安城市
安城市(あんじょうし)は、愛知県にある市。
1906年(明治39年)に碧海郡安城村と周辺8村で町制を施行、1952年(昭和27年)に愛知県で13番目に市制を施行した。毎年夏には安城七夕まつりが開催される。
明治時代の明治用水の開通により大規模な開墾が行われ、農業の先進的な取り組みが行われたことから、1920年代から1930年代にかけて、農業先進国のデンマークになぞらえて「日本デンマーク」と呼ばれた。現在は、名古屋市や豊田市の衛星都市であり、自動車工業を中心とする機械工業が盛んである。
2023年時点人口:186,392人。
地名の由来[編集]
地名は安祥→安静→安詳→安城(読みはいずれも「あんじょう」)と変わったという。存覚の『袖日記』によれば、1255年に朝円が親鸞の肖像画を書き、「参河国安城照空房」が所蔵していた。これが「安静御影(安城御影)」と呼ばれることから、既に鎌倉時代初頭には安静(安城・安祥)と呼ばれていたことが分かる。
地名の由来は定かになっていないが、一説には京都の安祥寺の荘園があったからと言われている。
地理[編集]
名古屋市の南東約30kmに位置し、南北に14.7 km、東西に10.0kmの市域を有する。
岡崎平野の中央、矢作川の西岸に位置し、市域の大半を旧藤岡町から三河湾へと続く洪積台地がなだらかな傾斜を描いて縦断している。一方、市南東部は矢作川や矢作古川によって形成された沖積平野が広がっている。そのため、市内の最高標点が27.7m、最低標点が0.5mと高低差は極めて小さい。
河川は猿渡川、高浜川、矢作川の水系から成る。市内には、一級河川が3、二級河川が9、準用河川が29河川ある。市の東には西鹿乗川が流れ、市南東部で鹿乗川と合流する。また、市の各所には明治時代に開削された明治用水の4本の幹線・支線が流れ、それぞれ刈谷市、知立市、西尾市などの近隣都市まで続く。市南西部の碧南市との市境には汽水湖の油ヶ淵があり、長田川や稗田川、朝鮮川などが流れ込む。
市街地は安城駅を中心とする市北部に形成されており、それ以外の地域には集落が点在している。交通は、国道1号や国道23号といった幹線道路が東西を横断し、東海道新幹線や東海道本線・名鉄名古屋本線という県内の東西を結ぶ鉄道路線も通る。
土地利用では、2017年の統計によると、面積86.01 km2のうち、田が31.48 km2と市全体の約40%弱を占め、畑は6.00 km2で約7%になり、市域の半分弱が田畑に利用されていることになる。しかし、近年は宅地の造成が進んでおり、田畑の減少に代わって宅地の土地利用が増えている。宅地面積は23.21 km2で27%を超えている。
本市は旧碧海郡の市(碧海5市)で唯一、他の旧碧海郡の市全てと境を接する。