご意見コーナー」へ寄せられた意見のうち男性の65%、女性の35%、全体で56%が反対している。産経新聞社が2009年5月に行った調査によると、三分の二の人間が女性専用車両は痴漢対策に役立つと回答したものの、性差別と感じる意見や女性専用車両の存在が利用上の不便さを感じるという意見も約6割存在することが明らかとなった。他にも実施主体や調査方法・地域が異なる様々な調査が実施されている。

東京都の場合、警視庁生活安全部が総合対策資料として電車車両内における卑猥行為の統計を持っており、2000年度は1,854件を記録している。一方、電車の内外を問わずまとめられた卑猥行為の統計「迷惑防止条例違反の送致状況」では、2001年は2,057件である。また、東京都によると、2004年に都内の電車内において痴漢や盗撮行為が検挙された件数は、1996年の約3倍に相当する2,201件に増加しており、被害者の約半数が未成年者だとしている。

アンケート結果[編集]

  • 2009年に産経新聞が2,936人(男性2,298人、女性638人)に対して実施した女性専用車両に関するアンケートでは、
    • 「痴漢対策に役立つか」という質問に対しては全体の67%が「YES」、33%が「NO」と回答した。
    • 「性差別につながるか」という質問に対しては全体の57%が「YES」、43%が「NO」と回答した。
    • 「(女性専用車両があることで)利用に不便さを感じるか」という質問に対しては全体の61%が「YES」、39%が「NO」と回答した。
  • 2009年7月10日から15日にかけてアイシェアが男女543人(男性57.5%、女性42.5%)に対して実施したアンケートでは、
    • 「女性専用車両は必要だと思いますか?」という質問に対して全体の54.0%(男性49.5%、女性60.2%)が「必要だと思う」、全体の16.6%(男性23.1%、女性7.8%)が「必要だと思わない」と回答した。
    • 「男性専用車両は必要と思うか」という質問に対しては、全体の40.3%(男性39.1%、女性42.0%)が「必要だと思う」、全体の23.8%(男性30.1%、女性15.2%)が「必要だと思わない」と回答した。
  • 2016年10月7日から25日にかけて民間調査会社「日本法規情報」が974人(男性456人、女性518人)に「改めて考えると男性差別だと感じるものはありますか?」という質問をしたところ、「男性差別はない」との回答は13%であったが、11%が「女性専用車両」と答えている。

利便性[編集]

女性専用車両に隣接する車両が混み合うという不満が出されている路線や区間もある事から、男性を中心にして不満を感じているという意見が見られる。横浜市営地下鉄ブルーラインなど編成の中央部に女性専用車両を配置している路線では、男性客の通過を遠慮するよう掲示しており、他の車両に移動する際に車外を回らないといけない場合がある。

路線ごとに車両位置や時間帯が異なる事で、女性専用車両の利用を望む女性客からも分かりづらいと批判される事がある。先頭又は最後尾が女性専用車両となる路線では、乗り換えの不便さや降車駅改札までの遠さなどを理由に乗車しない女性客もおり、比較的空いている事を期待して利用する回答がある。

障害者の利用[編集]

女性専用車両を男児及び障害者の男性も利用できるとしている鉄道事業者が多いが(関東の各社とJR西日本・Osaka Metro・北大阪急行電鉄)、一部の事業者を除き、それを明示しない事や「女性専用」という名称のために、一般には認知度が低い。このため、男性視覚障害者が女性専用車両と知らずに足を踏み入れ、冷たい言葉を投げ掛けられる例が報告されており、視覚障害者が乗車車両を変更する訓練を行わなくてはならない場合もある。また、男児や身体障害者とその介助者が単独で乗車できない事業者、条件付きで男性の利用を認めている事業者もあるなど(主に西日本地区)、鉄道事業者間で統一されていない。

特に関西地区において、関東地方に比べて障害者の男性が女性専用車両を利用できることの告知が十分でなく、大きな負担となっているとの行政相談が総務省近畿管区行政評価局に寄せられ、同局が近畿運輸局に対し、2016年(平成28年)2月25日に「障がいを有する男性及び男性介助者等の「女性専用車両」等に起因する身体的・精神的な負担軽減を図るため、必要な対応を行うこと」のあっせんが行われた。これにより、関西地区の事業者の多くが男児及び障害者の男性の単独利用を認めるようになった。その後も名古屋市交通局と西日本鉄道については男児及び障害者の男性の単独利用を認めていなかったが、西日本鉄道においては現在は認めている。

性同一性障害者の利用について[編集]

なお、2005年に週刊誌が行ったアンケート取材によると、性同一性障害者などの身体的には女性でない人の乗車については、回答のあった鉄道会社からはすべて「自己申告で乗車できる」との見解が示されている。

混雑[編集]

国土交通省の拡大モデル調査では、試験結果を受けて路線の状況や時間帯での運用方法についても議論が行われていたが、東急東横線などのように導入を行ったものの、混雑悪化などを理由として設定を縮小・変更したケースが存在する。

心理学者の多湖輝によると、日本人で行った狭所への詰め込みの実験では、男性同士や女性同士よりも、男女混合で詰め込んだほうが密度をより高く詰め込めるという結果がある。しかし、混雑率は乗車位置や大型駅の構造などにより大きく変化し、「平均混雑率」だけで十分に把握できるものではない(詳細は定員#混雑率・乗車率を参照)ため、女性専用車両の設定は各社・各路線ごとに異なる。小田急電鉄は2006年、車内に分散乗車への啓発ポスターを掲示しており、その中で編成中の各車の混雑率の傾向が示され、車両により大きな開きがある事を伝えている。同社は、そのポスター内で最も混雑率が低くなると示す先頭車両を女性専用車両として指定している。

2012年2月24日の東京都知事定例記者会見では、報道陣から石原慎太郎都知事あてに混雑差に関する質問がなされ、石原は「混雑差は問題」「女性は弱者ではない」「今度都知事自ら乗車して確認するが、その際に痴漢扱いされたら問題指摘する」と回答している。

痴漢対策[編集]

痴漢犯罪の減少が目的ではないものの、導入の前後で痴漢被害の件数に変化があったのかどうか多くの鉄道事業者では数値を公表していない。発表された一部の路線では、御堂筋線や埼京線のように減少した路線も、中央線快速や京王線のように増加した路線もある。また変わらない路線もある。一部の列車種別の列車のみに導入しても、未導入の列車では痴漢被害相談が継続している。車両の運用については拡大モデル調査でケース別に検討所見があり、導入に積極的な事業者でも試行錯誤が続いている事を認めている。一方、痴漢冤罪を問題視する団体が、冤罪防止の観点から女性専用車両の導入を歓迎していることを報道機関の取材に対して表明した事例も見られる。 混雑とも関わる事だが、女性専用車両の導入はあくまで次善策に過ぎず、ラッシュ時の混雑緩和こそが根本的な痴漢対策だとする意見がある。一方で、混雑緩和には相応のコストを必要とするが、運賃の値上げや増便による沿線環境への影響などの社会的負担について、乗客や住民の同意が得られるかどうかの課題が解決されていない。このため、仮に女性専用車両を廃止した場合に代替となる痴漢対策を講じられない状況にある。警視庁では痴漢対策について「電車内では狭い空間に多くの人が密集するという場所的特殊性から発生が多くなっている」と述べ、痴漢と鉄道との関連性を説明している。時間帯別についてのみた所見もあり、京王電鉄によると、痴漢の発生率の最も高いのは朝ラッシュ時間帯で、深夜、夕方ラッシュ時、昼間時間帯の順となり、国土交通省の拡大モデル調査においてもラッシュ時を重視する所見が見られる。

また、痴漢被害を受けた際に恐怖心や大きなショック・不快感などを受ける女性や、同一人物から繰返し痴漢に遭う、集団痴漢などといったケース、咎めた側が返り討ちに遭うケースなどがあった。そのため、女性専用車両が「緊急避難場所」や「駆け込み寺」としての防衛的機能を果たしている事が挙げられる。例えば、国土交通省の拡大モデル調査報告書では、「痴漢被害の根本的解決策ではないが、痴漢被害を減らす効果は期待でき、痴漢の回避手段がなかった女性にとっては女性専用車両の利用は有効な痴漢被害防止策であるとの考えのもと実施した」、と述べている。女性専用車両がなかった時代、こうした被害者は心理的にも物理的にも安全な逃げ場がなく、導入による安心感も挙げられている。また、京王電鉄によれば、上記のように深夜は2番目に発生率が高いが、帰宅時間帯であるため、被害者が泣き寝入りするケースが多かったという。

マナー[編集]

アンケートなどにおける女性の意見の中には、「男性のにおい」を回避する事ができる、「ゆっくり化粧できる」「男性の視線を気にせずにすむ」などの理由を挙げるものがある。

また、女性専用車両内における女性乗客のモラルの低下が批判されることもある。著名人が女性専用車両内のモラルの低下を揶揄した事もある。

性差別[編集]

女性専用車両での良くない出来事を伝える内容に対し、女性専用車両特有の問題かのように描写することは女性蔑視ではないかという声もある。また、若林有子アナウンサーは、男性の目がないから問題が起きるという指摘に疑問を投げかけている。ライターの望月優大も若林の意見に賛同したうえで「『女性同士になると』みたいな、『女性嫌い』っぽいことに議論がずれていってしまったりとか、『男性が差別されているんじゃないか』みたいなのはちょっと筋違いな話じゃないかなとまず基本的に思っている」と指摘した。

女性専用車両もしくは女性専用車両に乗る女性に対するミソジニー(女性嫌悪)を背景としたバッシングが日本社会に蔓延していることを指摘する意見もある。また、現在の女性専用車両は、実際は痴漢でない男性を一人も乗せまいとした「男性対策」であり、痴漢対策であるとは言えないとして、「導入しても痴漢が減らず、しかも男性であるというだけで男性を排除しようとする女性専用車両」ではなく、「公共の場での男性に対する差別に当たらず、しかもJR埼京線で痴漢件数6割減という、大きな効果を発揮した車内監視カメラ」を設置すべきという意見もある。

2020年1月13日に放送された情報番組「羽鳥慎一のモーニングショー」での「女性専用車両を敬遠する女性が増えている」という特集に関して、一部の視聴者からは女性蔑視だと批判意見が相次いだほか、同日のJタウンネットの記事での「女性専用車両はあぶらとり紙が散乱している」という読者投稿紹介には、「あぶらとり紙なんて今時は使わないのになぜ?」とその内容を疑問視する声が拡散し、「あぶらとり紙」がTwitterトレンドになった。

TBS系の番組「グッとラック!」でも2020年1月15日に「女性専用車両に乗りたくない女性が増えている」という特集を放送したが、その中で若林有子アナウンサーは「乗りたい乗りたくないというのは普段は意識せず、自分の乗りやすい場所に乗っています」と語り、女性側の行動ばかりが注視される現状に触れた。

男性だけが一方的に女性専用車両導入のデメリットを受ける事、男性が被害者になる性犯罪の対処策にはなっていない事などを挙げ、「男女平等の社会に反する男性差別」と不公平感を訴える意見もある。このため、捜査方法の改善が模索され、テレビなどで周知される事もある。 日本経済新聞社の中村みゆきは「女性の隔離で一部男性のゆがんだ品性そのものが改まるとの保証はない」という評論した。

女性専用車両に反対する者の中には「形骸化促進乗車」や「任意確認乗車」として抗議する者もいる。形骸化促進乗車や任意確認乗車とは、女性専用車両の存在に異議を唱えている男性が、その意思を鉄道会社や利用者にアピールするために女性専用車両に自ら乗車して、女性専用車両を形骸化させることである。この抗議活動に関しては、2004年に女性専用車両に反対する男性が、JR西日本に対して女性専用車両の存在にについての違法性を問う訴訟を起こしたが、大阪地方裁判所では、男性乗客に女性専用車両に乗ることを控える義務を負わせるものではないという判断がなされ、大阪高等裁判所での控訴審では、女性専用車両の導入は、乗客の任意の協力の下でのみ実施されることが予定されていることが認められるという判断がなされている。

しかし、その後も女性専用車両をめぐる事件・トラブルが発生している。

  • 2010年3月26日 - 京王線に首から「女性専用車両から無理やり追い出したら刑法223条に違反します」と掲げた女性専用車両に反対する会のメンバーが乗車し、女性客とトラブルになった末に電車が緊急停止する騒ぎになった。
  • 2017年3月 - 名古屋市営地下鉄東山線の約20駅と名古屋市交通局に、「女性専用車両を廃止しろ」という内容の脅迫文と、ガソリンとみられる少量の液体が入った容器が郵送で届いた。
  • 2018年2月16日午前8時40分頃 - 東京メトロ千代田線国会議事堂前駅で、女性客から「女性専用車両に男性がいる」との申告があり、駅員らが男性3人に降りるよう説得したが男性らは応じず、列車は暫く停車した後男性らを乗せたまま出発し、男性らは3駅先の表参道駅で降車した。この騒動の影響で千代田線で最大約15分の遅延が生じた。男性3人は「女性専用車両は男性差別である」と主張する差別ネットワークという団体のメンバーだった。また、5日後の22日にも京浜東北線で同様のトラブルが起きていた。

男性専用車両導入の要望[編集]

詳細は「男性専用車両」を参照

鉄道事業者の姿勢[編集]

東武鉄道のように要望の少なさを挙げたり、東京地下鉄のように混雑均等化の観点から導入に消極的な事業者が存在した。交通新聞に対してコメントした事業者の指摘した問題点としては、通勤客が乗降駅の階段に集中する朝ラッシュでは混雑の平準化が損なわれる事、保有編成が多く特定車両を専用車に指定しづらい事、相互直通運転を行っている路線での車両位置の調整が難しい事、などが挙げられていた。事業者の中では導入に積極的であった京王電鉄も、混雑の激しい事や単独実施の困難性から2005年の一斉拡充までは朝ラッシュなどでの設定を躊躇した旨を述べている。また、西日本旅客鉄道(JR西日本)は、京阪神の在来線(京阪神緩行線、大阪環状線など)に女性専用車両を導入したが、逆に、これらの線を雁行している列車で、女性専用車両の設定の無い列車(新快速、快速など)では、逆に痴漢被害が増加し、警察が導入を要望したものの、JR西日本は編成の多様性を理由に断ったという。また設定を縮小する事業者がある。

ステッカーの大きさも事業者によっては差が見られる。東京急行電鉄は貫通路の窓の周囲にもステッカーを複数枚貼付して強調している。京浜急行電鉄はホームに貼付するステッカーを他社に比べて小さいものを使用している。京成電鉄と京浜急行電鉄では車両のステッカーを女性専用車両を実施する時間帯に限り貼付し、終了したら外すという事を行っているほか、近畿日本鉄道や西日本鉄道のように編成の都合で駅側にしか案内がない場合もある。なお、東日本側の事業者はステッカーを窓ガラスに、西日本側の事業者は車体(戸袋部分)に貼り付けていることが多いが、神戸市交通局のように両方に貼り付けている事業者も存在する。

一方で、京王電鉄のように痴漢対策に積極的に取り組んでいる事をアピールする事業者もある。同社は「よくいただくご意見」に痴漢対策を挙げている。また、2005年に関東地方で拡充が行われた際には、長い経験により培ったノウハウがあるという理由で、同業他社から問い合わせが相次いだ。こうした事業者の場合、社会・環境報告書で女性専用車両の導入を記載している事がある。また、西武鉄道は事業者の中でいち早く女性専用車両限定の広告を企画し、テレビ番組とタイアップして痴漢撲滅のPR電車を運行した事がある。2007年6月の株主総会では痴漢冤罪防止の立場から一部株主が専用車以外の車両へ監視カメラの設置を提案したが、同社は百数十億のコストと混雑時の有効性への疑問を理由に拒否した。

各事業者の状況[編集]

導入期の概歴[編集]

特記が無い限り、実施対象は平日ダイヤである。また、東北地方や中国地方など記述のない地方においては現時点で実施されたことはない。

北海道地方[編集]

2007年9月の傷害事件発生後、女性専用車両導入の要望書が提出され、2008年8月18日から9月12日までの間、南北線で女性専用車両の導入実験が行われた。その後、同年12月15日から同線で「女性とこどもの安心車両」という名称で正式に導入される事になった。この際、名称変更された理由は、女性以外の乗車対象者が利用しづらいと感じる恐れがあるからだとしている。但し、あくまでも任意によるものであり、法的拘束力は無いことを明確に示しているため、男性の乗車を拒否される事はない。2009年7月13日には東西線にも導入された(南北線と時期がずれている理由は2009年3月3日までのホームドア全駅設置・4月1日のワンマン運転開始)。ただし、東豊線は4両編成と短いため導入されていない。

関東地方[編集]

前述した通り、京王電鉄の京王線においては2000年12月、夜間の一部列車において女性専用車両を試験的に導入させた後、翌2001年3月に本格的に導入された。実施対象列車は新宿駅を22時50分以降に発車する急行・通勤快速・快速である。また、長きにわたり痴漢発生率ワーストワンであった東日本旅客鉄道(JR東日本)の埼京線においても同年7月から平日深夜限定の下り(大宮方面行)で試験的に設定、後に本格導入に至った。2003年3月24日には平日始発から9時までの全列車において横浜市営地下鉄(現名称:横浜市営地下鉄ブルーライン)でも試験的に導入され、同年7月1日から本格導入された。横浜市交通局の発表によると、京王線と同じく肯定的な意見が多かったためとしている。関東地方の鉄道路線で平日朝ラッシュ時間帯に導入された事例は、横浜市営地下鉄が初めてである。

関東地方の鉄道路線において女性専用車両が設定されたのはこれら三路線だけであった上、横浜市営地下鉄を除き深夜時間帯である平日23時以降に限定されていた。多くの事業者・路線では、混雑が隔たりが生じる恐れがあるなどの様々な見解から女性専用車両の運行時間や運行対象路線の拡大、新規導入の動きは無かった。

しかし、2004年12月に警視庁が首都圏の鉄道事業者に対し「女性専用車両の導入率が低い」とし、女性専用車両の導入を各鉄道事業者に要望書を提出した。さらに、公明党が率先して導入を求める署名運動を展開したこと、同時期に国土交通大臣を務めていた同党員である北側一雄も導入に積極的だったことなど、既に前項で述べたような経緯があり、首都圏においても急速に女性専用車両導入が進むことになる。

以下の概略は、特記が無い限り平日朝ラッシュ時間帯における導入である。

日付 出来事
2005年4月4日 JR埼京線、従来の実施時間帯に加えて朝ラッシュ時間帯の大崎方面行にも女性専用車両を追加。乗り入れ先であるりんかい線においても埼京線からの直通電車(新木場行)に導入した。
2005年5月9日 多くの首都圏の鉄道路線に女性専用車両を一斉導入。新たに導入されたのは都営新宿線、西武鉄道(池袋線・新宿線)、東京メトロ半蔵門線、東急田園都市線、東武鉄道(伊勢崎線・日光線・東上線)、小田急電鉄(小田原線・江ノ島線)、京急線、京成線、芝山鉄道線、相模鉄道である。このうち、相模鉄道は22時以降に横浜駅を発車する全列車においても導入された。京王線は従来の実施時間帯に加え、朝ラッシュ時間帯と夕刻の一部列車にも追加導入した。この際、下り線対象列車については実施区間が調布駅までに短縮された(従来は全区間)。
2005年6月20日 東武野田線に導入。
2005年7月25日 平日の終日にわたり東急東横線・みなとみらい線(両者は相互乗り入れ)の特急・通勤特急・急行に全区間導入。首都圏初の終日導入として話題になった。
2005年9月1日 開業間もないつくばエクスプレス線に導入。朝ラッシュ時間帯は秋葉原方面行、夕方以降はつくば方面行で実施。
2005年9月5日 前述したJR埼京線に次ぐ痴漢発生率第2位であるJR中央線快速電車の東京行に導入(厳密には再導入・前項参照)。これにより富士急行線・青梅線・八高線の中央線快速直通電車にも導入された。
2005年10月30日 東京メトロ有楽町線の新木場行に導入。これにより東武東上線および西武池袋線内実施列車のうち、有楽町線直通電車にも追加導入される。
2005年12月5日 相模鉄道、夜間実施分の開始時間を22時から18時に繰り上げ。
2006年3月18日 東武伊勢崎線、ダイヤ改正により久喜駅始発の急行にも追加設定。
2006年3月27日 東京メトロ日比谷線・東武伊勢崎線各駅停車(両者は相互乗り入れ)に導入。なお、日比谷線のうち北千住方面行(東急東横線内からの直通を含む)については実施しておらず、北千住方面から東横線に乗り入れる列車も中目黒駅到着をもって女性専用車両の運用を終了する。また、日比谷線に乗り入れない伊勢崎線浅草方面行の各駅停車も対象外である。
2006年5月15日 JR常磐線各駅停車上り線・東京メトロ千代田線上下線・小田急線の千代田線直通電車(これらの路線は相互乗り入れ)に導入。
2006年7月18日 東急東横線・みなとみらい線、問題が生じたため昼間の女性専用車両を取り止め(終日設定廃止)ならびに設定車両の変更を実施。
2006年11月20日 JR総武線各駅停車上り線(御茶ノ水駅まで)・東京メトロ東西線中野方面行・東葉高速鉄道線西船橋方面行(これらの路線は相互乗り入れ)に導入。なお、東西線のうちJR中央線各駅停車への直通電車は中野駅到着をもって終了となる。
2006年11月29日 東京メトロ東西線、問題が生じたため設定区間を大手町駅までに縮小。
2006年12月11日 都営新宿線、新宿方面行にも追加設定。相互直通運転を実施している京王新線内では実施されず、同線方面直通電車は新宿駅到着をもって設定が解除される。
2007年3月19日 JR中央線快速電車の車両置き換えで分割編成の東京方が4両編成から6両編成に変更されたことに伴い、4両編成で乗り入れる富士急行線・青梅線(青梅 - 奥多摩間)・八高線での実施を取りやめ、6両編成で乗り入れる五日市線の中央線快速直通電車に導入。
2008年6月16日 開業間もない東京メトロ副都心線の渋谷行に導入。これにより東武東上線および西武池袋線内実施列車のうち、副都心線直通電車にも追加導入される。
2010年4月19日 京浜東北線・根岸線に導入。諸事情により、先頭車両ではなく3号車の設定となった。
2013年2月22日 京王線においてダイヤ改正に伴い特急の運転が深夜時間帯に拡大されたため、夕方以降の下りでは特急・準特急のみでの実施となる。
2013年3月18日 東急東横線・みなとみらい線、同年3月16日の副都心線への相互直通運転開始に伴い、設定車両を乗り入れ先にあわせて渋谷寄り先頭車(1号車)に変更、実施時間帯を縮小(朝時間帯は短縮・夕時間帯は廃止)、実施列車を各駅停車を含めた全列車に拡大した。これにより、副都心線の和光市方面行きにも導入された(始発駅から池袋駅まで)他、有楽町線、東武東上線、西武池袋線、西武新宿線においても実施される区間や時間帯を変更した。
2018年3月19日 小田急小田原線が同年3月17日のダイヤ改正で東京メトロ千代田線直通の各駅停車を新設したため、千代田線内での設定時間帯に乗り入れる各駅停車にも追加導入される(新宿駅行きの各駅停車については10両編成であっても対象外)。
2019年3月18日 東京メトロ千代田線の北綾瀬駅のホームが10両編成対応に延長されたため、綾瀬 - 北綾瀬間(10両編成のみ)にも追加導入される。
2019年12月2日 相鉄線、同年11月30日の相鉄・JR直通線の開業に伴い、同線に女性専用車両を導入すると共に相鉄線内の設定時間帯を平日朝の上りのみに短縮し、JR埼京線に合わせる形で設定車両を変更。
2022年3月11日 翌日12日のダイヤ改正でJR中央線快速電車において五日市線乗り入れ(土休日の「ホリデー快速あきがわ」を除く)を取りやめたため、五日市線内での実施を終了。
2022年3月14日 前々日12日のダイヤ改正で京王線において特急・準特急の統合と一部列車の種別格下げを行ったため、夕方以降の下りにおける実施種別を特急・急行に変更。
2022年11月28日 前々日26日のダイヤ改正で京急線において朝時間帯の列車の種別を一部見直しため、実施対象を品川駅行きの快特(金沢文庫駅まで特急)・特急に変更(都営浅草線直通の特急は対象外)。
2023年1月18日 平日朝時間帯の都営大江戸線に新規導入。
2023年3月20日 前々日18日の相鉄新横浜線・東急新横浜線開業に伴い、相鉄線において東横線直通列車の設定車両・時間帯を東横線に合わせて変更(1号車・始発から実施し9時30分一斉終了、下り列車は東急線内では実施し新横浜駅で終了)。横浜駅行き列車とJR線直通列車については変更せず、目黒線直通列車では直通先を含めた全区間において実施しない。
2023年11月27日 前々日25日のダイヤ改正で京急線において朝時間帯の列車の種別を一部見直しため、実施対象を品川行きの特急に変更(都営浅草線直通の特急は対象外)。

2005年以降に関東地区で急速に普及した女性専用車両においては、小学生以下および身体の不自由な客と、これらの介助を行う客がいずれも男性の場合でも乗車を認める事となった。横浜市営地下鉄も男性客の単独乗車は認めていなかったが、2007年6月14日から認められるようになった。朝ラッシュ時間帯の混雑が激しい首都圏では、ほとんどの鉄道事業者において女性専用車両の設定位置を最前部、あるいは最後部に設ける傾向がある。

なお、前記した概略のうちJR中央線快速電車と西武新宿線は列車運用における都合により、一部の乗り入れ先における設定を廃止した。

2008年3月30日に開業した横浜市営地下鉄グリーンラインは、車両数が少ないことやラッシュ時間でも痴漢が発生するほど混雑しないことから、女性専用車両は設けていない。

一方で、山手線、常磐快速線、東京メトロ銀座線・丸ノ内線など、女性専用車両の導入を見送った路線も少なくない。

また栃木県においてはJR・私鉄ともに唯一女性専用車両の設定路線がない。

東海地方[編集]

東海地方のJR東海や名古屋鉄道では、途中駅での分割併合が頻繁に行われていることから車両の運用の都合上、女性専用車両を設定していない(瀬戸線・小牧線・築港線は4両編成に統一されているが、車両数が少ないため設定されていない。小牧線に関しては豊田線と同様に直通先の名古屋市交通局(上飯田線・鶴舞線)で導入していないのに合わせている)。近畿圏では女性専用車両を設置している近畿日本鉄道においても、名古屋線区の列車には女性専用車両は設置していない。

2023年現在では、名古屋地区で女性専用車両を導入しているのは名古屋市営地下鉄のみである。名古屋 - 栄間で特に混雑の激しい東山線では平日終日、名城線・名港線では平日朝のみ、それぞれ女性専用車両が導入されている。

近畿地方[編集]

関西地区では、京阪電鉄の京阪本線と阪急電鉄の京都本線において、国土交通省の実施した女性専用車両路線拡大モデル調査の対象路線として2002年10月1日からの試行期間を経た上で、同年12月2日より導入された。京阪電鉄では朝ラッシュ時の京都→大阪方面行特急の最後部車両で(その後、女性専用車両導入列車を朝間のK特急に変更し、大阪→京都方面列車の先頭車両にも拡大)、阪急電鉄では京都本線で2ドア車(6300系)を使用する通勤特急・特急の1両を平日のみ終日女性専用車両に設定した。さらに、2008年7月より6300系の置き換えに伴い9300系にも拡大された。その後、2015年3月には宝塚本線、2016年3月には神戸本線においても朝ラッシュ時の通勤特急に限り設定されたが、2022年12月のダイヤ改正で京都本線では終日実施を取りやめ、神宝線に合わせる形で朝ラッシュ時の通勤特急のみでの実施に縮小された。

2003年を境に、JR西日本やほとんどの大手私鉄・市営地下鉄で、朝ラッシュ時の導入が急速に進んだ。このため、関西圏では女性専用車両の普及度が高い。JR西日本とOsaka Metro御堂筋線と神戸市営地下鉄のように終日にわたり設定されている路線も存在し、中でもJR西日本と神戸市営地下鉄の場合「土曜・休日も含め終日指定」となっている(ダイヤ乱れや沿線でプロ野球などのイベントがある場合に解除されることはある)。JR西日本では2011年4月18日より女性専用車両を全日・終日化を実施した(女性の他に小学6年生以下の男児と身体障害者の男性の単独乗車に加え、その介助者が男性の場合でも乗車を認めるようになった)。

一方、阪神なんば線、京阪中之島線、近鉄南大阪線、京都市営地下鉄などのように一切女性専用車両が設定されていない路線もある。JR西日本でも223系などの近郊形を充当する列車には設定を行っていなかったが、2016年7月以降阪和線では設定対象である6両編成の車両について、103系・205系から225系5100番台への置き換えが開始されたため、同社管内では初めて近郊形への設定が行われることになった他、2021年10月2日からは大和路線などの201系置き換えに伴いこれまで対象外だった221系についても6両編成かつ201系で設定対象だった区間に限り設定対象とされた。

京阪電鉄と阪急電鉄は女性専用車両の設定開始時から、女性の他に小学6年生以下の男児と身体障害者の男性の単独乗車に加え、その介助者が男性の場合でも乗車を認めるようになった。

なお、設定対象となる車両や種別の運転区間の縮小により、JR西日本と阪神電鉄では一部区間での実施を取りやめている。

しかし、京阪神地区では、京阪神緩行線に女性専用車両を導入したものの、逆に痴漢が新快速や快速に流れ込む結果となっている。

四国地方[編集]

高松琴平電鉄が2005年(平成17年)の12月2日・9日・16日・22日に一部列車の最後尾車両に試験導入したことがある。

九州地方[編集]

西日本鉄道が朝ラッシュ時の混雑の激しい天神大牟田線の特急・急行で女性専用車両を導入している。2003年5月26日より試行導入ののち、利用者に対しアンケート調査を行い、同年11月4日に正式導入となった。なお、同線の女性専用車両は弱冷房車でもある。

一方、JR九州ならびに福岡市地下鉄では過去に導入を検討したものの見送られ、現時点で導入の予定は無い(JR九州では過去に夜行特急列車において女性専用席が導入されていたことがあるが、列車そのものが廃止された。ドリームにちりんも参照)。また、JR九州の普通・快速列車は列車により両数が異なり、特定の号車を女性専用車両とすることが難しいため、2019年時点で女性専用車両を導入することはないと公式に表明している。福岡市地下鉄の場合、女性専用車両を設定した場合に他の車両の混雑が悪化し乗降遅延をきたすとの懸念や、空港線がJR筑肥線との直通運転を行っていることから、JR九州と足並みをそろえる必要があるとして女性専用車両の導入には否定的な見解を示している。

2020年9月14日から12月28日までの平日朝時間帯の一部の電車において、熊本市交通局(熊本市電)において試験導入され、2021年1月4日以降は「女性優先車両」として本格導入される。路面電車での導入は全国でも初めてとなる。

設定車両での取り組み[編集]

女性専用車両を他の車両と見分けやすくするために、設定車両のみをラッピング広告等の車体広告車としているケースがある。

  • 大阪市高速電気軌道では、御堂筋線の設定車両(6号車)にキユーピー、労働者派遣事業者、無料求人情報誌などのラッピング広告が施されている(施されていない場合もある)。また、2008年1月1日より女性専用車両の座席に広告を付けた車両も登場した。
  • JR東日本は女性専用車両の中づり広告を独占的に利用できる「中づり貸し切り」の販売を2008年度から行っている。

広告の他にも、女性専用車両で以下のような特別な取り組みを行っている。

  • 大阪地下鉄では、30000系のうち御堂筋線用編成において、女性専用車両とその他の車両とでLED照明の色合いを変えている。
  • JR西日本では、大阪環状線・桜島線(JRゆめ咲線)に導入されている323系において、女性専用車両とその他の車両とでLED照明の色合いを変えている。
  • JR東日本の中央線快速・青梅線・五日市線に導入されているE233系は、女性専用車両内及び他の車両の優先席のみ他系列よりも網棚やつり革の高さが低い設計になっている。

実施路線一覧[編集]

鉄道[編集]

  • 時間帯
    • 毎日、終日にわたり実施
    • 平日、終日にわたり実施
    • 平日、朝ラッシュのみ実施
    • 平日夕方及び夜間のみ実施
    • □:その他(一部時間帯のみ、もしくは複数の時間帯)
    • 始発 - 終了時刻と記載している路線は当該時刻をもって一斉終了
  • 男児および障害者の利用
    • ○:男児単独や、障害者・介助者ともに男性である場合も利用可
    • △:男児が女性に同伴される場合と、障害者か介助者の一方が女性である場合のみ利用可
事業者名 路線名 時間帯 使用列車 設定車両 男児および障害者の利用
札幌市交通局

(札幌市営地下鉄)

南北線 平日始発 - 9時 全列車 真駒内寄り先頭車両(1号車)
東西線 編成中央の車両(4号車)
東日本旅客鉄道

(JR東日本) 東京臨海高速鉄道

埼京線・川越線・りんかい線 平日新宿駅を7時30分 - 9時30分に到着する列車とこの間に運転される大崎駅始発のりんかい線内列車 埼京線内上り全列車

※相鉄線直通列車は大崎駅で終了。

新木場・海老名寄り先頭車両(10号車)
平日新宿駅を23時以降(りんかい線内列車は新木場駅を22時30分以降)に発車する列車 埼京線内下り全列車

※相鉄線からの直通列車は実施なし。

相鉄・JR直通線(羽沢横浜国大駅→大崎駅) 平日大崎駅を7時20分 - 9時30分に到着する列車 上り全列車
中央線快速(大月駅→東京駅)・青梅線(青梅駅→立川駅) 平日新宿駅を7時30分 - 9時30分に到着する列車 上り快速・通勤特快

※青梅線内は東京駅行列車のみ実施。

東京寄り先頭車両(1号車)
常磐線各駅停車(取手駅→綾瀬駅) 平日綾瀬駅を7時10分 - 9時30分に発車する東京メトロ千代田線直通電車(千代田線内は代々木上原駅まで、9時30分で一斉終了) 上り全列車 代々木上原寄り先頭車両(1号車)
総武線各駅停車(千葉駅→御茶ノ水駅) 平日錦糸町駅を7時20分 - 9時20分に発車する列車とこの間に運転される津田沼駅始発の東京メトロ東西線直通列車 西行全列車

※東京メトロ東西線直通は大手町駅までの実施で9時で一斉終了。

御茶ノ水寄り先頭車両(10号車)
京浜東北線・根岸線(北行:大船駅→品川駅、南行:大宮駅→東京駅) 平日東京駅・品川駅を7時30分 - 9時30分に到着する列車 全列車

※横浜線直通列車は実施なし。

大船寄り先頭から3両目の車両(3号車)
京王電鉄

東京都交通局 (都営地下鉄) ※

京王線・京王新線・高尾線・相模原線・都営新宿線 東行:平日京王線新宿駅・新線新宿駅を7時30分 - 9時30分に到着する列車

西行:平日本八幡駅を7時15分 - 9時に発車する列車

京王線上り・都営新宿線東行:特急・急行・区間急行(10両編成)

都営新宿線西行:全列車 ※都営新宿線東行では京王線内で実施する10両編成列車のみ実施。 ※都営新宿線西行は新線新宿駅で終了。

進行方向の先頭車両(東行:10号車・西行:1号車)
京王線(京王線新宿駅→調布駅) 平日京王線新宿駅を18時以降に発車する列車 下り特急・急行

※都営新宿線から直通する急行列車は京王線内でも実施対象外。

京王線新宿寄り最後尾(10号車)
都営大江戸線 内回り:平日光が丘駅を7時 - 8時30分に発車する列車

外回り:平日都庁前駅を7時15分 - 8時10分に発車する列車

全列車 光が丘寄り先頭から5両目の車両(4号車)
東京地下鉄

(東京メトロ) 東葉高速鉄道 ※

半蔵門線 平日始発 - 9時30分

B線(渋谷方面)列車は押上駅を9時20分迄に発車する電車

全列車

※B線(渋谷方面)列車は渋谷駅で、東武線直通列車は押上駅で終了。

進行方向の最後尾車両(A線:10号車・B線:1号車)
日比谷線 平日北千住駅を7時30分 - 9時に発車する電車(9時で一斉終了) A線(中目黒方面)列車のみ 北千住寄り最後尾車両(1号車)
千代田線 平日綾瀬駅・代々木上原駅を7時10分 - 9時30分に発車する電車(小田急線・常磐線からの直通電車は当該線内も含む、ともに9時30分で一斉終了) 全列車

※小田急線直通列車は代々木上原駅で、常磐線各駅停車直通列車は綾瀬駅で終了。 ※綾瀬 - 北綾瀬間は10両編成のみ実施。

代々木上原寄り先頭車両(1号車)
東西線・東葉高速線

(東葉勝田台駅→大手町駅)

平日西船橋駅(妙典駅始発を含む)を6時57分 - 8時57分に発車する電車(総武線各駅停車・東葉高速線からの直通電車は当該線内も含む、ともに9時で一斉終了。東葉高速線からの直通電車は9時に西船橋駅に到着する電車まで) B線(中野方面)列車のみ 中野寄り先頭車両(10号車)
有楽町線 平日始発 - 9時30分 A線(新木場方面)列車のみ 和光市寄り先頭車両(1号車)
副都心線 全列車

※B線(和光市方面)列車は池袋駅で終了。

東武鉄道

伊勢崎線・日光線(館林駅・南栗橋駅→北千住駅間) 平日北千住駅を7時30分 - 9時に到着する列車 上り区間急行(8両編成) 館林・南栗橋寄り最後尾車両(1号車)
伊勢崎線・日光線(久喜駅・南栗橋駅→押上駅→渋谷駅 東京メトロ半蔵門線直通列車) 平日押上駅を9時20分迄に到着する列車 上り急行・準急

※東京メトロ半蔵門線渋谷駅で終了。

伊勢崎線(東武動物公園駅→北千住駅→中目黒間 東京メトロ日比谷線直通列車) 平日北千住駅を7時30分 - 9時に到着する列車 上り東京メトロ日比谷線直通列車
東上線(小川町駅→和光市駅・池袋駅) 平日池袋駅を7時20分 - 9時30分に到着する列車及び和光市駅を9時30分迄に到着する東京メトロ有楽町線・副都心線直通列車 上り急行・準急及び東京メトロ有楽町線・副都心線直通列車 小川町寄り最後尾車両(1号車)
野田線 平日始発 - 9時 全列車 柏寄り先頭車両(6号車)
西武鉄道

池袋線(飯能駅→池袋駅)・西武有楽町線 平日池袋駅を7時20分 - 9時30分に到着する列車及び小竹向原駅を9時30分迄に到着・発車する東京メトロ有楽町線・副都心線直通列車 上り快速急行・急行・通勤急行・快速・準急・通勤準急(10両編成)と東京メトロ有楽町線・副都心線直通列車 飯能寄り最後尾車両(1号車)
新宿線・拝島線(本川越駅・拝島駅→西武新宿駅) 平日西武新宿駅を7時20分 - 9時30分に到着する列車 上り急行・通勤急行・準急(10両編成) 西武新宿寄り先頭車両(1号車)
京成電鉄

芝山鉄道 ※

本線・東成田線・芝山鉄道線(芝山千代田駅→東成田駅→京成成田駅→京成上野駅) 平日京成船橋駅を7時20分 - 8時30分に到着する列車 京成上野駅行通勤特急 芝山千代田寄り最後尾車両(1号車)
小田急電鉄

小田原線・江ノ島線・多摩線(小田原駅・藤沢駅・唐木田駅→代々木上原駅・新宿駅) 平日新宿駅を7時30分 - 9時30分に到着する列車及び代々木上原駅を7時10分 - 9時30分に到着・発車する東京メトロ千代田線直通列車 上り快速急行・急行・通勤急行(10両編成)と東京メトロ千代田線直通列車 小田原・藤沢・唐木田寄り最後尾車両(1号車)
東急電鉄

横浜高速鉄道 ※

東横線・みなとみらい線・東急新横浜線 平日始発 - 9時30分 全列車(東急新横浜線内は10両編成のみ) 渋谷寄り先頭車両(1号車)
田園都市線 上り全列車 中央林間寄り最後尾車両(10号車)
首都圏新都市鉄道 つくばエクスプレス線 平日初電 - 9時 上り全列車 つくば寄り先頭車両(1号車)
平日秋葉原駅を18時以降に発車する列車 下り全列車
相模鉄道※ 本線・いずみ野線・相鉄新横浜線 横浜駅行き列車:平日横浜駅を7時 - 9時に到着する列車

JR線直通列車:平日大崎駅を7時20分 - 9時30分に到着する列車 東急東横線直通列車:平日始発 - 9時30分

東急目黒線直通列車を除く上り全列車

※JR線直通列車はJR線大崎駅、東急東横線直通列車は東京メトロ副都心線池袋駅で終了。

横浜駅行き列車・JR線直通列車:海老名・湘南台寄り最後尾車両(10両では10号車、8両では8号車)

東急東横線直通列車:新横浜寄り先頭車両(1号車)

京浜急行電鉄※ 本線・久里浜線 平日横浜駅を7時29分 - 8時26分に発車する列車 品川行特急 品川寄り先頭車両(始発駅→金沢文庫は8号車、金沢文庫→品川は12号車)
横浜市交通局

(横浜市営地下鉄)

ブルーライン 平日始発 - 9時 全列車 湘南台寄り先頭から4両目の車両(4号車)
名古屋市交通局

(名古屋市営地下鉄)

東山線 平日終日 全列車 藤が丘寄り先頭から4両目の車両
名城線・名港線 平日初電 - 9時 全列車 名古屋港・金山から大曽根方面行(名港線、名城線右回り)は先頭から4両目の車両、金山から新瑞橋方面行(名城線左回り)と名古屋港行(名港線)は先頭から3両目の車両
西日本旅客鉄道

(JR西日本)

大阪環状線・桜島線(JRゆめ咲線) 毎日終日 普通(323系8両編成) 内回り方向先頭から4両目の車両(4号車)
片町線(学研都市線)・JR東西線 全列車 大阪駅・北新地駅基準で尼崎寄り先頭から5両目の車両(5号車)
東海道本線・山陽本線(JR京都線・JR神戸線・琵琶湖線)(草津駅 - 加古川駅) 普通(7両編成)
福知山線(JR宝塚線)(尼崎駅 - 篠山口駅) 普通・快速(7両編成)
阪和線 普通・区間快速(6両編成) 和歌山寄り先頭から3両目の車両(3号車)
関西本線(大和路線)・和歌山線(JR難波駅 - 奈良駅・高田駅) 普通・快速(6両編成) JR難波駅・新大阪駅基準で久宝寺・奈良・高田寄り先頭から3両目の車両(3号車)
おおさか東線 普通(6両編成)
阪急電鉄 京都本線 平日朝ラッシュ時 通勤特急(神戸本線は10両編成のみ) 9300系電車(3ドア・クロスシート)の大阪梅田寄り先頭から5両目の車両(5号車)
宝塚本線(川西能勢口駅→大阪梅田駅) 宝塚寄り最後尾車両
神戸本線 神戸三宮寄り先頭車両
京阪電気鉄道 京阪本線・鴨東線 平日始発駅を初電 - 8時50分頃に発車する列車 特急 出町柳寄り先頭車両(1号車)
阪神電気鉄道 本線(御影駅→大阪梅田駅) 平日朝ラッシュ時 区間特急 大阪梅田寄り先頭から4両目の車両
近畿日本鉄道 奈良線 平日大阪難波駅を初電 - 9時30分頃に到着する列車 上り快速急行(10両編成)

※大阪難波駅で終了。

近鉄奈良寄り最後尾車両
南海電気鉄道

泉北高速鉄道

南海本線・空港線(和歌山市駅・関西空港駅→天下茶屋駅) 平日天下茶屋駅を7時20分 - 8時30分に到着する列車 上り急行及び空港急行 4扉車・8両編成の難波寄り先頭から4両目の車両
高野線・泉北高速鉄道線(橋本駅・和泉中央駅→天下茶屋駅) 上り急行及び区間急行
大阪市高速電気軌道

(Osaka Metro) 北大阪急行電鉄

御堂筋線・南北線 平日終日 全列車 なかもず寄り先頭から6両目の車両(6号車)
谷町線 平日初電 - 9時 全列車 八尾南寄り先頭から3両目の車両(3号車)
神戸市交通局

(神戸市営地下鉄)

西神・山手線・北神線 毎日終日 全列車 谷上方面:先頭から3両目の車両

西神中央方面:先頭から4両目の車両

海岸線 三宮・花時計前寄り先頭車両
神戸電鉄 有馬線・三田線・粟生線・神戸高速線 早朝時間帯を除く平日 4両編成の列車 新開地方先頭から3両目の車両
西日本鉄道 天神大牟田線 平日西鉄福岡(天神)駅を7時30分頃 - 9時00分頃に到着する列車 上り急行・特急(7両編成) 大牟田寄り最後尾車両
熊本市交通局

(熊本市電)

熊本市電A系統・B系統 平日の7時頃~9時頃に運転する電車 2両編成の低床電車(9700形・0800形) 進行方向の後方車両
  • ※は2005年5月9日より導入した事業者。
  1. ^ 札幌市営地下鉄では、「女性専用車両」ではなく「女性と子どもの安心車両」と呼称している。
  2. ^ 小学生以下の子供(男女とも)を同伴する男性保護者も利用可。
  3. ^ 一部区間では女性専用車の設定がある編成が使用されない時間帯がある。
  4. ^ 熊本市電では、「女性専用車両」ではなく「女性優先車両」と呼称している。
補足
  • 東武鉄道では2005年6月20日に野田線、同年10月30日に東上線のうち東京メトロ有楽町線直通列車、2008年6月16日に東京メトロ副都心線直通列車、2006年3月27日には伊勢崎線のうち東京メトロ日比谷線直通列車に追加導入した。また、夜行列車においても女性専用車両を追加導入している。
  • 西武鉄道では、2005年10月30日に東京メトロ有楽町線直通列車、2008年6月16日に東京メトロ副都心線直通列車にも追加導入した。なお、2013年3月16日ダイヤ改正で新宿線においては多摩湖線・拝島線萩山駅での連結作業を取りやめたため、同月15日をもって多摩湖線では設定を終了し、同月18日から拝島線に導入した。
  • 東京急行電鉄では、2005年7月25日から東横線に平日の特急・通勤特急・急行の8号車(横浜寄り先頭車両)に終日導入したが、約1年後の2006年7月18日より設定内容を変更し、副都心直通に際して2013年3月18日に再び変更された。詳しくは記事「東急東横線」の「女性専用車両」の項を参照。
  • JR東日本では、2005年9月5日に中央線快速に、2006年5月15日に常磐線各駅停車に、同年11月20日に総武線各駅停車に追加導入した。また、JR東日本は新潟支社においても、「らくらくトレイン長岡」及び「らくらくトレイン村上」において2004年3月13日より6両のうち1両を「レディースカー」として女性専用としていた(いずれも使用車両の485系からE653系への変更に合わせて、実施を取りやめている)。夜行ではない座席定員制の列車としては珍しい取り組みである。
  • 東京メトロでは、2005年10月30日に有楽町線、2006年3月27日に日比谷線、同年5月15日に千代田線に、同年11月20日に東西線に、2008年6月16日に副都心線に追加導入した。いずれの路線も設定位置が先頭車両又は最後部車両となっている。同社は構内の階段が前後にしかない場合が多く、日比谷線のように駅の前後において混雑が激しい事から導入以前より車両更新に伴って一部列車の前後2両を5扉車に変更しており、上述のように混雑平準化との兼ね合いを述べた事もある。
  • 小田急電鉄の列車のうち、箱根登山線箱根湯本駅始発で該当時間に新宿駅に到着するものについては、風祭駅での旅客の乗降が2008年3月14日まで女性専用車両に設定される最後尾車両(1号車)でしかできなかった事から、同線内では女性専用車両の設定はなく、小田原駅からの小田急線内で女性専用車両としていた。同月15日以降は一般車両の箱根登山線内乗り入れは4両編成(7 - 10号車)に限定されたため、女性専用車両の表示がされている車両が箱根登山線内に乗り入れることはなくなっている。
    • 2018年3月16日まで存在した朝ラッシュ時の江ノ島線片瀬江ノ島駅始発新宿行き急行についても、藤沢駅からの実施とされていた。
  • 神戸市交通局(神戸市営地下鉄)海岸線では、編成が4両と短い上に終日設定で導入されているが、元々ラッシュ時でもそれほど混雑しないので最近[いつ?]は特に問題視されていない。但し、沿線でのイベント開催による混雑時には設定を解除しているため、その期間は痴漢対策効果がない。
  • 2006年には、3月20日から東京臨海高速鉄道りんかい線において平日朝のラッシュ時のJR埼京線からの直通列車に加えて平日朝のラッシュ時の大崎駅折り返し列車及び平日深夜の下り列車にも導入、同月27日からは東京メトロ日比谷線並びに東武伊勢崎線からの直通列車にも新たに導入された。そして5月15日からは東京メトロ千代田線と常磐線各駅停車でも導入された他、小田急線でも千代田線直通の準急に追加導入した。同年11月20日からは総武線各駅停車(中央線御茶ノ水以西は未実施)と東京メトロ東西線・東葉高速鉄道東葉高速線に、翌12月11日からは都営新宿線の車両にも設定された。
  • 名古屋市交通局(名古屋市営地下鉄)東山線では、2015年4月1日よりそれまで平日の始発 - 9時と17時 - 21時に設定していたものを平日の終日に拡大した。
  • 相鉄線では、2019年11月までは横浜方から4両目に女性専用車両を設定していたが、新たに直通運転を開始するJR埼京線に合わせて2019年11月30日より設定車両を海老名・湘南台方の先頭車に変更した。この時同時に後述する設定の縮小も行われた。2023年3月18日の東急線との直通運転開始後は、東横線に直通する列車のみ東横線と同じ1号車に変更され、行先により同一方向で設定号車が逆となる初の事例となった。

縮小・廃止[編集]

  • 東急東横線とみなとみらい線は、2005年7月25日から平日の特急・通勤特急・急行に終日導入していたが、菊名駅や元町・中華街駅などにおける問題や終日設定に批判があり、翌2006年7月18日から設定時間帯を平日始発 - 10時と渋谷駅を17時以降に発車する元町・中華街方面行に縮小し、合わせて設定車両も横浜寄り先頭車(8号車)から中程(5号車)に移動した。2013年3月18日からは、16日からの東京メトロ副都心線直通にあわせて設定時間の再縮小を行い、設定車両を渋谷寄りの先頭車(1号車)へと再移動した(ただし、実施列車については各駅停車を含む全列車へ拡大された)。
  • 東京メトロ東西線は、当初は朝のラッシュ時のB線(西船橋→中野方面)全線で女性専用車両を設定していたが、大手町駅での混雑による危険性から、2006年11月29日より同駅までの実施に短縮された。
  • JR中央線快速電車は、2005年9月5日から平日朝の東京駅行き列車に導入し、その際直通運転の関係で青梅線、八高線、富士急行線においても中央線快速直通列車に限り導入されたが、2007年3月17日ダイヤ改正で分割編成が東京方から6両+4両に変更されたため、同月16日をもって4両編成で運転される八高線、青梅線の奥多摩 - 青梅間及び直通先の富士急行線の中央線快速直通列車は設定を終了した。代わって同月19日から6両編成で運転される五日市線の中央線快速直通列車に導入されたが、2022年3月12日ダイヤ改正で五日市線の中央線快速直通列車が運転を終了したため、同月11日をもって五日市線においても設定を終了し、以降10両編成未満で運転される区間での設定はなくなっている。
  • 阪神本線は、平日朝ラッシュ時の上りのみで運転されている区間特急において女性専用車両を設定していたが、2009年3月20日の近鉄線との直通運転開始に伴うダイヤ改正で区間特急の始発駅が三宮駅から青木駅に変更され、実施区間が短縮された。その後、2016年3月19日のダイヤ改正で御影駅始発に延長されている。
  • JR西日本のうち京阪神緩行線系統などでは、7両編成の電車(現在は207系・321系)の5号車を一部区間除き女性専用車両としていたが、2016年3月26日のダイヤ改正で湖西線(山科駅 - 近江舞子駅間)への乗り入れがなくなり、2021年3月13日のダイヤ改正で琵琶湖線においても乗り入れ区間が野洲駅までから草津駅までに短縮されたため、女性専用車両についても当該区間において設定を終了した。
  • 相鉄線は、横浜着7時 - 9時30分と横浜発18時以降の全列車で女性専用車両を設定していたが、JRとの直通運転を開始するにあたり横浜発の列車の混雑緩和が見込まれるとして2019年11月30日より横浜着9時00分以降と夕方の女性専用車両を廃止した。2023年3月18日の東急線との直通運転開始により、東横線に直通する列車においては東横線に合わせる形で始発からに拡大される一方で、直通開始の時点で導入していない目黒線に直通する列車においては相鉄線内においても設定しない形となったため、目黒線直通に置き換えられる列車の分は縮小する形になる。
  • 阪急京都線は、2002年より平日の特急・通勤特急に終日女性専用車両を設定していたが、2022年12月17日のダイヤ改正より特急における取り扱いを廃止した(ただし朝の通勤特急においては継続)。

その他[編集]

「女性専用席」[編集]

  • 特急「サンダーバード」「くろしお」「らくラクはりま」:2007年10月1日より「サンダーバード」・「くろしお」で導入。背景としては、「サンダーバード」車内で強姦事件が発生したことがきっかけとなっている。「らくラクはりま」は2019年の運行開始当初から導入されている。初期の「くろしお」系統(当時は名称統一前)の中、海南・和歌山始発終着の車両には設定されていなかったが、指定席車両の増加(自由席車両の減少)と同時に設定された為、現在は全ての車両に設置されている。2011年9月17日より平成23年台風第12号の影響により「オーシャンアロー」「スーパーくろしお」「くろしお」に設定している女性専用席は中止になったが、同年12月3日に再開した。
  • 特急「WEST EXPRESS 銀河」:2020年9月11日に運転開始。2号車が女性席となっており、車内には女性専用の更衣室やトイレが設置されている。1号車(グリーン車)を利用する男性の通り抜けは可能。

夜行列車[編集]

上記のような通勤列車の他に、夜行列車においても女性専用席・車両が設定される事例がある。これは就寝中の安全とプライバシー確保に配慮したもので、普通車指定席と開放式B寝台が対象となっていたが、夜行列車自体の縮小によりJRの定期列車では設定が無くなっている。

1990年3月に寝台特急「あかつき」(2008年3月廃止)の「レガートシート」(普通車指定席)の一部が女性専用とされたのが始まりである。かつては寝台特急「ゆうづる」「はくつる」などに「レディースカー」と呼ばれるものもあった。

急行「はまなす」のB寝台車・普通車指定席とカーペットカーの一部、快速「ムーンライトえちご」・「ムーンライト信州」の普通車指定席にも女性専用席が設定されていたが、夜行列車自体の廃止により設定も無くなっている。

なお、私鉄では唯一夜行列車を運行する東武鉄道の「尾瀬夜行」「スノーパル」に設定されていた。この2列車は全車両が座席指定制を採用している関係で、1両を女性専用車両に充当していたが、使用車両が500系「リバティ」になってからは一部の運転日を除き設定が無くなっている。

女性専用車席が設置されていた列車
  • まりも…指定席車および寝台車には女性専用席が設置されていた。
  • ドリームにちりん…2号車(指定席車)の一部は女性専用席とされた。
  • あかつき・彗星・なは…レガートシート(指定席車)を連結。
  • あけぼの…1号車(指定席車・レディースゴロンとシート)に連結。
  • いしづち…1号車(指定席車)の一部は女性専用席とされた。2010年設定廃止。
  • らくらくトレイン…「らくらくトレイン信越」は2015年まで、「らくらくトレイン村上」は2014年まで「レディースカー」が設定されていた。

鉄道連絡船[編集]

1988年(昭和63年)まで運航されていた青函連絡船にも「婦人室」があり、グリーン船室と普通船室の両方に備えられていた。

路線バス[編集]

路線バスにも、以下のように「女性専用バス」が設定されている。

  • 南国交通:鹿児島中央駅 - (天文館 - 鹿児島駅 - 早馬 - 上花棚) - 吉田インター前 ※金曜日の最終便のみ。2台運行で前の1台が女性専用車となる。
  • ジェイ・アール北海道バス:「新13」系統(平日朝に新札幌駅行1本)・「新16」系統(同)・「55-1」系統(平日朝にJR札幌駅行き2本)において女性専用バスを運行していた。車内に芳香剤と化粧直し用の鏡を数個設置。運転手は女性が勤めた。女性専用バスの数分後に通常のバスが運行されるダイヤとなっていた。2012年12月1日ダイヤ改正で廃止された。

高速バス[編集]

高速バスの中にも、主に夜行長距離バスにおいてこのような形態のバスを運行している路線がある。高速バスの場合、1車両当たりの定員が少ない事から、1台をそのまま女性専用車として運行される事もある。また、1台の一部を女性専用席としている事もある。

女性専用車[編集]

  • JRバス関東・西日本JRバス:東京駅・新宿駅 - 京都駅・大阪駅「レディースドリーム号」
  • JRバス関東:東京駅 - 水戸駅・常陸太田・勝田(昼行便)
  • JR東海バス:東京 - 名古屋「レディースドリームなごや号」
  • 弘南バス:東京(上野) - 弘前・青森「パンダ号」

以下は時期限定。

  • 小田急バス:東京(新宿) - 秋田「フローラ号」(2001年7月20日 - 8月31日・12月25日 - 2002年1月7日)
  • 京王バス東・神姫バス:東京(新宿・渋谷) - 神戸(三宮)・加古川・姫路「プリンセスロード号」(年末年始、GW、お盆などに運行)
  • 一畑バス・中国JRバス:東京(新木場・東京駅・渋谷) - 松江・出雲「スサノオ号」(年末年始、GW、お盆などに運行)
  • 小田急シティバス・下津井電鉄:東京(新宿) - 津山・真庭(落合)・岡山・倉敷「ルミナス号」
  • 阪急バス・一畑バス・中国JRバス:大阪(梅田・新大阪) - 松江・出雲「くにびき号」(年末年始、GW、お盆などに運行、昼行便)

女性専用席[編集]

  • 京王バス東・フジエクスプレス・富士急山梨バス:東京(新宿) - 河口湖・富士吉田(富士山駅)・山中湖・平野・本栖湖「中央高速バス」(昼行便)
  • 京王バス東・フジエクスプレス・富士急山梨バス:八王子(南大沢)・多摩(多摩センター・聖蹟桜ヶ丘) - 富士吉田(富士山駅)・河口湖「中央高速バス」(昼行便)
  • 京王バス東・フジエクスプレス・富士急山梨バス:東京(新宿) - 富士山三合目・富士山五合目「中央高速バス」(昼行便)
  • 京王バス東・富士急平和観光・山梨交通:東京(新宿) - 甲府「中央高速バス」(昼行便)
  • 京王バス東・山梨交通:東京(新宿) - 南アルプス市・身延「中央高速バス」(昼行便)
  • 山梨交通:東京(新宿) - 北杜(白州)「中央高速バス」(昼行便)
  • 京王バス東・フジエクスプレス・山梨交通・アルピコ交通・JRバス関東:東京(新宿) - 上諏訪・下諏訪・岡谷「中央高速バス」(昼行便)
  • 京王バス東・フジエクスプレス・山梨交通・アルピコ交通・JRバス関東:東京(新宿) - 茅野「中央高速バス」(昼行便)
  • 京王電鉄バス・フジエクスプレス・山梨交通・伊那バス・信南交通:東京(新宿) - 伊那・駒ヶ根「中央高速バス」(昼行便)
  • 京王電鉄バス・フジエクスプレス・アルピコ交通・伊那バス・信南交通:東京(新宿) - 飯田「中央高速バス」(昼行便)
  • 京王電鉄バス・アルピコ交通:東京(新宿) - 松本「中央高速バス」(昼行便)
  • 京王バス東・アルピコ交通:東京(新宿) - 大町・白馬「中央高速バス」(昼行便)
  • 京王バス東・おんたけ交通:東京(新宿) - 塩尻・木曽福島「中央高速バス」(昼行便)
  • 京王電鉄バス・濃飛乗合自動車:東京(新宿) - 高山「中央高速バス」(昼行便)
  • 京王バス東・名鉄バス:東京(新宿) - 中津川・恵那・多治見・名古屋「中央高速バス」「中央道高速バス」(夜行便のみ)
  • 京浜急行バス・日本交通・日ノ丸自動車:東京(品川・浜松町) - 鳥取・倉吉「キャメル号」
  • 京浜急行バス・日本交通・日ノ丸自動車:東京(品川・浜松町) - 米子「キャメル号」
  • 中国JRバス・石見交通:東京(新木場・東京駅・新宿) - 庄原・三次・浜田・益田・津和野「いわみエクスプレス」
  • 中国JRバス:東京(新木場・東京駅・新宿)・横浜 - 赤磐・岡山・倉敷「京浜吉備ドリーム号」 - 4列スタンダードシート(ダブルデッカーの1階部分)に設定(車両検査等によりスーパーハイデッカーで運行する場合は設定なし)。
  • 小田急シティバス・中国JRバス:東京(新木場・東京駅・新宿) - 東広島(西条)・広島「ニューブリーズ号」 - 3列シート(スーパーハイデッカー・ハイデッカー)の最前列3席。
  • 中国JRバス:名古屋 - 米子・松江・出雲「出雲・松江・米子ドリーム名古屋号」
  • 名鉄バス・アルピコ交通:名古屋 - 松本「中央道高速バス」(昼行便)
  • 名鉄バス・アルピコ交通:名古屋 - 長野「中央道高速バス」(昼行便)
  • JR東海バス・中国JRバス:名古屋 - 庄原・三次・広島「セレナーデ号」

都市間ツアーバス[編集]

都市間ツアーバスの中にも、主に夜行長距離バスにおいてこのような形態のバスを運行している路線がある。都市間ツアーバスの場合、1車両当たりの定員が少ない事から、1台をそのまま女性専用車として運行される事もある。また、1台の一部を女性専用席としている事もある。

女性専用車[編集]

  • WILLER TRAVEL:TDR・東京(品川・新宿) - 福島・仙台「WILLER EXPRESS(ボーテ・ボーテ4)」
  • WILLER TRAVEL:TDR・横浜・東京(新宿) - 長岡・燕三条・新潟「WILLER EXPRESS(ボーテ・ボーテ4)」
  • WILLER TRAVEL:TDR・東京(新宿) - 富山・高岡・金沢「WILLER EXPRESS(ボーテ・ボーテ4)」
  • WILLER TRAVEL:TDR・東京(新宿)・横浜 - 名古屋「WILLER EXPRESS(ボーテ・ボーテ4)」
  • WILLER TRAVEL:TDR・東京(新宿)・横浜 - 京都・大阪(梅田・なんば)「WILLER EXPRESS(ボーテ・ボーテ4)」
  • 平成エンタープライズ:志木・東京(新宿・東京駅)・横浜 - 京都・大阪(梅田・なんば)「VIPライナー(プルメリア号)」
  • 平成エンタープライズ:さいたま新都心・東京(新宿・東京駅) - 京都・大阪(梅田・なんば)「VIPライナー(プルメリアグランデ号)」
  • 平成エンタープライズ:さいたま新都心・東京(王子・東京駅)・横浜 - 京都・大阪(梅田)・神戸(三宮)「VIPライナー(プルメリアグランデ号)」
  • 平成エンタープライズ:さいたま新都心・東京(新宿・渋谷) - 京都・大阪(梅田・なんば)「VIPライナー(チェリッシュ号)」
  • 平成エンタープライズ:TDR・東京(東京駅・新宿) - 名古屋「VIPライナー(チェリッシュ号)」
  • オーケー商事:東京(池袋・新宿)・横浜 - 京都・大阪(梅田・天王寺)「ブルーライナー(女性専用車)」
  • さくら観光:TDR・東京(東京駅・新宿・渋谷) - 富山・高岡・金沢「アットライナー(女性専用)」
  • さくら観光:東京(東京駅・新宿・渋谷)・横浜 - 京都・大阪(梅田)「アットライナー(女性専用)」

女性専用席[編集]

  • 平成エンタープライズ:さいたま新都心・東京(東京駅・新宿) - 富山・高岡・金沢「VIPライナー(VIPクラス)」
  • アップオン・ラド観光・グッドアライアンス:東京(新宿)・横浜 - 京都・大阪「夜行バスネットワーク」…ダブルデッカーの2階部分を全て女性専用席に設定

女性専用車両の導入理由と政治活動との関連[編集]

公明党女性委員会/創価学会婦人部による女性専用車両の拡大[編集]

女性専用車両については、公明党公式サイトに「公明党青年局と女性委員会が、急増する痴漢対策として2005年2月から東京を中心に、早期導入を求める署名活動を精力的に展開。3月15日には北側一雄国土交通相(公明党)に会い、7万6000人分の署名簿を添えて要望するなど、世論の盛り上がりを喚起。これを追い風に、迅速な導入を強力に後押ししてきた。」とあるように公明党が女性専用車両の導入に関してかなり積極的な動いている。事実、一斉導入の数年前から公明党の国会議員、地方議員は議会で女性専用車両問題を取り上げており、平成16年9月に公明党の北側一雄が国土交通相に就任するとその翌年3月には「女性等に配慮した車両の導入促進に関する協議会」を発足、その協議会の第1回会合のわずか22日後には首都圏地区の鉄道各社で女性専用車両の一斉導入を表明するといった具合に終始一貫して公明党がかかわっている(なおこの様子は2005年3月28日には公明党機関紙である公明新聞で「女性専用車両、一気に開花!」との見出しで大々的に扱っている)。

さらに、公明党は首都圏に止まらず、導入例の無い名古屋地区や九州などを中心とした地域の鉄道会社にも女性専用車両の導入を要望した。札幌の際には女性への刺傷事件をも女性専用車両導入の動機づけとし、札幌市議会公明党と公明党道本部女性局が地下鉄に女性専用車両を導入するよう求める要望書「安全・安心な地下鉄と女性専用車両の導入に関する要望書」を直接上田文雄市長に手渡した。ここまで急速に女性専用車両の導入を公明党が推し進めていった背景は、選挙における女性票や創価学会の女性信者獲得などが目的だったという意見も多数ある。



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