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(かわ)は、水が流れる細長い地形である。雨として落ちたり地下から湧いたりして地表に存在する水は、重力によってより低い場所へとたどって下っていく。それがつながって細い線状になったものが川である。河川(かせん)ともいう。時期により水の流れない場合があるものもあるが、それも含めて川と呼ばれる。

水流としての河川[編集]

河川の水流は単純なものではなく、川底の地形などによって、二次流、回転流、螺旋状の流れなど様々な流れが発生している。河川には沿岸や河床を削り取った土砂が含まれているが、この土砂は沿岸の土質によって含まれる量が異なり、沿岸がもろい土質だったり森林伐採などにより裸地となっている場合には多量の土砂が含まれ、濁った川の色となる。こうした土砂の運搬は、水流によって砂礫がそのまま機械的に流されていくものと、川の水に溶け込んだ土砂が流されていくものとに分かれる。河川の流速は一般に河川全体の勾配に比例しており、源流の標高が高く河川長が短いほど流速は早くなり、急流となる。一般に日本の河川は勾配がきつく、流速が早い傾向にある。また、河川の最小水量と最大水量の差を河況係数と呼び、この係数が大きいほど渇水期と雨季の流量の差が激しく、治水や利水が困難となる。河況係数は雨季と乾季の明確な区別のある乾燥地帯を流れる河川(ニジェール川など)や、雨季に大量の降水がある上全長が短く降雨が一気に河道に集中しやすい日本の多くの河川において高くなる傾向がある。

水循環[編集]

地球上の水の97%は海水で、陸にある水は3%である。陸水の大部分は、北極・南極に集中する雪や氷と、地下水として存在するので、河川水は地球上の水の0.0001%にしかあたらない。絶えず流れ下りながら尽きることがない川の水は、地球規模の水循環の一部である。

川に流入する水の源は、究極的には雨や雪などの降水である。降水が地表で直接河川に流れ込む以外に、地下水から川に入る水もある。雪や雨は一時的な現象なので、川の持続的な水源は地下水である所が多い。地下水は地表で流れ込むとは限らず、直接川底に湧出するものもある。他に、湖沼から流入したり、寒冷気候では万年雪や氷河に由来する水も入る。人間が利用した後の処理済み・未処理の排水も川に入る。

川からの流出でもっとも見えやすいのは、海や湖沼に流れ込む部分である。他に、表面から蒸発して大気中の水蒸気になったり、川底から染み込んで地下水になったりする。常時流水がなく、降水時以外は水の流れない、いわゆる水無川も存在する。水無川は周囲の降水が少なく水が流れない場合と、河床の土質が水を吸収しやすく、流水を吸い込んでしまう場合が存在する。特に乾燥地帯では蒸発・浸透が大きく、降水時のみ流れたり途中で涸れてしまう川がほとんどを占め、これをワジと呼ぶ。また、とくに石灰岩地域においては、地表から吸い込まれた水が地下の不透水地層にさえぎられて下流へと流れだし、地下に河川が成立する場合がある。こうした場合、しばしば地下河川には鍾乳洞が成立する。川によっては人間に利用される部分も大きい。

流入量と流出量を推計して全体の流れをみたものを水収支という。川においては川そのものの水収支のほかに、流域の水収支に関心が寄せられる。水収支は一年以上の長期をとればほぼ釣り合うが、短い期間の量の増減と収支のバランスは、日々の天気やそれを通じた季節変動に大きく左右される。

水系と流域[編集]

河道は通常1本ではなく樹状構造を取り、本流に各地から集まってきた支流が流れ込む構造となっている。こうした河川の集合を水系と呼ぶ。各水系はその水系に流れ込む水を集める領域(集水域)を持ち、その総合を流域と呼ぶ。各河川の流域は稜線などによってかなり明確に区切られており、その境界を分水界、山岳である場合は分水嶺と呼ぶ。本流と支流の区別は厳格な基準があるわけではなく、本流より長く水量も多い支流は珍しくない。たとえば、世界3位の長さを誇るミシシッピ川は本流よりも支流であるミズーリ川の方が長く、川の長さもミズーリ川の源流からの長さで計算されている。また、支流は本流に流れ込むものであるが、逆に本流から流れ出して海へと注ぐ派川(分流)も存在する。派川は多くの場合下流域に集中して存在し、とくに三角州においては多くみられる。こうした派川によって、三角州に流れ込む川の多くは複数の河口を持つ。

潮汐の影響[編集]

海の河口部においては、流速や水位が潮の干満の影響を受けて変動する区域がある河川がある。こうした河川は感潮河川、影響を受ける区域は感潮域と呼ばれる。感潮域は汽水域となっており、表層の軽い河川水の下に塩分を含んで重い海水が潜り込み、塩水くさびと呼ばれるくさび形の海水の侵入をなす。

干満の差がとくに大きい場合には、満潮の際に海水が段波と呼ばれる垂直壁状の波となって激しく逆流する、海嘯という現象が発生する。特にブラジルのアマゾン川で発生するものはポロロッカと呼ばれ、広く知られている。

地形にもたらす作用[編集]

河道は恒久的な構造ではなく、自然の状態では水の各作用、土壌の侵食・削りだした土砂の運搬・流れが緩やかな部分への土砂の堆積によって数年から数十年(百年以上も)単位で位置を変える場合がある。また、河川はそのできてからの地形の変遷によって、幼年期・青年期・壮年期・老年期に大まかに分類される。まず平原の低いところに水が集まって河道が形成されるのが幼年期である。青年期になると、侵食が進むことで峡谷が形成される。峡谷は水量が多く侵食力の大きい下流の方が深く広くなる。また、同じ理由で渓谷は河口付近に誕生し、時とともに上流へと延びていくこととなる。壮年期に入ると侵食は流域の全域に及ぶようになり、源流である山岳も削られて鋭いものとなる。一方で下流では堆積が進んで平野が広がるようになり、堆積物による三角州も河口には形成されるようになる。老年期になると、侵食作用が著しく進み、山岳はすべて削られつくして準平原が広がるようになる。こうした準平原には山岳のわずかな残りである残丘が点在している。そしてこの準平原が地殻変動などで隆起することによって、再び幼年期からの川の成長が始まる。なお、実際には老年期にまで達する河川はごくわずかで、地球上にあるほとんどの河川は幼年期から壮年期に属する。これは、地殻変動や火山噴火、気候の変化や海面の高さの変化などの様々な要因によって、老年期に達する前に地形の若返りが起こり、そこから再びサイクルが開始されるからであるとされる。こうした川を中心とした地形の変遷は地形輪廻とも呼ばれる。

侵食作用[編集]

川は水を運搬するだけでなく、水流によって川底や川岸の土砂や岩石を削りとり、長期的には峡谷を形成しながら谷を下方へと沈下させてゆく作用を持つ。このような川の作用を侵食作用と呼ぶ。

河川の水源は湧水や泉などが多い。山岳地帯に存在する湧水や泉から河川は始まり、渓流として山岳の斜面を流れ下るうちに各地の水源からの流水を合わせて沢となり、太い流れとなっていく。こうした源流部においては勾配が急であるため河川の侵食作用が激しく、山体は徐々に侵食されていくが、特に侵食がはげしい河川において侵食の先端が他の河川に到達した場合、前者の河川が後者の河川の上流部を丸ごと奪ってしまう場合が存在する。これを河川争奪と呼ぶ。河川争奪が起きた場合、奪った側は流量の増大によって侵食力が大きくなり谷が深くなる一方、奪われた側は、奪われた地点から下流においては流量の低下によって土砂を運搬することができなくなり、残った支流からの土砂が堆積するばかりになるため、広い谷が形成される。また、山岳地帯において侵食は一様ではなく、水流が断崖に出た場合や、河床の地質が固く侵食が食い止められる場合には侵食に段差ができ、この場合水流は滝となって落差をつけ垂直に落下する。

なお、河川は海岸で途切れてしまうわけではなく、海底谷をなして海洋のかなり深くまで地形的に連続していることがある。これは、氷期などによって海面が低下した際に河川がそこまで流れ込んでいたものが、そのまま残されたものである。また、海に流れ込んだ河川の水はしばらくの間周囲の海水とはある程度異なった水塊をなすことが多く、アマゾン川のように非常に水量の多い河川の場合、河口から数百km先においても周囲とは明らかに塩分濃度や成分の違った水塊となっている。

運搬作用[編集]

川によって侵食された粘土や砂礫は、流水に溶解したり、単に流されることによって、より下流へと運搬される。このような川の作用を運搬作用と呼ぶ。

川の下流に堆積する堆積物のうち、特に礫や巨礫などの砕屑物は角が丸くなっているものが多い。これは岩石が砕屑された際には切断面を残し角ばっていたものが、運搬によって徐々に削られて、角が丸くなるためである。

堆積作用[編集]

川が運搬する粘土や砂礫は、勾配の緩やかな下流付近で川の流速が弱くなることにより、その粒径によってふるい分けられながら、徐々に川底や河岸に集積され、堆積物となる。このような川の作用を堆積作用と呼ぶ。

山岳地帯から平野部に河川が流出する地点においては、山岳地帯で流れ込んだ大量の土砂が扇型に広がって堆積し、扇状地を形成する。特に中流域において、地殻変動により地面が隆起した場合、河川が下刻してそれまでの河岸平野を高原上に取り残してしまう場合がある。これは河岸段丘と呼ばれ、段丘という名の通り河道に沿っていくつかの段をなすことが多い。流れのうち、緩やかでよどみがあり深い地点は淵と、浅く急流となっている地点は瀬と呼ばれる。また、堆積物が川の中央部にたまって陸地となることがあり、これを中州という。河川が運んできた堆積物によって河川の下流部には広い平野が形成されることが多く、これを沖積平野と呼ぶ。後述の氾濫原や三角州も、沖積平野の一部である。また、山岳部においても勾配の緩やかな地点においては上流からの土砂が堆積し、しばしば谷底平野が形成される。

河川の増水時に河道から水が氾濫する一帯を氾濫原と呼び、水が得やすく土地が肥沃なため古くから農業に利用されてきたものの、河川が増水した場合には当然本来なら水没してしまうため、それを抑えるために様々な治水が行われてきた地域でもある。氾濫原の河道のそばには河川が運んできた土砂が堆積して微高地をなすことが多く、これを自然堤防と呼ぶ。これに対し、その背後に広がる低地は後背湿地と呼ばれる。なお、人類が堤防を建設して河道を固定した場合、上流から流れてきた土砂は河道の中に限定して堆積するため、河道自体が周辺の平野よりも高くなってしまう場合がある。これを天井川と呼ぶ。特に下流部においては河道は蛇行することも多いが、洪水などでその流れがショートカットされた場合、残された旧河道にはしばしば河道の形の湖が形成される。これを三日月湖と言い、自然の流路変更のほか人間による河川改修によって流路が変更された場合などにおいても形成される。

河口部には上流から流れてきた砂やシルトなどの堆積物が集まりやすく、大型の河川では三角州を形成することが多い。三角州といっても、堆積物の量や注ぎ込む海の状況によって様々な形状があり、海流が弱い場合はミシシッピ川のように海に長く張り出す形を取り、また強い場合はニジェール川のように、河口部では海岸線が膨らむものの直線的な海岸線となる。またガンジス川のように潮汐の影響が強い場合は、三角州のそれぞれの洲は沖合に細長く、また三角州全体では扇形に幅広く広がる。三角州は上流からの肥沃な土が堆積しており、また河川の水も豊富なため、各地で農業開発が進められ、大穀倉地帯となっていることが多い。ガンジス川やメコン川、ナイル川のデルタ地帯がその例である。

種類[編集]

内陸河川[編集]

普通の川は高地を水源とし海洋に注ぎ込むが、内陸河川は海洋に注ぎ込む前に水量が大幅に減って海に注ぐことなく消滅してしまう川である。中華人民共和国内モンゴル自治区の黒河や北アメリカ大陸のグレートベースンが知られている。また、タリム川とロプノールのように海洋ではなく閉鎖された湖沼に注ぎ込むものもある。また砂漠などに水が飲みこまれてしまうものもある。ユーラシア大陸を流れるものの中には2000㎞を超えるものもあるが、多くの内陸河川は海に注ぐ国際河川と比べ短い。

  • アムダリア川(2574km, タジキスタン、アフガニスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタン)
  • シルダリア川(2212km, キルギス、タジキスタン、ウズベキスタン、カザフスタン)
  • タリム川(2030km, 中国)
  • ヴォルガ川(3690km, ロシア)
  • オモ川(760km, エチオピア)
  • シャリ川(949km, 中央アフリカ、チャド)
  • オカヴァンゴ川(1600km, アンゴラ、ナミビア、ボツワナ)- 河口で世界最大級の内陸デルタであるオカバンゴ・デルタを形成する
  • ヘルマンド川(1130km, アフガニスタン、イラン)
  • ワーバートン川(412km, オーストラリア)- グレートアーテジアン盆地を流れエア湖に注ぐ

小川[編集]

川を大きさで言い分けるとき、大きなものを河川(river)、小さなものを小川(stream)と呼ぶこともある。明確な定義はないが、小川と呼ぶものは流量が少ないため川幅が狭く、川底が浅い。小川の形成には主に3つの要素がある。表面流出、湧水、溝渠である。小川は淡水魚だけでなく、水辺に生息する小動物、昆虫、水草、低木などにとって欠かせないものであり、生息地分断化を抑制し生物多様性を保全する上で重要な回廊の役割を担っている。

日本の河川法による分類[編集]

日本は法律である河川法や地方自治体の一部条例で川を国土交通省や各自治体が管理 している。河川は下記のように分類される。

  • 一級河川 - 一級水系内に含まれる河川。国土交通省が管理し、河川法が適用される。
  • 二級河川 - 二級水系内に含まれる河川。都道府県が管理し、河川法が適用される。
  • 準用河川 - 一級河川や二級河川に指定された水系以外で、市町村が管理する河川。河川法が準用されている。
  • 普通河川 - 上記以外の水系のうち、市町村が必要と認めれば条例により管理される河川。河川法の適用を受けない。

これらは治水の難度や整備の重要度から判断され分類される。日本では、河川は水系によって一貫的に管理されている。



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