手術
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手術(しゅじゅつ、英語: surgical operation)とは、外科的機器やメスなどを用いて患部を切開し、あるいは低侵襲である内視鏡やカテーテル治療など用い、治療的処置を施すこと。通称、略称としてオペとも呼ばれる(独: Operationに由来)。
概説[編集]
手術とは、用手的に創傷あるいは疾患を制御する治療法であり、生体に侵襲を加えるものをいう。手術は外科医師が担当することが多い。体調不良で内科を受診した際に手術が必要になった場合、今後の受診は外科に引き継がれる。
手術の目的[編集]
手術の目的は、病態の制御および失われた機能の回復である。直接的ではなく間接的に治療に繋がる手術もある。
- 切除する[要出典]:病巣を切って取り除く手術が、局所の炎症や腫瘍に対して行われる[要出典]。虫垂炎に対する虫垂切除術、胃癌に対する胃切除術、膵癌に対する膵頭十二指腸切除術や、乳癌に対する乳房切除術など[要出典]。
- 形成する[要出典]:組織や器官の形を整える手術が、障害部位の機能を改善するために行われる[要出典]。狭心症に対する冠動脈バイパス術、鼠径ヘルニアに対するヘルニア根治術など[要出典]。
- 移植する[要出典]:自己もしくは他人から採取した組織・器官を移植する手術が、障害された機能を回復するために行われる[要出典]。慢性腎不全に対する腎移植術、広範囲熱傷に対する植皮術など[要出典]。
- 検査する[要出典]:内視鏡や画像診断などの非侵襲的方法で診断が確定できない場合に行われる。
手術の種類[編集]
- 拡大手術と縮小手術
- 外科医らは「治療成績の向上」などと主張して侵襲の大きい手術を拡大させ続けた歴史がある。しかし1990年代前後あたりから根拠に基づく医療(EBM)の重要性が広く認識されるようになり、予後、手術後の結果を疫学的に(大人数を対象に、客観的に、統計的・科学的に)調査してみると、実際には拡大手術が治療成績の向上に寄与していないことや、反対に身体に害を与えていることも多いことが明らかになり、拡大手術に対する反省の声が挙がった。またQOLが重視されるようになったことや、患者側の意識の高まりもあり、2004年現在では手術は全体として縮小化の流れにある。
- 低侵襲手術
- 内視鏡手術や血管内手術など、従来よりも侵襲の少ない手術のこと。手術用器械の技術的改良の進歩により、従来より安全に手術が行えるようになった。特に心臓病ではカテーテル治療の飛躍的な進歩により、開胸手術を回避しての救命術が一般的となっている。例えばカテーテルで装着する補助人工心臓である「Abiomed Impella(以下インペラ)」が2016年に認可され日本でも2017年9月に保険収載された。2018年1月現在、全国31施設でインペラを用いた治療が可能となり、国立循環器病研究センターの救急救命率は急性心筋梗塞の場合で95%以上にまで引き上げられた。また心房細動に対するカテーテルアブレーション治療は、1998年、高橋淳が日本に初めて導入し、2006年から2017年までの12年間のカテーテルアブレーション総数は横須賀共済病院だけでもすでに1万件を超えている。
- またコンピュータを手術中に活用するコンピュータ支援外科も一部で使われるようになった。鏡視下手術に関しては、体表の切開創こそ小さいものの、手術の内容自体は従来の手術とほぼ変わらないため、本当に低侵襲であるかどうかは議論のあるところである。また(すべての手術に言えることではあるが)たとえ比較的安全な機器や技法が開発されたとしても、それを使う医師がそれに習熟していなければ安全な手術ができるはずもないわけであり、未熟な執刀医による医療事故も発生している。
- ポリープ切除術(ポリペクトミー)
- ポリペクトミーは、内視鏡手術の一つ。胃や大腸などの太い内視鏡が入る消化管にできるポリープ等の隆起性病変を、内視鏡下に切除する手術である。
- 姑息的手術
- 根治が望めない病態において、症状の緩和もしくは延命を目的として行う手術を姑息的手術という。腹腔内のがんによる腸閉塞に対し、食物が通過できるように行うバイパス術などがこれに当たる。
- 単開胸術、単開腹術
- 治療目的で開胸または開腹したものの、病変が思いの外進行しており手術適応がないと判断されたなど、外科的治療を実施することなく手術を終了したものをいう。
- 試験的開胸術
- そもそも治療目的でなく、診断を確定するために開胸・開腹する手術は試験的開胸術、開腹術という。直接的にはまったく治療目的はなく、外科的治療を行うことなく手術を終了することもある。