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大林組

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株式会社大林組(おおばやしぐみ)は、東京都港区港南に本社を置く、日本の総合建設会社(スーパーゼネコン)である。1892年創業。日経平均株価の構成銘柄の一つ。

概要[編集]

鹿島建設、清水建設、大成建設、竹中工務店とともにスーパーゼネコン5社の一つ。創業以来、永らく竹中工務店、奥村組、錢高組、鴻池組と並び大阪に拠点を置いていたが、2010年、登記上の本店を東京の品川インターシティに移転した。 みどり会・三水会とその後身社長会である水曜会の会員企業であり三和グループに属していると同時に大輪会の会員企業である。

コーポレートメッセージは「make beyond つくるを拓く」である。かつてarchitecture romanだった時期もあった。

基本理念[編集]

企業理念[編集]

「地球に優しい」リーディングカンパニー

企業行動規範[編集]

  1. 社会的使命の達成
  2. 企業倫理の徹底

三箴(さんしん)[編集]

創業以来、受け継がれてきた精神

  • 良く、廉く、速い

沿革[編集]

  • 1892年(明治25年)1月25日 - 大林芳五郎が阿部製紙所の工場建設を受注し、大阪市西区靱南通(現・西区西本町二丁目)にて土木建築請負業、大林店を創業。芳五郎は、1864年(文久3年)海産問屋林徳七の次男として大阪靭永代浜に誕生し、土木建築業見習いを経ての起業であった。
  • 1904年(明治37年) - 店名を大林組に変更。東京事務所を設置。
  • 1905年(明治38年) - 本店を大阪市東区北浜(現・中央区北浜二丁目)に移転。
  • 1906年(明治39年) - 東京事務所を東京支店に昇格。
  • 1909年(明治42年) - 合資会社大林組を設立。
  • 1916年(大正5年) - 大林芳五郎が死去。大林義雄が社務を継承。
    この頃、大阪電気軌道(近畿日本鉄道の母体会社)による生駒トンネル開削工事費用の未支払いが原因で、経営危機に陥る。実業家の片岡直輝の元で、大阪電気軌道とともに支援がなされて再建。
  • 1918年(大正7年)12月 - 株式会社大林組を創立。
  • 1919年(大正8年) - 株式会社大林組に合資会社大林組を合併。本店を大阪市東区京橋(現・中央区北浜東六丁目)に移転。
  • 1924年(大正13年) - 甲子園大運動場(現・阪神甲子園球場)竣工。
  • 1926年(大正15年) - 本店ビル(現・ルポンドシエルビル)竣工。
  • 1931年(昭和6年) - 大阪城天守閣竣工。
  • 1936年(昭和11年) - 株式会社第二大林組を設立。
  • 1937年(昭和12年) - 第二大林組を吸収合併し、商号を株式会社大林組に変更。
  • 1949年(昭和24年) - 建設業法による第1回登録(建設大臣)完了。
  • 1961年(昭和36年) - 東京大林ビル竣工。東京支店を移転。
  • 1970年(昭和45年) - 日本万国博覧会開催、お祭り広場など主要施設を手がける。東京支店を廃し、東京本社を設置。本社機能を移転。本店は引き続き大阪に置く。
  • 1973年(昭和48年) - 大阪初の超高層ビル、大阪大林ビル竣工。本店を移転。
    このビルには国内において希少な存在である、パンタグラフ構造による可動機構を備えるダブルデッキエレベータが設置されている。
  • 1978年(昭和53年) - 広報誌『季刊大林』を創刊。
  • 1990年(平成2年) - CIを導入し、現在のシンボルマークを採用。
  • 1999年(平成11年) - 東京本社を品川インターシティに移転。
  • 2010年(平成22年) - 本店を東京へ移転し、本店を大阪本店に、東京本社を本社にそれぞれ改称。同時に東京本店を設置。
  • 2012年(平成24年) - 東京スカイツリー竣工。
  • 2013年(平成25年) - 大阪本店を大阪市北区中之島三丁目6番32号 ダイビル本館に移転。
  • 2017年(平成29年) - 東京証券取引所一部上場であった大林道路株式会社を完全子会社化。
  • 2023年(令和5年) - 大阪本店を大阪市中央区北浜三丁目5番29号 日本生命淀屋橋ビルに移転。

事業所[編集]

  • 支店 - 札幌、東北(仙台)、横浜、名古屋、北陸(新潟)、神戸、広島、四国(高松)、九州(福岡)、海外
  • 営業所 - 全国64か所
  • 海外拠点 - ロンドン、サンフランシスコ、ホノルル、北京、大連、上海、台北、マニラ、ジャカルタ、ハノイ、ホーチミン、プノンペン、シンガポール、クアラルンプール、バンコク、イスタンブール

創業者[編集]

大林芳五郎(1864-1916)は、大阪市の靱(現在の西区靭本町、江之子島2丁目東部)の永代浜付近で塩及び北海道産干鰯問屋「大徳」を営んでいた大林徳七の三男・由五郎として生まれ、西大組六番小学校で学んだ。同窓の志方勢七、田中市太郎(田中市兵衛長男)、金沢仁作とは長く親交した。1873年に父親が64歳で亡くなり、その妻の美喜子が家業を引き継いだが、7年後に店をたたんだ。11歳で大阪西区の呉服商麹屋又兵衛に奉公にいき、1882年に独立して小売呉服店を始めたが失敗、1883年宮内省出入りの土木建築請負人砂崎庄次郎の見習いとなり、1888年に独立、1892年1月に阿部製紙所工場工事を落札し、建築請負業として開業した。

芳五郎の長男・大林義雄 (1894-1943)は、早稲田大学商科に学び、欧米を遊学、在学中に芳五郎が死去し、1916年に22歳で家督を継ぎ、2代目社長となった。妻は子爵上原勇作の三女。神戸市御影に1932年に建てた邸宅は現存し(現・大林組迎賓館北緯34.72557度 東経135.25053度)、阪神間モダニズムの一例として知られる。洋館は安井武雄、木村得三郎が設計し、和館は西川一草亭(津田青楓の兄)、北村捨次郎が手掛けた。

三代目社長の大林芳郎は芳五郎の長女夫婦の二男。現・代表取締役会長の大林剛郎は芳郎の二男。

歴代社長[編集]

※「大林店」時代を含む

  1. 大林芳五郎(1892年 - 1916年)
  2. 大林義雄(1916年 - 1943年)
  3. 大林芳郎(1943年 - 1989年)
  4. 津室隆夫(1989年 - 1997年)
  5. 向笠愼二(1997年 - 2005年)
  6. 脇村典夫(2005年 - 2007年)
  7. 白石達 (2007年 - 2018年)
  8. 蓮輪賢治(2018年 - )

主な施工物件[編集]

  • 赤坂インターシティAIR(東京都港区、2017年竣工)
  • 明石海峡大橋
  • イオンレイクタウン(埼玉県越谷市)
  • イオン新潟青山ショッピングセンター(新潟市西区)
  • イオンモール幕張新都心(千葉県千葉市)
  • イオンモール和歌山(和歌山県和歌山市)
  • 生駒トンネル・新生駒トンネル(大阪府東大阪市と奈良県生駒市、東大阪線生駒トンネルは旧生駒トンネル再利用部を含む中工区のみ)
  • 大阪梅田ツインタワーズ・ノース(梅田阪急ビル)(大阪市北区、2012年竣工)
  • 梅田スカイビル(大阪市北区)
  • エスコンフィールド北海道(北海道北広島市)
  • ルクアイーレ(大阪府 大阪市北区)
  • 太陽の塔(大阪府吹田市)
  • エクシブ鳥羽(三重県鳥羽市、本館は清水建設とのJV、アネックスは単独)
  • 大阪駅改良・新北ビル開発(大阪市北区、JV代表)
  • 大阪市庁舎(大阪市北区)
  • 大阪城(復興天守)(大阪市中央区)
  • 大阪証券取引所(大阪市中央区北浜、JV代表)
  • 大阪ドーム(大阪市西区、JV代表)
  • 大阪府咲洲庁舎(旧:大阪ワールドトレードセンタービルディング)(大阪市住之江区、JV代表)
  • 表参道ヒルズ(東京都渋谷区)
  • 桂離宮(修復工事、京都市西京区)
  • 関西国際空港(大阪府泉佐野市)
  • カンボジア日本橋(カンボジア)
  • キャナルシティ博多(福岡市博多区)
  • 京都駅ビル(京都市下京区、JV代表)
  • 近鉄森の宮ビル(現NLC森の宮ビル)(大阪市城東区)
  • 熊本城(復興天守)(熊本市中央区)
  • グランフロント大阪(大阪市北区)
  • 神戸空港造成工事(神戸市中央区)
  • コロラドリバー橋(フーバーダムバイパス)(アメリカ合衆国アリゾナ州・ネバダ州)
  • 品川インターシティ(東京都港区)
  • 渋谷ストリーム(東京都渋谷区)
  • 商船三井ビルディング(神戸市中央区)
  • センチュリータワー(東京都文京区)
  • 新宿タカシマヤ・タイムズスクエア(東京都渋谷区、JV代表)
  • 台湾高速鉄道(台湾)
  • TBS赤坂五丁目再開発(東京都港区、JV代表)
  • 東京駅丸の内駅舎(東京都千代田区、赤レンガ駅舎)
  • 東京スカイツリー(東京都墨田区)
  • 東京都アクアライン
  • 東洋紡ビルディング(大阪市北区)
  • ドバイメトロ(アラブ首長国連邦ドバイ)
  • 虎ノ門ヒルズ(東京都港区)
  • なんばパークス(大阪市浪速区、町づくりデザイン/商業棟の施工JV代表)
  • 日本生命淀屋橋ビル(大阪市中央区、2022年竣工)
  • 念佛宗三寶山無量壽寺佛教之王堂(兵庫県加東市 2008年11月竣工)
  • バスタ新宿(東京都渋谷区、JV代表)
  • 阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)
  • 藤田医科大学岡崎医療センター(愛知県岡崎市)
  • ホテルエンパイア(横浜市戸塚区)
  • 丸の内ビルディング(東京都千代田区、JV代表)
  • 牟礼ヶ岡ウインドファーム土木造成工事(鹿児島県鹿児島市)
  • 御崎公園球技場(神戸市兵庫区)
  • 三重県庁舎(三重県津市)
  • ミズノ大阪本社(大阪市住之江区)
  • 三菱UFJ銀行大阪ビル(大阪市中央区)
  • ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(大阪市此花区)
  • 淀屋橋スクエア(大阪市中央区、2009年竣工)
  • 六花の森(北海道中札内村)
  • ららぽーと甲子園(兵庫県西宮市)
  • レゴランドジャパン(愛知県名古屋市港区)
  • 六本木ヒルズ森タワー(東京都港区、鹿島とのJV)

自社の宅地開発[編集]

  • 佐倉そめい野(染井野)
  • 浜甲子園健康住宅地開発(一部)
  • 川西けやき坂(鷹尾山けやき坂)
  • 恵み野開発(恵庭市や鹿島建設他と)
  • 伊豆三井大林分譲地(三井不動産と)
  • 宇都宮市豊郷台住宅地
  • 藤枝清里

関係会社等[編集]

建設事業
  • 大林道路
  • 内外テクノス
  • オーク設備工業
  • 大林ファシリティーズ
  • 相馬環境サービス
  • 洋林建設
不動産・開発事業
  • 大林新星和不動産 - 旧大林不動産と旧新星和不動産を合併させて新設した子会社。2014年10月1日設立。
公益法人
  • 公益財団法人大林財団 - 都市に関する学術研究に対する助成などを実施。1998年9月22日設立。
その他
  • ルポンドシエル
  • オーク情報システム
かつての子会社
  • ハイアットリージェンシー大阪

トピックス[編集]

地熱電力を利用したCO2(二酸化炭素)フリー水素製造事業の可能性を検討[編集]

2018年11月、ニュージーランドのTuaropaki Trust(トゥアロパキ・トラスト)と「ニュージーランドの地熱発電を利用したCO₂フリー水素製造・流通の共同研究」に関する契約を締結。Tuaropaki Trust社所有の地熱発電所の電力を利用する水素製造プラントの建設に着手した。プラント完成(2020年予定)後は、年間100t程度のCO₂フリー水素の製造からニュージーランド国内における流通まで、一連のサプライチェーンの実装研究を実施し、各段階におけるノウハウを蓄積していく予定。

大阪・関西万博と夢洲開発の取り組み[編集]

2025年国際博覧会(万博)の開催地が大阪市夢洲に決定し、同地域における関連施設の建設や交通インフラの整備が見込まれている。大林組は、2018年12月に「大阪万博IR室」(現:「大阪関西万博・IR室」)を設置。2019年4月には、社長直轄の組織として「夢洲開発推進本部」を設置した。

宇宙エレベーター建設構想[編集]

地球と宇宙の間をケーブルでつなぐ「宇宙エレベーター」は、ロケットに比べ、運搬効率が良く、経済的で、環境への影響が少ない輸送手段として期待されている。「宇宙エレベーター」は、理論的には実現可能とされていたものの、地球と宇宙を結ぶケーブルに必要な「軽さ」と「強度」のある素材が存在していなかった。しかし1991年に、軽くて強い素材カーボンナノチューブが発見されたことにより実現可能性が高くなった。 大林組はプロジェクトチームを組織し、宇宙エレベーター建設を構想している。

CM出演者[編集]

提供番組[編集]

  • ニンゲン観察バラエティ モニタリング(TBS系列、2021年4月 - )
  • 帰れマンデー見っけ隊!!(テレビ朝日系列、2021年4月 - )
  • 年末時代劇スペシャル(日本テレビ系列)
  • THEプレゼンター(TBS系列)
  • 江森陽弘のニュースマガジン(土曜日朝の一時期、TBSラジオ系列)

脚注・出典[編集]

  1. ^ コーポレートガバナンス - 株式会社大林組
  2. ^ “株式の状況”. 株式会社大林組. 2022年10月13日閲覧。
  3. ^ 構成銘柄一覧:日経平均株価 Nikkei Inc. 2021年10月8日閲覧。
  4. ^ メンバー会社一覧 - みどり会
  5. ^ 田中彰、「六大企業集団の無機能化: ポストバブル期における企業間ネットワークのオーガナイジング」『同志社商学』 2013年 64巻 5号 p.330-351
  6. ^ 大輪会(だいりんかい)とは - 泉佐野丘陵緑地公式サイト内のページ。
  7. ^ “大林組基本理念”. 大林組. 2020年4月13日閲覧。
  8. ^ a b c d 第一章 明治期大林組70年略史
  9. ^ a b 大林義男『人事興信録』第8版 [昭和3(1928)年7月]
  10. ^ 大林義雄大林組
  11. ^ 31年目の「田園都市」住吉・御影(後編)月刊きんもくせい50+36+24号、2005
  12. ^ 大林芳郎名誉会長逝く大林組
  13. ^ 井上孝成(2000)"エクシブ鳥羽"新建築(新建築社).75(4):188.
  14. ^ “大林組公式サイト - 念佛宗 無量壽寺 佛教之王堂”. 2022年12月12日閲覧。
  15. ^ “Tuaropaki Trustと共同研究契約を締結し、水素製造プラント建設に着手しました”. 大林組 (2018年12月27日). 2020年4月13日閲覧。
  16. ^ “大林組/大阪本店に大阪万博・IR室新設/積極的に参画、夢洲開発貢献へ”. 日刊建設工業新聞 (2018年12月18日). 2020年4月13日閲覧。
  17. ^ “宇宙エレベーター建設構想”. 季刊大林. 大林組. 2020年4月13日閲覧。
  18. ^ リニア入札不正の疑い 大林組役員ら聴取 東京地検 毎日新聞 2017年12月10日
  19. ^ “社長の「暴排」に反発、見せしめ目的で銃撃か 容疑の工藤会系組幹部ら”. 西日本新聞 (2018年11月14日). 2018年11月14日閲覧。
  20. ^ “福岡繁華街銃撃、工藤会系組幹部ら4人逮捕 暴力団排除に反発、ゼネコン標的か”. 産経新聞 (2018年6月29日). 2018年11月14日閲覧。
  21. ^ “東京駅近くの鉄骨落下事故 作業員2人死亡、1人意識不明 支柱の固定不十分だったか”. 産経新聞. 2023年9月19日閲覧。


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