放送
放送(ほうそう、英: broadcasting, 英: transmission)とは、電気通信を用いて、音声・映像(動画)・文字などで表現された情報を、「1対多」の形で送信すること。
主にラジオ放送およびテレビジョン放送など、1対多の送信を指す。また、有線放送やケーブル放送もあり、近年ではインターネットを用いたインターネット放送も放送の一種と分類することが増えている。
概説[編集]
分類[編集]
- 事業の運営による分類
放送を行う事業体およびその設備全体を放送局というが、運営主体では、民間放送、公共放送、国営放送に分類される。数は民間放送が多い。国営放送はない国も多い。
アメリカでは、ラジオ放送(民間ラジオ放送局)は2024年の統計で、1万5千局以上あり、民間テレビ放送局は2017年の統計で1761局である。大きな公共放送局はないが、en:National Public Radioやen:Public Broadcasting Service(略称:PBS。日本語訳:公共放送サービス)がある。政府や州の交付金、大学などさまざまな組織からの寄付金、広告などを収入源とし、小さな放送局を数多く有するネットワークである。 アメリカ国内向けに放送している国営放送はないが、国外で放送を行うボイス・オブ・アメリカ(VOA、アメリカの声)、ラジオ・フリー・アジア(RFA)、ラジオ・フリー・ヨーロッパ(RFE)、AFNはあり、AFNは世界各地(バーレーン、ベルギー、キューバ、ドイツ、ギリシャ、イタリア、スペイン、トルコ、日本、韓国など)で放送局を持ち、放送を行っている。
イギリスの民間放送で、ライセンスを得ているラジオ放送局の数はおよそ600局。公共放送としては英国放送協会(British Broadcasting Corporation、BBC)があり、ラジオ・テレビの放送を行っている。BBCが運営しているチャンネルはBBC One, BBC Two, BBC Three, BBC Four, BBCスコットランド, BBC iPlayer, CBeebies、CBBCがある。(2030年ころを目処に旧来のラジオ放送などは停止し、インターネットによる情報伝達を事業の中核に据える構想もある。)イギリスでも国営放送はない。
日本の民間放送は、ラジオ放送は総務省の統計(2018年3月末時点、コミュニティ放送局を除く)によれば、日本全国で100局ある。テレビ放送は2022年4月現在、民放地上波放送局は「キー局」「準キー局」「ローカル局(地方局)」「独立局」合わせて127局。公共放送としては、日本放送協会(NHK)と放送大学学園がある。国営放送は存在しない。
- 国内 / 国際 の分類
国内において受信されることを目的とする国内放送と、外国において受信されることを目的とする国際放送、と分類する方法もある。
- 信号の経路による分類
電波を使った放送は、放送局からの信号を地上の中継所などの施設を経由して各家庭に届ける地上波放送と、衛星を経由して各家庭に届ける衛星放送に分類する方法もある。特にテレビ放送でこの分類が頻繁に使われ、この2つに加えて、ケーブルを使う「ケーブルテレビ」という分類が併せて挙げられることも多い。さらに「インターネット放送」(ストリーミング)も並べられることがある。
- 周波数による分類
主にラジオ放送(など)では、電波の周波数で短波放送、中波放送、長波放送などに分類することがある。