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天皇

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天皇(てんのう)は、日本国憲法第1条において日本国及び日本国民統合の象徴と規定される地位、またはその地位にある個人。7世紀頃に大王が用いた称号に始まり、歴史的な権能の変遷を経て現在に至っている。

2019年(令和元年)5月1日より在位中の天皇は徳仁(明仁第1皇男子)。

概要[編集]

「てんのう」は、「てんおう」の連声(れんじょう)とされる。古代の日本では、ヤマト王権の首長を「大王」(オオキミ)といったが、天武朝ごろから中央集権国家の君主として「天皇」が用いられるようになった。「天皇」は大和朝廷時代の大王が用いた称号であり、古墳時代以後の奈良時代から平安時代にかけて政治・祭祀の頂点であり、飛鳥時代から奈良時代には天皇の統治権は天照大御神の神勅に由来するという神話を載せた歴史書『記紀』が編纂されたが摂関政治・院政・武家の台頭により政治的実権を失っていった。室町時代には戦乱により多くの祭祀の中断もあったが宮中祭祀が細々と維持された。「江戸時代末に尊王論が盛んとなり、王政復古、帝国憲法における天皇制へとつながった」といわれる。これらの歴史を大日本帝国憲法では「大日本帝国ハ万世一系ノ天皇之ヲ統治ス」(第一条)と規定し、祖宗から受けた大権により「天皇ハ國ノ元首ニシテ統治権ヲ総攬シ此ノ憲法ノ条規ニ依リ之ヲ行フ」(第4条)と規定していた。

「君主」とは伝統的には、国家において特定の1人が主権を保持する場合のその主権者である。また「元首」とは、国の首長ないし対外的に一国を代表する国家機関であり、君主国の元首は君主である。大日本帝国憲法上は、天皇は国の元首であり統治権を総攬(そうらん)すること(第4条)、天皇は神聖不可侵であること(第3条)が規定されていた。

百瀬孝は、「神聖不可侵」とは、天皇の神格化のことではなく、不敬行為を許さぬこと、政治上の責任を負わないこと(天皇無答責)、一般に国法の適応(特に刑事上の責任)を負わないこと、皇位を廃することは不可能であることという4つの法律的内容を持つとし、神聖不可侵性は君主が持つ本来的な性格であり、日本特有のものではなく、国際法上元首には神聖不可侵性が現在でも保証さるべきものとされていると主張する。一方、新田均は「現人神」・「唯一神」・「唯一天皇」・「総帝」・「絶対至尊」といった類の呼称もされ、こうした天皇を全世界・全宇宙の頂点とする価値観は「八紘一宇」・「天皇総帝論」・「唯一の思想的原動力」「国家社会主義」・「純なる日本的世界観」・「大和民族の宿志」・「惟神(かんながら)的世界観」とのように呼称されていたと主張する。

1936年(昭和11年)以前は「皇帝」と「天皇」が併用されていたが、1936年(昭和11年)に「天皇」で統一された。

日本国憲法においては「日本国および日本国民統合の象徴」と規定された。天皇は憲法が限定的に列挙している国事に関する行為(国事行為)のみを行い、国政に関する権能はない(第4条、第6条 - 第7条)。国事行為は国家意思形成に関わらない形式的・儀礼的行為であり、天皇が国事行為を行うには常に内閣の助言と承認が必要であって、内閣は自らの助言と承認に責任を負う(第3条)。天皇は国事行為の責任を負わないと解されるが、民事責任は負う。天皇の刑事責任を免責する明文規定は無いが、摂政はその在任中は訴追されないと定める皇室典範21条から、天皇もその在位中は訴追されないと類推される。

帝国憲法には天皇を元首とする明記があったが、日本国憲法に元首の規定はないため日本の元首について様々な見解がある。象徴天皇を元首とする説、実質的機能を重視し内閣(または内閣総理大臣)を元首とする説、元首は不在とする説等がある。条約締結や外交使節任免および外交関係処理の権限をもつ内閣もしくはそれを代表する内閣総理大臣を元首とする学説が多い。『ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典』によれば、現行憲法下では元首は内閣ないし内閣の代表権をもつ内閣総理大臣ともいえるが、一方で天皇は限定された代表権的機能を持っていて、諸外国からも元首扱いされている。内閣法制局は「日本国憲法においては天皇を元首であるといっても差し支えない」「天皇は限定された意味で、国家元首である」とする一方、最終的には定義によるとしている。

日本国憲法下の天皇が君主に該当するかどうかについても議論がある。伝統的な「君主」は国家における唯一の主権者であり、「君主」は王・帝王・天子・皇帝・きみなどとも言われる。『日本大百科全書』は、天皇は通常の立憲君主の権限は無いとし、『法律用語辞典(第4版)』は、象徴天皇と元首天皇を別としている。また『国史大辞典』は法制上、象徴天皇は君主ではないとしている。一方、佐々木弘道は、象徴天皇制をイギリス型立憲君主制に比して、君主権力がよりいっそう消極的な、日本独特の君主制とする。佐藤功は「国民主権下の君主制」と呼ぶのが適当であろうとしている。清宮四郎はイギリスの君主に比べて権限が制約されているものの、歴史的に見て君主と言ってもあえて誤りというほどのものではないとしている。内閣法制局の見解では「日本は共和制ではないことはまず明らか」「立憲君主制と言っても差しつかえないが、明治憲法下における統治権の総攬者としての天皇をいただくという意味での立憲君主制ではない」としている。

地位[編集]

憲法の規定[編集]

日本国憲法における天皇[編集]

日本国憲法では、「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴」(第1条)「天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ、国政に関する権能を有しない」(第4条)と規定されている(象徴天皇制)。なお天皇を元首や君主とする規定は存在しない。

国籍・日本国民[編集]

天皇も日本国憲法第10条に規定された日本国籍を有する「日本国民」である。研究者による憲法論においては、天皇が「主権者としての国民」「人権享有主体としての国民」に該当するか否かが論じられており、憲法論の皇統譜についての箇に「日本国籍を有するものでも戸籍に記載されない唯一の例外に天皇および皇族がある」という記載がある。記帳所事件における1989年(平成元年)7月19日の東京高裁判決では「天皇といえども日本国籍を有する自然人の一人であって」と判断されている。

裁判権[編集]

刑事裁判権は、皇室典範第21条が「摂政は、その在任中、訴追されない」と規定されており、これは天皇については刑事裁判権が及ばないことを前提にしていると解されている。告訴権については、名誉毀損罪に関する刑法232条2項は、内閣総理大臣が代わって告訴を行うとしており、天皇に告訴権がある事を前提とする。

民事裁判権は、1989年(平成元年)11月20日の記帳所事件における最高裁判決で

天皇は日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であることにかんがみ、天皇には民事裁判権が及ばないものと解するのが相当である。したがって、訴状において天皇を被告とする訴えについては、その訴状を却下すべきものである

とする。

大日本帝国憲法における天皇[編集]

大日本帝国憲法では、天皇は「大日本帝國ハ萬世一系ノ天皇之ヲ統治ス」(第1条)、「天皇ハ國ノ元首ニシテ統治権ヲ総攬シ此ノ憲法ノ条規ニ依リテ之ヲ行フ」(第4条)と規定され(元首かつ君主)、憲法解釈として憲法を絶対主義的に解釈する天皇主権説と立憲主義的に解釈する天皇機関説の争いがあった。



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