大河ドラマ
『大河ドラマ』(たいがドラマ)または『NHK大河ドラマ』は、1963年(昭和38年)から放送されているNHKによる歴史ドラマシリーズの総称。略称は大河。 日本史上実在した人物の生涯を描いた作品や群像劇が多いが、ドラマオリジナルの架空の人物を通して時代そのものを描き出す作品もある。
1984年から1986年にかけて放送された新大型時代劇と2009年から2011年にかけて放送されたスペシャルドラマ『坂の上の雲』についてもこの項で述べる。
概要[編集]
放送形態は1回45分・日曜夜・1年間(50回前後)。
主人公には侍やその周辺の人物が選ばれることが多いが、商人や作家などの作品もある。逆に、後白河天皇・後醍醐天皇・明治天皇などの日本史を語る際に欠かせない歴代天皇は重要な登場人物のひとりとされても、主役に選ばれたケースは60余作で一度もない。
第1作が放送された1963年当時は1月開始ではなく、4月の番組改編期からスタートしていた。
第1作放送開始以来、後述のように変則的な制作や放映クールが採用されたことはあっても枠としての中断はなく、『連続テレビ小説』と並んでNHKひいては日本ドラマの代表格としてメディアなどでも取り上げられ、視聴率の変遷が話題になることも多い。
歴代作品一覧[編集]
- 『麒麟がくる』は14か月間。
主人公:太字=女性。*=架空の人物。()=別名或いは旧姓。
タイトル | 年/月 | 原作 | 脚本 | 時代 | 主人公 | 主演 | 語り | |
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1 | 花の生涯 | 1963/4-12 | 舟橋聖一 | 北条誠 | 幕末 | 井伊直弼 | 尾上松緑 | 小沢栄太郎 |
2 | 赤穂浪士 | 1964 | 大佛次郎 | 村上元三 | 江戸 | 大石内蔵助 | 長谷川一夫 | 竹内三郎 |
3 | 太閤記 | 1965 | 吉川英治 | 茂木草介 | 戦国 - 安土桃山 | 豊臣秀吉 | 緒形拳 | 平光淳之助 |
4 | 源義経 | 1966 | 村上元三 | 村上元三 | 平安 - 源平内乱 | 源義経 | 尾上菊之助 | 小沢寅三 |
5 | 三姉妹 | 1967 | 大佛次郎 | 鈴木尚之 | 幕末 | 永井家 三姉妹(むら・るい・雪)* | 岡田茉莉子
藤村志保 栗原小巻 |
なし
(総集編のみ鈴木瑞穂) |
6 | 竜馬がゆく | 1968 | 司馬遼太郎 | 水木洋子 | 幕末 | 坂本龍馬 | 北大路欣也 | 滝沢修 |
7 | 天と地と | 1969 | 海音寺潮五郎 | 中井多喜夫
須藤出穂 杉山義法 |
戦国 - 安土桃山 | 上杉謙信 | 石坂浩二 | 中村允 |
8 | 樅ノ木は残った | 1970 | 山本周五郎 | 茂木草介 | 江戸 | 原田甲斐 | 平幹二朗 | 和田篤 |
9 | 春の坂道 | 1971 | 山岡荘八 | 杉山義法 | 安土桃山 - 江戸 | 柳生宗矩 | 中村錦之助 | 福島俊夫 |
10 | 新・平家物語 | 1972 | 吉川英治 | 平岩弓枝 | 平安 - 源平内乱 | 平清盛 | 仲代達矢 | 福本義典 |
11 | 国盗り物語 | 1973 | 司馬遼太郎 | 大野靖子 | 戦国 - 安土桃山 | 斎藤道三
織田信長 |
平幹二朗
高橋英樹 |
中西龍 |
12 | 勝海舟 | 1974 | 子母澤寛 | 倉本聰
中沢昭二 |
幕末 | 勝海舟 | 渡哲也
→松方弘樹 |
石野倬 |
13 | 元禄太平記 | 1975 | 南條範夫 | 小野田勇
小幡欣治 土橋成男 |
江戸 | 柳沢吉保 | 石坂浩二 | 福本義典 |
14 | 風と雲と虹と | 1976 | 海音寺潮五郎 | 福田善之 | 平安 | 平将門 | 加藤剛 | 加瀬次男 |
15 | 花神 | 1977 | 司馬遼太郎 | 大野靖子 | 幕末 | 大村益次郎 | 中村梅之助 | 小高昌夫 |
16 | 黄金の日日 | 1978 | 城山三郎 | 市川森一
長坂秀佳 |
戦国 - 安土桃山 | 呂宋助左衛門 | 市川染五郎 | 梶原四郎 |
17 | 草燃える | 1979 | 永井路子 | 中島丈博 | 源平内乱 - 鎌倉 | 源頼朝
北条政子 |
石坂浩二
岩下志麻 |
森本毅郎 |
18 | 獅子の時代 | 1980 | なし | 山田太一 | 幕末 - 明治 | 平沼銑次*
苅谷嘉顕* |
菅原文太
加藤剛 |
和田篤 |
19 | おんな太閤記 | 1981 | なし | 橋田壽賀子 | 戦国 - 江戸 | ねね | 佐久間良子 | 山田誠浩 |
20 | 峠の群像 | 1982 | 堺屋太一 | 冨川元文 | 江戸 | 大石内蔵助 | 緒形拳 | 加賀美幸子 |
21 | 徳川家康 | 1983 | 山岡荘八 | 小山内美江子 | 戦国 - 江戸 | 徳川家康 | 滝田栄 | 館野直光 |
22 | 山河燃ゆ | 1984 | 山崎豊子 | 市川森一
香取俊介 |
昭和 | 天羽賢治*
天羽忠* |
松本幸四郎
西田敏行 |
なし
(総集編のみ和田篤) |
23 | 春の波涛 | 1985 | 杉本苑子 | 中島丈博 | 明治 - 大正 | 川上貞奴 | 松坂慶子 | 柳井恒夫 |
24 | いのち | 1986 | なし | 橋田壽賀子 | 昭和 | 岩田(高原)未希* | 三田佳子 | 奈良岡朋子 |
25 | 独眼竜政宗 | 1987 | 山岡荘八 | ジェームス三木 | 安土桃山 - 江戸 | 伊達政宗 | 渡辺謙 | 葛西聖司 |
26 | 武田信玄 | 1988 | 新田次郎 | 田向正健 | 戦国 | 武田信玄 | 中井貴一 | 若尾文子 |
27 | 春日局 | 1989 | なし | 橋田壽賀子 | 安土桃山 - 江戸 | 春日局(おふく) | 大原麗子 | 奈良岡朋子 |
28 | 翔ぶが如く | 1990 | 司馬遼太郎 | 小山内美江子 | 幕末 - 明治 | 西郷隆盛
大久保利通 |
西田敏行
鹿賀丈史 |
草野大悟(第一部)
田中裕子(第二部) |
29 | 太平記 | 1991 | 吉川英治 | 池端俊策
仲倉重郎 |
鎌倉 - 南北朝 | 足利尊氏 | 真田広之 | 山根基世 |
30 | 信長
KING OF ZIPANGU |
1992 | なし | 田向正健 | 戦国 - 安土桃山 | 織田信長 | 緒形直人 | ランシュー・クリストフ |
31 | 琉球の風
DRAGON SPIRIT |
1993/1-6 | 陳舜臣 | 山田信夫 | 安土桃山 - 江戸 | 楊啓泰* | 東山紀之 | 北林谷栄 |
32 | 炎立つ | 1993/7-1994/3 | 高橋克彦 | 中島丈博 | 平安 - 源平内乱 | 藤原経清
藤原清衡 藤原泰衡 |
渡辺謙
村上弘明 |
寺田農 |
33 | 花の乱 | 1994/4-12 | なし | 市川森一 | 室町 - 戦国 | 日野富子 | 三田佳子 | 三田佳子 |
34 | 八代将軍吉宗 | 1995 | なし | ジェームス三木 | 江戸 | 徳川吉宗 | 西田敏行 | 江守徹 |
35 | 秀吉 | 1996 | 堺屋太一 | 竹山洋 | 戦国 - 安土桃山 | 豊臣秀吉 | 竹中直人 | 宮本隆治 |
36 | 毛利元就 | 1997 | 永井路子 | 内館牧子 | 戦国 | 毛利元就 | 中村橋之助 | 平野啓子 |
37 | 徳川慶喜 | 1998 | 司馬遼太郎 | 田向正健 | 幕末 | 徳川慶喜 | 本木雅弘 | 大原麗子 |
38 | 元禄繚乱 | 1999 | 舟橋聖一 | 中島丈博 | 江戸 | 大石内蔵助 | 中村勘九郎 | 国井雅比古 |
39 | 葵 徳川三代 | 2000 | なし | ジェームス三木 | 安土桃山 - 江戸 | 徳川家康
徳川秀忠 徳川家光 |
津川雅彦
西田敏行 尾上辰之助 |
中村梅雀 |
40 | 北条時宗 | 2001 | 高橋克彦 | 井上由美子 | 鎌倉 | 北条時宗 | 和泉元彌 | 十朱幸代 |
41 | 利家とまつ
〜加賀百万石物語〜 |
2002 | 竹山洋 | 竹山洋 | 戦国 - 江戸 | 前田利家
まつ |
唐沢寿明
松嶋菜々子 |
阿部渉 |
42 | 武蔵
MUSASHI |
2003 | 吉川英治 | 鎌田敏夫 | 江戸 | 宮本武蔵 | 市川新之助 | 橋爪功 |
43 | 新選組! | 2004 | なし | 三谷幸喜 | 幕末 | 近藤勇 | 香取慎吾 | 小寺康雄(アバンタイトル)
沢口靖子(総集編) |
44 | 義経 | 2005 | 宮尾登美子 | 金子成人 | 平安 - 源平内乱 | 源義経 | 滝沢秀明 | 白石加代子 |
45 | 功名が辻 | 2006 | 司馬遼太郎 | 大石静 | 戦国 - 江戸 | 千代山内一豊 | 仲間由紀恵
上川隆也 |
三宅民夫 |
46 | 風林火山 | 2007 | 井上靖 | 大森寿美男 | 戦国 | 山本勘助 | 内野聖陽 | 加賀美幸子 |
47 | 篤姫 | 2008 | 宮尾登美子 | 田渕久美子 | 幕末 | 天璋院(篤姫) | 宮﨑あおい | 奈良岡朋子 |
48 | 天地人 | 2009/1-11 | 火坂雅志 | 小松江里子 | 戦国 - 江戸 | 直江兼続 | 妻夫木聡 | 宮本信子 |
49 | 龍馬伝 | 2010/1-11 | なし | 福田靖 | 幕末 | 坂本龍馬 | 福山雅治 | 香川照之 |
50 | 江
〜姫たちの戦国〜 |
2011/1-11 | 田渕久美子 | 田渕久美子 | 戦国 - 江戸 | 江 | 上野樹里 | 鈴木保奈美 |
51 | 平清盛 | 2012 | なし | 藤本有紀 | 平安 - 源平内乱 | 平清盛 | 松山ケンイチ | 岡田将生 |
52 | 八重の桜 | 2013 | なし | 山本むつみ
吉澤智子 三浦有為子 |
幕末 - 明治 | 新島八重 | 綾瀬はるか | 草笛光子 |
53 | 軍師官兵衛 | 2014 | なし | 前川洋一 | 戦国 - 江戸 | 黒田官兵衛 | 岡田准一 | 藤村志保
→広瀬修子 |
54 | 花燃ゆ | 2015 | なし | 大島里美
宮村優子 金子ありさ 小松江里子 |
幕末 - 明治 | 杉文 | 井上真央 | 池田秀一 |
55 | 真田丸 | 2016 | なし | 三谷幸喜 | 安土桃山 - 江戸 | 真田信繁(幸村) | 堺雅人 | 有働由美子 |
56 | おんな城主 直虎 | 2017 | なし | 森下佳子 | 戦国 - 安土桃山 | 井伊直虎 | 柴咲コウ | 中村梅雀 |
57 | 西郷どん | 2018 | 林真理子 | 中園ミホ | 幕末 - 明治 | 西郷隆盛 | 鈴木亮平 | 西田敏行 |
58 | いだてん
〜東京オリムピック噺〜 |
2019 | なし | 宮藤官九郎 | 明治 - 昭和 | 金栗四三
田畑政治 |
中村勘九郎
阿部サダヲ |
ビートたけし(噺)
森山未來(語り) |
59 | 麒麟がくる | 2020/1-2021/2 | なし | 池端俊策
前川洋一 岩本真耶 河本瑞貴 |
戦国 - 安土桃山 | 明智光秀 | 長谷川博己 | 市川海老蔵
(総集編のみ川口春奈) |
60 | 青天を衝け | 2021/2-12 | なし | 大森美香 | 幕末 - 昭和 | 渋沢栄一 | 吉沢亮 | 守本奈実(総集編のみ高橋美鈴) |
61 | 鎌倉殿の13人
THE 13 LORDS OF THE SHOGUN |
2022 | なし | 三谷幸喜 | 源平内乱 - 鎌倉 | 北条義時 | 小栗旬 | 長澤まさみ |
62 | どうする家康 | 2023 | なし | 古沢良太 | 戦国 - 江戸 | 徳川家康 | 松本潤 | 寺島しのぶ |
63 | 光る君へ | 2024予定 | なし | 大石静 | 平安 | 紫式部 | 吉高由里子 | 伊東敏恵 |
64 | べらぼう
〜蔦重栄華乃夢噺〜 |
2025予定 | なし | 森下佳子 | 江戸 | 蔦屋重三郎 | 横浜流星 |
番組内容[編集]
主人公となる人物の一代記を取ることが多いが、忠臣蔵もの(特に最初の『赤穂浪士』)など、比較的短時日のドラマを1年間かけて描くものも少数ながら存在する。『利家とまつ』や『功名が辻』のような夫婦をダブル主人公とする形式や、『国盗り物語』『草燃える』『炎立つ』『葵 徳川三代』『いだてん〜東京オリムピック噺〜』のように主人公が交代する形式もある。通常は平安時代以降から明治時代までを舞台とするが、『山河燃ゆ』『春の波涛』『いのち』『いだてん〜東京オリムピック噺〜』は近現代を描いている。
草創期は既存の歴史小説を原作としたものが多かったが、『三姉妹』『春の坂道』『黄金の日日』のように大河ドラマ制作のために原作が企画され、書き下ろされることもあった。また複数の小説を原作とすることや、原作にない期間をオリジナル脚本で補うこともしばしば行われていた。完全なオリジナル脚本の作品は18作目の『獅子の時代』が最初である。2010年代以降は2011年の『江』と2018年『西郷どん』を除きオリジナル脚本となっている。これについて『どうする家康』でチーフプロデューサーを務めた磯智明は、2010年以降インターネットとSNSの影響で時代考証に関する質問が増加するようになり、原作が採用している説や描写についても時代考証的に正しいか判断する必要が生まれたこともあり、原作を採用しない方針を取っているとしている。
井伊直弼、原田甲斐、平清盛、平将門、柳沢吉保、北条政子、足利尊氏、日野富子、明智光秀等々、一般的には歴史上ネガティブなイメージを持たれた人物を主人公に据え、新解釈によってその人物の人間的側面を掘り下げて魅力的に描く手法(そういった原作を採用する事)が度々採られてきた。 架空の人物が主人公となることもあるが、『いのち』は主要キャストに歴史上の人物が登場しない異色の作品となった。
演出[編集]
一代記となる形式の場合は、出生から幼少期までを子役が演じ、青年期以降を本役の俳優が演じることが多い。ただし『江』や『鎌倉殿の13人』のように幼年期・少年期を成人した本役の俳優が演じることもある。
「大坂城」や「屋敷門の炎上」、「関ヶ原の戦い」など、過去の作品で使用した場面が何度も使われるケースがある。題材となる人物やテーマに所縁のある地方とタイアップする事も多い。また、歴史上の人物の節目に因んで、テーマが選択される事もある。三谷幸喜が奈良時代の舞台設定を提案するも、戦国時代や江戸時代などのように、衣装やセットを使いまわしできず全部新作しなければならず金がかかると拒否された事例もあり、狭い歴史時代範囲で制作されている。
主人公をヒーロー/ヒロインまたは現代的感覚を持った人物として描こうとするため、その人物の暗い側面に関しての描写が曖昧であったり、歴史学上の定説と離れた演出が加えられることもある。このことに関し、NHK側は「大河ドラマはドキュメンタリーではなくあくまでドラマであり、演出も必要である」と述べている。また、『鎌倉殿の13人』で歴史考証者を務めた坂井孝一は、作業内容は、スタッフに歴史の大枠や特徴は説明して、脚本の不自然な点や言葉をチェックして提言するが、歴史的な厳密さより研究とは別だと製作側のドラマとしての脚本の話の面白さを優先する場合もあるという。なお、『いだてん〜東京オリムピック噺〜』のように、「このドラマは史実を基にしたフィクションです」という注釈テロップが付けられることもある。『徳川慶喜』のように、ドラマでの描写を機に、それまで否定的に見られていた人物の評価が見直されたりする。
名称の由来[編集]
第一作とされている『花の生涯』放送開始時には、「大型時代劇」という名称で呼ばれていたが、同枠のドラマが本数を重ね、さらに次第に歴史ドラマとして注目されるようになると「大型歴史ドラマ」の名称が用いられるようになった。シリーズ15周年を記念して発売された2枚組LPレコード『NHK大型歴史ドラマの15年 花の生涯から花神まで』(ポリドール)のタイトルにもそれが現れている。
一方、第二作の『赤穂浪士』放送直前の1964年(昭和39年)1月5日の読売新聞が『花の生涯』と『赤穂浪士』を「大河小説」になぞらえて「大河ドラマ」と表現し、その後一般でも「大河ドラマ」の名称で呼称されるようになった。1977年(昭和52年)3月、NHKでシリーズ15周年記念番組『大河ドラマの15年』を放送。これがNHKが公式に「大河ドラマ」の名称を用いた最初である。[要出典]レコードや書籍にも「大河ドラマ」の名が使われるようになり、やがて本放送時にも「大河ドラマ」とシリーズ名が明示されるようになった。
なお、 「大河ドラマ」という表記自体が大河ドラマでテロップもしくはそれに準ずる形で初めて登場したのは、第40作『北条時宗』の副音声解説である。テロップではその翌年の第41作『利家とまつ〜加賀百万石物語〜』の冒頭、オープニングタイトルでは、第43作『新選組!』からである。
放送サイクル[編集]
原則1年1作で、1月初回、12月最終回である。初期は年内いっぱいの52回放送していたが、のちに正月3が日と12月下旬は特別番組に枠を譲り、50回放送が典型となった(年末年始2週間は放送休止する計算となる)。2018年以降は、NHKの働き方改革の影響を受け、47回放送となり、特別編の挿入や選挙などの報道特別体制時に番組休止を挟むようになった。
1990年代前半には、大河のスリム化が図られ、放送サイクルが変則的になった。連続テレビ小説と同じ年度別2作品の方式とするべく、第31作『琉球の風』を6か月(1993年1月-6月)、第32作『炎立つ』を9か月(1993年7月-1994年3月)にそれぞれ短縮し、以降は半年ずつの放送サイクルとするはずであった。しかしこの計画が不評だったためか、第33作『花の乱』も9か月(1994年4月-12月)とし、第34作『八代将軍吉宗』(1995年)からは再び1年1作のサイクルに戻った。
第59作『麒麟がくる』は、新型コロナウイルスの影響で制作・放送スケジュールに遅れが生じたため、放送が越年。次回作『青天を衝け』の放送期間が1か月短縮されている。
この他に、第30作『信長 KING OF ZIPANGU』から第33作『花の乱』までの4作品は、NHKの子会社であるNHKエンタープライズに制作が委託されていたが、『八代将軍吉宗』でNHK東京本部の単独制作に復帰した。
出演者[編集]
出演者は、通常のドラマでは主役級の俳優・女優が共演することが多く、これに名脇役と呼ばれる俳優や舞台俳優・歌手・アイドル・お笑い芸人など多彩なキャストも加わるため、普段は見られない顔合わせがよく見られる(このことは連続テレビ小説でも同様に言える)。
番組初期は五社協定により映画会社所属の俳優はテレビ出演が制限されていたため、新劇の俳優や歌舞伎俳優が多く起用された。
第3作『太閤記』では緒形拳、高橋幸治、石坂浩二ら無名の新人俳優が抜擢され、一躍人気スターとなった。
五社協定消滅後も、第16作『黄金の日日』で石川五右衛門と杉谷善住坊を演じた根津甚八と川谷拓三や第21作『徳川家康』で織田信長役を演じた役所広司、第25作『独眼竜政宗』で主演した渡辺謙は番組がきっかけで一躍有名になり、2000年代に入ってからは『北条時宗』に出演した北村一輝、『新選組!』に土方歳三と山南敬介で出演した山本耕史や堺雅人、『真田丸』に出演した高木渉などが、大河ドラマに出演したことをきっかけとして活躍の場を広げることになった。
なお、連続テレビ小説と異なり、同じ俳優が別作品で同一人物を演じる例がしばしば見られる。端役で登場するケースもあるが、同じ役で共演する主要な役では第3作『太閤記』で豊臣秀吉を演じた緒形拳、織田信長を演じた高橋幸治が第16作『黄金の日日』で揃って同じ役を演じ、第11作 『国盗り物語』で徳川家康を演じた寺尾聰と第35作『秀吉』で豊臣秀吉を演じた竹中直人が共に第53作『軍師官兵衛』で同じ役を演じたケースがある。他に同一人物を演じた主要役の例として、織田信長を演じた藤岡弘、(第19作『おんな太閤記』と第27作『春日局』)、徳川家康を演じた津川雅彦(第25作『独眼竜政宗』と第39作『葵 徳川三代』)、滝川一益を演じた段田安則(第35作『秀吉』と第55作『真田丸』)などがある。
また特異な例として、小栗旬が第35作『秀吉』で石田三成の子役、第48作『天地人』で成人後の石田三成を、神木隆之介が第44作『義経』で源義経の少年期である牛若を、第51作『平清盛』で成人後の源義経を演じている。第50作『江』で徳川家康を演じた北大路欣也は、第60作『青天を衝け』では案内役としての徳川家康を演じている。第61作『鎌倉殿の13人』の最終回では、翌年の第62作『どうする家康』の主人公を務める松本潤が、同じ徳川家康役で特別出演している。
2015年の連続テレビ小説『あさが来た』には、第43作『新選組!』で土方歳三を演じた山本耕史が同役で出演している。また五代友厚を演じたディーン・フジオカは2021年に放映された第60作『青天を衝け』で同役を務めている。